事業を営んでいる人なら少しでも税金を減らしたいと考えるでしょう。

節税を考えるならば次の2つの点を押さえておきましょう。

1.申告方法や経理処理方法の違いによる節税

2.事業を計画的に行うことでできる節税

 

1.申告方法や経理処理方法の違いによる節税

代表的な節税方法は「青色申告」による確定申告です。

 

青色申告のメリット

・青色申告特別控除

・青色事業専従者給与

・貸倒引当金

・純損失の繰越し・繰戻し

などがあります。

 

節税をしたいなら、まずは「青色申告」で確定申告することです。
その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署で提出すれば、「青色申告」で確定申告することができるようになります。

 

青色申告制度

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm
「青色申告」の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記によることが原則です。

ただ、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよいことになっていますが、特別控除額が10万円と原則で行った場合の特別控除額65万円に比べるとメリットが小さいです。

55万円の差があると、所得が330万円以下の場合、所得税で5万5,000円程度の差が出ますのでその差は大きいです。書類を作成することは難しいと思うかもしれませんが、会計ソフトを利用すれば青色申告に必要な書類は容易に作成できます。

 

 

2.事業を計画的に行うことでできる節税

節税を行うには、事業の業績をきちんと把握しておくことが重要です。そのためには、毎月経理処理を行うようにしましょう。

 

①税金の決まり方

税金を減らす方法を考える前に、どのように税金が計算されるのかを知っておきましょう。

 

A:収入金額(売上)- 収入から差し引かれる金額(費用)=所得金額

B:所得金額 - 所得から差し引かれる金額(所得控除)= 課税される所得金額

C:課税される所得金額 × 所得税の税率 = 所得税額

D:所得税額 - 所得税額から差し引かれる金額(特別控除・税額控除) = 基準所得税額

E:基準所得税額 × 2.1% = 復興特別所得税額

 

納税額 = D(基準所得税額)+ E(復興特別所得税)

 

以上の式からわかるように、税金を減らす方法は4つです。

A:売上を減らす

A:費用を増やす

B:所得控除を増やす

D:特別控除・税額控除を増やす

 

これらを自分でコントロールすることで計画的に節税を行うことが可能です。
もちろん、計画的といっても勝手に費用と増やしたり売上を減らしたりということではありません。

 

A:売上を減らす

売上を減らすのは、難しくはありません。仕事をしなければいいわけですから。
しかし、節税のために売上を減らすのは本末転倒です。
将来的なステップアップのために、仕事を選ぶのであればいいですが、節税のために考えるべきものではありません。
 
では、売上を減らす方法はないのかというと、『ないことはない』です。
例えば、売上計上基準の見直しです。基準の見直しにより、これまでであれば今期に計上するべきものが、来期に計上ということがおきます。
ただあまりおすすめできるものではありません。
計上基準は継続して同じ基準で処理するのが原則で、変更には合理的に説明ができなければなりません。また税務調査においては、年度末の経理処理を重点的に見られますので、安易な考えてで行うと、のちに痛い目を見るかもしれません。
もしそれでもと考えるのであれば、専門家に相談して行うようにしましょう。

 

A:費用を増やす

最もコントロールがしやすいのが「費用を増やす」ことです。もちろん、何でも費用にできるわけではありません。
費用にできるかどうかの基準は、「事業を営む上で必要な支出」であるかどうかです。
 
商品販売の場合、仕入れた商品と販売した商品が対の関係ですので、売上と費用の関係が明確です。
しかし、中には売上との関係が明確でない費用もあります。これを費用として処理するためには、きちんと説明できるかどうかです。

そのためには、費用が発生したときに逐次と記録をしておくことです。

確定申告の時期になって、いざ処理をしようと思ったときに、なぜ発生した費用なのかをわからないということにならないようにしましょう。また最初に取り上げたように、青色申告で確定申告することによって、認められる費用があります。

・青色事業専従者給与

・貸倒引当金

・減価償却費の特別償却と割増償却

・家事関連費の損金繰り入れ

・棚卸資産の評価減

 

B:所得控除を増やす

所得控除は節税の効果は高いですが、コントロールできることは多くはありません。
その中でコントロールがしやすいものを紹介しておきましょう。

 

・寄付金控除

最近話題の「ふるさと納税」は寄付金控除であり、コントロールがしやすくお徳な所得控除です。

 

・小規模企業共済等掛金控除

毎月1,000~70,000円の範囲で自由に掛金を設定でき、全額所得控除にできます。もちろんデメリットもありますので、自己判断で行ってください。

 

D:特別控除・税額控除を増やす

住宅ローン控除が最もポピュラーです。その他にも耐震改修した場合や、バリアフリー改修や省エネ改修した場合など、一定の要件を満たした場合に得られる控除があります。住宅に関わるものが多いですね。

 

②毎月経理処理を行うことの意味

節税を考える上で知っておきたい税金計算について紹介しました。
ただこれらの節税対策は、利益の出ていない状況では意味がありません。

期中のその時点においてどれだけ利益が出ていて、最終的な課税所得を予測できれば、どのような節税対策が適切なのかがわかります。もし今年は課税所得が多くなりそうだなと予想されるのであれば、将来を見据えてセミナーに通うなり、設備に投資を行うなり、といった判断が可能となります。ふるさと納税を行うといった判断もあるでしょう。
またその都度、経理処理を行うことで、どのような目的で利用した費用なのかを忘れずに記録しておくことができますので、漏れなく費用を計上することができます。そのためにも毎月経理処理を行うことが大切なのです。

 

毎月経理処理を行うのは手間と思う人は多いでしょう。しかし、会計ソフトと経理精算システムを利用すれば、楽に経理処理を行うことができます。

 

具体的な処理方法はこちらの記事をご覧ください。

記事「フリーランスが最速で確定申告を行う方法」

確定申告書まで作成する必要はありませんが、やるべきことは基本的に同じです。

 

経理処理をルーチン化させて、無理なく手間なく事業把握し、事業をどのように経営していくかを考えるのと合わせて節税を考えるようにしましょう。