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初心者向け!エクセルで経費管理を簡単に始められるポイントを伝授

更新日:2024.09.17

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経費_管理_エクセル_作り方

2023年7月、総務省統計局は2022年度時点での日本のフリーランス(個人事業主)の人数は2,574,000人と発表しました。また、2022年10月、独立行政法人労働政策研究研修機構は、「副業・兼業に関するアンケート調査」で自社社員の社外での副業、兼業を認めている(予定)企業は70.5%と発表しています。

→ダウンロード:経費精算システム選び方ガイド【4社の比較表付き】

個人事業主が増加する中、大きな課題の1つが経費管理です。この記事では、特にこれから個人事業主として経費管理を行う人に向け、エクセルを使って簡単に経費管理を行うためのポイントをお伝えします。

経費精算システム選び方ガイド 経費精算システム選び方ガイド

経費管理を行う目的とは

経費とは、事業を行うために必要な費用を指し、その費用を適切に管理するのが経費管理です。ここでは、経費管理を行う目的として、「利益の最大化」「節税対策の実施」「確定申告への対応」について解説します。

利益を最大にする

事業での利益は基本的に売り上げから必要経費を差し引いた額です。そのため、経費管理を適切に行っていなければ、正確な利益の算出が難しくなります。

また、利益を最大化するには、売り上げを上げるだけではなく、いかに必要経費を抑えられるかも重要なポイントです。どれだけ売り上げを上げられたとしても、無駄な支出や不明な支出が多ければ利益を上げることはできません。

さらに、適切な経費管理を実現させれば、来期に必要な資金を予測できるようになるため、計画的な運営が可能になります。今期だけではなく、長期的な視点からも事業を継続、発展させていく上で、適切な経費管理が必要になるのです

節税対策を行う

適切な経費管理は、節税対策においても高い効果が期待できます。個人事業主が納めるべき所得税や住民税、個人事業税は、売り上げから必要経費と所得控除を差し引いた課税所得をもとに算出されます。

そのため、経費管理を適切に行い、経費で計上できるものはできるだけ計上すれば、その分課税所得が低くなり節税も可能です

逆に経費管理を適切に行わず、本来であれば経費として計上できるものを見過ごしてしまえば、それだけ課税所得も高くなり、納めるべき税金も高くなってしまいます。

具体的には、借入金の利息、事務所(店舗)の外壁や内装の修繕費、火災保険料や損害保険料など全て経費計上できるため、適切な経費管理が節税対策につながるのです。

経費で落とせるか否かの基準についていは、以下の記事を参考にしてください。

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確定申告を行う

個人事業主を始めたばかりで戸惑うことの1つが確定申告です。会社員で給与所得のみだった場合は確定申告の経験がなく、何を準備すれば良いのか分からないケースも少なくありません。

個人事業主は、会社員とは異なり、自身で全ての管理を行う必要があります。そのため、適切な経費管理ができていなければ、正確な確定申告ができず、場合によっては追徴課税になってしまう可能性も高まるでしょう。

確定申告では、年間の事業所得(総収入金額から必要経費を差し引いたもの)を自身で算出し、申告しなければなりません。年度末になって慌ててしまわないためにも、日ごと、月ごとで適切に経費管理を行う必要があるのです。

経費管理をExcelで行うメリット

個人事業主として、初めて経費管理を行う際に便利なツールがExcelです。その理由としては、「コスト削減」「計算や分析の自動化」「カスタマイズの自由度」などが挙げられます。ここでは、それぞれの詳細について詳しく解説します。

コストを削減できる

経費管理でExcelを活用するメリットの1つが、コスト削減が可能な点です。一般的にビジネスで活用するパソコンには最初からオフィスソフトがインストールされている場合がほとんどなので、新たにツールを導入する必要がありません。

事業内容によっても異なるものの、一般的に起業時にはさまざまなツールやシステム、備品などの購入が必要になります。経費管理にExcelを活用することで、少しでもコストを抑えられるのは大きなメリットです。

また、特に会社員でオフィスワークを主としていた人であれば、Excelは使い慣れたツールであり、最初から使い方を覚える手間もかかりません。そのため、時間的コストの削減にもつながります。

計算や分析が可能である

Excelを使う2つ目のメリットは、計算や分析が比較的容易にできる点です。Excelは表計算ツールとして最も使われているツールのため、検索すれば多くの情報を入手できます。そのため、全ての関数を覚える必要はありません。

また、関数を使わずとも、集計や並べ替え、条件付き書式での色分けなども簡単に行えるため、誰でも容易に経費管理が行えます。

その他、表作成、棒グラフ、円グラフ、散布図などの表、グラフ作成も容易に行えるため、毎月の経費利用状況の分析も可能です。単純に使った経費を入力するだけではなく、設定しておけば自動的に分析もできる点は、Excelを使うメリットといえるでしょう。

カスタマイズの自由度が高い

Excelは基本的なフォーマットは用意されているものの、自分の使いやすいようにゼロからフォーマットを作成することも可能です。そうした意味でカスタマイズの自由度が高いのも、Excelを使うメリットといえます。

さらに、マクロを扱えるようになれば、データ入力の自動化、特定期間のデータ抽出なども行えるため、使い込むほどに自分に合った経費管理ツールを作成できるでしょう。

また、連携できるツールが多いのもExcelのメリットです。最も使われている表計算ツールのため、将来的に経理管理システムを導入した場合でも、簡単にデータ移行ができるのはExcelならではといえるでしょう。

経費管理をエクセルで行う際のデメリット

Excelは経費管理ツールとしてさまざまなメリットを持っています。しかし、専用ツールではないため、少なからずデメリットも存在します。

具体的には、「データを紛失した時のための対策が難しい」「法改正があった際の対応が難しい」などです。ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

データ紛失対策が難しい

Excelは利用者が多いツールであり、データの共有も容易です。しかし、汎用性が高い分、簡単にコピーをすることができ、コピーしたデータは多くのパソコンで開くことが可能なので、情報漏えいのリスクは高まります。

また、データ量が多くなると挙動がおかしくなったり、重くなったりするリスクもあります。データがクラッシュして消失してしまう可能性もあり、適切なデータの切り分けや定期的な保存も欠かせません。

他にもデータの誤削除のリスク、ローカルにだけ保存していた場合にパソコンが壊れると救出が難しいなどの問題もあります。そのため、データ紛失を防ぐための対策が必要になるでしょう。

経費管理にExcelを活用する場合は、情報漏えいや紛失防止対策はしっかりと考えておかなければなりません。

法改正に対応するのが難しい

Excelは法改正に対応するのが難しいのもデメリットの1つです。

近年、経費管理ツールはもちろん、業務用のシステムやツールはクラウドで提供されるケースがほとんどです。そのため、法改正があった際にはすぐに新たな法律に対応したシステム、ツールにバージョンアップされます。

しかし、Excelは経費管理専門のツールではありません。経理関連の法改正があってもそれに対応したバージョンアップはされないため、全て自身でカスタマイズをする必要があります。

特に経理関連は、帳簿や書類の電子化が進む中で電子帳簿保存法が頻繁に改正されているため、法律に詳しくない人にとっては対応が非常に難しくなっているのが現状です。場合によっては、法改正に対応できず、確定申告の後に修正申告しなければならないリスクもありえます。

電子帳簿保存法について、詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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経費管理をExcelで行う

Excelでの経費管理は、経費帳や現金出納帳を作成して行います。ここでは、それぞれの作成方法を具体的にお伝えした上で、実際にExcelを使って入力する方法についても解説します。また、効率的な経費管理を行うためのポイントについても解説しますので参考にして下さい。

経費帳の作成

経費帳とは、仕入以外の費用を記録するための帳簿です。例えば、文具や備品を購入した際にかかる消耗品費、水道や電気を使った際にかかる水道光熱費の他、接待交際費や旅費交通費などが該当します。

現金出納帳でも経費の入力はするものの、現金出納帳のみではどの経費にどれだけの金額が使われたかが明確になりません。そのため、経費帳を別に作成することで、適切な経費管理が可能になります。

実際にExcelを使った経費帳の作成方法は次の通りです。

  1. 新規ワークシートを作成する
  2. 1行目に必要項目を記載する(例:月、日、支払先、摘要、勘定科目、金額、備考)
  3. 項目に合わせて必要事項を記載する

1行目に必要項目を記載することで、フィルターを使えば月別、支払先別、勘定科目別などで経費の使用状況を確認できるようになり、適切な経費管理が可能になります。

現金出納帳の作成

現金出納帳とは、現金の入出金を管理し、残高を把握するための帳簿です。特に飲食や小売りなど現金のやり取りが多いビジネスでは欠かせない帳簿で、日々のお金の流れを可視化できるのはもちろん、不正防止にもつながります。

経費帳との違いは、支出だけでなく収入についても入力する点です。そのため、経費以外で例えば、仮払金や立替金などが戻ってきた際には収入として入力します。

実際にExcelを使った現金出納帳の作成方法は次の通りです。

  1. 新規ワークシートを作成する
  2. 1行目に必要項目を記載する(月、日、勘定科目、摘要、収入、支出、残高)
  3. 項目に合わせて必要事項を記載する

月末の残高は、翌月の繰り越しとして記載します。経費帳だけではなく、現金出納帳を作成することで、現金の流れが明確になり、月ごとにどれだけの経費をかけられるかが分かるようになります。

効率化を図るポイント

経費帳や現金出納帳は、ビジネスを行う上で欠かせない帳簿ではあるものの、作成に必要以上に時間をかければ、ビジネスにも影響が出ます。そのため、できる限りミスなく効率化を図らなくてはなりません。ポイントは次の3点です。

  1. 自動化を進める

Excelの自動化を進める上で最も手軽なのはマクロの活用です。多少の知識は必要となるものの、Web上を検索すれば多くのサンプルがあるので、うまく組み合わせて使えば大幅な自動化が可能です。

  1. テンプレートを活用する

Excelにはさまざまなテンプレートが用意されています。経費帳や現金出納帳のテンプレートもあるので、Excelを開き最初の画面で「その他のテンプレート」を選択して検索してみましょう。もしくはWeb上で「Excel テンプレート 経費帳」で検索すれば、望みのテンプレートを見つけられます。

  1. OneDriveとの連携でデータ共有する

OfficeツールのクラウドストレージであるOneDriveとExcelを連携させれば、どこからでも経費帳や現金出納帳にアクセスできます。自宅以外でも作業ができるようになり、効率化が可能です。

経費管理にはシステム導入もおすすめ

Excelはコスト削減やカスタマイズの自由度が高いといったメリットはあるものの、より効率的に経費管理をするなら、システムを導入するのもおすすめです。

経費管理専用のツールを使うメリットとしては、Excelよりもさらに効率化が進む点、そして法改正に対応している点、高セキュリティが得られる点が挙げられます。Excelでの経費管理に限界を感じるようになったら、システム導入も検討してみましょう。

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Excelでの経費管理はデメリットを考慮しつつ適切に活用しよう

個人事業主としてビジネスを始めるには、いくつかの課題があります。その中の1つが経費管理です。一つひとつの作業自体は難しくはないものの、後回しにしてしまえば、確定申告の際に苦労するのはもちろん、適切な予算計画も立てられません。

そこで、適切かつコストを抑えて経費管理を可能にするツールがExcelです。新たなツールを導入する必要もなく、マクロやテンプレートを活用すれば、効率的な管理業務も実現します。

ただし、法対応が難しい点、紛失するリスクがあるなどデメリットも存在するため、事前に対策を立て、場合によっては新たなシステム導入も視野に入れつつ適切に活用しましょう。

経費精算システム導入について、さらに知りたい人は以下の記事をご覧ください。

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