電子帳簿保存法

電子帳簿保存法の電子取引とは?電子保存の方法を解説!

公開日:2022.04.21更新日:2022.04.21

電子帳簿保存法の改正により、電子取引については取引データの電子保存が義務化されます。しかしながら、「そもそも電子取引とは何を指すのか」具体的にどのように電子保存したら良いか」といった疑問を持たれている経理担当者も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、電子帳簿保存法・その改正内容・対応方法について詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法(電帳法)とは、帳簿や決算関係書類、契約書・請求書などを、一定の条件下で電子上での保存をすることを認める法律です。
高度情報化やペーパーレス化が進み始めたことを背景に、1998年に事務負担を軽減し紙の使用を削減することを目的として施行されました。
その後も時代が進むにつれて何度か改正され普及が図られてきましたが、要件の厳しさや慣習を変えることの手間から普及に時間がかかっている側面もありました。
2022年、コロナ禍におけるリモート化の促進・DXの普及・2023年のインボイス制度導入などを背景に、大幅な改正がなされました。今回の改正は、事前承認廃止や要件緩和などを通して、帳簿の電子保存をさらに押し進めることが目的です。

2022年の電帳法改正ポイント

今回の電帳法改正について、重要な5つのポイントを説明します。

1.事前承認制度の廃止

これまで国税関係帳簿を電子保存するためには事前に税務局への申請が必要でしたが、今回の改正により廃止されました。
改正前は、電帳法の適用を開始したい時期の3ヶ月前までに税務署へ届ける必要があり、実際の導入までに数ヶ月から1年近く時間がかかるケースも多かったのですが、今回の改正によってよりスムーズな移行が可能です。
また、導入前における事業者の事務負担も削減されるため、今後ますます電子帳簿保存法を適用する企業が増えると予想されます。

2.データ保存要件の緩和

これまで保存する際には年月・取引金額・勘定科目などの主要な記録項目に加えて、日付または金額の範囲指定により検索ができ、2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件で検索できることが必要でした。
今回の改正により、検索要件の記録項目が取引年月・取引金額・取引先に限定され、範囲が狭くなっています。加えて、税務職員に電気的記録のダウンロードを求められた場合に応じられる際には、範囲指定による検索や2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた検索はできなくても良いこととなりました。
このように保存要件が大幅に緩和されたことで、大企業だけでなく一般的な中小企業でも保存要件を満たすことがより容易になると考えられます。

3.スキャナ保存要件の緩和

タイムスタンプ要件が緩和され、適正事務処理要件が廃止されました。
タイムスタンプについては、これまで書類受領から3営業日以内に押す必要がありましたが、今回の改正では最長約2ヶ月と概ね7営業日以内とされ、期間が長く変更されました。
また、これまで、定期的な検査や相互チェックの仕組みなどの適正事務要件を満たす必要がありましたが、今回の改正では不要となっています。

4.電子取引データの電子保存義務化

電子取引のデータについて、従来は紙での出力・保存も認められていましたが、令和4年1月の電子帳簿保存法の改正によって原則電子保存が義務付けられました。
電子取引データの電子保存については、上述のデータ保存要件・スキャナ要件を満たすかや事業規模を問わず、一律で適用対象となります。
ただし、令和4年度税制改正によって、令和5年までは電子データの保存要件への対応が困難な事業者がある場合には、事情に考慮して引き続き出力書面等による保存が可能とされています。この際には、税務調査等の際に整然とした形式及び明瞭な状態で資料が提出できるよう、用意が必要とされます。
令和6年以降は例外なく、全ての事業者に対して電子取引データの電子保存が義務付けられているため、現時点で対応できない事業者も早めに準備を進めていくことが必要でしょう。
電子データの電子保存については、保存するにあたって、真実性の確保・可視性の確保という要件が定められているため、内容を確認して正しく対応することが求められています。

【2022年】電子保存義務化が延期!2年間の猶予措置が適用される条件を解説

5.不正行為に対する罰則強化

要件緩和がされた一方で、不正行為に対する罰則は強化されています。
具体的には、電子データの記録に改ざんなどされた場合には、通常課される重加算税に加え、さらに申告漏れの金額に対して10%の税額が加重される予定です。
また、電子取引の電子データ保存に対応していない場合、青色申告の取り消し処分がされる可能性もあります。罰則が強化されていますので、よく内容を確認し、間違えや不正が起きないように気をつけることが重要となるでしょう。

電子取引とは?

電子取引とは、電磁的に取引を行い、見積書・請求書・領収書・納品書などを電子上で授受する取引のことで、様々な形態での取引が当てはまります。
具体的な取引としては、EDI取引・インターネット取引・電子メール取引・クラウド取引・ペーパーレスFAX・DVDなどです。それぞれについて、詳しく説明します。

EDI取引

EDIとは「Electronic Data Interchange」を略した言葉で、EDI取引とは専用回線や通信回線で電子データを交換する取引のことを示します。
EDIのシステムを導入することで請求書や領収書の発行などを定められた内部統制手続きに沿ってより正確に効率的に行うことができる為、導入する企業が増えており、企業間(BtoB)の取引で主に使われます。ただし、導入に費用が手間がかかることもあり、規模の小さな会社では導入が進みにくいのも実態です。
EDI取引はシステムによって設定や領収書・請求書のフォーマットが異なるため、必要な情報が記載されているかを確認し正しく保存をすることが求められます。

インターネット取引

インターネット上にあるホームページやWEB配信などから領収書や請求書をダウンロードする取引のことを指します。企業のホームページにログイン情報などを入れることでアクセスできるものや、メールなどでWebのリンク先が配信されるものがあります。
インターネットに繋げることで、原則どの端末でもどこでもダウンロードできるため、取り入れている企業も多いです。
インターネット取引は企業によって設定や書類のフォーマットが異なるため、必要な情報が記載されているかを確認し要件に合わせて保存することが求められます。

電子メール取引

電子メールによって領収書や請求書などのデータを受け取る取引のことを示し、例えば電子メールに添付する形でPDFファイルを受け渡しするケースが当てはまります。
領収書や請求書に通常記載されている日付・取引先・金額などといった情報が電子メールに記載されている場合には、電子メールの保存が必要です。一方、電子メールには情報がなく添付ファイルに情報が記載されている場合には、添付ファイルの保存のみで良いとされています。
一般的には添付ファイルの保存のみの方が簡単なため、特に自社が送り側となる際には、添付ファイルのみに情報を記載する方が好まれる場合が多いようです。客先に応じた送り方や保管の仕方を意識すると良いでしょう。

クラウド取引

クラウドサービスを介して領収書や請求書などのやりとりをする取引です。例えばクラウドサービスにログインすることで電子領収書や電子請求書を送り、ダウンロードすることができます。同じクラウドを使えばフォーマットが統一されているので見やすく、管理も簡単なのがメリットです。
保存はクラウドサービスから領収書や請求書をダウンロードして保管するのが一般的です。クラウドサービスは電子帳簿保存法に対応するようにフォーマットなどは設計されていることが多いですが、ファイルの保管方法などについて要件を確認しておくと安心でしょう。

クラウドサービス利用

クラウドサービスを利用した取引で、各社のクラウドにアクセスすることで必要なデータをダウンロードできます。
具体的には、クレジットカードの利用明細データ・交通系ICカードによる支払データ・スマートフォンアプリによる決済データなどが該当します。会計システムなどと紐づけることで仕訳が自動で入力されるような機能もあり、導入する企業も多いです。
クラウドサービスも基本的には取引先・金額・日付など情報が網羅されていることが多いですが、データ保管の方法などについては電子帳簿保存法に沿うよう確認をしておくと安心でしょう。

ペーパーレスFAX

ペーパーレスFAXは、受信したFAXを印刷せずにPDF・TIFF・DocuWorksなどの形で保存することができます。用紙を印刷する必要がないため、コストや手間の削減に有効です。
受け取り方が企業によって異なるケースが多いため、都度電子帳簿保存法と条件が合っているか確認すると安心でしょう。
FAXと電子帳簿保存法の関係については、こちらの記事でも説明しています。

FAXでの書類の受領は電子帳簿保存法の電子取引に該当する?

DVD等の記録媒体

DVDなどの記録媒体で領収書や請求書などのデータを受領する方法です。DVDの形で受領した場合、基本的にはダウンロードし、自社で使っているファイルやサーバーなどに保管することが求められます。記録媒体によってダウンロード方法も異なるため、取引開始前に受け取り方や保存の仕方を確認をしておくと安心でしょう。

電子取引データの保存要件

ここでは電子取引データの保存要件について説明します。以下の記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

請求書の電子保存に必要な要件とは?紙での保存ができなくなる?!

真実性の確保

 
真実性の確保は、保管しているデータの内容が正しいものであることを裏付けることが目的です。
具体的には次の要件のいずれかを満たす必要があります。

  1. タイムスタンプが付された後に取引情報の授受を行う
  2. 取引情報の授受後速やかにタイムスタンプを付し、保存を行う者または監督者に関する情報を確認できるようにしておく
  3. 記録事項の訂正や削除を行った場合にその事実が確認できるシステムか、記録事項の訂正や削除ができないシステムを使用する。
  4. 記録事項の訂正や削除に関して事務処理規定を定め、それにそった運用を行う

1のタイムラインスタンプを付けた後に取引情報を授受する方法は取引先の協力も必要なため、難しい場合も多いです。
2や3の要件は自社のシステム導入のみとなるため、コストや運用がうまく行けば導入できるでしょう。
4の社内規定で対処する方法の場合、今後も継続的に社内周知することが重要です。

可視性の確保

 
可視性の確保は、税務署や関係者が必要な時にデータを確認しやすくすることが目的です。
具体的には以下の要件を確保することが求められています。

  1. 保存場所に、電子機器(パソコンなど)・プログラム・ディスプレイ・プリンタ及びこれらの操作マニュアルが備え付けられており、画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと
  2. 電子計算機処理システムの概要書を備え付けること
  3. 検索機能を確保すること(”年月・取引金額・勘定科目などの主要な記録項目について検索できる、日付または金額の範囲指定により検索ができる、2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件で検索できる”のうち全部あるいは条件により一部)

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まとめ

電子帳簿保存法の改正により、電子データ保存の緩和が進められていますが、一方で罰則の強化も進められており、システム導入により正確に要件に沿うことがより求められています。
TOKIUMインボイスを導入することで、電帳法に完全対応するだけでなく、業務効率化を実現できるため、ぜひ導入を検討されてはいかがでしょうか。

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