【連載】第一回 これだけは知っておこう!電子帳簿保存法(スキャナ保存)の概要

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本年9月30日から平成28年税制改正により緩和されたスキャナ保存による国税関係書類の電子保存移行の承認申請を管轄する税務当局に提出することが可能となりました。この機会に電子帳簿保存法スキャナ保存についてご紹介します。

実は18年前からあった『電子帳簿保存法』

電子帳簿保存法、実は長い歴史を持つ法律だということをご存知でしたか?施行されたのは約20年前、1998年7月です。
当時、会計業務をコンピュータを利用して処理する企業が増えたことに対して、コンピュータで作成された会計データをそのまま国税関係帳簿書類として利用可能にするために制定されました。これによってすべてが紙媒体だった時代が終わりを迎えます。

その後、政府の情報化推進政策の中でIT基本法(2001)e-文書法(2005)と相次いだ政府関連の書類の電子化を推進する動きの中で、国税関係帳簿書類についても適用範囲の拡大が求められるようになりました。

年表 改

このような背景の中で、自らがコンピュータで作成した帳簿書類だけでなく、相手から受領した国税関係書類についても電子化して保存すべきとの機運が高まり、電子帳簿保存法が2005年に改正され、スキャナ保存(受領した書類をスキャナでスキャンし、電子化情報として保存すること)が認められました。

右の表を見ると、徐々に推移をし、対象範囲が拡大していったことがわかります。

今の電子帳簿保存法へ

この2005年時点では領収書では3万円未満のみ、などスキャナ保存する書類に制限がありました。
そのためスキャナ保存のための投資と、それによって得るコスト削減効果(ROI:Return On Investment)が見合わないとの判断が多く、限定された企業、団体のみで採用される状況が続いていました。

しかし、産業界を中心に更なる規制緩和の要請がなされ、結果として平成27年で上限金額撤廃等、そして平成28年の税制改正で規制緩和がなされました。この改正で対象となる国税関係書類の制限はほぼ撤廃されました。

また書類の制限だけでなくスキャンを行う環境についても改正がなされ、当初の電子認証(電子サイン)等は不要となり、スキャニングする機器としても専用のスキャナ(原稿台のあるスキャニング装置)以外にスマートフォン、デジタルカメラ(原稿台のないスキャニング装置)も認められるようになりました。

これにより、対投資効果(ROI)としても充分にペイできる環境が整いつつあると言えます。
このような状況において、2016年9月30日にスキャナ保存の導入に向けた新たな一歩としての承認申請が開始されました。
これが今回の電子帳簿保存法の改正にあたります。

今の電子帳簿保存法にできること

電子帳簿保存法はこのように推移をし、技術革新とともに徐々に対象範囲や要件が拡大されてきました。
では今の電子帳簿保存法ではどのようなことができるのでしょうか?

最も大きなポイントとして、仕訳帳や領収書などの国税関係書類をスキャナ・電子保存できるという点です。今回の改正によって請求書などもスキャナ保存可能になりました。
これらを電子保存することによって、紙を介する必要がなくなり、ペーパーレスが推進できる他、承認などのやり取りの簡略化、保管コストの削減などさまざまなメリットを見込めます。

もう一点、事務作業を大幅に減らすことが可能です。
紙媒体では必須だったやり取りも、電子帳簿保存を導入することでデータを送るだけでそういった業務が完結するようになりました。特に今回の改正でこのスキャナ作業にデジタルカメラスマートフォンが使えるようになったため、外出からでも経費精算業務が可能になり、従業員の業務負担はぐっと減ったと言えるでしょう。

まとめ

  • 成立は1998年と実は昔からある
  • 以前は要件が厳しく限定された企業、団体でのみ採用されていた
  • 平成28年改正の規制緩和でスマホやデジタルカメラも使用可能に

  • 次回はスキャナ保存(電子帳簿保存)導入に向けて何をすべきかをご紹介します。
    第二回 移行への前準備編についてはコチラ

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