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福利厚生費にできる飲食費の条件?食事補助・忘年会・残業食の処理

更新日:2026.04.17

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福利厚生費 アイキャッチ画像

従業員の食事補助や残業時の弁当代、忘年会・新年会などの飲食費は、条件を満たせば福利厚生費として処理できる場合があります。一方で、対象者が一部の役員や従業員に限られる場合や、現金で食事代を支給する場合は、給与課税や交際費として扱われる可能性があります。

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飲食費は、支出の目的や参加者、金額、支給方法によって、福利厚生費・会議費・交際費・給与のいずれで処理するかが変わります。本記事では、福利厚生費にできる飲食費の条件、食事補助の上限、会議費・交際費との違い、実務で残すべき証憑をケース別に解説します。

この記事でわかること

  • 飲食費を福利厚生費として処理できる主なケース
  • 食事補助・残業食・深夜勤務者の夜食代の判断基準
  • 福利厚生費・会議費・交際費・給与課税の違い
  • 経理処理で残しておきたい領収書・参加者リスト・社内規程

福利厚生費にできる飲食費とは?まず結論を確認

福利厚生費にできる飲食費とは、従業員全体を対象とした福利厚生目的の支出であり、金額や支給方法が税務上の要件を満たしている飲食費です。代表例として、従業員への食事補助、残業や宿日直時の食事、深夜勤務者の夜食代、全従業員を対象とした忘年会・新年会などが挙げられます。

ただし、飲食費であればすべて福利厚生費にできるわけではありません。会議に伴う飲食は会議費、取引先との接待を目的とした飲食は交際費、特定の役員や従業員だけを対象とした飲食費は給与課税の対象になる可能性があります。まずは、支出の目的・参加者・金額・支給方法を確認することが重要です。

飲食費のケース勘定科目の目安判断ポイント
全従業員を対象にした忘年会・新年会福利厚生費対象者が公平で、金額が社会通念上妥当であるかを確認します。
従業員への食事補助・昼食代補助福利厚生費または給与従業員が食事価額の半分以上を負担し、会社負担額が1か月当たり7,500円以下かを確認します。
残業・宿日直時の弁当代福利厚生費残業または宿日直に伴う食事であることが分かる記録を残します。
深夜勤務者への夜食代の現金支給福利厚生費または給与夜食の現物支給が困難な場合で、1食当たり650円以下かを確認します。
社内会議で出したお茶・弁当会議費会議に関連して通常必要な茶菓・弁当などかを確認します。
取引先との会食交際費または会議費社外関係者との飲食か、1人当たり10,000円以下か、保存書類があるかを確認します。
役員だけの会食交際費または給与従業員全体の福利厚生とはいえないため、福利厚生費として処理しにくいケースです。
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福利厚生費とは

福利厚生費とは、役員や従業員に公平に支給されるお金のことです。給与以外のものとされており、所得税・住民税等の対象にはなりません。福利厚生費は「法定福利費(法定内福利費)」「厚生費(法定外福利費)」の2種類に分類されます。まずは福利厚生費について詳しく紹介していきましょう。

1.法定福利費(法定内福利費)

法定福利費(法定内福利費)とはその名の通り、法律で定められている福利費の事を示しています。具体的には以下のものが挙げられます。

  • 社会保険(健康保険・介護保険・子育て拠出金など)
  • 労働保険(雇用保険・労災保険)

これらは会社と従業員が半額ずつ負担をするもので、従業員の給与から半額を預り、会社負担分と合わせて各機関へ支払いをするという手順になります。

2.厚生費(法定外福利費)

これに対して厚生費(法定外福利費)とは、法律では定められていない福利費のことです。具体的には以下のものが挙げられます。

  • 食事補助
  • 健康診断料
  • 社員旅行、忘年会、新年会
  • 慶弔見舞い
  • 制服費用 等

よく「福利厚生がしっかりした会社に就職したい」という声が聴かれますが、この「福利厚生」が示しているのが法定外福利費というイメージです。会社によって認められている範囲が異なる点が特徴です。

福利厚生費の上限は?

福利厚生費についての上限金額は、税法上明確に設定されていません。しかし、あくまで社会通念上という事になりますので、あまりに高額な場合は認められないケースもあるようです。常識の範囲内にとどめるようにしましょう。

また、飲食費については本来は給与として処理するもののため、福利厚生費で処理するためには様々な条件をクリアしなければいけません。以下の章で食事補助のルールについて詳しく紹介します。

飲食費を福利厚生費にできる主なケース

飲食費を福利厚生費として処理できるかどうかは、従業員全体を対象としているか、会社の福利厚生制度として合理的に説明できるか、税務上の要件を満たしているかで判断します。ここでは、実務で判断に迷いやすい食事補助・残業食・深夜勤務者の夜食・社内イベントの飲食費について解説します。

食事補助・昼食代補助

従業員への食事補助は、一定の要件を満たせば福利厚生費として処理できます。国税庁「No.2594 食事を支給したとき」では、役員や使用人に支給する食事について、次の2つの要件をどちらも満たしていれば給与として課税されないとされています。

  • 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること
  • 会社負担額が1か月当たり7,500円以下であること

ここでいう会社負担額は、「食事の価額」から「役員や使用人が負担している金額」を差し引いた金額です。たとえば、1か月当たりの弁当代が13,000円で、従業員が7,000円を負担している場合、従業員は食事価額の半分以上を負担しており、会社負担額は6,000円です。この場合、上記の要件を満たすため、給与として課税されない食事補助として扱える可能性があります。

一方で、従業員負担が半分未満の場合や、会社負担額が1か月当たり7,500円を超える場合は、会社負担分が給与として課税される可能性があります。食事補助制度を運用する場合は、月ごとの会社負担額と従業員負担額を確認できるよう、社内規程や精算記録を整備しておくことが重要です。

残業や宿日直の食事代

残業または宿日直を行うときに会社が食事を支給する場合は、無料で支給しても給与として課税しなくてよいとされています。そのため、残業時の弁当代や宿日直時の食事代は、福利厚生費として処理できるケースがあります。

ただし、通常勤務中の昼食代や私的な飲食代とは区別する必要があります。経理処理では、領収書だけでなく、残業や宿日直に伴う支出であることが分かる勤怠記録、精算申請、社内ルールを残しておくと判断しやすくなります。

深夜勤務者の夜食代

深夜勤務者に夜食を現物支給できない場合、一定額以下の現金支給であれば給与課税されないケースがあります。国税庁では、食事を支給するのではなく現金で食事代を補助する場合、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円以下の金額を支給する場合を除き、補助する全額が給与として課税されるとしています。

つまり、通常の食事補助を現金で支給する場合は、原則として給与課税に注意が必要です。深夜勤務者の夜食代についても、誰に、いつ、いくら支給したかを確認できるように記録を残し、通常勤務者への食事補助とは分けて管理しましょう。

忘年会・新年会・歓送迎会などの社内イベント

全従業員を対象とした忘年会・新年会・歓送迎会などの社内イベントにかかる飲食費は、福利厚生費として処理できる可能性があります。判断のポイントは、従業員に対して公平に参加機会があるか、会社の福利厚生目的として説明できるか、金額が社会通念上妥当かどうかです。

一方で、一部の役員や特定部署だけを対象とした高額な会食は、福利厚生費ではなく交際費や給与として扱われる可能性があります。社内イベント費用を福利厚生費として処理する場合は、開催案内、参加者リスト、領収書、社内規程などを残しておくと、後から支出目的を説明しやすくなります。

社内に常備する飲み物・軽食・お菓子

従業員が利用できるように社内に常備する飲み物、軽食、お菓子なども、福利厚生費として処理できる場合があります。ただし、特定の従業員だけが利用できるものや、明らかに高額なものは、福利厚生費としての説明が難しくなる可能性があります。

社内用の飲食物を福利厚生費として処理する場合は、従業員全体が利用できる状態にしておくことが大切です。購入目的や利用対象が分かるように、社内ルールや購入履歴を整理しておくとよいでしょう。

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福利厚生費・会議費・交際費・給与課税の違い

飲食費は、支出目的や参加者によって勘定科目が変わります。従業員全体の福利厚生を目的とした飲食費は福利厚生費、会議や打ち合わせに伴う飲食費は会議費、取引先との接待を目的とした飲食費は交際費として処理するのが基本です。また、特定の役員や従業員だけに経済的利益を与える支出は、給与課税の対象となる可能性があります。

従業員全体が対象なら福利厚生費

福利厚生費として処理しやすいのは、従業員全体を対象とした飲食費です。たとえば、全従業員を対象とした忘年会や、一定の条件を満たす食事補助、残業時の食事代などが該当します。

ただし、全員参加が必須である必要はありません。重要なのは、特定の役員や従業員だけを優遇するものではなく、従業員に公平な機会があることです。参加者が限定される場合でも、業務上の必要性や社内規程に基づく合理的な説明ができるかを確認しましょう。

会議や打ち合わせ目的なら会議費

会議や打ち合わせに関連して提供するお茶、菓子、弁当などは、会議費として処理するのが一般的です。国税庁「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」でも、会議に関連して茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用は、交際費等の範囲から除かれるものとして示されています。

会議費として処理する場合は、会議の日時、参加者、目的、内容を記録しておくことが重要です。飲食の実態だけを見ると会食に近い場合でも、会議目的が明確で、通常必要な範囲の飲食であれば、会議費として説明しやすくなります。

社外関係者との接待なら交際費または会議費

取引先や仕入先など社外関係者との会食は、原則として交際費に該当する可能性があります。ただし、1人当たり10,000円以下の飲食費で、所定の事項を記載した書類を保存している場合は、交際費等から除かれるケースがあります。

社外関係者との飲食費については、飲食のあった年月日、参加した取引先等の氏名または名称と関係、参加人数、費用の額、飲食店の名称・所在地などを記録しておく必要があります。接待交際費の上限や1万円基準について詳しく確認したい場合は、関連記事「接待交際費の上限は?1万円ルール・800万円・50%を規模別に解説」も参考にしてください。

特定個人への利益供与なら給与課税に注意する

飲食費が特定の役員や従業員だけに対する利益供与と判断される場合は、福利厚生費ではなく給与として扱われる可能性があります。たとえば、役員だけの高額な会食、特定の従業員だけを対象にした食事補助、私的な飲食費の会社負担などは注意が必要です。

福利厚生費として処理する場合は、従業員に公平な制度であること、社内規程や運用ルールがあること、金額が社会通念上妥当であることを確認しましょう。経費精算で使う勘定科目の違いを整理したい場合は、関連記事「経費精算の勘定科目一覧とは?よく使う13科目の違いと仕訳例」も参考になります。

飲食費を福利厚生費で処理するときの注意点

飲食費を福利厚生費として処理する場合は、勘定科目だけでなく、支出目的や証憑の残し方も重要です。経理処理では、誰のための飲食費なのか、会社の福利厚生として合理的に説明できるか、給与課税や交際費に該当しないかを確認しましょう。

対象者の公平性を確認する

福利厚生費として処理するには、従業員に対して公平な制度であることが重要です。全従業員を対象とした食事補助や社内イベントであれば福利厚生費として説明しやすい一方、一部の役員や特定の従業員だけを対象とした飲食費は、給与や交際費と判断される可能性があります。

部署単位や拠点単位で実施する場合でも、業務上の必要性や対象者の基準が明確であれば、合理的に説明しやすくなります。社内規程や運用ルールで、対象者・利用条件・上限金額を定めておくとよいでしょう。

社会通念上妥当な金額にする

福利厚生費には、飲食費全般について一律の上限が定められているわけではありません。ただし、会社の福利厚生として通常必要な範囲を超える高額な飲食費は、福利厚生費として認められにくくなる可能性があります。

食事補助や深夜勤務者の夜食代など、税務上の金額基準が示されているものは、その基準を確認します。忘年会や社内イベントなど金額基準が明示されていない支出についても、参加者数、開催目的、1人当たりの金額を確認し、社内で説明できる範囲に収めることが大切です。

現金支給は原則として給与課税に注意する

食事代を現金で支給する場合は、原則として給与課税に注意が必要です。食事補助を福利厚生費として処理する場合は、弁当の購入や社員食堂の利用など、食事の現物支給として運用するのが基本です。

例外として、深夜勤務者に夜食を現物支給できない場合に、1食当たり650円以下の金額を支給するケースなどがあります。現金支給を行う場合は、対象者、勤務状況、支給額、支給理由を記録し、給与課税の対象にならないかを確認しましょう。

領収書・参加者リスト・社内規程を残す

飲食費を福利厚生費として処理する場合は、領収書だけでなく、支出目的や対象者が分かる資料を残しておくことが重要です。特に、忘年会・新年会・歓送迎会などの社内イベントでは、開催案内、参加者リスト、会費の有無、会社負担額が分かる資料を保存しておくと、後から支出内容を説明しやすくなります。

食事補助の場合は、社内規程、従業員負担額、会社負担額、利用実績を確認できる資料を残しましょう。社外関係者との飲食費については、会議費や交際費の判断に必要な記録も求められるため、参加者・人数・金額・店名・所在地などを整理しておく必要があります。

福利厚生費にできる飲食費の仕訳例

飲食費を福利厚生費として処理する場合は、支出目的が分かる摘要を入れておくと、後から確認しやすくなります。ここでは、食事補助、忘年会、残業時の弁当代の仕訳例を紹介します。

食事補助を会社が負担した場合

従業員向けの食事補助として、会社が弁当代の一部を負担した場合は、会社負担分を福利厚生費として処理します。たとえば、従業員負担分を差し引いた会社負担額30,000円を普通預金から支払った場合の仕訳例は以下の通りです。

借方金額貸方金額
福利厚生費30,000円普通預金30,000円

摘要には「従業員食事補助」「弁当代会社負担分」など、支出内容が分かる記載を入れておくとよいでしょう。

忘年会費用を会社が支払った場合

全従業員を対象にした忘年会費用を会社が負担した場合、福利厚生費として処理できる可能性があります。たとえば、忘年会費用150,000円を普通預金から支払った場合の仕訳例は以下の通りです。

借方金額貸方金額
福利厚生費150,000円普通預金150,000円

忘年会や新年会などの社内イベントでは、領収書に加えて、開催案内や参加者リストを保存しておくと、福利厚生目的の支出であることを説明しやすくなります。

残業時の弁当代を精算した場合

残業に伴って従業員に弁当を支給し、会社が代金を精算した場合も、福利厚生費として処理できるケースがあります。たとえば、残業時の弁当代8,000円を現金で精算した場合の仕訳例は以下の通りです。

借方金額貸方金額
福利厚生費8,000円現金8,000円

残業食として処理する場合は、通常勤務中の食事代と区別できるよう、残業日、対象者、支給理由、領収書をあわせて保存しておきましょう。

マンガでわかる!新リース会計基準強制適用企業の実務担当者が最初にやるべき取り組みとは?

福利厚生費の飲食費に関するよくある質問

福利厚生費にできる飲食費はいくらまでですか?

福利厚生費全般に一律の上限はありません。ただし、従業員への食事補助は、従業員が食事価額の半分以上を負担し、会社負担額が1か月当たり7,500円以下であることが、給与課税されないための主な要件です。

社員の忘年会や新年会の飲食費は福利厚生費になりますか?

全従業員を対象とし、社会通念上妥当な金額で行われる忘年会や新年会であれば、福利厚生費として処理できる可能性があります。一部の役員や特定の従業員だけが参加する場合は、交際費や給与として扱われる可能性があります。

残業時の弁当代は福利厚生費になりますか?

残業または宿日直に伴って支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてよいとされています。ただし、通常勤務中の食事や私的な飲食とは区別し、残業に伴う支出であることが分かるように記録を残すことが重要です。

飲食費は会議費と福利厚生費のどちらで処理すべきですか?

従業員全体の福利厚生を目的とした飲食費は福利厚生費、会議や打ち合わせに伴う飲食費は会議費として処理するのが基本です。判断に迷う場合は、支出の目的、参加者、金額、記録の有無を確認します。

従業員に食事代を現金で渡した場合も福利厚生費になりますか?

食事代を現金で支給する場合は、原則として給与課税の対象となる可能性があります。ただし、深夜勤務者に夜食の現物支給が困難な場合など、一定の要件を満たすケースでは非課税で処理できる場合があります。

まとめ

飲食費を福利厚生費として処理できるかどうかは、支出目的、対象者、金額、支給方法によって判断します。従業員全体を対象とした食事補助、残業時の食事、深夜勤務者の夜食、忘年会・新年会などは、条件を満たせば福利厚生費として処理できる可能性があります。

一方で、会議に伴う飲食費は会議費、取引先との会食は交際費または会議費、特定の役員や従業員だけを対象とした飲食費は給与課税の対象になる可能性があります。特に食事補助では、従業員が食事価額の半分以上を負担しているか、会社負担額が1か月当たり7,500円以下かを確認しましょう。

飲食費は、勘定科目の判断を誤ると税務上の指摘につながる可能性があります。領収書だけでなく、参加者リスト、社内規程、支給理由、勤怠記録などを残し、後から支出目的を説明できる状態にしておくことが大切です。

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