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納品書在中の封筒に関するマナーから郵送手順まで完全ガイド

更新日:2024.12.23

この記事は約 6 分で読めます。

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ひと口に経理業務といっても、パソコンを使ったデータ管理からアナログな事務作業まで、その内容は多様です。新卒や配置転換で始めて経理を行う人にとってはやり方が分からずに迷ってしまう業務も多いのではないでしょうか。

納品書の封入や記載に関する業務もその1つで、困難な業務ではないものの、やり方が分かっていないとスムーズに進めることはできません。

→ダウンロード:経理担当のための「請求書保管マニュアル」

本記事では、納品書在中の封筒に関するマナーから郵送手順まで、スムーズに進めるためのポイントをお伝えします。

正しい記載方法や封筒の選び方を知ることで、受け取り担当者との円滑なやり取りが実現し、取引先からの信頼も得られるようになるため、ぜひ参考にして下さい。

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「納品書在中」を記載する理由とメリット

納品書を送付する際、封筒に「納品書在中」と記載するのは、次のような理由やメリットがあります。

  • 納品書のスムーズな受け渡しが可能
  • 相手企業担当者の負担軽減
  • 重要書類と認識されやすくなる
  • 取引先からの信頼度向上

納品書受け取り担当者にスムーズに届けられる

企業には広告やメール便などを含め、日々、多くの封筒が届きます。大企業ともなれば数十から百に近い封筒が届くことも珍しくありません。

その中で、封筒に「納品書在中」と記載されていれば、中身を瞬時に判断できるため、納品書受け取り担当者にスムーズに届けられます。未処理のまま紛失、または廃棄してしまうリスクを軽減できるでしょう。

相手企業の作業負担を減らせる

相手企業の作業負担を軽減できるのも、封筒に「納品書在中」と記載する理由でありメリットです。

「納品書在中」と記載されていれば、相手企業は受け取った封筒を開封し、中身を確認した上で内容によって分類する手間がかかりません。その結果、大幅な作業時間の削減が可能になります。

重要書類として認識され、丁寧に扱われる

宛先しか記載されていない封筒に比べ、「納品書在中」と記載されている封筒は、重要書類として認識され丁寧に扱われる可能性も高まります。

前述の通り、企業によっては広告なども含めて毎日大量の郵便物が届きます。そのため、重要書類が入っていると認識されないと、紛失や廃棄のリスクも高くなるでしょう。

トラブルを避けるためにも、封筒に「納品書在中」と記載することで、丁寧に扱ってもらえることは、どちらの企業にとっても大きなメリットです。

取引先の信頼度を高められる

納品書を入れた封筒に「納品書在中」と記載するのは、ビジネスマナーの一環です。つまり、封筒に「納品書在中」と記載することで、取引先からしっかりとビジネスマナーを実践している企業であると認識してもらえます。

封筒を開ける際にも乱暴に開けられることがなくなります。中身の書類が破れたり、折れてしまったりといったリスクも減るでしょう。

取引先にビジネスマナーができている企業として信頼をしてもらえれば、その後のビジネスも進めやすくなる上、いざという時に頼ってもらえる可能性も高まります。

なお、併せて請求書在中の封筒に関する正しいマナーや送付方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧下さい。

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「納品書在中」を封筒に書く際の注意点

封筒に「納品書在中」と記載することでさまざまなメリットを得られるものの、次の点には注意が必要です。

  • 記載する場所を間違えない
  • 文字色は青にする
  • 効率的かつ正確に記載する
  • 記載する順番を間違えない
  • 手書きにする場合は文字を囲み分かりやすくする

以下で、注意点を詳しく解説します。

縦書きなら左下、横書きなら右下に記載する

「納品書在中」を記載する箇所は、基本的に縦書き封筒であれば左下、横書き封筒であれば右下にすることで、宛先と被らずに目視しやすくなります。住所や宛先などと重なってしまう場合は、位置をずらして記載してもかまいません。

文字色は青を選択する

「納品書在中」の文字色は青を選択するのが良いでしょう。最も目につきやすい色といえば、赤となるものの、赤は一般的に緊急性のあるものや親展などで使われる色です。

また、赤は「赤字」を連想させる色でもあるため、避けることをおすすめします。特に、お金関係の書類をやり取りする際には、好まない人も少なくありません。

黒だと宛先と色が被り目立たない、赤だと印象が良くない、結果として宛先と被らず比較的目立つ色である青がおすすめです。

送付数が多い場合はハンコやスタンプを活用する

送付数が多い場合は手書きではなくハンコやスタンプを使っても構いません。「納品書在中」を記載するのは、取引先に納品書が入っていることを伝えることが主目的です。そのため、必ずしも手書きでなければならない理由はありません。

特に取引先が多い場合、1日に何通も納品書を送付することもあるため、効率化だけではなく正確性を期す意味でもハンコやスタンプの活用がおすすめです。

縦長封筒には縦長のスタンプ、横長封筒には横長スタンプを用意すると良いでしょう。

納品書を封筒に入れる前に記入する

手書きはもちろん、ハンコやスタンプの場合でも、納品書を封筒に入れる前に「納品書在中」を記載しましょう。

納品書を封筒に入れた後だと、手書きの場合、文字の書き損じが起こりやすくなります。また、ハンコやスタンプもインクが滲んでしまう可能性があるため、封入前に記載するのがおすすめです。

手書きの場合は定規で四角く囲む

「納品書在中」の文字を手書きで書く場合、より際立たせるには、文字を四角く囲むようにします。

ただし、フリーハンドで書くと直線が歪んでしまい見栄えが悪くなる可能性もあるため、手間をかけてでも定規を使ってゆがみのない四角を書きましょう。

封筒の選び方と納品書の入れ方

納品書を入れるための封筒や納品書の入れ方についても、以下のようなポイントがあります。

  • 封筒サイズは長形3号もしくは角形2号
  • 納品書は三つ折りで入れる
  • 納品書の入れる向き
  • 複数の納品書を入れる際の注意点

それぞれのポイントを詳しく解説します。

封筒のサイズは長形3号や角形2号が適切

納品書を入れる封筒のサイズは、長形3号もしくは角形2号が適切です。長形3号は定形郵便物サイズのため、納品書1枚程度であれば切手代の節約にもなります。

もし折りたたまずに封入したい場合は、角形2号が良いでしょう。A4サイズまで折らずに封入が可能です。また、角形2号の場合、雨に濡れたり配達中に余計に折れてしまったりを防ぐため、クリアファイルに挟むと良いでしょう。

納品書の三つ折りのやり方

納品書を長形3号に封入する場合、三つ折りで入れる形になります。主な三つ折りの方法は次の通りです。

巻き三つ折り

印刷面が内側に入るように折る方法です。まず納品書を三分割し、下側の部分を谷折りにします。その後、上側部分も角を合わせるように谷折りすれば完成です。

下側部分は内側に織り込まれる形になるため、上側部分より2~3mm短くするときれいに折れます。

外三つ折り

窓付きの封筒に入れる際の折り方です。Z折りとも呼ばれていて、窓の部分に宛先が表示されるように折ります。

まず納品書の印刷面を上にし、均等に三分割して下側部分を谷折りにします。その後、上側部分を、角を合わせるように山折りにすれば完成です。宛先の部分が一番上になるので、窓に入るような形で封筒に入れて下さい。

きれいに三つ折りにするコツ

納品書をきれいに三つ折りにするには、いかにうまく三分割にするかがカギです。きれいに三分割できずに何度もやり直すと二重、三重に折り目がついてしまい美しくありません。そこで、ここではきれいに三分割する方法を2つ紹介します。

  • 納品書とは別にもう1枚A4サイズの用紙を使う方法

納品書を自分から見て縦に置き、白紙のA4用紙を納品書の左上を合わせ横90°になるように置きます。ここで、納品書の下部分で白紙のA4用紙からはみ出した部分がほぼ3分の1の長さです。

白紙のA4用紙に沿って納品書を折り曲げます。そしてもう一度開き、今度は白紙のA4用紙を納品書の左下に合わせて横90°になるように置けば、はみ出した上部分が3分の1の長さになります。最初と同じように白紙のA4用紙に沿って折ればきれいな三分割が完成です。

  • 納品書を三角に折って三分割する方法

納品書の右上の角部分を持ち、左側の長辺と平行になるように三角に折ります。この際、三角に折った部分に折り目がつかないよう、強く折らないようにして下さい。

右上の角と左側の長辺がちょうど平行になった箇所が納品書の下からほぼ3分の1の長さになります。その部分から上に向かって折り、続いて上からも下に向かって折ればきれいな三分割の完成です。

納品書の入れる向き

納品書は封筒を裏側にし、納品書の上部分が右側になるようにして入れます。書類は全て表題の書き出し部分を右側にして入れるのがマナーとなるため、納品書も同様に上部分が右側になるように入れて下さい。

なお、送り状も一緒に入れる場合は、納品書の前側に重なるようにして入れるのが基本です。

納品書を複数枚送る場合の対応

取引が多い企業や一度に大量の取引をする企業の場合、複数の納品書を1回で送付する形になります。

この場合、1枚ごとに三つ折りにしてしまうと、受け取った側も1枚ごとに開く手間がかかるため、効率的ではありません。そのため、複数枚の納品書を送る場合は、まとめて折るのが基本です。

また、郵送費は定形郵便物であれば50gまで110円で郵送できます。A4用紙1枚の重さは約5gなので、9~10枚程度までは110円切手で送付可能です。

ただし、まとめてきれいに折れるのは3~4枚程度のため、5枚以上を一度に郵送する場合は、折らずに角形2号で送った方が良いでしょう。

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納品書を郵送する手順

納品書を郵送する一般的な手順は次の通りです。

  1. 必要な書類、封筒を準備する
  2. 封筒表面に宛名を書く
  3. 封筒裏面に自社の情報と封緘日を書く
  4. 封筒に納品書・送付状を入れる
  5. 切手を貼る
  6. 糊付けをして封締めを記載する

①送付状・納品書・封筒を準備する

まず、送付状と納品書、封筒を準備します。なお、送付状と納品書に記載する主な項目は次の通りです。

送付状に記載する主な項目

  • 送付状を発送する年月日
  • 納品先の会社名と担当者氏名
  • 自社情報(会社名・住所・電話番号など)
  • 件名
  • あいさつ文

納品書に記載する主な項目

  • 納品先の宛名
  • 納品書を発行する年月日
  • 自社情報(会社名・住所・電話番号など)
  • 自社の会社印の印影
  • 納品した商品の名前・数量・単価・合計金額
  • 備考

②封筒表面に宛名書きをする

納品書を入れる前の封筒表面に、宛名を書き入れます。会社宛てにする場合は、郵便番号と納品する会社の住所に加え、会社名の後に「御中」とし、縦書き封筒なら左下、横書き封筒なら右下に「納品書在中」と記載して下さい。

担当者宛てにする場合は、住所に会社名を含め、会社宛てで会社名を記載する部分に担当者の名前を記載します。「納品書在中」を記載する箇所は会社宛てと同じです。

なお、担当者宛ての場合、会社名に御中は入れません。また、個人名の後には必ず「様」を付けるようにします。もし役職名が分かる場合は、名前の前に役職名も入れて下さい。

③封筒裏面に差出人情報・封緘日を記載する

封筒の裏面には差出人情報と封緘日を記載します。これも納品書を入れる前に記載して下さい。差出人情報は、会社の郵便番号と住所、会社名、部署名に担当者名も記載します。

④封筒に送付状と納品書を入れる

封筒に送付状と納品書を入れる際、納品書だけを郵送する場合と商品と一緒に納品書を送る場合の方法についてそれぞれ解説します。

納品書だけを郵送する場合

長形3号であれば三つ折り、角形2号であればそのまま納品書を封筒に入れます。送付状を入れる場合は、納品書の前に入れるようにし、角形2号は折れないようにクリアファイルに入れましょう。

商品と一緒に納品書を送る場合

商品と一緒に納品書を送るために段ボールの中に納品書を入れる場合、郵便法第4条3項但書において宅配便で信書は送れないため、封筒の封はしません。封をしなければ、納品書は添え物扱いとして宅配便でも送れます。

段ボールの外側や内側に貼り付ける場合は、透明のテープで落ちないようにしっかりと貼り付けましょう。また、外側に貼り付ける場合は雨やほこりで汚れないよう、専用のビニール袋に入れた状態で貼り付けて下さい。

なお、商品と一緒に納品書を送る場合でも封筒には必ず「納品書在中」と記載します。

⑤封筒の種類と重さに応じて切手を貼る

郵送の場合、封筒の種類と重さに応じて切手を貼ります。長形3号は定形郵便物、角形2号は定形外郵便物です。切手代は定形郵便物であれば50gまで110円、定形外郵便物は50g以内で140円になります。

⑥糊付け後に封締めを記載する

最後に糊を使って封をし、糊付けをした箇所の上に「〆」と封締めします。これは、取引先に対し確かに担当者が封をしたことを示すためです。

納品書の送付はビジネスマナーを守りつつ効率的に行おう

「納品書在中」の記載は、納品書受け取り担当者の手にスムーズに渡り、取引先の信頼を高めるために必要な作業です。

「納品書在中」の文字は、縦書きなら左下、横書きなら右下に、青字で書きましょう。また、納品書の送付数が多い場合は、積極的にハンコやスタンプを利用することで効率的に作業が進みます。

そして、納品書は長形3号の封筒に三つ折りにして封入するか、角形2号の封筒に折らずに封入して下さい。今回紹介したことを参考に、ビジネスマナーを守りつつ、効率的に作業を進めていきましょう。

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