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経費精算の自動化で業務が変わる!メリット・方法・選び方などを徹底解説

更新日:2025.06.11

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経理部門の日常業務の中でも、特に多くの時間と手間を要するのが経費精算です。申請者による領収書の糊付けや申請書の作成、承認者による確認と押印、そして経理担当者による内容チェック、仕訳入力、振込手続きといった一連の流れは、多くの企業で依然として手作業に依存しており、非効率な業務の温床となっています。

→業務の自動運転を実現する経理AIエージェントとは?

しかし、テクノロジーの進化により、この煩雑な経費精算業務を劇的に効率化する「自動化」という選択肢が現実的なものとなりました。本記事では、経費精算の自動化がなぜ今注目されているのか、そのメリットや具体的な方法、そして導入を成功させるためのポイントについて、経理のプロの視点から詳しく解説していきます。

経理AIエージェント

経費精算の自動化がなぜ今必要なのか?

多くの企業が経費精算業務に課題を抱えている現状と今自動化が求められる背景についてお伝えしていきます。

多くの企業が抱える経費精算の課題

従来の経費精算業務には、様々な問題が潜んでいます。まず挙げられるのが、膨大な時間と労力です。申請者は、日々の業務の合間を縫って領収書を探し出し、一枚一枚申請書に貼り付け、交通費であれば経路検索を行って運賃を記入するなど、多くの手間をかけてようやく申請に至ります。承認者も、部下から次々と回ってくる申請書の内容を一つひとつ確認し、不備があれば差し戻すという作業に追われます。そして、最終的にすべての申請書が集まる経理部門では、申請内容の正当性や勘定科目の妥当性を注意深くチェックし、会計システムへの入力、そして振込データを作成するという、非常に手間のかかる作業が発生します。

次に問題となるのが、人為的ミスの発生です。手作業による入力や確認作業には、どうしても入力ミスや計算ミス、確認漏れといったヒューマンエラーがつきものです。これらのミスは、月次決算の遅延を招いたり、場合によっては税務調査で指摘を受けたりする原因にもなりかねません。

さらに、不正利用のリスクも見逃せません。水増し請求や私的な費用の経費申請といった不正行為は、手作業のチェック体制だけでは完全に見抜くことが難しい場合があります。不正は企業の資産を損なうだけでなく、組織全体の信頼性や従業員の士気にも悪影響を及ぼしてしまいます。

加えて、紙ベースの運用はガバナンス(企業統治)の観点からも問題があります。誰がいつ申請し、誰が承認したのかという記録が不明確になりがちで、内部統制を効かせにくいという側面があります。また、大量の紙の領収書や申請書を保管するための物理的なスペースやそれを管理するためのコストも無視できない負担となります。

自動化がもたらす経理部門の変革

経費精算を自動化することは、これらの課題を根本から解決し、経理部門、ひいては企業全体の生産性を向上させる可能性を秘めています。

自動化によって、申請者はスマートフォンアプリなどを使って領収書を撮影するだけで申請が完了したり、交通系ICカードの利用履歴を自動で取り込んで交通費精算ができたりするようになります。これにより、申請にかかる手間が大幅に削減されます。承認者も、外出先からでもスマートフォンで申請内容を確認し、承認作業を行えるようになり、業務のスピードアップが図れます。

経理部門にとっては、その効果はさらに大きなものとなります。申請データは自動で会計システムに連携され、仕訳入力の手間が不要になります。また、システムによる自動チェック機能により、規定違反の申請や重複申請などを事前に検知できるため、確認作業の負担が軽減され、人為的ミスも大幅に削減されます。これにより、経理担当者は単純作業から解放され、より付加価値の高い分析や戦略立案といったコア業務に集中できるようになるのです。

さらに、申請から承認、支払いに至るまでのプロセスがシステム上で可視化されるため、不正利用の抑止につながり、内部統制の強化にも貢献します。ペーパーレス化が進むことで、コスト削減や環境負荷の低減といった副次的な効果も期待できます。

経費精算を自動化する5つの大きなメリット

経費精算を自動化することによって、企業は具体的にどのようなメリットを享受できるのでしょうか。ここでは、特に大きな5つのメリットについて掘り下げていきます。

驚くほどの業務効率化と時間短縮

最大のメリットは、何と言っても圧倒的な業務効率化と時間短縮です。これまで申請者、承認者、経理担当者がそれぞれ費やしていた多くの時間が、システムの導入によって劇的に削減されます。

申請者は、領収書を探したり、申請書を作成したりする手間から解放され、本来の業務に集中できるようになります。承認者も、外出先や移動中でも手軽に承認作業を行えるようになり、意思決定のスピードが向上します。そして経理部門では、データの入力やチェックといった単純作業が自動化されることで、業務負荷が大幅に軽減されます。

ある調査によれば、経費精算システムを導入することで、経費精算にかかる時間を平均で70%以上削減できたという報告もあります。この削減された時間を、より生産的な活動に振り向けることができれば、企業全体の競争力向上にもつながります。

コスト削減への直接的な貢献

業務効率化は、人件費という形でコスト削減に直結します。経費精算業務にかかっていた時間を時給換算すれば、その削減効果は決して小さくありません。削減された人件費を他の投資に回したり、収益性の向上に貢献させたりすることが可能になります。

また、ペーパーレス化が進むことで、紙代、印刷代、郵送費、そして領収書や申請書を保管するためのファイルやキャビネット、倉庫などのコストも削減できます。一つひとつは小さなコストかもしれませんが、企業全体で見れば相当な額になることも少なくありません。

さらに、システムによる自動チェック機能は、不正請求や二重請求といった無駄な支出を防ぐ効果もあり、これもコスト削減に貢献します。

人為的ミスの防止と精度の向上

手作業に頼る限り、どんなに注意深く作業を行っても、人為的なミスを完全になくすことは困難です。入力ミス、計算ミス、転記ミス、確認漏れなどは、経費精算業務において頻繁に発生しうる問題です。

経費精算システムを導入すれば、OCRによる自動読み取りやシステム連携によって、手入力の機会そのものが減少するため、ヒューマンエラーのリスクを大幅に低減できます。また、システムが自動で計算を行ったり、規定との整合性をチェックしたりするため、業務の精度が格段に向上します。

これにより、月次決算の遅延を防ぎ、正確な財務諸表を作成することが可能になります。また、税務調査においても、正確で信頼性の高いデータを提供できるため、スムーズな対応が期待できます。

不正利用のリスクを低減し、ガバナンスを強化

経費精算は、残念ながら不正が発生しやすい領域の一つです。しかし、経費精算システムを導入することで、不正利用のリスクを大幅に低減できます。

システム上では、誰がいつ、どのような経費を申請し、誰が承認したのかというログ(記録)がすべて残ります。このプロセスの可視化は、不正行為に対する強力な抑止力となります。また、システムによる自動チェック機能は、過去の申請との重複や、規定から逸脱した申請などを自動的に検知するため、不正を発見しやすくなります。

法人カード連携を活用すれば、従業員がいつどこで何にいくら使ったのかをリアルタイムで把握できるため、不適切な利用を早期に発見し、是正することも可能です。

このように、経費精算の自動化は、単なる効率化にとどまらず、企業のガバナンス(企業統治)を強化し、内部統制を確立する上でも非常に有効な手段と言えます。

ペーパーレス化による環境への配慮と管理の簡素化

従来の経費精算では、大量の紙の領収書や申請書が発生し、その印刷、郵送、保管に多くのコストと手間がかかっていました。経費精算を自動化し、スマートフォンでの領収書撮影や電子データでの申請が主流になれば、大幅なペーパーレス化を実現できます。

これは、紙や印刷にかかるコストを削減するだけでなく、環境負荷を低減するという社会的な要請に応えることにもつながります。企業の社会的責任(CSR)への関心が高まる中、ペーパーレス化は企業イメージの向上にも貢献する可能性があります。

また、電子データとして保存された情報は、検索性が高く、必要な情報を迅速に見つけ出すことができます。物理的な保管スペースも不要になり、紛失や劣化のリスクも軽減されるため、管理が大幅に簡素化されます。特に、2022年1月に改正された電子帳簿保存法への対応という観点からも、経費精算のペーパーレス化は重要な取り組みとなります。

経費精算の自動化を実現する具体的な方法

経費精算の自動化を実現するためには、自社に合ったシステムを選び、計画的に導入を進めることが重要です。ここでは、システムの選び方や導入のステップについて解説します。

経費精算の自動化ができるツール

経費精算の自動化を実現するツールとして、「経費精算システム」と「経理AIエージェント」の2つの選択肢があります。

経費精算システム

経費精算システムとは、経費精算における、申請、承認、その後の仕訳から会計ソフトへのデータ連携までの一連の業務を効率化するシステムのことです。

経費精算システムを導入することで、申請書類をまとめる手間や、申請・承認作業、さらには仕訳や振り込みといった業務の煩雑さから面倒な作業も経費精算システムを導入することで、それらの業務もデータ化から申請・承認作業までスムーズに遂行することができるようになります。

申請者、承認者双方のメリットがあるシステムと言えるでしょう。

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経理AIエージェント

経理AIエージェントとは、単に指定された作業をこなすだけでなく、目的を理解して自律的に業務を行い、複数のツールを統合的に活用して経理業務を自動化するAI(人工知能)のことです。

これまで人の手で行っていた手作業やデータ入力の作業なども経理AIエージェントを利用することで、人の手を介さずに業務が完了している状態を作ることが可能になります。

例えば、経費精算書の内容を社内規定に沿って確認しながら、承認作業なども規程チェックを完了した状態で一次承認を代行してもらう、といったことも経理AIエージェントで解決することが可能です。

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自社に最適なシステムを選ぶためのポイント

市場には数多くの経費精算を効率化するサービスが存在し、それぞれ機能や価格、特徴が異なります。自社に最適なシステムを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

まず、自社の課題や導入目的を明確にすることが最も重要です。「なぜ自動化したいのか」「どの業務を効率化したいのか」「どのような効果を期待するのか」を具体的に定義しましょう。例えば、「申請者の手間を削減したい」のであればスマートフォンアプリの使いやすさやOCRの精度が重要ですし、「経理部門の入力作業をなくしたい」のであれば会計システムとの連携機能が重要になります。

次に、必要な機能を洗い出すことです。前述したような基本機能(スマホアプリ、ICカード連携、法人カード連携、規定チェック、会計システム連携など)の中から、自社にとって必須の機能、あれば便利な機能、不要な機能を整理します。多機能なシステムは魅力的ですが、使わない機能が多いとコストが無駄になる可能性もあります。

操作性や使いやすさも非常に重要なポイントです。申請者から承認者、経理担当者まで、様々な立場の従業員が利用するため、誰にとっても直感的で分かりやすいインターフェースであることが望ましいです。可能であれば、無料トライアルなどを活用し、実際に操作感を試してみることをお勧めします。

導入形態(クラウド型かオンプレミス型か)も検討する必要があります。近年は、初期費用が安く、導入やメンテナンスが容易なクラウド型が主流ですが、セキュリティ要件が厳しい場合や、既存システムとの連携を重視する場合は、自社サーバーで運用するオンプレミス型が選択肢となることもあります。

コストももちろん重要な要素です。初期費用、月額(または年額)利用料、オプション機能の費用などを比較検討し、予算内で収まるか、そして費用対効果が見合うかを確認しましょう。

最後に、サポート体制も見逃せません。導入時のサポートはもちろん、運用開始後に問題が発生した場合の対応や、法改正への対応など、手厚いサポートを提供しているベンダーを選ぶと安心です。

これらのポイントを総合的に考慮し、複数のシステムを比較検討することで、自社に最適な経費精算システムを見つけることができるでしょう。

こちらの記事では、経費精算システムんの比較ポイントなどをまとめているので、ぜひご覧ください。

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クラウド型 vs オンプレミス型 – どちらを選ぶべきか

経費精算システムには、大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つの導入形態があります。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合わせて選択することが重要です。

クラウド型は、インターネット経由でサービスを利用する形態で、自社でサーバーを用意する必要がなく、サービス提供事業者がシステムの構築から運用、保守までを行います。このため、初期費用を抑えられ、比較的短期間で導入できる点が大きなメリットです。サーバー管理の手間がかからず、法改正や機能アップデートも自動で行われることが多いため、運用負荷を軽減できます。

また、インターネット環境さえあれば場所を選ばずに利用できる利便性も備えています。一方で、カスタマイズの自由度はオンプレミス型に比べて低い場合があり、月額または年額の利用料が継続的に発生します。インターネット接続が必須であり、セキュリティ面ではサービス提供事業者に依存する部分が大きくなる点も考慮が必要です。

一方で、オンプレミス型は、自社のサーバーにシステムをインストールして利用します。自社でシステムの構築、運用、保守を行うため、業務フローに合わせて柔軟にカスタマイズでき、既存システムとの連携も比較的容易です。セキュリティポリシーを自社で厳密にコントロールできる点もメリットと言えるでしょう。しかし、サーバー購入費や構築費などで初期費用が高額になる傾向があり、導入にも時間がかかります。さらに、システムの運用や保守には専門知識を持つ人員が必要となり、法改正やアップデートへの対応も自社で行う必要があります。

近年は、その手軽さやコスト面からクラウド型を選ぶ企業が大多数を占めています。特に、中小企業や初めて経費精算システムを導入する企業にとっては、クラウド型が適している場合が多いでしょう。しかし、独自の業務フローが複雑な大企業や、特に厳しいセキュリティ要件を持つ企業などでは、オンプレミス型が選択されることもあります。自社の規模、業務内容、予算、セキュリティ方針などを総合的に検討し、最適な導入形態を選ぶことが成功への鍵となります。

スムーズな導入のためのステップバイステップガイド

経費精算システムの導入を成功させるためには、計画的なアプローチが不可欠です。スムーズな導入を実現するためのステップを順にご説明します。

まず初めに、なぜシステムを導入するのかという目的を明確にし、現状の経費精算業務における課題を洗い出すことから始めます。関係部署へのヒアリングを行い、現場のニーズや意見を吸い上げることも、後々のシステム選定や運用において非常に重要です。

次に、その目的と課題に基づいて、複数のシステムを比較検討し、自社に最も適したシステムと信頼できるベンダーを選定します。機能やコストだけでなく、操作性やサポート体制も考慮に入れ、可能であれば無料トライアルやデモンストレーションを活用して実際の使用感を確かめましょう。

システムとベンダーが決まったら、具体的な導入計画を策定します。いつまでに、どの部署から、どのような範囲で導入するのか、詳細なスケジュールと推進体制を決定します。会計システムとの連携方法や、既存データの移行計画などもこの段階で詰めておく必要があります。

導入計画と並行して、システム導入に伴う社内規程の見直しも行いましょう。新しい業務フローに合わせて規程を整備し、その内容をシステム上に設定します。その後、ベンダーのサポートを受けながら、勘定科目や承認フローなどを設定し、実際の利用シナリオを想定したテスト運用を行い、問題点がないかを十分に確認します。

システム導入の準備が整ったら、従業員への周知と教育を行います。導入の目的やメリット、具体的な操作方法などを説明会や研修を通じて丁寧に伝え、全従業員の理解と協力を得ることが、スムーズな運用開始の鍵となります。

そして、計画に沿ってシステムの運用を開始します。導入初期は操作に関する問い合わせが増えることが予想されるため、社内にヘルプデスクを設けたり、ベンダーとの連携体制を強化したりするなど、手厚いサポート体制を整えておくことが重要です。

最後に、導入後も継続的に効果を測定し、改善を続けることが大切です。定期的に利用状況や削減できた工数などを把握し、課題があれば改善策を検討します。利用者アンケートなどを実施し、現場からのフィードバックを収集することも、システムの定着と効果の最大化につながります。

これらのステップを一つひとつ着実に実行することで、システム導入による混乱を最小限に抑え、経費精算の自動化による効果を最大限に引き出すことができるでしょう。

失敗しない!経費精算システム導入時の注意点

経費精算システムの導入は、多くのメリットをもたらしますが、注意すべき点もあります。ここでは、導入を成功に導くための重要な注意点をいくつかご紹介します。

導入目的を明確にすることの重要性

「流行っているから」「他社が導入しているから」といった理由だけでシステムを導入すると、失敗する可能性が高くなります。最も重要なのは、自社がなぜ経費精算システムを導入するのか、その目的を明確にすることです。

「申請者の負担を軽減したい」「経理の入力作業をゼロにしたい」「不正を防止したい」「月次決算を早期化したい」など、具体的な目的を設定することで、システム選定の軸が定まり、導入後の効果測定もしやすくなります。目的が曖昧なまま導入を進めると、現場のニーズに合わないシステムを選んでしまったり、導入したものの十分に活用されなかったりといった事態に陥りかねません。

費用対効果を見極める視点

経費精算システムの導入には、当然ながらコストがかかります。初期費用や月額利用料だけでなく、導入に伴う社内の工数や教育コストなども考慮に入れる必要があります。これらのコストと、導入によって得られる効果(時間短縮、コスト削減、ミス防止など)を比較し、費用対効果を見極めることが重要です。

単に価格が安いという理由だけでシステムを選ぶのではなく、自社の課題を解決し、長期的にメリットをもたらしてくれるシステムを選ぶという視点が求められます。導入前に、具体的な削減時間やコスト削減額を試算し、投資対効果を経営層に説明できるようにしておくことも大切です。

社内への周知と教育を怠らない

どんなに優れたシステムを導入しても、従業員が使いこなせなければ意味がありません。特に、これまで手作業に慣れ親しんできた従業員にとっては、新しいシステムへの移行は抵抗を感じることもあるでしょう。

そのため、導入前に十分な時間をかけて、社内への周知と教育を行うことが不可欠です。なぜシステムを導入するのか、導入によってどのようなメリットがあるのかを丁寧に説明し、従業員の理解と協力を得ることが重要です。また、具体的な操作方法については、マニュアルの配布だけでなく、研修会や説明会を実施し、実際に操作を体験してもらう機会を設けることが効果的です。導入後も、継続的なサポート体制を整え、疑問や不安を解消できるようにしましょう。

セキュリティ対策と法令遵守(電子帳簿保存法など)

経費精算システムでは、従業員の個人情報や企業の財務情報といった機密性の高いデータを取り扱います。そのため、セキュリティ対策は万全を期す必要があります。クラウド型システムを選ぶ場合は、ベンダーのセキュリティ体制(データの暗号化、アクセス制限、バックアップ体制、認証取得状況など)を十分に確認しましょう。社内のセキュリティポリシーとの整合性も確認が必要です。

また、電子帳簿保存法への対応も重要なポイントです。スマートフォンで撮影した領収書を電子データとして保存する場合、電子帳簿保存法の要件(真実性の確保、可視性の確保など)を満たす必要があります。多くの経費精算システムは、この法令に対応した機能を備えていますが、自社の運用フローが法令に準拠しているかを確認し、必要に応じて税理士などの専門家のアドバイスを求めることも検討しましょう。法令遵守を怠ると、税務上の不利益を被る可能性があるため、注意が必要です。

経費精算自動化の成功事例から学ぶ

多くの企業において、経費精算業務は依然として紙やExcelを中心に行われており、申請者、承認者、そして経理部門に大きな負担を強いています。この非効率な業務プロセスは、本来注力すべきコア業務への時間を奪い、企業全体の生産性向上を阻む要因となっています。

こうした課題を解決するため、クラウド型の経費精算システムを導入し、劇的な業務効率化を実現した企業の事例をご紹介します。

株式会社ヤオコーの事例 大規模小売業における年間600時間の工数削減とペーパーレス化

スーパーマーケットを展開する株式会社ヤオコーでは、約3万人もの従業員の経費精算を紙ベースで運用していました。膨大な量の紙の処理とそれに伴う工数が大きな課題となっていました。

同社はクラウド型経費精算システム「TOKIUM経費精算」を導入することで、この課題解決に乗り出しました。導入により、年間600時間もの工数削減を実現しました。同時に、年間5万枚もの紙を削減し、ペーパーレス化にも大きく貢献しました。加えて、スマートフォンによる申請が可能になったことで、承認遅れや入力ミスも大幅に減少するなど、業務品質の向上にもつながっています。

このように、クラウド型経費精算システムの導入は、企業の規模を問わず、経費精算業務を劇的に効率化します。具体的には、申請・承認プロセスの簡略化と迅速化を実現し、経理部門の負担を軽減してコア業務へのシフトを可能にします。さらに、ペーパーレス化によるコスト削減と環境負荷低減、そして入力ミスといった多くのメリットをもたらします。

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経費精算の自動化をするならTOKIUM

経費精算の自動化は、もはや一部の先進的な企業だけのものではありません。業務効率化、コスト削減、ガバナンス強化といった多くのメリットをもたらす経費精算システムは、企業の規模や業種を問わず、これからの経理業務におけるスタンダードとなっていくでしょう。

手作業による煩雑な業務から解放され、経理部門がより戦略的で付加価値の高い役割を担うためには、経費精算の自動化は避けて通れない道です。もちろん、導入にはコストや手間がかかりますが、長期的な視点で見れば、その投資は必ずや企業に大きなリターンをもたらすはずです。

TOKIUM経費精算は、スマートフォンで申請・承認ができる、クラウド経費精算システムです。オペレーターが領収書を高精度でデータ化するため、手入力によるミスを減らすことができます。領収書の原本はTOKIUMが回収し、突合点検・保管まで代行するので完全ペーパーレス化が可能です。

さらに、自社開発を含むあらゆる会計ソフトとも連携可能。電子帳簿保存法やインボイス制度にも応しています。

経理AIエージェントを提供するTOKIUMのシリーズ累計導入社数は2,500社を超え、規模や業種を問わず幅広くご利用いただいております。

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