
— 御社の事業内容について教えてください。

当社の事業は、都内近郊の産業廃棄物処理と解体現場などから買い取った鉄を加工する事業の二本柱です。その他、行政から委託を受け、容器リサイクル法に基づき回収された容器を処理し、不純物を除去して返却する事業も行っています。
― TOKIUM導入前は、どのような運用をされていましたか。
当社は5つの拠点があり、それぞれで請求書を発行しています。月に700〜800件、多い時はそれ以上です。販売管理システムはメイン事業に特化しているため、それ以外の案件の請求書などは、営業担当者がExcelで個別に作成していました。一元管理のため発行した請求書は紙で印刷し、コピーを経理用のボックスに入れてもらう運用でした。送付先についても、各営業担当者が個別に管理している状態でした。

― 導入前の課題を教えてください。
課題は大きく4つありました。
1つ目は、顧客からの電子化要望への対応です。以前から請求書を電子で送ってほしいという問い合わせが増えていましたが、当時は紙ベースの運用だったため、スキャンして送るといった対応は現実的ではありませんでした。
顧客ごとに送付方法の要望も多様化していて、郵送、メール、FAXに加えて、「このシステムに直接入力してほしい」という依頼も出てきていました。毎日1件ずつ入力するのも、月末にまとめて入力するのも現実的ではなく、一律でお断りせざるを得ない状況でした。自社より先に顧客が電子化を進めてしまうと、顧客ごとに異なるシステムや送付方法に対応せざるを得なくなる。先にこちらが電子化しておけば、「うちはメールで送付します」と送付方法を指定できる——そういう先手を打っておきたいという思いもありました。
2つ目は、物理的な発行業務の負担です。当時は各拠点で請求書を印刷し、封筒に「請求書在中」の判子を押して、折り込んで、案内文を入れて、封入して…という作業を毎月行っていました。
駅から少し離れた場所に会社があるため、郵便の回収は一日に1回。間に合わなかった際は、大量の封筒を抱えて駅まで行って投函することもありました。全社で月300件以上、多い時は700〜800件の請求書を発行していたので、この作業だけでかなりの時間を取られていました。
3つ目が、入金確認の困難さです。これが最大の課題でした。
当社の販売管理システム以外の案件の営業担当者がExcelで個別に作成していた請求書は、コピーはあるもののシステムで管理されているわけではありません。コピーして渡すというフローは徹底されておらず、コピーは検索性もありません。そのため入金があっても「これは何の入金だろう?」と分からないことが頻発していました。
例えば、振込名義と請求先の社名が違っていたり、個人名で振り込まれたりすることもあります。ひどい時は、1件の入金を特定するのに1週間かかることもありました。振込元の銀行の支店名を見て「この支店の近くにある会社ではないか」と推測し、金額から目安をつけて「多分これだろう」と探す。もう探偵ですよね。
4つ目は、送付先と送付履歴の管理です。請求書の送付先は、各営業担当者が個別に把握していて、会社として一元管理されていませんでした。担当者が変わったり、休みの日に代わりに対応しようとしても、送付先が分かりません。請求書の控えも、経理用のボックスに入れてもらう運用でしたが、届いていない、誰がどこに置いたか分からない、ということがよくありました。

― TOKIUM請求書発行を選定した理由を教えてください。
実は、請求書発行システムは以前から検討していて、他社から見積もりも取っていました。ただ、すでにTOKIUMで請求書受領のサービスを導入していたので、発行も同じTOKIUMで統一したいと考えていました。
2つの会社のシステムを使うのは避けたかったんです。違う会社のシステム同士では、マスタなどのデータが自動で紐づく未来は絶対に来ないと思っていました。同じプラットフォームなら、いつか連携が進むかもしれないという期待もありました。
だから、TOKIUMが請求書発行をリリースするのを待っていたんです。「出てないかな」とずっと言っていて、リリースされた時は「やっと出た」という感じでした。他社の見積もりは一旦保留にして、TOKIUMに決めました。
現場の使いやすさも重視しました。当社は社員の年齢層が幅広く、パソコン操作が得意でない方もいます。違う会社のシステムを入れると、操作感が違いすぎて「どうやって使うの?」という問い合わせが増えることが目に見えていました。
TOKIUMなら、受領サービスと同じ画面レイアウトで発行作業ができます。「とりあえずいつものTOKIUMに入ってください」という一言で説明が始められる。これは問い合わせ対応の手間を省く上で非常に大きかったです。別のシステムだと、ブックマーク登録すらしてもらえないこともありますから。

― 導入サポートについて教えてください。
導入サポートでは、当社の要望に柔軟に対応していただけました。見た目のレイアウトや、マスタデータの整備など、こちらの希望を聞いた上で対応してもらえたのはありがたかったです。設定項目自体は少なく、読み取り場所の設定などもすぐに組んでいただけたので、初期の負担は軽かったですね。
特に助かったのが、はがきでのメールアドレス回収です。紙で請求書を送っていた顧客のメールアドレスを集める必要がありましたが、長年やり取りがない顧客も多く、営業担当者も把握していないケースがありました。はがきを送って回収する仕組みがあったおかげで、初期段階でかなりのメールアドレスを集めることができ本当に便利でした。
― スムーズな導入のために工夫されたことはありますか。
フォーマットの統一に注力しました。これまで営業担当者が個別にExcelで作成していた請求書は、フォーマットがバラバラで、どこに何が書いてあるか探すのが大変でした。TOKIUM導入を機に、経理部門で定型フォーマットを作成し、全社に展開しました。
もう1つは、「ここに入れれば全部ある」というボックスを作ることでした。これまでは紙のコピーを集めたり、営業担当者に「請求書出してください」とお願いしても届かなかったり、届いたとしても紛失したりしていました。TOKIUMにアップロードする運用を徹底することで、請求書が迷子になることがなくなりました。
― 導入効果について教えてください。一番良かった点は何ですか。
一番は入金確認ですね。以前は販売管理システムに載っていない請求書のデータがバラバラで、入金があっても突合できませんでした。今はTOKIUMにほとんど全部入っているので、「ここに全員が入れる」というルールができたことで、入金確認の迷宮入りがほとんどなくなりました。これまでは紙のコピーを集めたり、営業担当者にお願いしても届かないこともありましたが、TOKIUMにアップロードする運用を徹底したことにより、請求書が迷子になることはなくなりました。
営業担当者が外出先から請求書を確認できるようになったのも大きいです。以前の販売管理システムは、社内のネットワークに接続した指定のパソコンでしか見られませんでした。お客様先で「請求書のデータを送ってほしい」と言われても対応できなかった。今はTOKIUMにアクセスすれば、自分が発行した請求書をすぐに確認して、そのまま見せることもできます。
それから、本社への電話問い合わせが減りました。請求書に記載している電話番号が本社なので、どの工場で発行した請求書でも、問い合わせは全部本社に来ていたんです。今はメールで送付すると担当者のメールアドレスが表示されるため、お客様がそこに直接返信してくれます。本社で「これはどこの工場ですか」と確認する手間がなくなりました。
顧客への対応も変わりました。以前は電子化の要望に対して「対応できません」と答えるしかなかった。今は「うちはメールで送れます」と言い切れます。先にこちらから送付方法を指定できる立場になったのは大きな変化です。
また担当者が変わっても対応できるようになりました。「ここを見れば全部入っている」という状態なので、過去にどういう請求をしていたか、誰に送っていたかが分かる。引き継ぎがスムーズになりました。また、TOKIUM導入を機に請求書のフォーマットも統一しました。これまでバラバラだったExcelのフォーマットを経理部門で定型化し、全社に展開したことで、どこに何が書いてあるか迷うこともなくなりました。
― 現場の反応はいかがですか。
文句が出てないので、多分良かったんだと思います。悪いと言ってきますけど、いいとは言ってこないので(笑)。当たり前のように使ってもらえているのが、うまくいっている証拠かなと。
封入作業がなくなって楽になったのは、もう当たり前すぎて誰も何も言わないですね。毎月あんな量の封筒を準備していたのがなくなったんですから。
― 今後の展望を教えてください。
今回の請求書発行の電子化は、当社のDX推進における入口だと考えています。このまま紙の運用を続けていたら、どんどん時代に取り残されてしまう。できるだけ紙をなくして、電子化を進めていきたいです。
TOKIUMを軸にして、他の業務も電子化していきたいと考えています。たとえば、TOKIUMのワークフロー機能をつかえば、休暇届のような社内文書も電子化できそうです。お金が絡まない書類も、今は全部紙で回しているので。
TOKIUMのいいところは、どんどん良くなっていくところですね。最初は「ここがこうなったらいいのに」と思っていたことが、気づいたら改善されている。1年後、3年後、5年後には、もっと使いやすくなっているんだろうなと期待しています。
― 本日は貴重なお話をありがとうございました。
【取材日:2025年12月11日】