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【もう迷わない!】 出張手配のやり方や効率化していくためのポイントを解説

更新日:2025.06.25

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出張手配

出張手配とは?

一般的に出張手配とは、企業の業務命令による出張(国内・海外)に伴って発生する、一連の予約・準備・精算業務の総称を指します。これは単に航空券や新幹線を予約するだけの作業ではありません。出張という業務を円滑に、かつ会社のルールに則って完了させるための一連のプロセス全体を含みます。具体的には、航空券や新幹線といった移動手段の予約・購入、ホテルなどの宿泊施設の予約はもちろんのこと、出張前の申請・承認プロセス、海外渡航時のビザ申請や保険手配、さらには出張後の領収書整理や経費精算といった事後処理まで、多岐にわたる業務が含まれるのが特徴です。

出張手配の基本的なやり方

次に出張手配を進める上での基本的な手順を解説します。企業や手配方法によって細部は異なりますが、一般的には以下のステップで業務が進められます。

Step 1: 出張の目的・日程・予算の確認

すべての起点となるのが、出張内容の確定です。まずは上長や関係部署と連携し、「誰が、いつからいつまで、どこへ、何のために」出張するのかを明確にし、おおよその予算感を把握します。

Step 2: 社内の「出張旅費規程」を確認

次に、必ず自社の「出張旅費規程」を確認します。ここには、交通費や宿泊費の上限額、利用可能な交通機関の座席クラス、日当の金額といった、出張に関わる全てのルールが定められています。規程を無視すると経費として認められない可能性があるため、最も重要なステップです。

Step 3: 社内申請と承認

定められた出張内容と規程に基づき、「出張申請書」を作成し、上長に提出して承認を得ます。この正式な承認をもって、具体的な予約手続きに進むことができます。

Step 4: 交通機関と宿泊施設の予約

承認された内容に従い、航空券やホテルなどを予約します。予約時は、領収書の名義を会社名にすること、キャンセル条件を確認すること、法人割引があれば活用することを忘れないようにしましょう。

Step 5: 出張後の経費精算

出張から戻ったら、速やかに経費精算を行います。交通費、宿泊費などの領収書をすべて集め、経費精算書を作成して経理部に提出します。多くの企業では提出期限が定められているため、後回しにせず処理することが大切です。

なぜ今、「出張手配」の見直しが急務なのか?

ビジネスのグローバル化や経済活動の活発化に伴い、出張は多くの企業で不可欠な業務です。しかし、その「出張手配」のプロセスに、企業の成長を妨げる課題が潜んでいます。航空券や宿泊費といった目に見える費用だけでなく、その裏に隠れた「見えないコスト」や非効率な業務フローが経営を圧迫しているのです。

出張手配における3つの課題

出張手配作業を実行していくうえで、起こりうる課題として大きく3つ挙げられます。

見えないコストの発生

多くの企業では、依然として出張者本人や総務担当者が手作業で手配を行っています。このアナログなやり方の場合、手配にかかる人件費や複数サイトを比較して、最安値を見つけ出す時間、社内規定に沿った出張申請の作成、立替金の精算にかかる工数といった膨大な「間接コスト」を生み出しています。

非効率な業務フロー

出張者、承認者、経理担当者がそれぞれ異なるツールで作業するため、情報の二重入力や確認・修正作業といった無駄が常態化しています。例えば、出張者は複数の航空会社やホテルの予約サイトを往来する手間、出張費用が高額になる場合の立替負担、そして帰社後の山積みの領収書との格闘を伴う煩雑な経費精算業務。これらは出張者のモチベーションを著しく低下させます。また、経理担当者は、月末に集中する大量の領収書と申請書の突き合わせ、規定違反のチェック、そして各従業員への振込処理など、その業務は膨大です。

ガバナンスと不正のリスク

出張手配を個人の裁量に委ねることは、コーポレートガバナンスの観点からも危険です。規定が曖昧でチェック体制が不十分だと、「カラ出張」や費用の「水増し請求」といった不正の温床となり得ます。

出張手配を効率化する主な方法

企業の出張手配を効率化する方法は進化しています。ここでは代表的な3つの方法を紹介します。

AIエージェントの活用

最新の効率化手法として、AIを活用した「エージェント型」のサービスが登場しています。これは、出張者がシステムを直接操作するのではなく、AIエージェントにチャットなどで依頼するだけで手配が完了する新しいやり方です。出張者が「来週、大阪に出張」といったように希望を伝えるだけで、AIが個人の好みや過去の利用実績、社内規程を考慮し、最適な交通手段や宿泊施設のプランを複数提案します。利用者はその中から選ぶだけでよく、検索や比較といった最も時間のかかる作業から解放されるのが大きな特徴です。まるで専属の秘書に依頼するような感覚で、簡単かつ迅速に出張手配を行えます。

TOKIUMが提供する「TOKIUM AI出張手配」は、移動経路の検索・宿泊先の手配、AIとプロスタッフが連携して丸ごと代行。TOKIUMが提供する経費精算システム「TOKIUM経費精算」とシームレスに連携して出張申請も自動で作成してくれるため、出張手配の「探して、予約して、申請して」を丸ごと引き受けることが可能です。

TOKIUM AI出張手配を詳しく知りたい方はこちら
https://www.keihi.com/keiri-ai-agent/biz-trip-arrangements/ 

旅行代理店への外部委託

専門の旅行代理店に電話やメールで依頼し、手配業務を代行してもらう従来からの方法です。このやり方のメリットは、手配業務を専門家に一任できるため社内担当者の負担を大幅に軽減できる点や、複雑な旅程でも安心して任せられる点です。また、法人契約によって支払いを一括化できる場合もあります。一方で、手配ごとに取扱手数料が発生してコストが割高になる傾向があるほか、代理店の営業時間外の急な変更に対応しにくいというデメリットも抱えています。

出張管理システム(BTM)の活用

BTM(Business Travel Management)は、出張の申請・承認から予約、精算までを一元管理できるクラウドシステムです。BTMを活用する最大のメリットは、申請から予約、精算までが一つのシステムで完結し、業務が劇的に効率化される点です。出張データは自動で可視化され、ガバナンス強化に繋がります。さらに、法人一括請求により従業員の立替負担がなくなることも大きな利点です。ただし、システムの導入には初期費用や月額利用料が発生する場合があり、自社に最適なサービスを選定する手間も考慮しなければなりません。

出張手配方法の比較表

自社に最適な手配方法を判断するために、以下の表で各方法の特徴を比較します。

予約サービスAIエージェント旅行代理店出張管理システム(BTM)
契約形態法人法人法人
費用初期費用、月額利用料、など取扱手数料、郵送料など初期費用、月額利用料、取扱手数料など
予約方法チャット、メールなどメール、電話、FAX専用サイトなど
変更・取消AIエージェント側で対応代理店が営業時間内に対応システム上で本人が対応、またはBTM側で対応
精算方法会社一括請求会社一括請求(契約による)会社一括請求
出張データの管理限定的限定的可能(一元化・可視化)
出張申請・規程管理可能(システムによる自動化)不可可能(システムによる自動化)

出張手配でよくある失敗例とその対策

出張手配のプロセスでは、いくつかの典型的な失敗が発生しがちです。まず、担当者が規程を確認し忘れたり、出張者が自己判断で上限を超える手配をしてしまったりして、経費が否認されるケースが挙げられます。また、日程確定の遅れから直前の予約となり、費用が高騰してしまうことも少なくありません。さらに、出張者が現地で受け取った領収書を紛失したり、宛名に不備があったりして、経理での精算が滞るというトラブルも頻発します。

これらの失敗を防ぐには、AIエージェントの活用が効果的です。出張旅費規程を事前に登録することで意図しない規程違反を未然に防ぎ、出張申請漏れなどのリスクを減らすことにもつながります。

コスト削減を最大化する「出張手配」の具体策

ツールの導入と並行して、社内ルールや運用方法そのものを見直すことが、コスト削減効果を最大化する鍵です。

出張旅費規程の策定と見直し

出張コスト管理の根幹をなすのが「出張旅費規程」です。この規程が曖M昧だと、あらゆるコスト削減策は形骸化します。明確な規程は、不要な支出や不正を抑制する土台となります。また、出張手当(日当)を非課税経費として支給するための法的根拠となり、節税対策としても重要です。2025年4月から国家公務員の旅費が「上限付き実費支給」へ転換する「改正旅費法」が施行されるため、これに合わせて自社の規程を見直すことも求められます。

予約の工夫で直接コストを削減

規程の整備と並行し、予約段階での工夫も直接的なコスト削減に繋がります。出張日程が早く確定している場合の「早期予約」は最も効果的です。また、短距離移動での「LCC(格安航空会社)の戦略的活用」や、航空会社・ホテルチェーンとの「法人契約」、支払いを統一する「法人カードの活用」も有効な手段です。

まとめ:最適な「出張手配」で企業の競争力を強化する

出張手配は、もはや単なる間接業務ではありません。コスト、業務効率、ガバナンス、法規制への対応といった、企業の根幹をなす複数の経営課題が交差する、極めて戦略的な領域です。

旧来の属人的な手配方法は、見えないコストの温床となり、不正のリスクを常に内包しています。この課題を解決する鍵は、AIエージェントや出張管理システム(BTM)を核とした業務プロセスのDXにあります。自社が抱える課題を明確にし、その解決に最適なツールを選定・導入することが、現代企業に求められる出張管理の最適な「やり方」です。

出張手配の最適化は、直接的なコスト削減や業務効率化を実現するだけでなく、強固な内部統制と従業員体験の向上を通じて、企業の持続的な成長を支える競争力そのものとなります。

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