
ー 御社の事業内容について教えてください。
株式会社幸袋テクノは、日鉄鉱業グループの一員として、鉱山用・建設用・化学用などの破砕機や篩分け機、残土改良機の製造・販売を行う産業機械メーカーです。破砕機に付帯する電気機器や金属検出機などの周辺装置も手がけ、これらの製品を組み合わせた各種プラントの開発や自動化システムを提供しています。ISO 9001を取得した高い品質管理体制のもと、設備の省力化・合理化を通じて、資源の有効活用と生産性向上に貢献しています。

ー TOKIUM経費精算を導入された背景について教えてください。
導入のきっかけは電子帳簿保存法への対応です。証憑を電子で保存・管理する必要が出てきましたが、当時は経費精算をExcelで運用しており、各部署の事務員が会計システムに手入力していました。証憑の管理も煩雑で、入力ミスのリスクを常に抱えていたこともあり、経費精算の仕組みを抜本的に変える必要性を感じていました。
さまざまなシステムの導入を検討しましたが、最終的には画面が直感的で操作しやすく、外回りの多い営業担当者でもスマートフォンで外出先から経費精算ができる点が決め手となり、TOKIUM経費精算を導入しました。
ー TOKIUMインボイスを導入された背景について教えてください。
経費精算に加えて、請求書の処理にも課題を抱えていました。当社は取引先の数が非常に多いため、請求書は月120件以上にのぼります。取引先が次々と請求書の電子発行を始めていた一方で、これまでと同様に郵送やFAXで送ってくる取引先もありました。そのため、郵送やFAX、WEBからのダウンロード形式など、あらゆる形式の請求書を受領できるシステムの整備が急務になり、TOKIUMインボイスの導入を決めました。
ー TOKIUM経費精算とTOKIUMインボイスを導入した効果を教えてください。
TOKIUM経費精算の導入により、各部署の事務員が行っていた会計システムへの手入力が不要になりました。申請から承認までがシステム上で完結するため、証憑の電子保存も自動的に対応できるようになり、当初構想していた電帳法に対応した経費精算業務を実現できました。また、システムの導入により経費の承認フローが整備されたことで、現場担当者が承認していない経費申請が経理へ回ってくることがなくなり、ガバナンスの強化につながっています。
TOKIUMインボイスについては、受領した請求書をシステム上でリアルタイムに確認できるようになったことが大きな変化です。以前は請求書が各部署に届いたあと、担当者が手元に抱えたまま経理に回ってこないことがあり、届いているのかいないのかも把握できない状況でした。現在は届いた時点でシステムから確認できるため、処理の遅れや漏れを防げるようになりました。
また、システムの導入により、事務員ごとに異なっていた入力内容が統一され、業務の標準化が進みました。これによって、退職や異動で担当者が変わっても引継ぎが容易になっただけでなく、属人化も解消できました。

ー TOKIUMの導入で業務が効率化された一方、新たに見えてきた課題はありましたか。
請求書を処理する際の仕訳入力です。本来であれば、何に使った費用なのかを把握している担当部署の担当者が入力すべきものですが、当社は製造業として扱う部品の種類が多岐にわたるため、仕訳の勘定科目が複雑です。経理の知識が十分でない各部署の担当者に任せると、誤った入力内容のまま経理に回ってくる可能性があります。経理担当者は2名しかおらず、限られた人員で全ての部署から届くすべての仕訳を修正するのは、現実的ではありませんでした。
そのため、最初から経理が入力を一括で代行する運用にしていました。これによって請求書の処理は効率的にできていましたが、一方でガバナンスの観点で問題を抱えていました。この方法では、部署責任者が請求書の中身を確認しないまま、経理だけで支払いが完了してしまう状態だったからです。仕訳入力の業務を現場に戻しつつ、いかに効率的に請求書を処理できる体制をつくるかが次に取り組むべき課題でした。
ー TOKIUM AI明細入力を導入された決め手を教えてください。
決め手は、経理の知識がない各部署の担当者でも仕訳入力ができるようになる点です。TOKIUM AI明細入力は、AIが明細を読み取り、取引内容や金額、取引先名、過去の仕訳データなどから勘定科目を自動で判定して入力してくれます。取引先ごとにフォーマットが異なる請求書にも対応でき、面倒な初期設定も不要ですぐに使い始めることができました。
さらに、担当者がAIの入力結果を修正すると、その内容を自動で学習して次回以降に反映される仕組みがあります。使い続けるほど精度が上がっていくため、担当部署に展開した後も、経理に回ってくる入力ミスは徐々に減っていくと感じました。これなら、担当部署に業務を戻しても大きな負担をかけずに済むと判断し、TOKIUM AI明細入力を導入しました。

ー TOKIUM AI明細入力の導入効果を教えてください。
定量面では、年間で80時間以上の工数削減を見込んでいます。特に効果が大きいのは、1行の明細で構成される定型的な請求書です。家賃や電気代などがこれにあたりますが、AIが入力した明細をほぼ見直す必要がなく、月120件以上届く請求書のうち約3分の1はすでに自動化できています。
それ以外の複数行にわたる明細についても、以前は1件あたり10分程度かけて手入力していたものが、AIの出力を確認・修正するだけで済むようになり、体感では作業時間が10分の1程度にまで短縮されています。
今後AIの学習が進んでいけば、さらに多くの工数が削減できると感じています。
ー 定性面についてはいかがでしょうか。
最も大きいのは、担当部署への業務移管に見通しが立ったことです。AI明細入力の精度を経理課内で検証した結果、1行の明細であれば担当部署に任せても問題ないレベルに達しており、現在は各部署への展開に向けた準備を進めています。
担当部署に業務が戻れば、各部署の責任者が費用の中身を確認したうえで承認する請求書処理フローが構築でき、ガバナンスの強化につながります。工数削減ももちろんありがたいですが、それ以上に、正しいルートで正しい費用として支払われる仕組みが整うことが、当社にとっての一番の導入効果だと考えています。

ー 今後どのような経理部門を目指したいとお考えでしょうか。展望をお聞かせください。
目指しているのは、AIが入力や処理を担い、人間は最終的な判断に集中する組織です。AIが迷った箇所だけを人がチェックする。そこまでいければ、経理業務の大半は自動化できるはずです。
日本の労働人口が減少していく中で、経理の採用は年々難しくなっています。10年、20年先を見据えると、少ない人数でも会社が存続できる仕組みづくりは欠かせません。お金に関わる業務は極力人が触らないほうがいい。人間はどうしてもミスや感情が入りますが、AIならコンスタントに同じ処理をしてくれます。まずは経理部門からAI活用を徹底し、「この人しか分からない」という状態を排除した組織基盤を作っていきたいと考えています。
ー 本日は貴重なお話をありがとうございました。
【取材日:2026年03月09日】