経費精算

領収書の再発行は可能?依頼する側とされた側のポイント解説

更新日:2023.08.17

この記事は約 4 分で読めます。

領収書の再発行

領収書・レシートの再発行は基本的にはできません。再発行を求められた場合にも応じる義務はありません。
経費精算のために使用するレシートであれば、再発行ができなくても経費にすることは可能です。
どうしても領収書やレシートを再発行しなくてはならないときには、気を付けたいポイントがあります。
この記事ではレシートの再発行について以下の点を解説します。
✅ この記事でわかること

  • レシートの再発行ができないときの経費精算の方法
  • レシートの再発行の依頼の方法
  • レシートの再発行を依頼されたときの対応方法

→ダウンロード:経理担当のための「領収書保管マニュアル」

レシートの再発行が必要な人、依頼された人に分けて対応方法を書いています。
筆者は上場企業で経費精算の伝票承認をしていた経験があり、レシートや領収書を紛失した従業員への対応も行っていました。
参考にしてみてくださいね。

領収書保管マニュアル 領収書保管マニュアル

領収書・レシートの再発行は可能?紛失時の対応策

経費精算に必要なレシートをなくしてしまった。
このような場合、レシートの再発行は可能なのか、再発行を依頼する方法や経費精算への申請方法を解説します。

領収書・レシートの再発行は基本的には不可

残念ながら、領収書やレシートの再発行は基本的にできないと思っておいた方が良いです。
理由は2つ。

  • 二重請求や脱税などの悪用の危険があるから
  • 領主書やレシートの再発行に応じる義務がないから

領収書やレシートを2度発行してしまうと、1度しか支払っていないのに2回経費精算ができたり、経費に落とせたりしてしまいます。
税務調査などで発覚すれば、申請者は脱税の疑いをかけられ、領収書やレシートを再発行した事業者も共犯ではないかと疑われてしまいます。
特に、タクシーやコンビニなどで現金で支払った場合の領収書やレシートは、後で支払ったことを証明することは困難です。
また、領収書やレシートは、支払いを受けた側は発行する義務がありますが、再発行は法律で義務付けられていません。
領収書・レシートの再発行は難しいということを覚えておきましょう。

領収書やレシートの再発行を依頼するには?

クレジットカードの利用明細を使ったり、伝票に紛失の旨を記載するなどの対応をすることで、経費精算は可能です。経費精算の方法は後述します。
それでも、どうしても領収書やレシートを再発行してもらいたいのであれば、ダメ元で依頼してみましょう。
再発行の依頼のポイントは次の3つです。

  • 支払ったことが証明できる書類を見せる
  • 再発行である証拠が残るように文書などで依頼する
  • 再発行の必要性を伝える

クレジットカードの利用明細や電子決済の履歴等があれば、確かにそこで支払いをしたことが証明できます。
コピーして相手に渡せるようにしておきましょう。
領収書やレシートの再発行はできなくても、購入証明書などを発行してくれることもあります。ただし、購入証明書は有料になる場合もあるので注意しましょう。

領収書やレシートを紛失したときの経費精算の方法

レシートや領収書を紛失してしまっても経費精算は可能です。
紛失したことを経理担当者に伝えて指示を聞きましょう。以下のような対応が考えられます。

  • クレジットカードの利用明細や電子マネーの決済履歴を代わりに提出する
  • 支払いを行った事実と領収書の紛失の旨を文書(支払証明書)に記載して上司の承認をもらう

多くの企業では、領収書を紛失したときのための文書を書いて、上司の承認を得られれば経費精算ができるような業務フローになっています。
この文書は支払証明書とも呼ばれ、支払いをした人が発行する領収書の代わりとなるものです。自動販売機で買い物をしたときなど領収書やレシートを受け取れないときにも使います。

一般的に、領収書やレシートの紛失の際に支払証明書に記載する内容は次の通りです。

  • 日付
  • 金額
  • 内容(購入したものの商品名など)
  • 支払先
  • 領収書やレシートを紛失した旨

税込3万円以下の場合には領収書の保存は税務上は不要ですし、どうしても領収書やレシートが手に入らない場合には出金伝票にその旨を記載したり、社内で作成した支払証明書でも良いことになっています。
「じゃあ、領収書やレシートは経費精算に必要ないのでは?」と思われるかもしれませんが、基本的には領収書やレシートは証憑書類として7年間の保管が義務付けられています。
支払った人が作成する支払証明書よりも領収書やレシートの方が信頼性が高いです。紛失している領収書やレシートが多いと、税務調査官は不信感を持ちます。
また、経費精算の水増しを防ぐという抑止力のためにも、領収書の提出は必要なのです。紛失しないに越したことはないので、日ごろからしっかり管理しておいて下さい。

領収書とレシートの税務上はどちらでも可

経費精算をするのであれば、知っておきたい税務上の知識をかんたんに紹介しておきます。
経費精算には領収書が必須、レシートでは不十分と思われる人も多いですが、一般的な経費精算であればレシートで十分です。
以下が書かれたレシートは、証憑として認められます。

  • 店の名前
  • レシートの発行日
  • 商品名
  • 金額<

領収書には、「宛名」(会社名など支払いをした人)が必要ですがレシートにはありません。
小売業(コンビニ・スーパーなど)、旅客運送業(タクシー、公共交通機関など)、飲食業などは領収書の宛名がなくても良いと法律で例外として認められています。
領収書をもらい忘れた!という場合にもレシートがあれば経費にしても税務上は問題ありません。
なお、会社のルールとして領収書を必須としていることもあります。

領収書を紛失しないために

領収書を紛失した際の対応方法について解説してきましたが、領収書の紛失を防止することも重要です。領収書の適切な管理には経費精算システムの利用が効果的です。システムの導入によって、現場担当者はスマホで領収書の写真を撮って、その場で経費申請できるため、領収書を紛失する可能性が激減します。

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領収書・レシートの再発行を依頼されたときは?

領収書
この章では、レシートの再発行を依頼されたときの対応方法を紹介します。

領収書やレシートの再発行に応じる義務はない

領収書やレシートは再発行の義務はないので、依頼を拒否しても問題ありません。
領収書やレシートの再発行に安易に応じてしまうと、その気はなくとも脱税や経費の水増し精算などの不正に関与してしまう恐れがあり、税務調査で発覚すれば共犯の疑いをかけられてしまうこともあります。
トラブルに巻き込まれないためにも、たかが領収書1枚、と思わずに簡単に応じることは避けましょう。
会社内で、領収書・レシートの再発行に関するルールを整備しておくことも大切です。

領収書やレシートを再発行するときの悪用防止のために気を付けること

どうしても領収書・レシートの再発行をするのであれば、以下に注意してください。

  • クレジットカードの利用明細など実際に支払いがあったことを証明してもらう
  • 領収書の代わりになる購入証明書などの発行を提案する
  • 再発行であることがわかるように「再発行」などと記載する
  • 何度も再発行の依頼をされないように今回だけと念押しする
  • 5万円以上の場合には収入印紙を再度貼る必要がある

トラブルの防止のために、クレジットカードの利用明細など、たしかに支払いがあったことを証明できるものを提出するように求めましょう。
また領収書と同じ効力のある購入証明書などの発行を提案して、領収書やレシートの再発行はできるだけ避けます。
やむを得ず領収書やレシートの再発行にやむを得ず応じる場合には、「再発行」と記載するようにして架空計上されることを防ぎます。
何度も同じような再発行を求めあれないように、今回だけと念押しするようにしてください。同じ取引先からの領収書やレシートの再発行に何度も応じていると、万が一トラブルがあったときに、共犯とみなされてしまうかもしれません。
また、5万円を超える領収書には再発行であっても収入印紙が必要です。収入印紙については以下で解説します。

5万円を超える領収書には収入印紙が必要

再発行の領収書には、収入印紙が必要で、1回目の発行のときに貼り付けていたとしてももう一度貼る必要があります。
この際の収入印紙代の負担者は、領収書の発行者です。
詳しくは国税庁「再発行した受取書」を参照してください。
収入印紙を貼った場合には、消印(割印)も忘れないようにしましょう。

関連記事:収入印紙の割印とは?やり方から法律まで初心者向けにわかりやすく!【図解あり】

領収書保管マニュアル 領収書保管マニュアル

領収書・レシートの再発行まとめ

領収書とレシートの再発行は基本的にはできません。
経費精算に用いるのであれば、経理担当者に聞いてみて対応方法を聞きましょう。
多くの会社では経費精算の例外として、文書を作成して上司の承認をもらえば、レシートがなくても経費精算ができるようになっています。
レシートの再発行を求められた場合には、応じないほうが無難です。
どうしても再発行をする場合にはリスクを認識しておきましょう。

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