

ー 御社の事業内容について教えてください。
当社は1989年の設立以来、カラオケボックスチェーン「カラオケBanBan」の運営を中心に、ダーツ・ビリヤードなどのアミューズメント施設やインドアゴルフスクール「アローズ」を全国で展開してきました。
2024年2月のGENDAグループ入りを機に、店舗数を急速に増やしており、2026年4月時点でカラオケBanBanを中心に463店舗(2026年4月時点)を運営しています。さらなる事業拡大のため、今後も出店を強化していく方針です。
ー TOKIUMインボイスを導入された背景を教えてください。
カラオケ事業では、店舗ごとに発生する家賃や光熱費に加え、エアコンなど設備の故障に伴う修繕費の請求書が頻繁に届きます。それらすべてを合わせると、本社経理が処理する請求書は月に1,000件以上にのぼります。以前はそのほぼすべてが紙で届いており、月次決算のたびに本社のあちこちの部署を回って請求書を集めるのが習慣になっていました。
TOKIUMインボイスを導入する前にも別の請求書受領システムを使っていましたが、電子化できたのは全体の100件ほどにとどまり、十分に活用できていませんでした。当社に届く請求書の大半は店舗の家賃に関するものですが、そのシステムでは取引先にログインして請求書をシステムに登録してもらう必要があり、その対応を負担に感じる取引先も多く、なかなか電子化が進みませんでした。
そのため、取引先に負担をかけずに請求書の受領とデータ化ができるシステムを改めて探し始めました。
加えて、上場企業である株式会社GENDAのグループ企業となったことで、月次決算のスピードを落とせなくなりました。店舗拡大とともに請求書件数も増え続けるなか、請求書処理のデジタル化は経理部にとって待ったなしの課題でした。
ー 最終的にTOKIUMインボイスを選んだ決め手は何でしたか。
最大の決め手は、紙・郵送・FAX・ダウンロードなど、あらゆる形式の請求書をTOKIUMが代行して受領してくれることです。送付先をTOKIUMに切り替えてもらうだけで電子化が進むため、取引先側の運用を変えてもらう必要がありません。請求書の大半を占める物件オーナーに負担をかけずに電子化を進められる点が、当社にとって決定打でした。
加えて、土日や年末年始も含めて365日データ化が止まらない点も大きなポイントでした。当社のカラオケ事業は土日も店舗が稼働しているため、経理が休んでいる間もTOKIUM側で受領・データ化を進めてもらえることは、月次決算のスピードを担保するうえで欠かせない条件でした。

ー TOKIUMインボイスを導入したことで、どのような効果が出ましたか。
最も大きいのは、郵便物の開封作業と、社内に散らばった請求書を探し集める業務がほとんどなくなったことです。以前は社員の机に請求書が置かれたままになることもあり、月次決算のたびに経理担当者が本社内を回って請求書を集める必要がありました。現在は各部署の担当者がTOKIUMインボイス上で支払処理まで完結するため、こうした業務は発生していません。
土日や年末年始もTOKIUM側で請求書の受領・データ化が止まらない点も助かっています。紙で運用していた頃は連休明けに請求書が一気に届き、開封して仕分けるだけでも苦労していました。TOKIUMを導入してからは、経理部門が休みの間にも請求書を受領してデータ化が進んでいるので、スムーズに月次処理を行うことができます。
ー それでも残っていた課題は何でしたか。
明細入力です。請求書の受領は電子化できたものの、仕訳に必要な明細の入力は依然として手作業で行う必要がありました。
当社は店舗数が多いため、一業者で100店舗、200店舗分の請求が1枚の請求書にまとまっているケースが少なくありません。明細行数の多い請求書ではExcelで1,000行を超えることもあり、過去には3,000行以上の請求書もありました。1件の処理に4時間以上かかることもあり、明細入力全体では月に2〜3営業日ほどかかっていました。
さらに厄介だったのが、属人化です。請求書ごとにExcelの作りや注意書きの記載ルールが異なり、修正の仕方や記載内容の判断が特定の担当者でないと対応できない状態が続いていました。担当者が替わると引き継ぎに苦労し、入力品質にばらつきが出ることが課題でした。
ー TOKIUM AI明細入力を導入された決め手を教えてください。
最大の決め手は、ユーザーが修正した内容をAIが自動で学習し、次回以降の入力に反映してくれる点です。これまで請求書ごとに担当者の判断や工夫に頼っていた明細入力を、AIが一定の品質で行ってくれるようになれば、長年の課題だった属人化を日々の運用のなかで解消していけると考えました。
一方で、株式会社GENDAのグループ企業になって以降、取引業者の変更や店舗の出店・統廃合、店長の異動などが頻繁に発生しており、請求書のフォーマットや仕訳ルールも変わり続けています。マニュアルを作ってもすぐに前提が変わってしまう環境では、AIが学習しながら変化に対応してくれる仕組みが、当社に合っていると判断しました。
もう一つは、前月の請求書データをAIが読み取り、フォーマットを自動で作ってくれるため、AIへの指示設定を細かく作り込む必要がない点です。立ち上げの軽さも、導入を後押ししました。

ー TOKIUM AI明細入力の導入効果を教えてください。
現在は経理部内でスモールスタートを進めており、現在では約100件の請求書をAIで処理しています。
これまで、Excelに明細を打ち込み、それを会計ソフトに入力するという二段階の作業が必要でした。TOKIUM AI明細入力の導入後は、Excelへの入力をスキップし、TOKIUMインボイス上で会計仕訳まで直接作成できるようになっています。担当者が入力作業に費やしていた時間は確実に減っています。
今後は経理部内での利用を順次拡大していく予定です。最終的には、当社に届く請求書すべてをAIで処理することを目指しており、月次決算の締め作業にかかる時間を1営業日短縮することを目標にしています。年間では約480時間の工数削減を見込んでいます。
ー 定性面についてはいかがでしょうか。
属人化の解消に手応えを感じています。これまで担当者ごとに異なっていた明細修正のやり方や記載内容の判断を、AIが一定の品質で代行し、人はそれを確認するだけで済む形になりつつあります。担当者が替わっても業務品質が落ちにくい体制へと変わり始めています。
ヒューマンエラーの抑制にも期待しています。明細行の多い請求書を人手で入力すれば、どうしても入力ミスが発生します。AIが入力し、人が確認する流れに変わることで、こうしたミスも減っていくはずです。また、システムで管理するようになったことで、社内にある請求書を探す、担当者に内容を確認・催促するといったことも解消すると考えています。

ー どのような経理部門を目指したいとお考えでしょうか。
私自身、30年以上経理に携わっていますが、Excelに入力し、会計ソフトに転記するという作業の本質は、Windowsが登場する前から変わっていません。テクノロジーがこれだけ進化しているなかで、経理だけがほとんど変わっていない。この状況をAIの力で変えていきたいです。
今後も出店を強化していく方針のため、店舗数が500・600店舗規模へと拡大していくことは間違いありません。組織が拡大しても、経理の工数が店舗数に比例して増えていく構造のままではいけないと考えています。そのため、AIを活用することで、組織の成長を経理部が支えられる体制を作っていきたいです。
また、AIによって完結できる業務が増えれば、経理部門の働き方の選択肢も広がります。担当者一人ひとりが余裕をもって働ける環境づくりにも、力を入れていきます。
ー 本日は貴重なお話をありがとうございました。
【取材日:2026年5月】