―貴社の事業内容について教えてください
当社は主に自動車メーカーのTier1として自動車部品製造を行っています。部品以外にも、金型や設備なども開発・設計・製作しております。
―TOKIUMインボイスの検討を始めたきっかけを教えてください
法改正(インボイス制度・電子帳簿保存法)への対応がきっかけです。初めはシステム導入せず、対応しようと思っていました。しかし、インボイス制度は登録番号の照合、電帳法であればデータの保存要件などを遵守できているかを確認する必要があり、そういった作業に価値はないと感じていました。システムを導入することで作業は削減でき、法改正があった場合でも、アップデートされることからシステムの導入を検討しました。
また、TOKIUMインボイスのようなクラウドサービス・料金設定であれば、弊社の初期費用を抑えることができることのメリットがありました。
―TOKIUMインボイス導入前の請求書管理で大変だったことはなんですか?
当社は毎月500枚ほど請求書を受領しています。その受領方法は郵送やメール、FAXなどさまざまです。請求書の保管業務は大変です。お取引先様ごとにコードがあり、請求書に4桁の数字を記載し、それを番号順に並べてファイリングしていました。こうした作業は、非常に時間がかかり無駄を感じていました。
請求書の申請・承認時に、担当部署で請求書が滞留してしまうことが稀にありました。それは、支払漏れ(遅延)につながるリスクがあります。支払漏れはお客様の資金繰りにも直接影響するため、絶対にあってはならないことです。実際、あるはずの請求書が経理に届いていない場合、請求書を誰が持っているのか社内で探さなければなりません。担当部署や各工場などに連絡をして、請求書が見つからなかった場合は、結局再発行をお願いすることもあります。このような請求書を探す手間や無駄な再発行のためのお願いなど、無駄なやり取りはなくしたいと考えていました。
―TOKIUMインボイスを選定した理由について教えてください
システムを検討する中でTOKIUMインボイスともう一社が選定先として残りました。どちらもサービス内容は似ており、料金体系も大きな差はありませんでした。最後の決め手となったのは、将来的な拡張性です。TOKIUMは、TOKIUMインボイス以外にも領収書の電子保存に対応している「TOKIUM経費精算」や国税関係書類をデータ化して一元管理できる「TOKIUM電子帳簿保存」といったサービスも展開しているので、拡張性の高さがありました。TOKIUMは将来的に経理部門全体の効率化を見越した際に費用対効果が高いという判断になりました。
さまざまな形式の請求書を受領代行してくれることも選定理由になりました。弊社は請求書を郵送だけでなくメールや専用サイトからのダウンロード、FAXでも受領しています。お取引先様が今までの送付方法を変更せずに済むことは、経理部門・購買部門のみならず、お取引先様にとっても負担の少ないという側面で重要でした。
さらに、TOKIUMインボイスが受領代行した請求書原本は、TOKIUM側で保管してもらえます。請求書の受け取りから保管まで任せられることは、課題であった請求書の管理工数削減につながると思いました。比較していた他社にもオプションで保管機能がありましたが、TOKIUMは標準サービスで対応できるところもメリットを実感できた点です。
―現状どのくらいの請求書をTOKIUMインボイスに切り替えていますか?
運用開始から5か月くらいですが、TOKIUMインボイスへの切り替えが95%程完了しております。
―うまく運用に乗っているようですが、その効果について教えてください
請求書1枚あたりに対する申請者・承認者それぞれの業務時間が短縮できました。さらに、経理担当者も請求書の処理時間は、現時点で、支払時の金額突合やファイリングを合わせ、毎月9時間ほど削減できています。以前は 22時間ほどこれらの作業に時間を取られていましたが13時間程度に削減できました。
また承認フローが電子化し、TOKIUMインボイス上で請求書の承認段階を確認して連絡を取ることができるので、請求書の回覧が遅延したり、請求書が担当部署で滞留したりしてしまう問題は改善されました。
―TOKIUMインボイスで過去の請求書を簡単に見られる点はいかがですか?
過去の請求書を閲覧したい場合や会計監査や税務調査で提出を求められる時などはTOKIUMインボイスで検索すればすぐに探せるのでとても便利です。
今までは過去の請求書を倉庫まで探しに行き、たくさんのファイルの中から目的の請求書を引っ張り出していました。TOKIUMインボイスはさまざまな検索方法を機能としてもっているので、簡単に検索・印刷できるのはとても便利です。
―テレワークはできるようになりましたか?
以前はテレワーク時でも請求書は社外持ち出し禁止であり、テレワークで可能な業務の範囲が限られていました。
しかし、クラウドシステムであるTOKIUMインボイスを導入してからは、最初からデータとして請求書が届くようになり、オフィスに出社しなくても仕訳の入力や請求金額の突合ができるようになりました。請求書に関する処理で出社しなければ業務が止まる、ということはなくなってきております。又、申請側もネット環境さえつながっていれば、申請できるので、出張中でも申請できて良いという声も上がっています。
―目指す経理部門について教えてください
将来を見据えてみると、これからはシステム導入による業務効率化に積極的に取り組まなければ世の中に遅れをとってしまいます。システムを導入するのが目的ではなく、導入前に設定しためざす姿に対し、どこまでそれが実現しているかをチェックすることが重要です。また、設定した姿に達していない場合、どうすれば達成できるのかを日々模索してPDCAを回していかなければなりません。
今回の取り組みはほんの一例に過ぎません。まだまだ課題は山積みです。システムをフル活用することで現状のハンド作業をオートメーション化し、数字を分析する時間をさらに確保していき、数字を集計したものをただ報告することに留まらず、社内で何をすべきかを提案できる組織にしていきたいと思っております。経理部門の機能を高め経営に参与することで、従業員の働き甲斐や働き心地を高めることができると信じています。
【取材日:2023年3月30日】