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経費精算アプリのメリットと選び方のポイント【おすすめ製品8選】

更新日:2025.05.07

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経費精算アプリは、スマホやタブレットから手軽に使えるアプリ対応のシステムです。アプリを導入することで、経費の申請や承認を含む一連の処理業務を効率化できます。経費精算アプリには多くのサービスがあり、自社の用途や目的に合ったものを取り入れることで、長期的なコスト削減や従業員満足度の向上にもつながるでしょう。

→ダウンロード:経費精算システム選び方ガイド【4社の比較表付き】

この記事では、経費精算アプリの概要からメリット・デメリット、アプリを選定する際のポイントまで解説します。おすすめの経費精算アプリも紹介しますので、自社における経理業務の効率化のために参考にして下さい。

経費精算システム選び方ガイド 経費精算システム選び方ガイド

経費精算アプリとは

経費精算アプリとは、交通費や接待費といった経費の入力から申請、承認までの一連の業務を、スマホやタブレットなどのモバイル端末で行うためのアプリです。ここでは、経費精算の概要と経費精算アプリでできることについて詳しく解説します。

経費精算の概要

そもそも「経費」とは、企業の事業活動において発生する費用のことです。「経費精算」とは業務で必要なさまざまな経費を従業員が立て替えた際に、企業側が払い戻す精算業務を指します。

従業員が経費を立て替える際に使われる代表的な勘定科目には、「旅費交通費」「飲食接待費」「消耗品費」などがあります。経費申請者からの申し出は、上長や経理部門の承認を経て、従業員に払い戻されます。

経費精算を申請するために、領収書を忘れずに保管しておくことが大切です。

従業員による経費申請の勘定科目(立替経費)については、こちらの記事で解説しています。

経費精算アプリでできること

経費精算アプリによって使える機能やできることはさまざまですが、主な機能として以下が挙げられます。

  • 領収書の自動読み取り(OCR):スマホのカメラで領収書を撮影すると項目や金額を自動で認識、入力できる
  • 交通系ICカードの読み込み:カード履歴をスマホで取り込む
  • モバイル端末での申請・承認:場所や時間によらない経費業務が可能
  • 申請時の入力規定・不備チェック:あらかじめ入力規定を設定して、申請時の不備や不正を自動判別
  • 会計ソフトとの連携:経費精算のシームレスな管理

上記以外にも、交通系サイト上での経路確認や領収書原本の回収・整理など、経理処理に役立つ多彩な機能を備えたものもあります。

経費精算アプリのメリット

経費精算アプリの導入により、企業側はどのようなメリットを得られるのでしょうか。ここでは、主な4つのメリットを紹介します。

社外から経費申請ができる

経費精算アプリを導入することで、社外にいても経費の申請が可能です。従来は、経費申請は紙の書類を提出するのが一般的であり、手続きをするために出社する必要がありました。そのため、出張や出先での業務が多い職種や、リモートワークをする人にとっては負担となっていました。

経費精算アプリでは、スマホやタブレットといったモバイル端末から申請を行えます。場所や時間によらず経費申請が可能なため、経費精算のためだけに出社する必要がなくなります。

また、オフィスで申請手続きが必要な場合、1週間や1ヶ月の経費をまとめて申請して、過去の経費があやふやになるリスクもあるでしょう。その点、経費精算アプリなら従業員が経費を立て替えたタイミングで手続きができるため、申請漏れの予防にもつながります。

経費の入力を自動で行える

経費精算アプリの自動読み取り機能(OCR)や、交通系ICカードの読み込み機能を活用すれば、経費入力を簡素化できます。従来のような紙の書類では、領収書の内容を目視で確認して金額や項目を記入していたため、手間がかかっていました。

また、交通費の計算も人が行わなければならず、計算ミスや記入ミスが起きる可能性もありました。経費精算アプリにより入力作業を自動化できれば、作業負担が減る上、人為ミスを回避できるため、差し戻しや修正のやり取りも軽減できます。

加えて、交通費を計算する際に、移動ルートごとに運賃を計算する必要がなくなり、大幅な業務効率化が見込めます。

承認作業が効率化する

経費精算アプリは、経費の入力や申請作業だけでなく、承認作業の効率化も促します。紙の申請の場合は、承認者にオフィスで承認を依頼しなければなりません。出張などで承認者が不在の場合は、帰社まで待たなければならず、経費申請のプロセスに遅れが発生します。

よって、従業員に対する立替金の振り込みも遅延します。また、承認者がリモートワークなら、承認作業のために出社する必要があるため、負担となるでしょう。経費精算アプリの導入により、アプリ上で承認作業を完了でき、作業効率化が進みます

また、紙の書類は、デスクの書類の山に埋もれてしまい、承認漏れのリスクも生じます。その点、アプリならスマホからいつでも確認でき、通知設定によって漏れや見落としを防げるでしょう。

不正のリスクが低下する

経費精算アプリの導入は、経費精算の不正を防ぐことにもつながります。交通費の水増しや領収書の改ざん、複製といった経費精算の不正は、よくある問題の1つとして認識されています。

経費精算が適切に行われなければ、企業の利益を正しく算出できず、経営に影響を及ぼす可能性があります。多くの経費精算アプリでは、申請時の入力規定を企業側で設定できます。そのため、不正な経費の申請を入力時に発見し、誤った承認を未然に防ぐことが可能です。

また、経費精算アプリは、法人用クレジットカードを連携できるものが多く見られます。カードの支払い履歴は後で改ざんできないため、アプリとカードを組み合わせることで虚偽の申告や二重申告の防止につながります。

経費精算の不正について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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経費精算アプリの注意点

経費精算アプリを導入することで、作業効率化や不正予防といったメリットが期待できますが、一方で注意点もあります。ここでは、経費精算アプリを利用する際の主な2つの注意点を解説します。

セキュリティ面を確認する

経費精算アプリを導入する際には、セキュリティ対策を意識することが大切です。中には無料でインストールできるアプリもありますが、社外の第三者による不正アクセスや情報流出のリスクに対する対策が不十分なことも考えられます。

また、バックアップデータの保存がないと、突然のデータ損失時に復旧できず、不便が生じる可能性もあるでしょう。企業の経費データが社外に漏えいしてしまった場合、悪用されるリスクもあるため、万全なセキュリティ性を備えたものを選ぶ必要があります。

経費精算アプリの導入前には、第三者機関からの認証を取得しているサービスなのか、通信の暗号化がされているのかといった機能面の確認はもちろんのこと、情報漏洩しないための社内規定の確認なども行っておきましょう。

使用方法を周知させる必要がある

経費精算アプリの導入に伴い、社員に使い方を周知しておくことが重要です。アプリを導入する際には、従来の経費精算フローに大きな変更が生じます。急な変更による混乱を防ぐために、経費精算アプリの操作方法だけでなく、経費申請・承認に関するルールを事前に共有しておきましょう。

また、使いやすいアプリを選び、経費申請のマニュアルを作成しておくことも大切です。アプリの使い方から経費申請の流れまでをわかりやすくまとめておけば、必要なタイミングで誰でもスムーズに使い始めることができます。

経費精算アプリ選定のポイント

経費精算アプリは、多くの企業が開発しており種類が豊富です。ここでは、自社に最適なアプリを選ぶために確認したいポイントを紹介します。

必要な機能を備えているか

アプリ導入の目的に合った機能を備えているか、確認することが重要です。アプリの導入前に、最低限使いたい機能を洗い出しておきましょう。例えば、出張や訪問営業など、交通費精算の機会が多い場合は交通系ICカードの読み取り機能、法人カードを使っている場合は連携機能が必要です。

また、紙の領収書の入力負担を減らすためには、OCR機能が役立ちます。仕訳データの出力機能があれば、経理担当者の管理効率の向上に寄与します。

機能に加えて、社員が使いやすい操作性を備えているかも確認しておきましょう。ただし、無料のアプリは、機能が限定的なものもあるため注意が必要です。有料アプリの場合でも、無料トライアルで機能や使い勝手をリスクなく試せるため、ぜひ活用しましょう。

カスタマイズが可能か

自社で独自の規定を定めている場合など、カスタマイズが必要になる場合もあります。また、経費精算アプリを導入した後に、機能を追加したくなることも考えられます。予算の範囲でカスタマイズが可能かどうか、導入前に確認しておくことが重要です。

カスタマイズが可能な場合は、以下の点も合わせてチェックしておきましょう。

  • 画面上で自社にてカスタマイズが可能か、開発元に依頼する必要があるのか
  • 追加費用が発生するか
  • サポート体制は万全か

アプリのカスタマイズでは、通常プログラミングの知識や専門技術が必要になるため、サポート体制についてもよく確認することをおすすめします。

他システムと連携できるか

現在使っているシステムや導入予定のあるシステムとの連携も重要なポイントです。既存の会計システムと連携できれば、アプリ上で承認された経費申請データが自動で経理部署の会計システムに反映されます。

また、仕訳処理なども自動的に完了するため、経費処理のフローをさらに効率化できます。

職種別に見る経費精算アプリの選び方

経費精算アプリは、単に便利なツールというだけでなく、利用する担当者の職種によって求められる機能や使いやすさが異なります。ここでは、経理担当者・営業職・マネジメント層の3つの職種に焦点を当て、それぞれの業務特性に合った選び方のポイントを解説します。

経理担当者:正確な仕訳と連携機能を重視

日々の会計処理に追われる経理担当者にとって、経費精算アプリは「会計ソフトとの連携」「仕訳データの自動生成」があるかが重要です。申請データを会計ソフトにスムーズに取り込めることで、手入力の手間やミスを削減でき、月次・年次決算の効率化にもつながります。また、領収書の電子保管や、税制改正への対応状況もチェックポイントです。

営業職・出張の多い職種:モバイル操作性と交通費対応が鍵

営業職やフィールド業務に携わる社員は、出先から経費を申請するケースが多いため、「スマホから簡単に入力・申請できるUI」「交通系ICカード・乗換案内アプリとの連携」があると非常に便利です。また、レシートの写真を撮るだけで申請が完了するOCR機能や、申請直後に承認フローが動くリアルタイム通知機能も業務効率を大きく高めてくれます。

マネジメント層:承認・不正防止・レポート出力のしやすさ

マネジメント層や承認権限を持つ管理職は、忙しい中でも「即時確認と承認」が求められます。そのため、「スマホやメールでの承認通知」「簡単な操作で承認可否を判断できる画面構成」が必要です。さらに、申請内容に不備や不正がないかを自動判定する機能や、集計レポートを出力してコスト管理に活かせるアプリは、経営判断にも役立ちます。

このように、利用者の職種に応じて重視すべきポイントは変わります。自社の利用シーンを具体的にイメージしながら、各職種のニーズに合った経費精算アプリを選定することで、業務の効率化と運用の定着がスムーズに進むでしょう。

おすすめの経費精算アプリ

主要サービスの機能比較表

製品名OCR機能ICカード連携スマホ対応会計ソフト連携
TOKIUM経費精算◯(モバイルSuica)
マネーフォワード クラウド経費◯(オペ補助あり)
バクラク経費精算記載なし
楽楽精算◯(ICカードリーダー)
ジョブカン経費精算記載なし
ジンジャー経費◯(乗換案内連携)
HRMOS(ハーモス)経費記載なし
freee支出管理 経費精算Plus◯(ICカードタッチ)

ここからは、おすすめの経費精算アプリを紹介します。主な特徴や目安費用をまとめていますので、比較検討の際に参考にして下さい。

TOKIUM経費精算

TOKIUM経費精算_ホームページ

出典:TOKIUM経費精算

株式会社TOKIUMの「TOKIUM経費精算」は、多くの会計ソフトと連携可能な経費精算システムです。スマホ専用のアプリがあり、直感的で簡単な操作を実現しています。領収書をスマホのカメラで撮影すると自動でデータ化し、経費申請から承認まで出先からでも行えまた、モバイルSuicaの読み取りや経路検出で、交通費精算の効率化が可能です。

マネーフォワード クラウド経費

出典:マネーフォワード クラウド経費

マネーフォワード クラウド経費は、クラウド型の経費精算アプリです。幅広いサービスとの連携が可能で、領収書の明細や交通費の経路なども自動取得し、会計ソフトの仕訳に反映します。また、OCR機能に加えオペレーターの補助が利用でき、手入力のミスを防げます

バクラク経費精算

出典:バクラク経費精算

バクラク経費精算は、シンプルな操作画面で使いやすい経費精算アプリです。AI技術を搭載したAI-OCR機能により領収書を数秒で読み取ります。また、経費申請が承認されるとSlack通知が入るため、見落としを防ぎ、円滑な承認フローを実現します。

楽楽精算

出典:楽楽精算

楽楽精算は、導入実績が豊富な経費精算アプリです。ICカードリーダー機能を使えば、交通系ICカードをアプリにかざすだけで利用履歴を取り込めます。また、会計ソフトの連携により、経費承認から自動仕訳まで可能です。

ジョブカン経費精算

出典:ジョブカン経費精算

ジョブカン経費精算は、低価格で導入できる経費精算アプリです。交通系ICカードの読み取りが可能で、SuicaやPASMOなどさまざまな種類のカードに対応しています。中小企業から自治体まで多くの導入実績があります。

ジンジャー経費

出典:ジンジャー経費

ジンジャー経費は、導入サポートが充実しているアプリです。申請者用の画面だけでなく、管理者用の画面もアプリで操作でき、経費承認フローの効率化を促します。また、乗換案内との連携や定期区間の控除、レシート読み込みなど、交通費精算に役立つ機能が豊富です。

HRMOS(ハーモス)経費

出典:HRMOS(ハーモス)経費

HRMOS(ハーモス)経費は、最新AI技術を搭載した経費精算システムです。使えば使うほど精度が向上するため、手書き文字の自動取り込みにも対応できます。また、法改正の情報に精通した担当者による手厚いサポートが利用できる点もメリットです。

freee支出管理 経費精算Plus

出典:freee経費精算

freee経費精算は、経費精算機能をアプリで使えるクラウド会計システムです。Slackとの連携により、アプリ上で経費承認が完了できます。また、交通費精算機能では、SuicaなどICカードをタッチするだけで利用履歴を読み取り、経費申請が可能です。

経費精算システム選び方ガイド 経費精算システム選び方ガイド

経費業務の効率化のために最適な経費精算アプリを導入しよう

経費精算は、申請から承認までさまざまな人が関わるため、負担となる場合もありますが、アプリによって効率化することが可能です。また、交通系ICカードや法人カードとの連携により、経費の不正申請の防止にもつながります。

経費精算アプリには多くの種類がありますが、選定時には必要な機能やカスタマイズ性、連携性をチェックしましょう。経費精算業務の効率化のために、今回紹介した内容を参考にして、自社に最適な経費精算アプリの導入をご検討下さい。

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