

— 御社の事業内容について教えてください。
当社は1951年に創立した、福岡を拠点とする総合不動産会社です。賃貸管理・賃貸仲介・売買仲介・資産活用提案を主軸に事業を展開しており、管理戸数は約4万5,000戸(2025年10月時点)にのぼります。
また、「超・不動産宣言」をスローガンに掲げ、不動産の枠を超えた事業展開にも力を入れています。相続相談や投資信託などの金融商品も取り扱い、数年前には信託会社「三好スマイル信託」を設立し、お客様の資産形成を多角的に支える体制を整えてきました。さらに、近年は開発事業にも注力しており、ホテルと賃貸住宅を融合させた木造ハイブリッド物件「THE NINE STATES HOTEL TOJINMACHI」を手掛けるなど、新しい不動産のかたちに挑戦しています。
— TOKIUMインボイスを導入された背景を教えてください。
きっかけは電帳法への対応です。TOKIUMインボイスを導入する以前にも別の請求書受領システムを使っていましたが、郵送やFAXなどには対応していなかったため、紙で届く請求書と電子で届く請求書が混在していました。結果として、別々のシステムで管理する必要があり、二重管理の手間が発生していました。当社は、福岡県内の店舗を中心に20を超える拠点を抱えており、本社経理が処理する請求書は年間約1万件にのぼります。電帳法対応を機に、紙も電子も含めて1つのシステムで受領から処理までできる仕組みに切り替えたいと考えていたところ、展示会でTOKIUMインボイスの存在を知りました。
— 最終的にTOKIUMインボイスを選んだ決め手は何でしたか。
最大の決め手は、郵送やFAX、ダウンロード形式など、あらゆる形式の請求書を受領できることです。これによって長年の課題だった二重管理を解消できると考えました。
UIが分かりやすく直感的に操作できることに加えて、Excelのインポートや過去に入力した明細情報を再利用できる機能など、自社の経理業務に必要な機能が充実していたことも後押しになりました。
— TOKIUMインボイスを導入したことで、どのような効果が出ましたか。
請求書受領のフローが一本化されたことで、「紙の場合はこう処理する」といった例外ルールがなくなり、社内周知や運用がシンプルになりました。これを機に電子化にも踏み切れて、当社のペーパーレス化を前進させる大きなターニングポイントになったと感じています。加えて、社内便の受け取りや郵便物の開封・仕分け、突合作業がほぼなくなり、月に約20時間の工数削減も実現できました。
— それでも残っていた課題は何でしたか。
明細入力です。現場の申請者には、仕訳に加えて、用途や稟議番号などを記載してもらう運用にしていました。ただ、入力する場所を間違えたり、不要に長い文章を入れてしまったりとルールが徹底できず、毎回経理担当者が手作業で修正する状態が続いていました。当社は人事異動が多いため、新任の担当者が来るたびに入力ルールを一から説明する必要があり、終わりのない指導と修正のループに陥っていました。

— 明細入力の課題に対して、どのようなことに取り組んでいたのでしょうか。
当社では以前からRPAを活用しており、経理担当者がExcelに修正内容を書き出し、RPAがTOKIUMインボイスに転記する仕組みを採用していました。ただ、RPAは決まったルールでしか動かないため、システムやフォーマットのアップデートのたびに調整が必要で、根本的な解決には至っていませんでした。「RPAでは限界がある、AIならうまくいくのではないか」と考えていたものの、自分たちで一から作るのは難しいと感じていたところに、TOKIUM AI明細入力のご案内をいただきました。
— TOKIUM AI明細入力を導入した決め手を教えてください。
最大の決め手は、ユーザーが修正した内容をAIが自動で学習し、次回以降の入力内容に反映してくれる点です。私たちが頭を悩ませていた明細入力のばらつきを、使いながら解消していけると感じました。
また、明細の入力は現場担当者にとても大きな負担になっていたため、ここをAIに任せられれば社内全体の業務効率化につながるという期待もありました。
さらに、運用に向けて実演してもらった際に動作イメージが明確に掴め、「これなら大きな設定の手間もなくすぐに取り入れられる」と確信できました。大掛かりなシステム開発や長い準備期間を必要とせず、気軽に始められる手軽さは、スピード感をもって業務改革を進めたい当社にとって魅力的でした。

— AI明細入力の導入効果を教えてください。
一部の部署での試験運用を経て、不動産業の繁忙期が落ち着いた5月末から全社展開を開始しました。経理部内でも実際に活用しています。具体的な手応えとして、電力会社など口座振替の請求書では、摘要欄に「何月分」と正確に入るようになってきました。以前は「前月分」とした定型文を使い回していましたが、月次ごとに正しい摘要を学習させたところ、思った以上にAIが応えてくれている印象です。
全社展開が本格的に軌道に乗れば、さらに大きな効果が期待できます。当社が年間に処理する請求書は約1万件、明細行に直すと約2万5,000行にのぼります。これらをすべてAIで自動化できれば、年間で約450時間の削減ができる見込みです。
— 定性面についてはいかがでしょうか。
経理担当者だけでなく、申請者や承認者など請求書処理に関わる担当者の負担が軽減されつつあることに、大きな期待を寄せています。これまでは申請者が一件ずつ明細を入力していたところを、AIがほぼ自動で正しく入れてくれる状態に近づいており、明細行の少ない請求書なら、基本的には確認するだけで済むようになっています。
さらに、これまでは人事異動の多さから慣れない新任者が入力した内容を承認者や経理が手作業で修正するという属人的な体制になっていましたが、AIが一定の品質で返してくれたものを確認するという体制にシフトできた点も、組織として非常に大きな成果だと感じています。

— どのような経理部門を目指したいとお考えでしょうか。展望をお聞かせください。
単純作業に費やしていた時間を極限まで減らし、その分「違和感に気づく時間」や「経営に役立つデータの中身を考える時間」を創出したいです。これからの経理はデータから経営の意思決定を支援する「ビジネスパートナー」としての役割を担うべきだと考えています。そのためにも、AI活用を含めたさらなる業務改革を進めたいと思っています。
また、そうやって創出した時間を業務だけでなく社内のコミュニケーションにも使っていきたいです。AIに任せられる業務が増える時代だからこそ、人と人とのコミュニケーションを重視して、人に寄り添った組織を目指しています。
— 本日は貴重なお話をありがとうございました。
【取材日:2026年5月】