この記事は約 6 分で読めます。
取引先からメールで送られてくる見積書に対し、どのように返信すれば良いか迷う人が多いのではないでしょうか。特に、見積もりの内容を断りたい場合や、一旦保留にしたい場合の返信に気を揉んでいる人も多いでしょう。
見積書メールは、まず「受領+お礼」を返し、発注可否が未確定でも回答予定日(例:◯月◯日まで)を添えるのが基本です。状況により「受領のみ」「検討中」「発注」「断り」「質問」「催促」で文面が変わるため、下の早見表から該当テンプレを選んで使ってください。
表:見積書メール状況別テンプレート
| 状況 | 件名(型) | 本文(テンプレ) | 必ず入れる一言 |
|---|---|---|---|
| ① 受領のみ(判断未了・まず一報) | 件名:お見積書につきまして | 〇〇株式会社 xx様 いつもお世話になっております。 □□会社の△△でございます。 先日は、ご多忙にもかかわらず、お見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます。 先日依頼しました「○○○○」のお見積書を拝受いたしました。 現在、社内にて内容を確認・検討しております。 誠に恐縮ではございますが、検討結果につきましては、◯月◯日(◯)を目処にメールにてご返信致します。 何卒宜しくお願い致します。 (署名は省略) | 「◯月◯日を目処にご返信致します」 |
| ② 検討中(時間がかかる・保留) | 件名:お見積書につきまして | 〇〇株式会社 xx様 いつもお世話になっております。 □□会社の△△でございます。 先日は、ご多忙にもかかわらず、お見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます。 お見積書の内容につきましては、早々に社内精査のうえ、検討を進めてまいります。 誠に恐縮ではございますが、検討結果につきましては、◯月◯日(◯)を目処に再度メールにてご返信致します。 確認事項が出た際には、ご相談することもあるかと存じますが、その際にはお力添えいただければ幸いです。 何卒宜しくお願い致します。 (署名は省略) | 「社内で検討中」+「返信期日」 |
| ③ 発注(見積どおりに依頼) | 件名:お見積書につきまして | 〇〇株式会社 xx様 いつもお世話になっております。 □□会社の△△でございます。 先日は、ご多忙にもかかわらず、お見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます。 お見積書を検討させていただきました結果、上司からの承諾を得ることが出来ました。 つきまして、ご提示いただいた金額で正式に発注をお願いいたしたく存じます。 まずは発注書を送付いたしますので、ご確認をお願い致します。 内容に不備などがございましたら、〇〇宛までご連絡をお願い致します。 引き続きよろしくお願い致します。 (署名は省略) | 「正式に発注をお願い致します」 |
| ④ お断り(見送り) | 件名:お見積書につきまして | 〇〇株式会社 xx様 いつもお世話になっております。 □□会社の△△でございます。 先日は、ご多忙にもかかわらず、お見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます。 社内にて、内容を慎重に検討させていただいた結果、誠に恐縮ではございますが、費用面での折り合いがつかず、今回は見送らせていただくことになりました。 せっかくのご提案にお応えできずに大変申し訳ございません。 何卒事情をご賢察のうえ、ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。 (署名は省略) | 感謝+見送り+お詫び |
| ⑤ 質問(確認事項あり) | 件名:お見積書につきまして(確認) | 〇〇株式会社 xx様 いつもお世話になっております。 □□会社の△△でございます。 先日は、ご多忙にもかかわらず、お見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます。 先日依頼しました「○○○○」のお見積書を拝受いたしました。 内容を拝見し、下記2点につきまして確認させてください。 ・項目「〇〇」の内訳(作業範囲/単価の内訳等) ・納期を◯日前倒しした場合の可否(可の場合の追加費用の有無) お手数をおかけ致しますが、ご教示いただけますと幸いです。 何卒宜しくお願い致します。 (署名は省略) | 質問は「箇条書き」 |
| ⑥ 催促(見積書が未着/返信がない) | 件名:【ご確認】お見積書ご送付の件 | 〇〇株式会社 xx様 いつもお世話になっております。 □□会社の△△でございます。 先日お願いしました「○○○○」のお見積書の件でご連絡致します。 本日現在、まだお見積書を確認できておりませんでした。 何かの行き違いがあったのではと思い、メールを差し上げました。 恐れ入りますが、◯月◯日(◯)までにご送付(または進捗のご連絡)をお願い致します。 何卒宜しくお願い致します。 (署名は省略) | 「行き違いがあったのではと思い」+「送付期限」 |
本記事では、見積書メールへの返信の仕方について、「発注する場合」「お断りする場合」「保留にする場合」の3パターンに分けて、具体的な返信テンプレートを紹介しながら解説していきます。
見積もりの依頼に対するメール
見積書をもらった際は、マナーとして、まずは見積書の作成と送付に対するお礼のメールを送りましょう。また、発注するか否かがまだ決定していなくても、見積書を確認・検討している旨をお礼のメール内で伝えることが大切です。
また、見積書の送付依頼の仕方について知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
例文1: 見積もり通りに発注する場合
〇〇株式会社
xx様
いつもお世話になっております。
□□会社の△△でございます。
先日は、ご多忙にもかかわらず、お見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます。
その後、拝受しました。
お見積書を検討させていただきました結果
上司からの承諾を得ることが出来ました。
つきまして、ご提示いただいた金額で正式に発注をお願いいたしたく存じます。
まずは発注書を送付いたしますので、ご確認をお願い致します。
内容に不備などがございましたら、〇〇宛までご連絡をお願い致します。
引き続きよろしくお願い致します。
(署名は省略)
例文2: お断りする場合
〇〇株式会社
xx様
いつもお世話になっております。
□□会社の△△でございます。
先日は、ご多忙にもかかわらず、お見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます。
社内にて、内容を慎重に検討させていただいた結果
誠に恐縮ではございますが、費用面での折り合いがつかず
今回は見送らせていただくことになりました。
せっかくのご提案にお応えできずに大変申し訳ございません。
何卒事情をご賢察のうえ、ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。
例文3: 社内で内容を検討する場合
〇〇株式会社
xx様
いつもお世話になっております。
□□会社の△△でございます。
先日依頼しました
「○○○○」のお見積書を拝受いたしました。
突然のお願いにもかかわらず、ご丁寧な対応いただきましたこと厚くお礼申し上げます。
お見積書の内容につきましては、
早々に社内精査のうえ、検討を進めてまいります。
確認事項が出た際には、ご相談することもあるかと存じますが
その際には、お力添えいただければ幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
(署名は省略)
見積書の返信メールに関する注意点
24時間以内に対応
返信が遅いと相手を不安にさせるため、目安は当日〜翌営業日に一報を返しましょう。発注・見送りの結論が出ていない場合でも、まずは「受領+お礼」を伝え、いつまでに回答するか(例:◯月◯日まで)を添えると、やり取りが滞りません。
時間の関係で承諾・お断りが決まっていない場合でも、まずは見積書を拝受したお礼と、見積書を確認・検討していることを伝えましょう。返信が遅れてしまうと、お礼の効果も薄れてしまいかねません。
見積書が届かない場合は催促メールを送る
見積書の依頼をしたのに予定日を過ぎても届かない場合は、催促(督促)ではなく進捗の確認として丁寧に連絡します。
期限を設定していた場合:期限の翌日〜翌々日に「行き違いでしたら失礼しました」を添えて確認します。
期限を設定していない場合:相手の作成時間も踏まえ、依頼から3〜7営業日を目安に最初の連絡を入れます。
内容としては、まだ見積書がもらえていないということ、そして見積書の送付期限も必ず書きます。「何かの行き違いがあったのでは思い」などと、相手の過失ではない場合を考慮することが大切です。メールが見られているか確認したい場合は、催促メールを送信後に確認の電話を入れてみましょう。
社内検討に時間がかかる場合は早急に伝える
返信が遅いと相手を不安にしてしまう可能性があります。そのため、社内検討で時間がかかりそうな場合は、お礼の返信の際に「検討結果につきましては、◯日を目処に再度メールにてご返信いたします」という風に、大まかな返信期日を伝えるようにしましょう。
見積書の送付に関する注意点
今までの返信側を踏まえて、以下では反対に、見積書の送付時の注意点について説明します。
PDFファイルに変換して添付する
エクセルl等の編集可能な形式のまま送ると、内容が変更されるリスクがあります。見積書は改ざん防止・体裁の統一の観点から、一般的にはPDFに変換して添付すると安心です。あわせて、メール等でやり取りした見積書は電子取引データとして保存対象になり得るため、社内ルールに沿って保管・検索できる状態にしておきましょう。
パスワード付きzipファイルは使わない
パスワード付きzipファイルを使うことの問題点は次のようになります。
- パスワードメールの盗聴リスクがある
- ウイルスチェックができない
- 無料ソフトでzipパスワードを容易に解析できる
- 受信者の生産性とパスワード管理の安全性を著しく低下させる
できるだけ、パスワード付きzipファイルは使わないようにしましょう。
受け取った見積書メールの保存(電子取引・電帳法)
見積書をメール等で受け取った場合、添付ファイルだけでなく、取引情報が書かれたメール本文も保存対象になり得ます。保存時は「あとで提示できる(見られる)」状態に加え、税務調査等で探し出せるように取引年月日・取引金額・取引先で検索できる形にしておくのが基本です。
実務では、①メール(本文・添付)を取引単位で保管、②取引年月日・金額・取引先で検索できるよう命名/台帳化、③訂正削除の履歴が残る運用(または規程化)の3点を“最小セット”として押さえると安全です。
見積書をメールで受け取った場合は、「何を保存するか」「どう探せるようにするか」「改ざん防止をどう担保するか」の3点を最小セットで押さえると、運用がブレません。まずは下表のとおり、社内の保存ルールをこの3観点で整理してください。
表:見積書メール保存の最小セット(保存対象/検索/改ざん防止)
| 保存で押さえること | 実務の最小アクション | 理由(要点) |
|---|---|---|
| 保存対象 | メール本文+添付(PDF等)をセットで保管 | 本文や添付に取引情報が含まれる場合、保存対象になり得る |
| 検索(探せる状態) | 「取引年月日/金額/取引先」で検索できるよう、命名・台帳・システムで管理 | 電子取引データは「日付・金額・取引先」で検索できることが基本要件 |
| 改ざん防止(真実性) | 履歴が残る仕組み or 事務処理規程などで運用を定義 | 訂正・削除の防止/履歴確保の観点が必要 |
見積書のメールで双方が心がけるべきポイント
双方が心地よく取引をするための見積書送付側・見積書受け取り側の双方が心がけるポイントについて解説していきます。
丁寧で思いやりのある内容にする
見積書は、依頼した側も依頼された側も、相手の出方や反応が非常に気になる書類です。また、見積書はあくまでも金額や内容の確認をするための書類であり、契約の締結をするものではありません。そのため、丁寧で思いやりのある内容を心がけ、受注の可能性を挙げようと努めることが大切です。
相手の立場になってどんなメールを送るべきなのか考え、丁寧で思いやりのあるやり取りを心がけましょう。
敬語の間違いに気をつける
ビジネスの場面では間違った敬語を極力減らし、失礼のない見積書・メールを作っていきましょう。
身内敬語はよくある間違いです。具体的には、自分の会社の社長のことを言うときに、「弊社の社長が仰っていて、、、」などがあります。身内に対しては謙譲語を使うことを心がけてください。
そのほかによくある間違いは、「おっしゃられていた」などの2重敬語や、「A社の〇〇様がまいりまして」などの他者謙譲語です。2重敬語の例であれば、「おっしゃっていた」、そして他者謙譲語の例であれば、「A社の〇〇様がお見えになりまして」が正しい使い方になります。今一度相手方に送信する前に確認するとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
見積書メールの返信で迷いやすい点(返信のタイミング・催促・保存)をFAQ形式で整理しましたので参考にしてください。
Q. 見積書メールは、発注するか決めていなくても返信すべきですか?
A. はい。まずは「受領+お礼」を返し、判断に時間がかかる場合は「いつまでに回答するか(例:◯月◯日まで)」を添えると相手を不安にさせません。
Q. 返信は“24時間以内”が必須ですか?
A. 目安は当日〜翌営業日です。結論が出ない場合でも、受領連絡と回答予定日だけ先に返すのが実務的です。
Q. 見積書が届かない(返信がない)とき、いつ催促すべきですか?
A. 期限を設定していない場合は数営業日(目安:3〜7営業日)待ってから、期限がある場合は期限の翌日〜翌々日に「行き違いの可能性」に触れつつ確認するのが無難です。
Q. 見積書メール(本文・添付)は保存が必要ですか?
A. 電子メール等でやり取りした見積書は、添付だけでなく本文に取引情報が含まれる場合は本文も保存対象になり得ます。社内ルールに沿って保管し、後から提示できる状態にしてください。
Q. 電子取引データは、どうやって探せるようにしておけばいいですか?
A. 基本は「取引年月日・取引金額・取引先」で検索できる状態です。ファイル名の統一、台帳管理、検索機能のある保管システムのいずれかで運用すると確実です。
まとめ
本記事では、見積書の依頼に対するメールの文面や留意点などをまとめていきました。
相手会社様との取引の場面では、メールのやり取りの場面では双方に心がけるべき点があります。ですので、状況に応じて何について気を付けるべきかを考え、メールのやり取りに当たるとよいでしょう。
なお、見積書は国税関係書類の一つであり、法人の場合、受け取った際には原則7年間の保存が必要になります。また、電子帳簿保存法の改正によって、2024年からはメールを通じ電子で受け取った見積書は電子のまま保存する必要が生じますので、メールで受け取る見積書の電子保存に対応できるようにしましょう。
▶ 電子帳簿保存法・インボイス制度対応ガイド【全20ページ | 対応方針まで丸わかり】
※すぐにPDF資料をお受け取りいただけます






