
― 御社の事業内容について教えてください
「りらくる」という屋号で、もみほぐしのお店を602店舗展開しています。リラクゼーションという分野で事業を行っており、全国47都道府県に出店しています。
現場で施術を行うセラピストを育成するためのトレーニングセンターを全国に設けています。そこで技術や接客を学び、試験に合格してから店舗配属となるため、質の高い施術を行えるセラピストがいることが特長です。

― TOKIUM導入前に感じられていた課題について教えてください。
一番の課題は、勤務方針の変更に伴い、請求書の管理体制が限界を迎えていたことです。以前は全社員が出社していたため、郵送で届く請求書もその日のうちに各担当部署へ滞りなく回覧できていました。しかし、コロナ禍以降はテレワークと出社のハイブリッド勤務に移行したため、郵送物の処理が追いつかなくなりました。
TOKIUM導入前は、郵送で届いた請求書は総務部が開封しすべてスキャンしていました。各部署の担当者は、そのスキャンデータが保存された共有ドライブから自部署のものを探してシステムに手入力で支払い申請を行っていました。
一日分の請求書が、まとめて1つのPDFファイルになっていたので、担当者はそのなかから自分の請求書のみ抜き出す必要がありました。その過程で誤って別の担当者がデータを削除してしまうこともあったので、そもそも削除された請求書がスキャン漏れなのか、原本が届いていないのかもわかりませんでした。
― TOKIUMを選定した理由を教えてください。
以前は経費精算と請求書を同じシステム、ワークフローは別のシステムを使っていました。そのため少なくとも経費精算と請求書は同じシステムで統一したいと考えていました。そのうえで複数のシステムを比較検討しましたが、最終的にTOKIUMさんを選んだ決め手は、大きく3つあります。
1つ目は、請求書の入力代行です。以前の運用では、担当者が請求書を探し出したあと、その内容をシステムに手入力する必要があり、これが大きな負担でした。TOKIUMさんでは、人の目による確認を含んだ高い精度のデータ入力を代行してもらえるため、各部署の入力そのものをなくせると考えました。
これにより、業務効率が大幅に向上するだけでなく、入力ミスを防ぐことにもつながると期待しました。
2つ目は、稟議と請求書処理が同じプラットフォームで使える点です。TOKIUMさんは経費精算や請求書だけでなく、ワークフロー機能も備わっており、これまでバラバラだった稟議、経費、請求書の申請プラットフォームを一つに統合できる点が非常に魅力的でした。
システムが一本化されることで、従業員が迷うことなく申請できるだけでなく、経理部門としても、稟議とそれに基づく支払い申請を紐づけて管理できるため、予算実績管理の精度を高められると考えました。
そして3つ目が、アカウント数に依存しない料金体系です。
当社は社員・パートを合わせると約200名の従業員がいますが、以前利用していたシステムはアカウントごとに課金される仕組みでした。
そのため、利用頻度の低いパート従業員にもアカウントを発行することに、コスト面でのためらいがありました。
TOKIUMさんは利用量に応じた料金体系だったため、全従業員にアカウントを付与しやすく、全社的にシステムを浸透させるうえで最適なプランだと判断しました。

― TOKIUMの導入サポートに対する感想を教えていただけますか。
今回は、これまで利用していた2つのシステムからTOKIUMへ一本化するという、社内的に大きな変更だったので、最初の従業員への周知が非常に重要だと考えていました。
また人員が限られる状況で、マニュアル作成まで自社で行うと工数がかかりすぎると考えていました。そこで、TOKIUMさんのマニュアル作成サポートをお願いしました。
システムを知り尽くした専門家の視点で、注意すべきポイントや当社独自の運用ルールなどを盛り込んだ、非常にわかりやすいマニュアルを作成していただきました。
私たちが要望を伝えると、意図を的確に汲み取って言語化し、マニュアルへ反映してくださる対応が本当にありがたかったです。
また、旧システムから操作方法が大きく変わる稟議については、申請時の注意点を重点的に記載していただくなど、当社の状況に合わせたきめ細やかな対応をしていただきました。
― 導入において特に印象に残っている取り組みや、社内へ浸透させるうえで工夫された点があれば教えてください。
マニュアル作成と合わせて、全社向けの説明会も実施していただきました。第三者である専門家のかたから客観的に説明していただくことで、従業員の理解度や納得感も高まったと感じています。
説明会には全従業員が参加し、ログイン方法から内容に応じた問い合わせ先の案内まで、運用に必要な情報を網羅的に説明していただきました。
その様子は録画し、資料と共に社内のコミュニケーションツールへ展開することで、不明点が発生した際の復習やそのあと入社した社員への教育資料としての活用など、導入後も非常に役立っています。
説明会後の質疑応答の内容も、即日で詳細なQ&A集としてまとめていただき、その対応の速さには驚きました。
こうした手厚いサポートのおかげで、大きな混乱もなく全社一斉でのスムーズな導入が実現できたと考えています。

― 「TOKIUM経費精算/インボイス」の定量面の導入効果について教えていただけますか。
まず、請求書処理に関しては、これまで総務部で行っていた郵送物の開封やスキャン、各部署で行っていたPDFの検索・切り分けといった作業がいっさいなくなり、関連する業務の工数を大幅に削減することができました。
また、システムをTOKIUMに一本化したことで、従業員情報を登録する作業も一度で済むようになり、これまで二重に行っていた作業の工数が単純に半分になりました。
― 定性面についてはいかがでしょうか。
定性面では、計り知れないほど大きな効果を感じています。
請求書については、データや原本の紛失リスクが劇的に減少しました。すべての請求書がTOKIUMのプラットフォーム上で管理されるため、経理部門からも各申請の進捗状況がリアルタイムで確認できます。
処理が滞っている申請があれば、すぐに担当者へ確認できるようになったのは大きな進歩です。
承認者からも、以前のように大量の紙の書類を確認する手間がなくなり、アラート機能によって口座情報の間違いなど注意すべき点に集中してチェックできるようになったと好評です。
経費精算においても円滑になりました。例えば「駅すぱあと」と連携した交通費入力が使いやすく、従業員の交通費の入力の手間が削減されています。
以前利用していたシステムも乗換案内ソフトとの連携はありましたが、入力が面倒な仕組みだったので従業員はうまく使えていませんでした。
ほかにも領収書の自動入力機能のおかげで、担当者が手入力していた際に発生しがちだった日付の間違いなどが大幅に削減されました。
また、タイムライン上のコメント機能には通知が届くため、差し戻しをせずとも申請内容の確認や指示が可能です。申請者からすぐに返事が来るなど、円滑なコミュニケーションが実現できています。
そしてなにより、これまで複数のシステムに分散していたワークフローがTOKIUMに一本化されたことで、従業員が迷わず業務を行えるようになりました。「どこから申請すればいいですか?」といった問い合わせがなくなったことも、日々の業務の中では大きな効果だと感じています。

― 今後どのような経理部門を目指したいとお考えでしょうか。展望をお聞かせください。
将来的には、従来のコストセンターとしての機能を超え、企業の持続的成長を支える戦略的プロフィットセンターとしての役割を確立することを目指します。
今回、TOKIUMを導入したことで、日々のオペレーション業務は大幅に効率化されました。
今後は、そこで生まれた時間とリソースを、デジタル技術とデータ分析能力の活用に振り向けていきたいと考えています。
オペレーションの効率化と高度化をさらに推進することで、経営の意思決定への貢献度を高めていきたいと考えています。
― 本日は貴重なお話をありがとうございました。
【取材日:2025年9月26日 】