元号改正(令和)でシステム対応や改修はどうなるの?

2019年5月1日、ついに元号が平成から令和となりました。しかし、日々の通常業務に追われている経理担当者の中には、元号改正によるシステムなどの対応がまだ完了していない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では元号改正によるシステムへの影響から、改正に伴い経理が行うべき対応までを説明していきます。主に影響を受ける業種はIT関連ですが、他業種であっても少なからず影響はあります。従ってまずは自部門で使用している書類等を確認して、修正方法の検討を行っていく必要があります。

なお、国や市などへ提出する書類に関しては改元後も平成表記で問題ありません。その他、経理で関係のある主な書類も記載してありますので、こちらの記事を参考に洗い出しを行ってみて下さい。

ちなみに筆者である私は税理士事務所勤務を経て、電子部品メーカーの経理部として3年間働き、経理システム等の管理を経験してきました。組織変更などのシステム改修などを行ってきた経験をふまえて解説していきますので、皆様の参考になるかと思います。

元号改正によるシステムへの影響

元号改正はシステムにどのような影響をもたらすのか、また改元の対応をしないとどうなるのか説明していきます。

改元で影響を受ける業種

改元で主に影響を受けるのは、簡単に言うと業務で和暦を使用している業種です。例えばカレンダーや手帳などに和暦を用いている印刷・出版業者が挙げられます。

また、日本では官公庁・自治体・金融機関などのシステムには和暦が用いられています。そのため、そういった業種はシステムの改修を余儀なくされ、また、システムを作成しているIT業界は大きな影響を受けることになります。

改元対応しないとどうなるのか

もし、改元の対応をしなかった場合、どのような問題が発生するか説明していきます。

問題①人事・会計システムなどの帳票に不具合が起きる

もし改元の対応をしていないままシステムを使用した場合、新元号が正しい日付として認識されなくなってしまいます。例えば会計システムで起票した際、「令和元年5月1日」以降の仕訳を入力することができなくなってしまうことになります。

問題②あらかじめ設定した日付の処理が正しく行われない

電子メール等の予約送信機能を令和の日付で使用した場合、プログラムが上手く作動しないという問題が発生する可能性があります。

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参考文献:鉄道や銀行で進む新元号対応 システム改修延期の動きも

元号改正で経理が行うべき3つの対応

それでは次に元号改正に伴い経理担当者が行うべき対応を説明していきます。対応が完了していない場合はこちらを元に確認するとスムーズかと思います。また、対応完了までどうしても古いフォーマットを使用しなければならない場合、その際の対処方法も次章以降に記載してありますので、ぜひ参考にして下さい。

①影響範囲の把握

まずは対応が必要なシステムや書類の洗い出しを行い、影響範囲の把握をします。具体的には和暦を使用しているものを全て挙げる必要があります。ただ、行政機関等への提出書類は平成表記でも有効となりますので、取り急ぎ対応すべきは会計ソフトや取引先等へ送付する書類になるかと思います。下記に経理に関係のあるシステムや書類を例として記載しましたのでご参考下さい。

参考文献:政府が「令和」改元へ対処方針 行政書類、「平成」での申請も有効に

会計ソフト→「令和」に変更

まず早急に確認するべきなのは会計ソフトです。もし自社独自の会計ソフトを使用している場合、IT部門がすでに対策済のはずです。また、他社の会計ソフトを購入して使用している場合でも、その会社が何らかの対策をしているに違いありませんので、一度ホームページを確認したり、不明点があればサポートセンターに問い合わせたりして下さい。

社外への通知書類等→「令和」に変更

残高証明書や送付状など、社外へ送付している書類のフォーマットで和暦が使用されている場合、令和に変更する必要があります。

行政機関への提出書類→「令和」でも「平成」でもOK

①税関係書類(申告書・申請書)

国税庁のホームページでは税務署への提出書類は平成表記でも有効となっております(例:平成31年6月1日)。また、e-taxで申告する場合でも、民間の会計ソフトの対応が完了していない場合を考慮して、当面の間は平成表記でも正常に送信できるとのことです。国税庁への提出書類関係は急いで改元対応する必要はなさそうですが、いずれ対応していかなければならないことを考えると、早めに対策を考えた方がよさそうです。

参考文献:国税庁HP:新元号に関するお知らせ
参考文献:e-tax:新元号に関するお知らせ(平成31年4月2日)

②源泉所得税納付書

源泉所得税の納付書は、改元前のものをそのまま使用することができます。令和元年であれば、年度欄の部分に「31」と記載します。また、新元号が印字された納付書は、税務署で10月以降に配られるとのことです。

参考文献:改元に伴う源泉所得税の納付書の記載のしかた

③償却資産税申告書

償却資産税の申告書は市町村への提出書類ですので、平成表記でも問題ありません

手形・小切手→「令和」でも「平成」でもOK

一般社団法人全国銀行協会のホームページによると、改元後に改元前の手形や小切手を使用する場合、「平成」の文字を「令和」に修正する必要があるとの記載がありますが、「平成31年」でも「令和元年(もしくは令和1年)」でも問題ないとしています。

参考文献:2019年5月1日の改元および10連休に関する銀行取引の留意点について

FBデータ出力→銀行のホームページで確認

FBデータの表記も改元に伴って変更となります。各銀行が改元後の表記をホームページに掲載しておりますので、確認しておく必要があります。

②修正方針の検討

影響範囲の洗い出しが完了したら、社内でどのように対応していくか検討します。まずは早急に対応が必要なものから順に決めていくとよいでしょう。一度修正した後に再度変更になることは避けたいため、簡単な修正であっても慎重に行います。

いつから変更するのか、変更後のフォーマットで問題はないか、上長はもちろんなるべく多くの人に見てもらった方が、自分では気が付かない指摘を受けることもあるためおすすめです。また、経理でしか使用していないと思っていたフォーマットが実は他部門も使用していた、という場合もあるため注意が必要です。

③修正の実施

検討したスケジュール通りに修正を行います。修正後に思いもしなかった指摘を受けることを避けるため、社内全体で共有しながら進めていくとスムーズに行うことができます。

例えば社内掲示板もしくは経理内の共有フォルダがある場合は修正前後にフォーマットをアップロードするのも一つの手です。今まで各担当者が自分のフォルダにしか所有していなかったという場合は、これを機に1つにまとめておくのもよいかもしれません。

間に合わない場合は訂正印等で修正する

もし対応が間に合わない場合の対処法として、訂正印等で「平成」の表記を修正しましょう。現在インターネットでは二重線と「令和」が一度に押せるスタンプも販売されているため、大量の書類を訂正する際には便利です。

間違えて「平成」と書きかけても「令和」に訂正できる裏技

経理は修正不可の書類を記入することも多いため、日頃から書類の記入には十分に注意しなければなりません。しかし元号改正して間もないと、今までの慣れから誤って「平成」と記入してしまうこともあるかと思います。

そこで現在インターネット上で話題になっているのが、「平成」を途中まで書きかけても「令和」に修正できる裏技です。3画目までに間違いに気付く必要がありますが、もしどうしても修正できない書類を誤ってしまった場合、こういった対処法もあるようです。

参考文献:「平成」と間違えて書いても大丈夫。書道家が教えてくれた「令和」に直す方法が画期的

まとめ

普段何気なく業務を行っていても、和暦表示のものは実はたくさんあります。まずは社外向けの書類で修正が必要なものはないか洗い出しをして、ゆくゆくは行政機関等への提出書類も新元号へ切り替えていきましょう。

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