経費精算

立替金の返金とは?ケース別の仕訳・返金方法と遅延時の注意点を解説

更新日:2026.07.15

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立替金 返金_仕訳

立替金の返金は、誰が誰に返すのかによって使う勘定科目も仕訳も変わります。従業員が立て替えた経費を会社が返す場合は、会社にとって支払う義務なので未払金などの負債で処理します。一方、会社が取引先の代わりに立て替えて後から回収する場合は、資産としての立替金で処理します。同じ「立替」でも立場によって、仕訳の借方(左側)と貸方(右側)が逆になります。

この記事では、立替金の返金を経理担当者が実務でつまずきやすい順に整理します。ケース別の仕訳から、現金・給与上乗せ・振込といった返金方法、返金が遅れたときの対応、インボイス制度での立替金精算書までを扱います。立替金という勘定科目そのものの意味は別記事にゆずり、ここでは「返す・回収する」場面に絞って解説します。

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立替金の返金とは?どんなときに返す・回収するのか

立替金の返金とは、いったん立て替えた費用を精算し、立て替えた側にお金を戻す処理のことです。場面は大きく2つに分かれます。従業員が会社の経費を立て替えたので会社が返すケースと、会社が取引先などの代わりに費用を立て替えたので後から回収するケースです。どちらの立場かで仕訳の向きが変わるため、まずは自社がどちらなのかを見分けるところから始めます。

立替金という勘定科目そのものの意味や、仮払金・預り金との違いは、別記事で詳しく整理しています。ここでは返金・回収の実務に話を進めます。

立替金とは?仕訳や混同しやすい勘定科目との違い(定義の詳細)に関する記事はこちら

従業員が立て替えた経費を会社が返金するケース

最も多いのが、従業員が交通費や備品代を立て替え、会社が後からその分を返金する場面です。従業員は領収書などの証憑(取引を裏づける書類)を提出し、会社は内容を確認したうえで立替分を支払います。多くの会社では月ごとに締めて、翌月の給与と合わせて振り込むか、指定口座へ返金する形をとります。

会社が立て替えた費用を取引先・従業員から回収するケース

もう一方は、会社が取引先や従業員の代わりに費用を立て替え、後からそのお金を受け取る場面です。たとえば、取引先が負担すべき送料や手数料を会社がいったん支払い、請求書を発行して振り込んでもらうケースがあります。ほかにも、社宅費や組合費のように本来は従業員が負担する費用を会社が立て替え、翌月の給与から差し引いて回収する場合もあります。会社がお金を受け取る側なので、立て替えたときとは逆の仕訳になります。

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ケース別に見る立替金の返金・回収の仕訳

立替金の返金の仕訳は、立て替えたときの仕訳を精算時に取り崩す形が基本です。会社が返す側か受け取る側かで借方・貸方が入れ替わります。代表的な4ケースを先に一覧で示し、そのあと個別に補足します。表は借方(左側)と貸方(右側)を『借方 / 貸方』の順で示し、金額は説明のための一例です。

▼ 立替金の返金・回収の仕訳例(金額は一例)

ケース立て替えが発生したときの仕訳返金・回収したときの仕訳
従業員が会社の消耗品3,000円を立て替えた消耗品費 3,000 / 未払金 3,000未払金 3,000 / 現金 3,000
会社が取引先の送料5,000円を立て替えた立替金 5,000 / 普通預金 5,000普通預金 5,000 / 立替金 5,000
役員が経費30,000円を立て替え、返済まで会社に残す(費用科目)30,000 / 役員借入金 30,000役員借入金 30,000 / 普通預金 30,000
仮払金10,000円を渡し実費8,000円で精算仮払金 10,000 / 現金 10,000旅費交通費 8,000・現金 2,000 / 仮払金 10,000

従業員へ返金するときの仕訳

従業員が会社の費用を立て替えたときは、費用を計上すると同時に、会社が従業員へ支払う義務を未払金として記帳します。返金したら未払金を取り崩し、現金または預金を減らします。従業員への返金で会社が使うのは、原則として未払金です。立替金は会社が他者の費用を立て替えて回収する側で使う資産の科目なので、返金する側とは向きが逆になります。立て替えたときに使った科目を返金時にそのまま取り崩すと考えると、迷いません。

取引先から回収するときの仕訳

会社が取引先の費用を立て替えたときは、資産として立替金を計上します。後日その分が振り込まれたら、普通預金を増やして立替金を消し込みます。取引先から回収する場合は請求書を発行し、期日までに振り込んでもらうのが基本です。適格請求書の扱いは後半のインボイスの項でまとめます。

役員が立て替えた場合の仕訳

役員が会社の経費を立て替えたときも、短期間で精算するなら従業員と同じく未払金で処理できます。すぐに返さず会社に残す場合は、会社が役員から一時的に借りている扱いとして役員借入金で処理します。役員との金銭のやり取りは税務調査でも見られやすいため、立替の内容と返金日を記録に残しておくと安全です。

仮払金と相殺して精算するときの仕訳

あらかじめ仮払金を渡していた場合は、精算時に実費と相殺します。実費が仮払額より少なければ差額を従業員から返してもらい、多ければ会社が追加で支払います。仮払金は立替金と混同しやすい科目ですが、先に渡すのが仮払金、立て替えてもらうのが立替金という違いがあります。

立替金の返金方法とタイミング

立替金の返金方法は、現金での精算、給与と一緒に振り込む方法、銀行振込の3つが中心です。タイミングは月ごとに締めて翌月の給与日に合わせるのが一般的で、締め日と支払日を社内で決めておくと精算が滞りません。方法ごとの向き・不向きを整理します。

現金で精算する

小口現金を扱っているオフィスでは、その場で現金を渡して精算できます。少額で急ぎのときに向いていますが、必ず領収書や受領書と引き換えに渡し、出金の記録を残します。手渡しは記録が残りにくいので、精算した日付と金額、受け取った人を控えておきます。

給与と一緒に振り込む・給与から天引きで回収する

従業員への返金で最も多いのが、給与に上乗せして振り込む方法です。給与振込と一本化できるため振込手数料を抑えられ、給与明細に「立替金返金」などの項目を設けて支給します。逆に、社宅費や組合費のように会社が立て替えた分を回収するときは、給与から差し引く形をとります。ここで注意したいのが給与からの天引きです。労働基準法では賃金の全額払いが原則とされ、源泉所得税や社会保険料などの法定控除以外を差し引くには労使協定が必要とされています。控除の項目と金額は、給与明細で明確にしておきます。

取引先へは請求書を発行して振り込んでもらう

取引先に立て替えた費用を回収するときは、請求書を発行し、期日までに指定口座へ振り込んでもらいます。立て替えた金額の根拠となる領収書や明細を添えると、相手も確認しやすく回収が早まります。立替払いで受け取った領収書がインボイスに関わる場合は、後述の立替金精算書の扱いに注意が必要です。

従業員数が多い組織が抱える経費精算5大課題の解決策

立替金の返金時に残す領収書・受領書と摘要の書き方

立替金の返金でトラブルを防ぐには、返金の事実と金額を証憑として残すことが欠かせません。従業員の立替なら領収書と精算書、会社が回収するなら請求書と入金記録がその役割を担います。摘要には、誰に対する何の費用を、いつ返金・回収したかを書いておくと、後から見返したときや税務調査のときに説明しやすくなります。立替金は早めに精算して残高を残さないことが、確認の手間を減らす基本です。なお、取引先の立替で使う立替金精算書は、後半のインボイスの項でくわしく取り上げます。

立替金精算書のテンプレートや経費精算書の具体的な書き方は、別記事でまとめています。

経費精算書の基本と書き方・申請承認フローの作り方に関する記事はこちら

立替金の返金が遅い・長期化したときの扱いと注意点

立替金の返金が遅れると、立て替えた人の負担が大きくなり、会計上のリスクにもつながります。精算のルールがあいまいなまま返金が後回しになると、従業員の資金繰りを圧迫したり、決算期をまたいで立替金が残り続けたりします。返金が遅い状態を放置しない仕組みづくりが、経理と現場の両方にとって大切です。

返金が遅れると従業員の負担になる

従業員が立て替えたお金は、返金されるまで従業員が肩代わりしている状態です。金額が大きかったり返金が翌々月にずれ込んだりすると、生活資金を圧迫します。申請から返金までの期間が長い、締め日が月に一度しかない、といった運用は、立替の負担を重くする要因です。締め日と返金日を明確にし、申請から返金までの期間を短くすることが、負担をやわらげる近道になります。

長期滞留した立替金は貸付金への振替を検討する

回収を前提に立て替えたお金が長期間戻らないまま残ると、税務調査などで実態は貸付ではないかと見られることがあります。内容によっては貸付金への振り替えを検討します。貸付として扱う場合、無利息のままだと利息相当分が給与や賞与とみなされることがある点にも注意が必要です。また、決算をまたいで立替金が残るときは、期末に相手先別の残高を確認しておきます。判断は個別の事情によるため、金額が大きい場合や滞留が続く場合は、税理士など専門家に確認したうえで処理します。

インボイス制度での立替金の返金と立替金精算書

取引先の費用を立て替えて後から精算する場合、インボイス制度では受け取った請求書の宛名だけでは仕入税額控除(支払った消費税を差し引く仕組み)ができないことがあります。適格請求書(インボイス)の宛名が立て替えた側になっているため、最終的に費用を負担する側は、その原本だけでは自分の仕入れだと示せないからです。そこで、立て替えた側が受け取った適格請求書の写しに立替金精算書を添えて渡すことで、立替えを受けた側が仕入税額控除を行えるようになります。

国税庁のインボイス制度に関するQ&Aでも、立替払いをした側が受け取った適格請求書を保存し、立替金精算書を作って相手に渡す方法が示されています。立て替えてもらった側は、その立替金精算書を保存することで仕入税額控除ができます。従業員が立て替えた際の適格簡易請求書は、宛名が従業員名のままでは控除できません。従業員名簿などをあわせて保存していれば控除でき、従業員を特定できない場合は従業員が作成した立替金精算書の保存が必要とされています。 出典:国税庁 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(問94・問94-2)(最終確認日:2026年7月15日)

立替金精算書には、誰の何の課税仕入れを立て替えたのかがわかるよう、相手方の氏名や登録番号を確認できる形で残します。書類の具体的な作り方は、立替金精算書の解説記事で詳しく紹介しています。

インボイス制度における立替金精算書の役割と作り方に関する記事はこちら

立替金の返金・精算業務を効率化する方法

立替の負担を減らそうと、現金や小口現金での支払いを見直す会社も増えています。ただし、支払いの方法を変えても、支払いそのものがなくなるわけではありません。現金の管理や出納の手間は減っても、代わりに利用明細の確認、領収書の回収、仕訳といった業務が経理に残り、実費を立て替えた分の精算も引き続き発生します。

立替金の返金にまつわる手間は、この申請・確認・仕訳・返金という工程に集中します。残った業務をどう回すかが、立替の負担を本当に軽くできるかの分かれ目です。紙の領収書を集めて手入力し、月末にまとめて精算する運用ほど、担当者の負担と返金までの時間は大きくなります。

経費精算システムを使うと、立替の申請から承認、仕訳データの作成、証憑の保存までを一つの流れでつなげられます。申請と同時にデータ化されるため、月末にまとめて入力する必要がなくなり、返金までの期間を短くしやすくなります。立替精算を効率化する具体的な進め方は、別記事でも解説しています。

立替精算の自動化で負担を軽減する方法に関する記事はこちら

大切なのは、負担を現場から経理へ付け替えるのではなく、確認や仕訳といった業務そのものを減らすことです。TOKIUMなら、領収書のデータ化から申請・承認・仕訳データの作成、証憑の保管までを一つの流れで支えられます。立替や返金の運用を見直したい方は、無料の資料で機能と導入効果をご確認ください。

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立替金の返金と精算の手間をなくすならTOKIUM

立替金の返金は、会社が返す側か回収する側かで仕訳の向きが変わります。返金方法は現金・給与上乗せ・振込が中心で、月ごとに締めて翌月の給与に合わせるのが一般的です。返金が遅れると従業員の負担や税務上のリスクにつながるため、締め日と返金日を決めて早めに精算することが大切です。取引先の費用を立て替えたときは、インボイス制度の立替金精算書にも気を配ります。

日々発生する立替の申請や返金に手間を感じているなら、精算の流れを仕組みで整えることで、返金までの時間とミスの両方を減らせます。支払い方法を見直すだけでは、現金管理の手間が明細確認や仕訳に置き換わるだけで終わることもあります。残る確認や仕訳の業務そのものを減らすことが、負担を付け替えずに軽くするポイントです。立替や返金の負担をまとめて見直したい方は、TOKIUM経費精算をおすすめします。

TOKIUM経費精算は、スマートフォンで申請・承認ができる、クラウド経費精算システムです。オペレーターが領収書を高精度でデータ化するため、手入力によるミスを減らすことができます。領収書の原本はTOKIUMが回収し、突合点検・保管まで代行するので完全ペーパーレス化が可能です。

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立替金の返金に関するよくある質問

立替金の返金でよく寄せられる疑問を、結論から簡潔にまとめます。

立て替えてもらった経費を返すときの仕訳は?

従業員に立て替えてもらった経費を返すときは、立て替え時に計上した未払金を取り崩し、現金または預金を減らします。たとえば消耗品費を未払金で計上していた場合、返金時は借方が未払金、貸方が現金となります。詳しい借方・貸方は、記事前半のケース別の仕訳を参照してください。

立替金は返してもらえる?返金されないときは?

立替金は本来ほかの人が負担すべき費用を一時的に立て替えたものなので、原則として返してもらえる性質のお金です。返金が滞る場合は、申請と承認、返金のルールを明文化し、締め日と返金日を決めておくと防ぎやすくなります。金額が大きい、長期間戻らないといったケースは、貸付金への振替なども含めて専門家に相談すると安全です。回収できないことが確定した場合は、貸倒れとしての処理も検討します。

立替金の返金に領収書や受領書は必要?

返金・精算の事実を残すために、領収書や受領書を用意しておくと安心です。現金で手渡すときは受領書、取引先から回収するときは請求書と入金記録が証憑になります。摘要に相手・費用の内容・日付を書いておくと、後から確認しやすくなります。

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