電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は事務処理規程で乗り越えられる?注意点を解説

公開日:2022.06.03更新日:2023.01.31
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真実性の確保」「可視性の確保」という言葉は、電子帳簿保存法について調べたことのある経理部の方なら必ず聞いたことがあるでしょう。

このうちの「真実性の確保」を満たす上で、電子取引によるデータ改ざんを防止する必要があり、あらゆる法人が以下の3択のいずれかを選ぶ必要があります。

  1. 訂正削除の防止に関する事務処理規程を備え付ける
  2. 訂正削除履歴が残る又は訂正削除ができないシステムを利用する
  3. タイムスタンプ付与が可能なシステムを利用する

おそらく、本記事の読者の方もタイムスタンプ付与型のシステムを導入すべきか否かで悩まれているか思います。当編集部としての意見では、事務処理規程での対応はお勧めできません。

そこで本記事では、事務処理規程についての基本的な解説に加え、事務処理規程による運用がおすすめできない理由について詳しくご説明します。ぜひ最後までご覧ください。

電子帳簿保存法ガイドバナー

電子帳簿保存法の電子取引

電子帳簿保存法とは、帳簿・決算書類・契約書・請求書などを一定の条件下で電子保存することを認める法律です。

保存の区分は①電子帳簿等の保存②スキャナ保存③電子取引の3つあり、今回は電子取引について着目します。電子取引の例は以下です。

  • 電子メールで、メール本文や添付資料として受領した書類
  • webサイトからダウンロードした書類
  • クラウド上やメールで受け取ったカード明細や交通明細

電子データは、紙とは異なりデータ改変や複製などが容易であるため、存在する電子データが「オリジナルか改変されたものかの区別が難しい」という問題があります。この問題を解消するために、「タイムスタンプ」や訂正削除の履歴がわかる形でのデータ保存が求められます。

電子取引の電子保存は2024年1月から義務化

2022年に電子帳簿保存法が改正され、帳簿・決算書類・契約書・請求書などの電子保存について条件が定められました。デジタル化を推進するため電子保存における要件が大幅に緩和された一方、電子取引の電子データ保存が義務化され、従えていない場合の罰則も強化されています。

しかし、中小企業を中心に電子化への対応の遅れが目立ったことから、令和4年税制改正によって、仕組みへの対応を準備する期間として2年間の猶予が設定されました。電子化の義務は事実上先延ばしになりましたが、2024年には電子取引の保存が義務となります

電子帳簿保存法には細かな要件も多くあるため、電子化への対応を早めに開始し、2024年には対応・運用できるよう準備をしていくことが重要となるでしょう。

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電子取引の保存要件とは

電子取引の保存要件については、「可視性の確保」と「真実性の確保」の2つのポイントから、詳細な要件が定められています

「可視性の確保」については、次の条件を満たす必要があります。

  1. 保存場所に、電子計算機・プログラム・ディスプレイ・プリンタとそのマニュアルを備え付け、整然とした明瞭な形式で出力できるようにしておくこと
  2. 電子計算機処理システムの概要書を備え付けていること
  3. 検索機能を確保すること(①取引月日・取引金額・取引先などによる検索②日付または金額による検索③2つ以上の任意の検索項目での検索 など。ただし条件によっては①のみで可。)

「真実性の確保」については、次の条件のうちいずれかを満たす必要があります。

  1. タイムスタンプが付与された書類を受け取り、保存する
  2. タイムスタンプを速やかに付与し、保存者や監督者の情報を見れるようにする
  3. 訂正削除の記録が残る/訂正削除ができないシステムを利用する​
  4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程を備え付け運用する

それぞれ条件が定められているので、自社に合う要件を正しく選び運用することが重要です。

電子取引に向けては、システムでの対応が有効です。「TOKIUM電子帳簿保存」をはじめとする文書管理システムを活用すると、納品書や見積書等のあらゆる国税関係書類を紙・電子データの形式問わず一元管理できます。加えて、受領段階でのタイムスタンプ付与+原本保管まで対応可能です。導入することで、電子帳簿保存法の要件に対する懸念を抱くことなく、法対応が実現可能となります。

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事務処理規程とは

電子帳簿保存法で「真実性の確保」を満たすための要件として、タイムスタンプや記録の残るシステムなどを使用しない場合には、事務処理規程を作成し運用することが求められています。

事務処理規程では次のような内容を満たした社内規程を整備し、運用することが求められます。

  • 取引について、相互のけん制が機能する体制であること
  • 事務処理手続きについて定期的な検査を行う仕組みであること
  • 問題が発見された場合、再発防止や手続きの見直しを行うこと

具体的な規程の例が国税庁のホームページに定められており、内容は次のようなものとなっています。

  • 目的…目的や参照している法律など
  • 適用範囲…規程が適用される範囲の人
  • 管理責任者…規程の管理責任者
  • 電子取引の範囲…EDI、電子メールなど
  • 取引データの保存…保存場所・保存年数など
  • 対象となるデータ…対象となる文書(見積書類・納品情報など)
  • 運用体制…責任者などの名前
  • 訂正削除の原則禁止…訂正や削除の原則禁止
  • 訂正削除を行う場合…訂正や削除を行う場合の内容や方法

参考:​​国税庁|各種規程等のサンプル

事務処理規程を作成する場合、こちらの規程を参考にし、自社のワークフローやシステムなどに合わせて運用可能なものを作成すると良いでしょう。

事務処理規程での運用をおすすめしない2つの理由

電子データの保存では、タイムスタンプの使用・システム導入・事務処理規程の作成といった手段の中から選ぶことができますが、事務処理規程での運用はおすすめできません

理由1 : 規程を詳細に備付けなければならない

事務処理規程を適用する際には、規程を詳細に備え付ける必要があり、煩雑な業務を伴います。規程には例えば次のような内容を示すことが必要です。

  • 取引の範囲…クラウド・メール・EDIなど、どの取引が範囲となるのか具体的に詳細を示す必要があります。
  • 対象となるデータ…見積書・領収書・請求書など、どの書類が対象となるのか具体的に詳細を示す必要があります。
  • 訂正や削除…訂正や削除ができる条件、その方法について社内のフローやシステムに合わせて詳細を示す必要があります。
  • 責任者・管理者・適用範囲…責任者や管理者を定めて記載することに加え、規程に従う必要のある人の範囲も示す必要があります。

どれも規程のテンプレートはありますが、実際には社内のフロー・システムや業界の慣習に合わせて実行可能な規程を作成する必要があり、時間と手間がかかるでしょう。また、作成した規程の内容が法令に沿っているか確認し、場合によっては見直しも必要となります。

理由2 : 訂正削除を厳密に行う必要がある

事務処理規程では、訂正や削除を行う際には次のような手順をとることが定められています。

  • 業務上やむを得ず訂正・削除をする際には、申請書に内容を記載し、管理責任者に提出。(申請書には、伝票番号、訂正・削除の日付内容理由、担当者名などを記載)
  • 管理責任者は、申請書の提出を受けた場合、正当な理由がある時のみ承認し、処理責任者に訂正や削除を指示
  • 処理責任者は、取引関連情報に履歴の情報を示し、訂正・削除完了報告書を作成して、管理者に提出
  • 訂正・削除の申請書、訂正・削除の完了報告書は、対象となった取引データの保管期間が終了するまで保管。

このように、事務処理規程は単に作成して終わりではなく、訂正削除を行う場合には、「取引関係情報ごとの訂正削除理由の記録」や、承認フローの整備や証憑管理体制の構築による「承認行為の正当性の担保」が必要になります。

結論 : 電子保存への対応なら「タイムスタンプ機能のあるシステム」または「訂正削除履歴が残るシステム」

電子帳簿保存法への対応として、事務処理規程を選ぶと上記のような煩雑な作業を伴います。また、事務処理規程での運用が問題なくできるかどうかの検証にも時間がかかるため、タイムスタンプ機能のあるシステム」あるいは「訂正削除履歴が残るシステム」を選ぶことをおすすめします。

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電子帳簿保存法の改正により、電子保存の要件が緩和されている一方で、罰則も強化されているため、確実に要件を満たすシステムを使用することが重要です。なお、JIIMA認証を受けたシステムであれば、確実に電子保存要件に沿っているため、安心して使用ですることができます。

代表的な文書管理システム「TOKIUM電子帳簿保存」では、あらゆる国税関係書類(見積書・請求書・納品書・契約書・発注書等)をオンラインでまとめて管理することが可能です。

書類の電子管理ができることに加え、原本の受領とスキャン・データ入力・保管まで代行されます。そのため、電子帳簿保存法に対応する追加の手間をなくせるだけでなく、紙と電子データの二重管理からも解放され、完全なペーパーレス化を実現できます。

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まとめ

当記事では、電子帳簿保存法の概要についてご説明し、電子化の条件が緩和されている一方、罰則も強化されているため要注意なことを解説しました。

今回、電子帳簿保存法に際してシステム導入という選択肢もご紹介しましたが、電帳法対応のシステムと比較ポイントについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご参考にしてください。

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