— 御社の事業内容について教えてください
当社は日本石油輸送(JOT)グループとして、石油・LNG・化成品などの物流を半世紀以上にわたって担ってきた物流企業グループです。鉄道輸送と自動車輸送を組み合わせた複合一貫輸送を軸に、お客様のニーズに応える高品質な物流サービスの提供に取り組んでいます。主な事業は、石油輸送、高圧ガス輸送、化成品輸送、コンテナ輸送、資産運用(不動産)などです。
— TOKIUM契約管理の導入前に経理部門で感じられていた課題について教えてください
2024年9月の企業会計基準委員会による新リース会計基準の公表を受けて、経理部門では契約管理システムの導入が急務となりました。
適用開始に向けた準備として、社内の契約書の集約とリースに該当するかどうかの精査があげられます。
しかし、社内の契約書は紙やPDFで各部署に散在しており、全国にも拠点を持つ当社では、事務所・駐車場・社宅などの不動産賃借契約も数多く存在します。
そのため、全社の契約書の集約・確認作業は、各部署の大きな負担となることが予想されました。
さらに、リースの定義の変更により、契約書に「リース」と明記されていなくてもリースとして扱われる「実質リース」という概念が生まれました。
これにより、リースに該当する可能性の判断が一段と複雑になり、見落としを防ぐためには会計基準に関する知識を持っている経理部での判断が不可欠になります。結果として、適用後も経理部門の業務量の大幅な増加が懸念されていました。
— TOKIUM契約管理の導入前に総務部門で感じられていた課題について教えてください
本社オフィスのリニューアルの検討にあたり、書類保管スペースを大幅に削減する必要がありました。空間を最大限に活用するため、特にペーパーレス化の推進は会社にとって大きな課題となっていました。
また、契約書管理の面も大きな課題がありました。当社の事業は石油輸送、高圧ガス輸送、化成品輸送など多岐にわたり、取引先も数百社に上ります。各事業部門に契約書管理を任せているため、法務審査時に必要な契約書が見つかりにくかったり、過去の契約書管理が不十分で更新漏れが発生したりすることもありました。特に、担当者交代時の引継ぎ不足も要因と考えられ、人による管理の限界を感じていました。
— TOKIUM契約管理を選定した決め手を教えてください。
原本のスキャン代行から保管までをワンストップで任せられる点が大きな決め手になりました。オフィスのリニューアルに伴い、書類をゼロに近づけるには、データ化に加えて、過去の契約書を含めて原本保管も委託できるサービスが不可欠でした。一方で、原本の保管まで代行していただけるサービスを提供する会社は限られていました。TOKIUMは保管まで代行していただけるので、大きな安心感があります。
また、すでに当社では、TOKIUMインボイスを導入していますが、TOKIUMインボイスの従業員マスタをTOKIUM契約管理に同期が可能で、導入時やその後のメンテナンス作業にかかる工数も削減できます。さらに、画面や操作性も類似していることから、現場へのスムーズな浸透が期待できる点も決め手になりました。
AIによる識別サポート機能が、経理部門の業務効率化とリスク低減に貢献することも決め手の一つになっています。
新リース会計基準への対応において、契約書一件ごとの精査とリースに該当するか否かの正確な判断は不可欠であり、誤りがあった場合には、財務諸表の修正や決算発表の遅延といった大きな問題につながりかねません。
TOKIUM契約管理に標準搭載されているAIによる識別サポート機能によって、継続的に発生する契約書の確認作業の効率化に加えて、見落としによるリスクなどを大幅に軽減できる点にも大きな魅力を感じました。
— 「TOKIUM契約管理」の導入によって、どのような効果が期待されますか
過去に締結した契約書のスキャン作業だけでも、約1,000時間以上の削減を見込んでいます。スキャンに加えてファイリングなどの作業も含めると、契約書1通あたりに約10分の作業時間が発生します。締結済みの契約書は8,000件以上あるため、少なく見積もっても約1,000時間以上の削減が期待できます。
また、新規契約締結に伴う作業時間も年間で100時間以上が削減することになります。
さらに、AIによる識別サポート機能により、確認作業の時間効率化だけでなく、見落としによるリスクも回避できます。
また、契約書をシステム上で一元管理できるため、自動更新契約の失念や期限切れのリスクを最小限に抑えられます。昨今の人件費や原材料費の高騰の影響のなか、適正な運賃や料金の収受に向けた対応に際し、最新の契約内容をすぐに確認できる環境は、業務効率の向上に直結すると考えられます。
以上の効果により、全社の契約管理に関する業務負担が軽減されることで、業務効率化と業務品質の向上を同時に実現できると期待しています。
— 今後どのような総務部門、経理部門を目指したいとお考えでしょうか。
総務部としては、「TOKIUM契約管理」の導入によって、ペーパーレス化を実現する目処がたちました。その上で2つの点に焦点をあてていきたいと思います。
1つ目が、今後契約管理をいかに契約審査のプロセスにつなげていくか。人手と目視チェックによる確認漏れのリスクを、システムのチェック機能によって削減していきたいですね。
2つ目が、将来的には契約書自体の電子化や電子契約書の締結に対応することです。
— 経理部門としてはいかがでしょうか。
生産性の向上を実現できると考えています。そうして生み出された時間を新たな価値を創出すことに投下していきたいですね。より高度な分析や戦略的な提案など「本質的な業務」に注力していきたいと思います。
— 本日はありがとうございました。
【取材日:2025年4月】