— 貴社の事業内容を教えてください
当社はOAや自動車関連(EVを含む)の部品の製造販売を行っている会社で、コア技術はやわらかい素材を高精度で加工するソフトプレスです。子会社が20社ほどあり、中国や東南アジア、欧米など世界各地に拠点があります。
— TOKIUMインボイスの検討を始めたきっかけについて教えてください
これまで紙をベースにした作業が多く、会社全体として電子化を進めるという話が立ち上がっていました。そのような中でオフィスを移転することになり、以前と比べて紙の保管スペースが半分に減ることとなりました。オフィスで保管していたすべての請求書は持っていけないことに加え、時代の流れとしても紙での保管を減らす傾向にあるため、今後受け取る紙の請求書をどう保管していくか対応策を考える必要がありました。
また、当時は、電子で届いた領収書も紙に印刷して処理を行っていましたが、電子帳簿保存法の改正により、「データで届いた帳票は紙で保存してはいけない」というルールができたため、電子化を加速させる必要がありました。
— 当時の請求書処理業務において、どのような点に課題を感じていましたか
請求書処理業務で一番負担に感じていたのが、請求書のファイリングと保管でした。ファイリングは1か月に一度、請求書関係以外の伝票も含めて、すべて終えるのに1日以上かかっていました。保管に関しても、一定期間を過ぎたものは外部倉庫に送っていたため、倉庫に送った請求書を探す際は苦労していました。社員から倉庫に送った請求書の税額や商品名などの詳細を尋ねられた時には、経理では多くの手間が発生していました。
以前は Excel などを利用して手入力でデータを作り、手動で会計システムに取り込んでいました。手作業だとどうしても間違いがあって、データをうまく取り込めないことがあります。その場合は、会計システムのヘルプデスクに問い合わせたり、社内のメンバーに原因を探ってもらったりするなど、無駄な時間が発生していました。一件のエラーを処理するだけで一時間ほどかかることもありました。
— TOKIUMインボイスの決め手について教えてください
いくつかの会社で比較する中で、TOKIUMインボイスでは原紙を保管してもらえる安心感があるという理由でTOKIUMインボイスを導入することにしました。
— システムの導入はスムーズに進みましたか
かなりスムーズでした。CSVのカスタマイズもTOKIUMの導入サポート担当者が伴走してくれました。取引先変更も含め、導入時にいろいろと対応していただいて助かりました。おかげさまで会計システムとの連携もCSVデータを取り込むだけで順調に行えています。
— TOKIUMインボイスの効果について教えてください
請求書の原本をTOKIUMが代わりに受け取るので、これまでと比べて紙の総量が半分になりました。まだ当社宛てに紙で届く請求書もありますが、自社でTOKIUMインボイスにアップロードし、紙原本はTOKIUMに送っているので、ほぼ100%ペーパーレス化しています。
経理側の作業も前よりはやくなりました。担当者はぱっと見て承認作業が進められるので、申請の承認は1分以内で終わるようになりました。承認状況がクラウド上で一目でわかるので、誤りがあれば事前に指摘できる点が便利です。
また、現場の社員から過去の請求書処理を確認された時に、すぐに請求書を出せるようになりました。これまでは社内書庫を確認する場合でも30分以上、外部倉庫に保管されている場合は取り寄せに数日かかることもありましたが、今はTOKIUMインボイスの画面上で該当の請求書を検索できるため、5分もかかりません。すぐに見たい請求書を出せるそのスピード感がTOKIUMインボイスの魅力のひとつです。
さらに、コロナ禍の状況においても経理部は請求書関連の業務のために出社せざるを得ない状況でしたが、TOKIUMインボイス導入により在宅勤務も可能になりました。
もちろん現場の社員の作業も効率化されています。通常の申請であれば、数十秒で終わるようになりました。TOKIUMインボイスを導入したことで、経理部としても現場の社員としてもすごく助かっています。
— 目指す経理部像について教えてください
TOKIUMインボイスに限らず様々なものをシステム化した結果、従来と比較して業務が効率化されています。よってこれからは、システムに任せられるところはシステムで行い、人だからこそできる重要な仕事に時間を割いていこうと考えています。
従来の経理業務は、実績の集計や管理に多くの手間と時間がかかっていましたし、内容も経理部内で完結する仕事が多かったのですが、システム化によって、管理会計や分析にあてられる時間が増えたため、現在は営業や製造など会社全体に役立つような分析をすることにも時間をあてられるようになってきています。
会社がシステム化に予算を投じてくれた分も、その期待に応えられるよう対応していきたいと考えています。システム化によって生まれた時間を利用して、会社全体及び各部門に必要な情報を提供し、積極的に発信できる経理部を目指していきたいと思っています。
【取材日:2023年6月13日】