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未経験から経理になりたいとお考えではありませんか?
ただ、経理の仕事が自分にあっているのか?どういう楽しさがあるのか?といったことは未経験だとなかなかわかりませんよね。
実は経理とは、経営判断を左右する意思決定ができたり、経営陣へのアドバイスができる会社の中でも最も重要なポジションなのです。
実際に、過去3年間の売上を分析し、業績が伸びている製品に経営資源を使う決断を行ったり、
経営陣への提案により、原価仕入れ高を500万円削減した経理の方などがいらっしゃいます。
また、パソコンに向き合ってコツコツ作業できる方に経理業務は向いています。
本記事では現役の経理担当者の方に業務内容や日々のやりがいを実際にインタビューしてまとめた記事になります。
そのため、これを読めば経理として働くべきか?自分にあっているのか?経理業務のやりがいがわかります。
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現役経理に聞いた!経理として働く5つのやりがい
1,会社の経営を左右する意思決定に関われる
現役経理の方に聞いている中で最も多かった声はこちらの「経営判断に関われる」というものでした。
特に、従業員数が少ない企業では特に経理スタッフは貴重なため、たとえ平社員であっても経営陣から頼りにされ、アドバイスを求められます。
平社員であっても経営陣のように経営を見通せることをやりがいと感じた方が多くいました。
(経理経験5年、サービス業)
現場スタッフが多かったため、経理スタッフは貴重な存在であり、身に余るような仕事も多く任されました。
何かを販売して収益を上げるのではなく、サービスを提供して収益を上げるという業務内容だったので、経費などが毎日頻繁に発生するという訳でありませんでしたが、経理に従事するスタッフが少なかったので、大変でした。
しかし、経営の助言をオーナーから求められるなど、複数の店舗の売り上げや経費を把握している自分だからこそできる場面も少なくなかったため、自分の存在を認めてもらえたと感じています。例えば、新規出店についてと言う重要な決定を下す際、末端なのに幹部会議に呼んでもらい、キャッシュフローについて説明させてもらった時、現場スタッフ出身の幹部の方々は非常に興味深く聞いて下さいました。
結局、出店は取りやめになったのですが、自分の意見を尊重してもらえたのは嬉しかったです。
(経理経験10年、外資系サービス業、従業員数数千名)
常に取締役の立場から、経理業務を行うときにやりがいを感じます。経営陣は、収益については、常に関心を持っています。経理データを分析し、経営陣に説明します。経営陣からの質問に対して、丁寧に回答します。いい情報も悪い情報も隠さずに説明します。分析データから今後どのように会社の経営を行うべきか経理的な視点でアドバイスします。診察を行う医師のような役割です。
一時期売上が低迷した時期がありました。経営陣も売上の低迷については、理解してました。
経理として、1.3年間で売上の伸び率が下がっている製品はどれか?2.3年間で売上の伸び率が上がっている製品はどれか?3.売上が伸びている理由・伸びていない理由は何か?4.各セグメントの損益状態はどうか?5.競合の状況はどうか?をA4にまとめました。
その結果、製品ごとの分析を行うことができ、業績が伸びている製品に経営資源を使う決断を行いました。細かく分析を行うことで、経営陣に対して、正しい経営判断を行うことができたと思います。
2,経営会議での提案が採用され、実際に原価仕入れ高を500万円削減
こちらの方は仕訳作業・試算表作成・銀行業務全般・資金繰り管理といった通常の経理業務だけではなく、経営会議への提案も業務として行っており、
その提案が採用されたとき最高の喜びを感じたそうです。
(経理経験年数:12年、食品製造販売業、従業員数50名程度)
毎月の試算表の結果からデータを抽出し、その要因及び今後の対策などを経営会議にて提案します。
その提案に基づき対策が講じられ、数か月後に業績が良好になる結果が得られたときは、最高の喜びを感じられます。
こういったデータ寸席・提案において一番やりがいを感じたエピソードとして、減価仕入れ高を一番の要因と考え、購買部担当者とともに各仕入れ業者及び新規の業者と数多くの折衝を行い、商品の切り替え・発注ロットの変更及び単価提言、発注基準の管理設定など様々な対策を講じました。
その甲斐あり、その期の決算において前年度比の原価仕入れ高を500万ほど削減することに成功しました。
原因分析から実践まですべてを通して行った改革だっただけに、結果が出てとても嬉しかったです。
3,営業や経営陣から感謝される
経理の業務は一言で言えば、会社のお金を管理することです。特に未入金の売上や売掛金を回収することは経理として最も重要な業務の一つです。
こういった作業をきちんと行うことにより、営業や経営陣から感謝され、やりがいを感じたという方が多くいました。
(経理年数:2年、業種:小売業、従業員数:50名ほど)
小売業の経理の主な仕事は、「仕入れ管理」「販売管理」「在庫管理」の3つです。そのなかでも、やりがいを感じたのは、「販売管理」です。
現金での販売が主で、その場合、商品の代金は販売したときに受けとれますが、「掛販売」「手形回収」での販売では、その回収が必要になるので、1か所でも回収していないところがないように、管理をすることにやりがいを感じました。
私が、経理をしていた小売業者では、「掛販売」が多く、その回収に追われていました。
回収に行っても、「もう払ったけど…。」とか「これは、いつのもの?」とか言われることが多く、その都度、確認が必要になるので、ちゃんとした管理が必要でした。
私が管理していたことで、ちゃんとした説明の上で、納得してもらうことができ、無事に回収することができました。
(経理業務経験3年、広告会社、従業員数50名)
得意先の未収はもちろん、入金の遅れなど日々管理している中で、ある得意先が少し入金が遅れはじめてきた時に営業に与信調査するようアドバイスしたところ、急激に経営が悪化していることがわかり、早急に売掛を無くし前金取引に変えるよう指示をしたところ、半年後にその会社が倒産しました。当然営業にも感謝され、会社の中心的な役割を担っているのだと実感しました。
4,会社の数字が手にとるようにわかる
経理は会社のお金の流れをすべて把握することができます。そのため、どの営業マンが最も売上を作っているか、誰がいくら使っているかなどをすべて明白に見透すことができます。
(経理業務経験3年、広告会社、従業員数50名)
経理という仕事は日々数字を扱っているため、気がつけば自社の経営状況だけでなく、各営業の能力、動き、取引先の財務内容など全てが把握できるようになっている。それを気づいた時にこの仕事の醍醐味を感じるようになりました。
5,金額がぴったりあったときの快感
この方は仕入先・外注先からの買掛金管理で特にやりがいを感じたそうです。特に細かい金額のチェックを行い、金額がぴったりあったときは非常に気持ちいそうです。
(経験年数:4年、経理業務を経験した企業の業種:専門商社と広告制作会社の2社、60名〜80名程度)
工業用の細かい材料を取り扱う専門商社で働いていた際には、締日後に様々な仕入先メーカーから膨大な量の請求書が届いていました。自社の管理する買掛金の金額と届いた請求書の金額に差異が生じていた場合、全ての商品を一つずつチェックしなければいけません。気の遠くなるような地味で細かい作業ですが、間違いを見つけて金額がピッタリ合った時はとても気持ちがいいです。
経理が向いている人の性格・スキル・資格とは?
1,経営的な観点でものごとをみれること
経理としての日常業務を行うだけではなく、経営的な目線で数字がみれるということも重要なスキルです。
また、経理としての専門家知識を経営陣に向けてわかりやすく、簡単にまとめることができる能力も重要です。この説明能力は決算書や会計の数字を分析し、意味のあるインサイトに落とし込むことができることです。
特に小規模の企業では、経営陣と一緒になって経営施策などを考える必要があります。
その場合、経営陣と同じ目線にたち、説明できる必要があります。営業に対してもきちっと威厳を持って対峙できることが必要です。
つまり、経理業務とはアナリストやコンサルタント的な仕事に近く、数字から経営を分析し、論理的にゴールまでの道のりを描けるような能力が必要とされます。
ちなみに、外資系企業に勤務するのであれば、英語力も必要となります。経営陣の公用語は英語ですので、上記の業務はすべて英語で行っています。
2,簿記やFASS検定の資格は必須
経理には、簿記の資格が必要です。初級から1級まであり、幅広い知識が必要になります。
また、「FASS検定」も必要になります。これにより、売掛債権や在庫などの管理などができます。
「FASS検定」は、簿記のように級を選ぶのではなく、スコアで、レベルEからレベルAまで振り分けられます。
レベルCが「日常業務をこなせるレベル」レベルBが「適切に対応できるスキルを持つレベル」とされているので、目安にしてください。
未経験の経理の方でもこれらの資格をもつことにより、スキルや専門知識だけではなく、やる気があるというアピールをすることができます。
参考:転職・年収アップにぴったり!経理に必要な10の資格を紹介
3,几帳面で単純作業をミスなくできること、数字に強いこと
経理業務の中には経営陣への提案などエキサイティングな業務もある一方で、会計ソフトの入力といった地味な作業もあります。
また、お金がからむため計算ミスや数え間違いは絶対に許されません。
そうした作業でも苦なくやることができる方に向いています。
(経理経験年数3年、教育関係、従業員数10名)
経理という仕事では会計ソフトなどにデータを打ち込む作業があります。とにかく会計ソフトへの打ち込み量が多かったのでパソコンに向き合う時間が多いです。1ヶ月分を一気に終われせるのですが大体丸2日はかかっていましたが、タイピングが好きなのでやりがいはすごく感じていました。とことんパソコンに向き合って人と話さなくてもいいので楽だと思います
経理のお仕事をするののに向いている人はとにかく間違えないことが大切だと思います。
集中して一つの数字も間違えないように記載して行くことができる人が向いているのではないかなと思います。また業務をする場所によって異なると思いますが、かなり量が多くて何時間も集中してやらないと終わらないので、一人で黙々と作業をすることが好きな人はすごくおすすめだと思います。
(経理業務経験5年、サービス業界、従業員数25名)
スキルはコンピューターや帳簿の基本的な知識があれば十分でした(頻繁に仕入れや手形の発行を行う業種でなかったので)。向いている性格は忍耐強いこと、ひたすら同じことを繰り返しているような感覚に陥りがちなので、流されない人物に向いています。
4,孤独な作業を集中してできること
経理業務はやはりデスクワークのような単純作業が多いため、それらをこつこつ集中してやりとげられることを厭わない方に向いているようです。
(経理経験年数:4年、経理業務を経験した企業の業種:専門商社と広告制作会社の2社、60名〜80名程度)
パソコンのモニターとにらめっこして一人で作業する時間が長いので、高い集中力が必要だと思います。また、会社のお金に関わることなので、適当に誤魔化したり間違えたりするようなことは絶対にあってはいけません。
常に自分の行動を疑う癖を持って確認を怠らない慎重な性格、自分が会社のお金を預かっているという責任感の強い性格の方には向いていると思います。
5,営業が苦手な人こそ
経理業務は営業が苦手な方にこそ向いています。基本的に内勤、少人数でのチーム作業となるため、毎日外出して新しい人と話すことが苦手な方にはぴったりでしょう。
(経理経験年数:12年、食品製造販売業、50名程度)
デスクワークという単純作業をこつこつとやり遂げることに苦がない人であることが前提です。そして常に先の動向を見据え、冷静に状況を見て原因を見つけられる分析力が必要です。
あとがつがつとした性格よりは、一歩後ろに引いたような少し控えめな人が向いているかと思います。前に前に出たがる人は基本的には営業向きではないかと思います。
経理の業務内容は3つ
経理の仕事は、財務会計と管理会計、資金業務の3つにわかれます。
日常業務は財務会計の仕事がメインになります。
仕訳伝票などの各種会計情報の入力作業や、その伝票の作成作業、経費精算業務になります。
また、製造業などの会社の場合では、決算書を作成するために期末の製品や仕掛品(製造途中の製品)の一単位あたりの原価を計算する必要があり、原価計算を行います。
管理会計業務の一つ目に、経営分析が挙げられます。会社のトップが様々な判断をするときに重要となるのが「現在、会社がどのような状況なのか?」を十分に把握することです。経営陣や経営企画室へ向けて経理の観点から提案やアドバイスを行います。
経理未経験の方へ!絶対に受かる志望動機例文
未経験からでも経理として採用されるための志望動機例文を紹介します。
最低限、志望動機に入れなければならないポイントは下記の通りです。
- なぜ未経験から経理になりたいのか?
- 今までの経験・スキルから経理業務が自分にあっていると思う理由
- なぜこの企業でなければいけないのか
- 入社後どのような仕事をしていきたいか
これらのポイントを押さえた、志望動機例文がこちらになります。
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御社を志望した理由は、「IT×医療」という軸をもった独自のサービスを展開しているからです。高齢化が進む中、医療現場は人手不足になやんでいます。そのため、医師一人あたりの生産性を向上させ、従来より多くの患者を見れるようにしなければなりません。
御社のサービスはこうした問題点を間違いなく解決するかと思います。御社ならば医療現場、また病気に苦しむ人を支える仕事ができると思いました。
また、私はコツコツと作業をすることが得意です。特に長時間におよぶ単純作業でも弱音をハイたり、間違いをすることなく、遂行することができます。
資格としては簿記2級を取得しています。今回資格を取得したことをきっかけとして、経理としてのキャリアを積みたいと考え応募させていただきました。
入社後は経理として会社のお金をきちんと管理するだけではなく、会計の観点から売上向上につながる施策を積極的に提案できればと思っております。
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