会計処理

月次決算とは?経理が押さえるべき流れを8ステップで解説

公開日:2022.07.28更新日:2022.07.29

月次決算は、年次決算と同様に経理にとって重要な業務のひとつです。しかし、まだ月次決算を経験したことがないという経理初心者の場合、何をどう進めて良いのか悩んでしまうこともあるかもしれません。

そこで本記事では、月次決算の目的を明確にした上で、経理が押さえておくべき流れを8ステップで分かりやすく解説します。
最後には、月次決算を効率的に取り組むコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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月次決算とは

月次決算とは、1ヶ月単位で行う決算業務のことです。毎月の会社の売上高や、営業成績や財政状態を把握するために行われます。決算業務は、日次・月次・四半期・年次ごとに行う企業も多くあります。一般的には、年次決算に加えて、毎月会社の経営状態を把握することができる月次決算を導入している企業が多いです。
中小企業はもちろん、大企業などでも税理士に依頼して月次決算を行うなど、年次決算に向けての下準備という面からも月次決算は取り組むべき業務です。月次決算を行うことで、速やかな経営判断を実践することが可能になります。

また、月次決算と年次決算の最も大きな違いは、法律で義務付けられているかどうかという点です。年次決算は年に1回実施されるもので、1年間の会社の財政状態を明確にし、全ての取引を生産するために行います。年次決算は国内に存在する全ての会社に義務付けられており、提出書類や期日、報告期間などが細かく定められています。
これに対し、月次決算は提出に関しての法的義務がなく、あくまでも会社の裁量によって定められるものです。つまり、月次決算を導入するかどうかはその会社の自由ということになります。

月次決算の目的

上述の通り、月次決算は法律で義務付けられたものではありません。しかし、経営者や経理担当者にとっては、月次決算を行うことで得られるメリットが多く存在します。ここでは、月次決算が必要な理由を大きく3つ説明します。

状況に応じた最適な経営判断ができる

1ヶ月単位で決算を行うと、速やかな経営判断を実践することが可能になります。その月の売上や利益・支出などを整理し、当月の利益や経費の把握、予算を達成しているかどうかもすぐに把握することができるからです。また、翌月以降の売上予測や年間予算とのギャップ、改善点・市場の変化などを細かく分析して確認できるようになります。

加えて、赤字が続けば必要に応じて融資を検討したり、経費削減などの措置をとるなど、スピーディーに自社の財政状況に合わせた経営戦略を検討し直すことも可能になるのです。

年末の決算業務の負担を大幅に軽減できる

年次決算は、1年間の会社のお金の流れや負債、資産運用などすべての会計業務を精算するための重要な業務です。1年間にたまった書類や帳簿を整理し、決算書類を期日内に作成して提出するためには、膨大な労力がかかります。
月次決算によって毎月の決算業務を取りまとめることは、年次決算で必要な業務の軽減につながるのです。

データの修正にすぐに対応できる

会社が行う取引の数は、企業規模が大きくなればなるほど増え、扱うデータの数も膨大なものになります。月末ごとに決算を行い、その都度データがしっかり整理されていれば、万が一数字の修正やミスがあった場合でもすぐに対応することができます。長期にわたって停滞している未払金や未収金なども見つけやすくなるため、早期での対応が可能になるでしょう。

経理が押さえるべき月次決算の流れ8ステップ

次は、月次決算の流れについて見ていきましょう。経理にとって数字のミスは許されません。慣れないうちは、「何から始めれば良いのか」「いつまでに終えるべきか」など、戸惑ってしまうこともあるでしょう。
月次決算は、正確かつできるだけ迅速に行うことが重要です。まだ経験したことがないという場合は、まず大枠の流れを理解しておく必要があります。また、8ステップで行う細かな業務や手順についても、ここでしっかりと確認しておきましょう。

1.現金・預金の残高を確認する

月次決算の最初のステップとしては、毎日つけている帳簿残高と実際の現金・預金の残高が一致しているかを確認します。

  • 現金は、現金出納帳の残高と金庫にある実際の現金(金種表を作成)が一致しているかどうかを確認。
  • 月末の預金通帳の残高と、帳簿の残高が一致しているかどうかを確認。
  • 金融機関別に作成しておいた利息計算書を受取利息の帳簿残高と合わせて確認。

2.月次の棚卸高を確定する

月末の棚卸しを行って、帳簿と一致しているかどうかを確認し、現在の在庫数と金額を確定します。「棚卸資産管理手続き」が整備されていれば、実地での棚卸しを省略できる場合もあります。

  • 社外に保管している在庫があれば、それらも全て確認。
  • 不良品や返品、長期滞留在庫があるかどうかの確認。
  • 月末在庫と帳簿上の在庫数・在庫金額に差異がないか確認。

3.仮勘定の整理をする

仮払金や仮受金など一時的な仮勘定項目は、そのままでは計上することができないため、それぞれに適正な勘定科目に振り替えて整理します。

  • 仮払金・仮受金の精算漏れがないか確認。
  • 前払費用の計上漏れがないか確認。
  • 仮払金等で長期にわたり、未精算のものはないか確認。

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4.経過勘定を計上する

当月の費用や収益分を各勘定科目として計上します。未入金や未実施の場合は、未払費用・未収収益として計上します。対象項目や計上基準を事前に設定しておくと、スピーディーに計上を終えることができるでしょう。

  • 長期未払費用の取引がないかを確認。
  • 給与残高は0になっているか確認。
  • 次月以降の支払いや受け取りがあるものを漏れなく経過勘定に計上したか確認。

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5.減価償却費・引当金を計上する

減価償却費や退職金・賞与・固定資産税・各種保険料や労働保険料などを対象にした期末確定費用は、1年間の費用を見積もった上で、月額費用として12分の1を計上します。

  • 固定資産台帳と会計帳簿の取得価格、減価償却費、帳簿の金額が一致しているか確認。
  • 各勘定科目の計上漏れがないか確認。
  • 固定資産税など税務関係の月額の支払い費用がないか確認。
  • 各保険料の月額の支払い費用がないか確認。

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6.売掛金・買掛金を計上する

当月中に回収・支払いを行った売掛金や買掛金を計上します。各締め日には銀行で記帳を行い、支払いがなされているかをこまめにチェックします。

  • 売掛金・買掛金残高と帳簿の残高が一致しているか確認。
  • 未払いの買掛金がないか確認。
  • 未収になっている売掛金はないか確認。

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7.月次決算書を作成する

1ヶ月以内の仕訳内容を全て総勘定元帳に転記します。月次決算書として必要な書類には、以下のものがあります。

  • 損益計算書
  • 貸借対照表
  • 資金繰り表
  • 借入金一覧表
  • 受注残高表
  • 在庫一覧表
  • 経費推移表
  • 各試算表 など

会社によって必要な書類が異なる場合もあるので、注意が必要です。事前に確認しておきましょう。

8.月次業績報告を行う

月次決算で取りまとめた結果は、適切な経営管理ができているかどうかを資料に取りまとめ、経営陣に向けて報告します。その際、経営状態がひと目でわかるように月別予算や前年同月の実績との対比を比較したもの・年間推移など、各種のデータ分析を行った資料も作成します。

効率的に取り組むコツ

月次決算を決められた時間内で適切に行うためには、どんなことに気をつけて業務を進めればよいのでしょうか。ここでは、月次決算に効率的に取り組むコツについて解説します。

締め日の周知を徹底する

月次決算ではスピーディーな決算業務を行うことが重要ですが、必要書類の提出が遅れることなどが原因で、作業全体が遅れてしまうケースも多いです。そのため、各部署からの経費精算書類や納品書、請求書などの必要書類を早めに取りまとめておくのがコツの一つです。交通費などの領収書もすべて締め日を周知し、従業員全員が期日厳守で書類を提出することを義務付けていきましょう。
一定の期日を決めて提出日を確保しておけば、月末までにある程度のデータを整理しておくことができるので、効率よく月次決算の作業を進められるようになります。

スケジュールを共有する

月次決算に必要な書類の締め日がわかれば、そこからデータの取りまとめや書類作成・棚卸しなどの具体的な業務に取り組めるようになります。月次決算を効率的に行うには、締め日が終わった後の毎月のスケジュールを経理部署全体で共有し、担当業務やそれぞれの進行状況がわかるようにしておきましょう。
決めたスケジュールに沿って計画通りに進めていけば、通常業務と平行しながら決算業務を行うことができ、万が一何か問題が起きた場合にも迅速に対処することができます。

経費精算システムを活用する

月次決算は、年次決算と並んで精度の高さが求められる重要な業務です。いくら役割分担をしていても、担当者のスピードに左右されるため、なかなかスムーズに進められないこともあります。そこでおすすめなのが、経費精算システムの活用です。
経費精算システムでは、スマホで領収書の写真を撮るだけで自動入力が行われたり、ICカードの読み取りや乗換案内アプリとの連携で自動的に交通費の申請を完了できます。電子帳簿保存法に対応しているシステムを導入すれば、領収書などのスキャナ保存も可能。そのため、経理業務の効率化に加えて、ペーパーレス化やテレワーク対応にも繋げることができます。クラウド型の経費精算システムであればどこからでもアクセスでき、会計システムとの連携もスムーズにできるため、経理の負担を大幅に軽減できるでしょう。

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まとめ

月次決算の流れや実施項目、効率的に行うコツをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

月次決算は、初めて取り組む人にとっては大変な作業かもしれません。しかし、経理部門として業務を遂行する上では、取り組むべき仕事の一つでもあります。また、月次決算は一人だけで行うのではなく、日頃から部署内外・社内外との連携や協力関係が大切です。

また、入力ミスや漏れが生じないようチェックリストなどを有効活用し、自分なりにスムーズに進められる対策を練っておくようにしましょう。ぜひ、この記事を参考に初めての月次決算に取り組んでみてください。

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