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交通費の請求書作成ガイド!仕訳・経理処理のポイント

更新日:2025.08.12

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交通費の請求書作成は、経理担当者にとって日常的な業務の一つですが、意外と手間がかかるものです。交通手段や距離、利用目的など、考慮すべき点が多岐にわたるため、記載漏れや誤りが発生しやすく、その結果、経理処理に遅延が生じたり、取引先との間で認識の齟齬が生じたりすることもあります。

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この記事では、交通費の請求書作成における基本から、仕訳方法、消費税の取り扱い、そして効率的な業務遂行のためのポイントまで、経理担当者の皆様が抱える疑問を解消し、スムーズな業務を支援します。この記事を読めば、交通費に関する請求と経理処理の知識が深まり、請求業務の効率化、ミスやトラブルの防止に繋がるでしょう。

交通費の請求書作成:基本のキ

交通費を含めた請求書を作成する際には、いくつかの基本的な構成要素と記載事項を理解しておくことが重要です。請求書の基本的な構成要素を理解し、交通費に関する情報を正確に記載することで、スムーズな経理処理に繋がります。また、領収書の取り扱いについても、その重要性と注意点を把握しておく必要があります。

請求書の構成要素をおさらい

請求書は、取引の事実を証明し、代金を請求するための重要な書類です。一般的に、請求書には以下の要素が含まれます。

項目記載内容
発行者情報会社名/住所/連絡先 など
宛先情報取引先会社名/部署名/担当者名 など
請求日YYYY年MM月DD日
請求番号INV-00001 など一意の番号
明細商品名/サービス名 数量 単価 金額
例)Webサイト制作費 1 ¥200,000 ¥200,000
例)交通費(出張) – – ¥15,000
合計金額¥215,000
備考支払期日:YYYY年MM月DD日 など
振込先情報〇〇銀行 △△支店 普通 1234567 カ)トキウム

これらの要素を適切に記載することで、請求書の信頼性が高まり、スムーズな取引に繋がります。

交通費の記載項目と注意点

交通費を請求書に記載する際には、以下の項目を明確に記載することが重要です。

日付利用区間交通手段金額備考
2025-08-01東京 → 大阪新幹線¥14,720出張(顧客訪問)
2025-08-02大阪駅 → ホテルタクシー¥3,200深夜割増

例えば、東京駅から品川駅まで電車を利用した場合、「2024年5月10日、東京駅→品川駅、電車、200円、〇〇会議のため」のように記載できます。この際、利用目的を記載することで、経費としての妥当性を明確にすることができます。

領収書の保管と添付:証拠としての重要性

交通費を請求する際には、領収書の保管と添付が非常に重要です。領収書は、交通費が発生したことを証明する証拠となります。領収書がない場合、交通費として認められない可能性があります。

領収書は、原則として原本を保管し、請求書に添付します。ただし、交通系ICカードの利用履歴など、領収書の発行がない場合は、利用履歴を印刷して添付することも可能です。領収書の紛失には注意し、万が一紛失した場合は、再発行が可能かどうか、交通機関に確認しましょう。

交通費精算の基本をもっと詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

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交通費の仕訳:勘定科目と処理方法

交通費の仕訳は、経理処理の基本であり、正確な会計処理を行うために不可欠です。適切な勘定科目を選択し、正しい仕訳を行うことで、企業の財務状況を正確に把握することができます。また、消費税の計算も、仕訳処理と密接に関わっており、正確な処理が求められます。

交通費に使う勘定科目:旅費交通費と立替金

交通費の仕訳では、主に「旅費交通費」と「立替金」という二つの勘定科目を使い分ける必要があります。まず旅費交通費は、従業員が業務遂行のために実際に支払った電車賃、バス代、タクシー代などの交通費を計上する際に用います。一方、立替金は、従業員が会社や取引先のために一時的に立て替えた交通費を処理するための科目です。たとえば、従業員が取引先へ向かうための交通費を先に負担し、後日精算するケースがこれに該当します。

これらの科目を正しく区別して仕訳を行うことで、交通費の性質が明確になり、会計処理の正確性も確保されます。

ケーススタディで学ぶ:交通費の仕訳例

具体的なケーススタディを通して、交通費の仕訳処理を理解しましょう。

ケース1:従業員が電車で移動した場合

従業員が業務のため、電車で移動し、2,000円の交通費が発生した場合の仕訳は以下のようになります。

借方金額貸方金額摘要
旅費交通費¥2,000現金¥2,000〇〇会議のため

ケース2:従業員が取引先の交通費を立て替えた場合

従業員が取引先の交通費を立て替え、5,000円を支払った場合の仕訳は以下のようになります。

借方金額貸方金額摘要
立替金¥5,000現金¥5,000〇〇社交通費

これらの仕訳例を参考に、様々なケースに対応できるようにしましょう。

立替金と仮払金の違いを確認したい場合は、以下の記事を参考にしてください。

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消費税の計算と注意点:二重課税を避けるために

交通費の仕訳においては、消費税の計算も重要です。消費税の計算を誤ると、税務調査で指摘される可能性があります。

消費税の計算方法には、原則課税と簡易課税があります。原則課税の場合、交通費に含まれる消費税額を算出し、仕訳に反映させる必要があります。簡易課税の場合は、みなし仕入れ率を用いて消費税額を計算します。

請求書に記載された金額が税込価格であるか、税抜価格であるかを確認し、消費税額を正しく計算しましょう。また、二重課税を避けるため、交通費に含まれる消費税額を正確に把握し、仕訳に反映させることが重要です。

立交通費×消費税の計算ルールを詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

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請求できる交通費の範囲:どこまで認められる?

交通費として認められる範囲は、企業の規定や税法の解釈によって異なります。一般的に、業務遂行に必要な移動にかかる費用は、交通費として認められます。しかし、個人的な移動や、業務に関係のない移動にかかる費用は、交通費として認められない場合があります。

交通費として認められる主な交通手段

交通費として認められる主な交通手段には、以下のようなものがあります。

交通手段取扱いのポイント
電車・バス公共交通機関を利用した場合の運賃は、一般的に交通費として認められる。
タクシー業務上タクシーを利用する必要がある場合は、タクシー代も交通費として認められる。
飛行機出張などで飛行機を利用した場合の運賃も、交通費として認められる。
新幹線出張などで新幹線を利用した場合の運賃も、交通費として認められる。

これらの交通手段を利用した際の費用は、領収書や利用明細を保管し、請求書に添付することで、交通費として計上できます。

交通費として認められないケースとその理由

交通費として認められないケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

該当ケース取扱いのポイント
個人的な移動業務に関係のない私的移動にかかる費用は、交通費として認められない。
自家用車のガソリン代自家用車で通勤した場合のガソリン代は原則として交通費にならない。ただし、業務上やむを得ず自家用車を使用したときは、一部が認められる場合がある。
不必要な移動業務上必要のない移動にかかる費用は、交通費として認められない。

これらのケースに該当する場合は、交通費として計上できないため、注意が必要です。

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取引先との事前確認の重要性:認識の齟齬を防ぐ

交通費の請求を行う前に、取引先との間で、交通費の範囲や精算方法について、事前に確認しておくことが重要です。事前に確認しておくことで、後々、認識の齟齬が生じることを防ぎ、スムーズな取引に繋がります。

確認すべき事項としては、以下のようなものが挙げられます。

管理項目確認ポイント
交通手段の制限利用できる交通手段に制限があるかどうか。
金額の上限交通費の金額に上限があるかどうか。
精算方法どのような方法で精算を行うのか(現金、振込など)。
領収書の要否領収書の提出が必要かどうか。

これらの事項について、事前に書面や口頭で確認し、記録を残しておくことが望ましいです。

請求書作成における消費税の取り扱い

請求書を作成する際には、消費税の取り扱いについても正しく理解しておく必要があります。消費税の計算方法や、請求書への記載方法を誤ると、税務上の問題が発生する可能性があります。

内税と外税の違いを理解する

消費税の計算方法には「内税」と「外税」の二つがあります。内税方式では、商品価格の中にすでに消費税が含まれております。たとえば税込価格が1,100円の商品であれば、その内訳は本体価格1,000円に対して消費税が100円という形になります。

一方、外税方式では商品本体価格と消費税を分けて表示し、計算も個別に行います。具体的には本体価格1,000円に消費税100円を加算し、合計1,100円として請求いたします。このように、消費税を別建てにすることで価格構造が明確になるメリットがあります。

どちらの方式を採用するかは企業の判断に委ねられますが、価格表示の分かりやすさや会計処理のしやすさ、さらには顧客への印象など、それぞれにメリットとデメリットがございます。自社のビジネスモデルや顧客層に合わせて最適な方法を選択することが重要です。

税率ごとの交通費の計算方法

まず内税方式では、交通費の総額にすでに消費税が含まれているため、その金額を1.1で割って価格を求め、差額を消費税額として算出します。たとえば交通費が1,100円の場合、1,100円 ÷ 1.1 = 1,000円が本体価格となり、そこから導かれる消費税額は100円です。

一方、外税方式では交通費の価格とは別に消費税を計算して加算します。具体的には価格に0.1を掛け、得られた数値を消費税額とする方法です。たとえば価格が1,000円の交通費であれば、1,000円 × 0.1 = 100円が消費税額となり、合計1,100円を請求することになります。

これら二つの計算方法を理解し、状況に応じて正確な消費税額を算出しましょう。

請求書での正しい表示方法

請求書を作成する際には、税率・税額・合計金額の三つを正確に表示する必要があります。まず税率として、適用される消費税率を明示しなければなりません。その税率を基に算出した消費税額を続いて記載し、取引にかかる税負担を明確にします。

最後に、本体価格と消費税額を合算した合計金額を示すことで、支払総額が一目で把握できるようになります。これらの情報が正確に示されていれば、請求書の信頼性が高まり、取引先にも誤解を与えずに済みます。

例えば、交通費1,000円(税抜)の場合、以下のように記載します。

項目金額
交通費¥1,000
消費税10%¥100
合計金額¥1,100

請求書の表示方法を正しく理解し、正確な情報を記載しましょう。

よくある質問:交通費の請求と仕訳に関する疑問を解決

交通費の請求と仕訳に関する疑問は、経理担当者の方々から多く寄せられます。ここでは、よくある質問とその回答をまとめ、皆様の疑問を解消します。

交通費の範囲について

Q1:タクシー代は交通費として認められますか?

A1:業務上、タクシーを利用する必要がある場合は、タクシー代も交通費として認められます。ただし、個人的な利用や、業務に関係のない移動にかかるタクシー代は、交通費として認められません。

Q2:高速道路料金は交通費として認められますか?

A2:業務上、高速道路を利用する必要がある場合は、高速道路料金も交通費として認められます。領収書を保管し、請求書に添付する必要があります。

Q3:自家用車のガソリン代は交通費として認められますか?

A3:自家用車で通勤した場合のガソリン代は、原則として交通費として認められません。ただし、業務上、自家用車を利用する必要がある場合は、一部認められる場合があります。その場合は、走行距離に応じて計算し、交通費として計上します。

Q4:宿泊費は交通費に含まれますか?

A4:宿泊費は、交通費には含まれません。出張に伴う宿泊費は、旅費交通費とは別の勘定科目で処理します。

仕訳に関する疑問

Q1:交通費の仕訳で、勘定科目はどのように使い分けるのですか?

A1:従業員が業務のために利用した交通費は「旅費交通費」を使用し、従業員が一時的に立て替えた交通費は「立替金」を使用します。

Q2:交通費の仕訳で、消費税はどのように計算するのですか?

A2:消費税の計算方法には、原則課税と簡易課税があります。原則課税の場合、交通費に含まれる消費税額を算出し、仕訳に反映させます。簡易課税の場合は、みなし仕入れ率を用いて消費税額を計算します。

Q3:交通費の仕訳で、領収書がない場合はどうすれば良いですか?

A3:領収書がない場合は、交通機関の利用明細や、出金伝票などを証拠として保管します。ただし、領収書がない場合、交通費として認められない可能性があります。

消費税に関する疑問

Q1:内税と外税の違いは何ですか?

A1:内税は、商品価格に消費税が含まれている場合を指します。外税は、商品価格とは別に、消費税を計算し、加算する場合を指します。

Q2:消費税率が変更された場合、請求書はどのように記載すれば良いですか?

A2:消費税率が変更された場合は、新しい税率で消費税額を計算し、請求書に記載します。また、税率ごとに金額を分けて記載する必要があります。

Q3:二重課税とは何ですか?

A3:二重課税とは、同じ取引に対して、二重に消費税が課税されることです。例えば、交通費に含まれる消費税額を、さらに消費税として計上してしまう場合などが該当します。二重課税を避けるためには、消費税額を正確に把握し、仕訳に反映させることが重要です。

まとめと次のアクション

交通費の請求書作成は、経理業務において重要な役割を果たします。この記事では、交通費の請求書作成における基本から、仕訳方法、消費税の取り扱い、そして効率的な業務遂行のためのポイントまで解説しました。

交通費の請求書作成においては、正確な情報記載、領収書の保管、適切な仕訳処理、消費税の正しい計算が重要です。また、TOKIUMのようなサービスを活用することで、業務効率を大幅に向上させることができます。この記事を参考に、交通費に関する知識を深め、日々の業務に役立ててください。

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