税金・保険料

【2020年最新】地方税率は何%? 基礎から税制改正までまとめて理解

公開日:2020.07.08更新日:2022.07.27

地方税率は、地域や事業の内容によって異なります。
都道府県や市町村に納付する地方税には、法人事業税法人住民税の2つがあり、次のように計算します。

  • 法人事業税=所得×法人事業税率
  • 法人住民税=法人税×税率(法人税割)+均等割

※資本金1億円以下の場合
令和元年10月以降開始の事業年度、東京都で資本金1億円以下の法人事業税率は以下の通りです。

東京都資本金1億円以下の法人事業税率

  • 年400万円以下の所得:3.5%
  • 年400万~800万円以下の所得:5.3%
  • 年800万円~:7%

法人住民税の税率は、税制改正により令和元年10月以降開始の事業年度で変更があります。
法人住民税の税率は次の通りです。
【法人住民税の税率】

都道府県民税市町村民税
標準税率制限税率標準税率制限税率
令和元年9月30日までに開始する事業年度3.2%4.2%9.7%12.1%
令和元年10月1日以降に開始する事業年度1.0%2.0%6.0%8.4%

 
この記事では、最新の税制改正や国税である法人税、地方法人税、特別法人事業税の税率についても紹介しています。
筆者は税務担当の経験がある経理社員です。
この記事が国税、地方税の知識と最新の税制改正の理解を深めるのに役立てば幸いです。

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地方税率は何%?


まず、地方税と国税について考え方を整理して、地方税の2つ「法人事業税」「法人住民税」の税率を詳しく解説していきます。

地方税と国税

地方税の税率を見ていく前に、法人が納める主な税金について整理しておきます。
法人が支払う税金は国に納める国税と、都道府県や市町村に納める地方税に分けられます。

  • 国税:法人税、地方法人税、特別法人事業税
  • 地方税:法人事業税、法人住民税(都道府県民税・市町村民税)

国税なのか地方税なのか、混乱しやすいのは「地方法人税」「特別法人事業税」です。

地方法人税

地方法人税は、「地方」と名が付きますが国に納めるので国税です。
地方法人税は国が徴収して地方交付税として分配します。
地域間の税収格差を埋めることを目的にしています。

特別法人事業税

特別法人事業税は、都道府県が徴収しますが、都道府県から国に納められ国が地方に再分配するため、国税です。
2019年10月に地方法人特別税が廃止され、特別法人事業税が創設されたので実効税率は変わっていません。

地方税の税率は?

先ほど述べた通り地方税には法人事業税と法人住民税の2種類があり、かなりざっくり言うと次のように計算します。

  • 法人事業税=所得×法人事業税率
  • 法人住民税=法人税×税率(法人税割)+均等割

※資本金1億円以下の法人の場合
法人事業税、法人住民税の税率は、法人の規模や地域、事業内容によって異なります。
それぞれ解説していきます。

法人事業税の税率

法人事業税とは、法人が事業を行うにあたり道路や公共サービスを使用するのでそれに見合う税金を都道府県に納めるべき、ということで課税される地方税。
法人事業税は以下の3つからできています。

  • 所得割
  • 付加価値割※
  • 資本割※

付加価値割、資本割は資本金1億円を超える外形標準課税の適用企業にのみ課されます。
所得割は先に述べた通り、次のように計算します。

【所得割の計算方法】

法人事業税=所得×法人事業税率

法人事業税率は、事業の内容によって異なります。
外形標準課税が課されない、資本金1億円を超えない企業の法人事業税率は以下の通りです。

【法人事業税率】

  • 電気供給業、ガス供給業、保険業:0.9%
  • 軽減税率不適用法人:4.6%もしくは6.7%
  • 上記以外:3.4%~6.7%

軽減税率不適用法人とは、3つ以上の都道府県に事務所などがあり、資本金が1,000万円以上の法人です。
例えば、令和元年10月以降開始の事業年度、東京都で資本金1億円以下の法人事業税率は以下の通りです。

東京都資本金1億円以下の法人事業税率

  • 年400万円以下の所得:3.5%
  • 年400万~800万円以下の所得:5.3%
  • 年800万円~:7%

事業所の地域別に確認する場合は、総務省「法人住民税・法人事業税の税率採用状況」で確認しましょう。
資本金1億円を超える企業については外形標準課税の適用となります。
外形標準課税の計算方法はかなり複雑で、以下の3つの合計額が事業税の額になります。

  • 所得割:所得×税率
  • 付加価値割:(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料)×税率
  • 資本割:資本金等の額×税率

外形標準課税の税率は次の通りです。

区分標準税率制限税率
所得割年400万円以下0.4%0.8%
年400万円超~800万円0.7%1.4%
年800万円超1.0%2.0%
付加価値割1.2%2.4%
資本割0.5%1.0%

 令和元年10月以降開始の事業年度
事業税の仕訳については以下の記事でも詳しく取り上げています。
https://www.keihi.com/column/19705

法人住民税の税率

都道府県民税と市町村税をまとめて法人住民税と呼びます。
個人が住民税を払うように、法人も住所のあるところで住民税を払いましょう、ということで課税されます。
法人住民税は法人税割均等割の合計額です。

【法人住民税の計算方法】
法人住民税=法人税×税率(法人税割)+均等割

法人税割は、法人税の額に地域ごとの税率をかけて計算します。
税率は地方自治体で決めることができますが、目安となる「標準税率」とこれ以上の税率はNGという「制限税率」が決まっています。
税制改正により、令和元年10月以降の事業年度では税率が変更になっています。

都道府県民税市町村民税
標準税率制限税率標準税率制限税率
令和元年9月30日までに開始する事業年度3.2%4.2%9.7%12.1%
令和元年10月1日以降に開始する事業年度1.0%2.0%6.0%8.4%

 
このように、法人住民税の税率は令和元年10月以降、5.9%引き下げられていますが、法人地方税が5.9%引き上げられているので納付する税額は変わりません。
均等割りは、従業員や資本金の額によって計算され、地域ごとに金額が異なります。
例えば、東京23区で従業員50人以下、資本金1,000万円以下であれば、均等割りの額は7万円です。

国税の税率と概要

TAXと電卓
地方税の法人事業税、法人住民税について解説してきました。
始めに述べた国税の3つ「法人税」「地方法人税」「特別法人事業税」の税率についても簡単に解説していきます。

法人税の税率

法人税は、次のように計算します。

法人税額=所得×法人税率

所得とは、益金(もうけ)から損金(事業のためにかかった費用)を除いた金額です。
普通法人の税率は以下の通りとなっています。

区分平28.4.1以後平30.4.1以後平31.4.1以後
資本金1億円以下の中小企業所得800万円以下の部分15%15%15%
所得800万円超の部分23.40%23.20%23.20%
資本金1億円超の企業23.40%23.20%23.20%

詳しくは国税庁No.5759 法人税の税率を確認してください。

地方法人税の税率

地方法人税は2014年に創設された税金で、国が徴収して地方自治体に配布されます。
地方法人税の税率は法人税額の10.3%です。(令和元年10月以降)

【地方法人税の計算方法】
地方法人税額=法人税額×税率(10.3%)

地方法人税額は、法人住民税が引き下げられた代わりに、5.9%引き上げられています。

【地方法人税の税率】

  • 令和元年10月1日前に開始した課税事業年度:4.4%
  • 令和元年10月1日以後に開始する課税事業年度:10.3%

国税庁「地方法人税の税率の改正のお知らせ」より

特別法人事業税の税率

2019年10月に地方法人特別税が廃止され、特別法人事業税が創設されました。
特別法人事業税は、法人事業税と合わせて都道府県に申告・納付して、都道府県が国に納めて、国が特別法人事業譲与税として地方に配分します。
計算方法は次の通りです。

特別法人事業税の金額=事業税の所得割額(収入割額)×税率

税率は以下の通りです。

【特別法人事業税の税率】

  • 外形標準課税法人(資本金1億円超):260%
  • 所得課税の普通法人(資本金1億円以下):37%
  • 所得課税の特別法人(協同組合、医療法人等):34%
  • 収入金額課税法人(電気供給業等):30%

総務省「特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案の概要」より

地方税率まとめ


地方税には法人事業税、法人住民税の2つがあり、税率は、地域や事業内容によって異なります。
税制改正があり、令和元年10月以降の事業年度においては法人住民税が引き下げられています。
したがって、4月はじまりの多くの企業が、令和2年度の申告から改正後の税率の適用を受けることになります。
しっかり確認しておきましょう。

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