請求業務

インボイス制度に対応したシステムの選び方【会計ソフト以外も】

公開日:2022.04.18更新日:2022.08.09

2023年10月に開始するインボイス制度、みなさん準備は万端ですか?
会計ソフト、請求書発行ソフトが注目されがちですが、実は他の領域も検討する余地があります
本記事では、インボイス制度に対応できた状態とは何かを明らかにし、それを達成するためのシステムの選び方を解説していきます。これから戦略を練ろうとしている経理部の皆さん、ぜひ最後までご覧ください!
▼インボイス制度に対応するために達成すべき3つの要件とは【記事後半】

「インボイス制度に対応できた状態」とは

インボイス制度に対応できた状態とは何かについて、本項では考えます。結論としては、事業者がインボイス制度に対応できた状態とは、法人が仕入税額控除の適用要件を満たした状態であると言えます。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まる背景

インボイス制度の目的は、消費税額を正確に把握することにあります。日本では2019年10月から、食料品をはじめとする生活必需品に限って税率を軽減する「軽減税率の制度」が導入されましたが、導入以降は2種類の消費税率を使用することになり、経理処理は複雑になりました。
例えば飲食店の場合、食材に対する消費税率は8%ですが、電気・水道・ガスなどは消費税率が10%です。インボイス制度では消費税率を明確にすることで、正確な納税を行えるようにするねらいがあります。
また、ひとつひとつの取引に対して消費税額を記載するインボイス制度は、取引の透明性を高めることにもつながります。

仕入税額控除の適用とは

事業者が消費税を納付する際には、課税期間中の課税売上げに係る消費税額からその課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額(仕入税額)を控除して計算することができます。
これは消費税における「仕入税額控除」と呼ばれ、他の税で行われる「税額控除」とは性格が異なり、生産や流通の段階で支払いが行われるたびに発生する消費税の累積(二重課税)を解消するための制度です。従来はこの制度の適用を受けるための条件は、それほど厳しいものではありませんでした。

インボイス制度開始により、仕入税額控除の条件が変わる

2023年10月以降は、一定の事項を記載した帳簿及び適格請求書発行事業者が発行する「適格請求書」の保存を条件に、仕入税額控除が適用されるようになります。まずは適格請求書発行事業者として税務署への登録が必要です。

【重要】課税事業者のみが適格請求書を発行できる

インボイス制度のもとでは、法定事項が記載された請求書等のことを適格請求書(インボイス)と呼びます。重要なのはこれを発行できるのは課税事業者に限られるという点です。
一般的に年間の売上高が1,000万円未満の方は消費税の免税事業者となっているケースが多いのですが、免税事業者は適格請求書発行事業者として税務署への登録が出来ないため、適格請求書を発行できません。そのため、取引先から発注を打ち切られる懸念から、一部でインボイス制度反対の声も上がっています。

上記より、事業者がインボイス制度に対応できた状態とは、法人が仕入税額控除の適用要件を満たした状態であると言えます。

仕入税額控除を適用するには何が必要?

では、どうすれば仕入税額控除を適用できた状態になるのか?と気になるかと思います。

仕入税額控除が適用される要件は、「法定事項が記載された帳簿と請求書」が「保存」されることです(詳細は以下の記事を参考に)。

ここで重要なのは、適格請求書を発行することは得意先(=自社の製品・サービスを利用してくれる事業者)が仕入税額控除を適用する上では必要だが、自社が控除を受ける上では必須ではないということです。

したがって、前項と本項をまとめると、インボイス制度に対応できた状態=自社が仕入税額控除を適用できる状態法定事項が記載された帳簿と請求書を保存できた状態、と言えます。

これより、インボイス制度に対応したい経理部は1.法定事項が記載された帳簿と請求書を保存する、2.適格請求書を発行するの順に対応すべきであるというのが当編集部の主張です。

インボイス制度対応、具体的にどの部分が大変?

帳簿と請求書について、関連する事業者の視点からアプローチすべき点を洗い出していきます。

帳簿は自社内で完結するので、比較的簡単

帳簿の作成と保存という作業自体は、入力項目増加による負担を除けば、会計ソフトとデータさえあれば完結するので、インボイス制度への対応自体の負担はありません。しかし、会計ソフト側が法制度に対応し続けているかを気にする必要はあります。以下で詳しく見ていきましょう。

請求書は買い手(支払う側)と売り手(請求する側)の両視点で考える必要あり

請求書は取引の当事者間でやり取りする性質上、帳簿に比べて対応が複雑になります。そこで、まずは自社の経理処理として、仕入税額控除を適用させることから、請求書について考えてみましょう。
仕入税額控除は適格請求書を保存した事業者に適用されるため、自社が買い手となる場合は、売り手(請求する側)から適格請求書を受け取り、保存するための対応策を備える必要があります。一方で自社が売り手となる場面では、買い手(支払う側)に対し、適格請求書を送付できる体制を作ることが必要です。 

インボイス制度に対応するために達成すべき3つの要件

したがって、企業がインボイス制度に対応できている状態とは、以下の3点を達成した状態です。①②は比較的簡単で、③は簡単そうに見えて意外と大変です。

①法定事項が記載された帳簿の保存

会計ソフトがインボイス制度に対応しているかを確認するのが重要です。選び方については後述します。

②適格請求書(インボイス)の発行

自社の製品・サービスを利用してくれる事業者が仕入税額控除を適用できるために必要です。
以下のリンクから、インボイス制度の登録申請書類が作成可能です。
▶︎申請書類を無料で作成してみる

なお、インボイス制度の登録申請方法については以下の記事で解説しています。

③適格請求書(インボイス)の保存

適格請求書は、売り手・買い手共に最低7年間※の保存義務があります※発行日から7年間ではなく、「事業年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間)。
また保管に当たっては、改正電子帳簿保存法への対応も欠かせません。令和5年12月までは、一時的な猶予がなされていますが、今後適格請求書をPDFなどの電子データの形式で受け取る場合は、同法の「電子取引」にあたり、紙に出力して保存することは認められなくなります。

【目的別】インボイス制度に対応するためのシステムの選び方

結論、システムがなくても対応は可能です。しかし、電子帳簿保存法も同時に対応するとなると、③の適格請求書の保存がシステムなしではかなり厳しくなるであろうというのが当編集部の見解です。以下、解説していきます。

⓪システム検討の上での注意点

市販サービスか自社開発か

規模の大きい企業の場合、市販のクラウドサービスを利用するか自社でシステムを開発するかで迷う場合もあるでしょう。度重なる法改正に対してのメンテナンスコストまで考えると、市販のクラウドサービスを利用すべきであるというのが当編集部の見解です。

どの種類のシステムを検討すべきか

「帳簿」「請求書発行」「請求書受領」の3つの観点でシステムを検討しましょう。以下で詳細を解説していきます。

①帳簿のシステム化→会計システム

免税事業者や請求書発行事業者以外からの課税仕入れは、仕入税額控除を受けられません。そのため、適格請求書類とそうでない書類とを区分して管理する必要があります。これからの会計システムには、免税事業者からの仕⼊⽤の税区分を追加し、取引先に応じて税区分を自動切り替えできる機能が求められるようになるでしょう。
また、消費税込みの合計額から割り戻しで消費税を計算する「割戻計算方式」よりも利益が出やすいとされている「積上方式」で消費税額を算出できる機能もあると便利です。

②適格請求書発行のシステム化→請求書発行システム

適格請求書を発行する上で必要な項目の記載を効率化することができます。請求書発行システムを未使用の場合は、導入を検討してみましょう。

請求書発行をサブ機能として持つシステム

・EDIシステム
電子データの授受システムのことです。EDIシステムを介して請求データの授受をしている場合もあります。
・販売管理システム/受発注システム
中には請求書発行機能付きのものもあります。
・POSレジ/POSシステム
実は領収書も登録番号等の必要事項が記載されていれば、領収書も適格請求書(簡易適格請求書)として扱うことができます。

【重要】適格請求書保存のシステム化→請求書受領システム

当編集部が適格請求書の保存という観点でシステム化を推奨する理由は、2024年1月改正が施行される電子帳簿保存法にあります。

2024年1月以降、電子データの印刷+紙保存がNGに

前述の通り、仕入税額控除は帳簿と請求書を適切に保存できなければ適用されませんしかし、2024年1月以降は、適格請求書を電子データの形で受け取った場合は、紙に出力して保存することは認められなくなります。また、受領した請求書が適格か否かを国税庁のホームページで都度確認する必要が生じる等、受け取り側での負担が増えることが予想されます。
▶︎【2022年】電子帳簿保存法をわかりやすく解説!改正後の変更点・要件緩和についても紹介!

上記より、当編集部では適格請求書の発行だけでなく受領サイドの観点でもシステム導入を検討すべきであると考えています。

インボイス制度と電子帳簿保存法の同時対応なら、TOKIUMインボイス

TOKIUMインボイスは、紙やメール、PDFなどあらゆる形で届く請求書を代行受領し、請求書の確認・処理を電子化するサービスです。受領した請求書原本は法定期間に基づき、倉庫で代行保管します。「請求書受取のための出社」をなくし、リモートワークにも対応可能となるほか、仕訳作業や承認作業、会計ソフトへのデータ連携もシステム上で完結し、支払業務全体の処理効率を劇的に向上させることができます。

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請求書受領サービスについては、以下の記事で比較しているので、ぜひ参考にしてください。

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