決算日を過ぎてからの節税対策

 

年度終わって実際確定申告書を作成してみたら、思った以上に利益が出ていた。
いまから税金を減らせる方法はないか。
事業者ならそう思うでしょう。
 
年度が終わってからも税金を減らすことは可能です。もちろんですが合法的に。

※紹介する方法は青色申告者が対象です。
 

1.費用に計上し忘れているものがないかの確認する

 

当たり前のことですが、仕訳帳と領収書を見直しして計上が洩れているものがないかを確認しましょう。以外に漏れていたりするものがあるかもしれません。

 

2.少額減価償却資産として処理が可能か確認する

 
固定資産を消耗品費で処理することが可能になるかもしれません。
通常、取得価額10万円以上のものは減価償却資産になりますが、一定の要件を満たせば取得価額30万円未満のものも、消耗品費として取得年度の全額費用とできます。
 
対象者:一定の中小企業者に該当する青色申告者

(1)資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
ただし、同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が 1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。)に発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている法人及び2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている法人を除きます。
 
(2)資本又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

 

上限金額:適用を受ける事業年度において、取得価額合計300万円まで
(事業年度が1年に満たない場合、300万円を事業年度の月数で月割りした金額)

 

No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5408.htm

 

 

3.一括償却資産として処理が可能か確認する

 

償却期間が短くなることで、年度ごとの費用計上額を増やすことができます。

取得価格が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、減価償却をしないでその使用した年以後3年間の各年分において、その減価償却資産の全部又は特定の一部を一括し、取得価額合計額の3分の1を経費とすることができます。

 

No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5403.htm

 

 

4.特別償却と割増償却が可能な減価償却資産か確認する

 

①生産性向上設備投資促進税制

最新設備を導入することで特別な償却や控除ができる税制です。
 
平成26年1月20日から平成28年3月末日まで「即時償却」または「税額控除5%」
平成28年4月1日から平成29年3月末日まで「特別償却50%」または「税額控除4%」

 

必要なもの

設備メーカーから証明書を取得

 

要件

・最新モデルであること
・生産性が平均1%以上向上していること
・一定の価額以上であること

○機械装置:160万円

○工具及び器具備品:120万円

(単品30万円以上かつ合計120万円)

○建物:120万円

○建物附属設備:120万円

(単品60万円以上かつ合計120万円)

○ソフトウエア:70万円

(単品30万円かつ合計70万円)

 

生産性向上設備投資促進税制
http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo.html
ご利用の手引き(A類型)
http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo/A1.pdf

 

②グリーン投資減税

要件を満たす設備を導入した場合に特別な償却や控除ができる税制です。

 

平成25年4月1日から平成28年3月31日までの期間内に取得等し、その日から1年以内に事業の用に供した場合
取得価額の30%特別償却(一部の対象設備については即時償却)又は7%税額控除(中小企業者等のみ)のいずれかを選択し税制優遇が受けられる制度。

 

グリーン投資減税
http://www.enecho.meti.go.jp/category/others/green_tax/greensite/green/
対象設備
http://www.enecho.meti.go.jp/category/others/green_tax/greensite/green/green-list.html

 

 

5.各種引当金は計上しているか確認する

 

①貸倒引当金

一括評価:売掛金等の残高に対して、5.5%の貸倒引当金を経費として計上できます。

 

個別評価:貸金のうち、貸倒れその他これに類する一定の事由による損失の見込額については、それぞれの事由に応じた限度額までを、貸倒引当金勘定に繰り入れることができます。その際必要経費に算入された金額の計算の基礎となった貸金は一括評価を行う帳簿価額の合計額から除かれます。

 

No.2070 青色申告制度

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm
[4]青色申告の特典-(3)貸倒引当金

 

②返品調整引当金

指定事業を営む青色申告者は返品調整引当金の繰入れを行うことができます。
行う場合、返品調整引当金に関する明細書を添付する必要があります。

 

返品調整引当金に関する明細書

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/1557/30.pdf

 

 

6.家事関連費は計上しているか確認する

 

店舗兼住宅について支払った地代家賃、火災保険料、固定資産税、修繕費、水道料や電気料などのうちに含まれる、店舗にかかる部分は費用とできます。家事分と事業分との区分は、使用面積や点灯時間などの適切な基準によって按分計算します。

 

No.2210 やさしい必要経費の知識
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2210.htm
[3]必要経費に算入する場合の注意事項

 

 

7.棚卸資産の評価減は計上しているか確認する

 

棚卸資産のうち、災害により著しく損傷を受けたり、陳腐化したなどにより①通常の販売価額で販売できないものや、②通常の方法では使用に耐えないものは、年度末現在の処分可能価額で評価することができます

 

 

8.開業前の費用(開業費)は費用化しているか確認する

 

開業前にかかった経費がある場合、それらを費用にすることができます。

通常「個人事業の開業・廃業等届出書」に記載した日が開業費とみなされます。

開業費となるかのどうかは、基本的に事業を始めるためにかかった費用であれば認められます。

5年以内あれば任意の金額(開業費の範囲内)で自由に費用処理することができます。

 

 

9.来期の売上や今期の費用にできるものがないか確認する

 

①売上を来期に繰り延べられるケース

まだ商品などを売り上げていないのに受け取っているお金がある場合、本年度分の収入金額から除いて、前受金で処理することができます。

 

②費用を今期に計上できるケース

本年分の地代家賃などで未払のものは、未払費用として本年分の必要経費にすることができます。

 

要件が厳しいものもありますが、該当するものがあるのであれば、ぜひ見直してみましょう。