請求業務

Boxに保管した請求書の経費科目の入力を自動化する方法などを解説!

更新日:2025.08.27

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多くの企業で、ファイル共有や文書管理のプラットフォームとして「Box」が活用されています。ペーパーレス化を推進し、どこからでも必要な情報にアクセスできるBoxは、経理部門にとっても請求書や領収書といった重要な証憑を保管する上で欠かせないツールとなっていることでしょう。しかし、その一方で、「Boxに保存した請求書を見ながら、会計システムに一件ずつ経費科目を手入力している」という、非効率な作業に頭を悩ませてはいないでしょうか。

特に月末や期末などの繁忙期には、この手作業が大きな負担となり、残業の原因になったり、入力ミスによる手戻りが発生したりと、多くの課題を生み出します。せっかくBoxでペーパーレス化を進めても、経理の入力作業がアナログなままでは、本当の意味での業務効率化は実現できません。

→業務の自動運転を実現する経理AIエージェントとは?

この記事では、まさに今あなたが抱えているそのお悩みを解決するため、Boxに保管した請求書や領収書の経費科目入力を自動化し、経理業務を劇的に効率化するための具体的な方法を、順を追って詳しく解説します。既存のBox環境を最大限に活かしながら、最小限の手間で最大限の効果を得るためのヒントが満載です。ぜひ最後までご覧いただき、あなたの会社の経理DXを加速させる一歩を踏み出してください。

なぜBox内の請求書処理に時間がかかるのか?経費科目入力の根深い課題

Boxを活用して請求書のペーパーレス化は実現したものの、なぜか経理担当者の負担は減らない。その原因は、多くの場合「手作業による経費科目の入力」というプロセスに潜んでいます。ここでは、多くの企業が直面している、この根深い課題について深掘りしていきます。

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手作業による非効率と避けられない入力ミス

最も大きな課題は、手作業に依存することによる非効率性です。担当者は、Boxのプレビュー画面で請求書を開き、記載されている取引内容、金額、取引先などを目で確認し、それに基づいて適切な経費科目を判断し、会計システムに手で入力するという一連の作業を繰り返します。一枚一枚の請求書に対してこの作業を行うため、件数が多くなればなるほど、膨大な時間と労力を要します。

さらに、人間が介在する以上、入力ミスを完全に防ぐことは困難です。金額の打ち間違い、取引先の選択ミス、そして経費科目の判断ミスなど、ヒューマンエラーのリスクは常に付きまといます。これらのミスは、後工程での修正作業や、場合によっては月次決算の遅延にも繋がりかねません。ミスを防ぐためのダブルチェック体制を敷いている企業も多いですが、それはさらなる人件費と時間を投入することを意味し、根本的な解決にはなっていません。

証憑の検索性と管理の限界

Boxは優れたファイルストレージサービスですが、経理業務に特化して設計されているわけではありません。そのため、ファイル名やフォルダ構成を工夫しても、経理担当者が求めるような柔軟な検索が難しい場合があります。例えば、「特定の取引先から受け取った、特定の経費科目に該当する請求書だけを一覧で見たい」といったニーズに、標準機能だけで応えるのは困難です。

結果として、監査対応や過去の取引の確認が必要になった際に、目的の証憑を探し出すのに時間がかかってしまうケースも少なくありません。証憑は保管されているものの、その管理・活用という面では、まだまだ改善の余地が残されているのが実情です。

電子帳簿保存法への対応の複雑さ

2022年1月に改正された電子帳簿保存法(電帳法)への対応も、新たな課題となっています。電子取引で受け取った請求書などのデータは、原則として電子データのまま保存することが義務付けられました。Boxは、この「電子保存」の場所として活用できますが、電帳法の要件を完全に満たすためには、単にファイルを保存するだけでは不十分です。

具体的には、「真実性の確保」としてタイムスタンプの付与や訂正削除の履歴が残るシステムの利用、「可視性の確保」として取引年月日、取引金額、取引先で検索できる機能などが求められます。これらの要件をBoxの標準機能だけで運用・管理しようとすると、非常に複雑な設定や手動での情報付与が必要となり、経理担当者の負担をさらに増大させてしまう可能性があるのです。

Boxと経費科目を連携させる3つのアプローチ

出典:メタデータの活用

Boxに保存された請求書の経費科目入力という課題を解決するために、いくつかの技術的なアプローチが考えられます。ここでは、代表的な3つの方法を、それぞれのメリットとデメリットと共に解説します。自社の状況に最適な方法を見つけるための参考にしてください。

【手動】Boxのメタデータ機能を活用する方法

まず考えられるのが、Boxが標準で提供している「メタデータ」機能を活用する方法です。メタデータとは、ファイルに付随する「タグ」のような情報のことです。例えば、請求書のPDFファイルに対して、「取引先名」「請求日」「金額」「経費科目」といった独自のメタデータ項目を作成し、手動で情報を入力していくことができます。

この方法のメリットは、Boxの機能だけで完結するため、追加のツール導入コストがかからない点です。メタデータを付与しておくことで、Boxの検索機能が強化され、「経費科目が『消耗品費』のファイル」といった形での検索が可能になり、特定の証憑を探しやすくなります。

しかし、この方法には限界もあります。最大のデメリットは、メタデータの入力自体が「手作業」であるため、経費科目を会計システムに入力する手間と本質的には変わらない点です。入力の手間を削減するという課題は解決されず、むしろBox上での作業が一つ増えるだけとも言えます。あくまでファイル管理を少し効率化する、という限定的な効果に留まります。

【半自動】RPAツールを組み合わせる方法

次善の策として、RPA(Robotic Process Automation)ツールを導入し、一連の作業を自動化する方法があります。RPAは、パソコン上で行う定型的な操作を記録し、ロボットに代行させる技術です。例えば、「Boxの特定フォルダにある請求書ファイルを順番に開き、OCR機能で文字情報を読み取り、その内容を会計システムに転記する」といった一連のプロセスを自動化できます。

このアプローチのメリットは、既存のシステム環境を大きく変えることなく、柔軟に自動化の範囲を設計できる点です。人の手で行っていた単純なクリックやコピー&ペースト作業をロボットに任せることで、作業時間の大幅な短縮が期待できます。

一方で、デメリットも存在します。RPAシナリオの開発や保守には専門的な知識が必要であり、情報システム部門の協力が不可欠です。また、請求書のフォーマットが取引先ごとに異なる場合、それぞれのフォーマットに対応した複雑なシナリオを組む必要があり、開発・メンテナンスのコストが高くなる傾向があります。画面の仕様変更などでロボットが停止してしまうリスクもあり、安定した運用には継続的な管理が求められます。

【全自動】経費精算システムとAPI連携する方法

最も抜本的かつ効果的な解決策が、BoxとのAPI連携に対応した経費精算システムや請求書受領システムを導入することです。API(Application Programming Interface)とは、異なるシステム同士が情報をやり取りするための「つなぎ役」のようなものです。

この方法では、Boxの特定のフォルダに請求書ファイルがアップロードされると、API連携によって自動的に経費精算システムにデータが取り込まれます。システム側では、OCR機能で請求書情報がデータ化され、AIが過去の仕訳履歴などから適切な経費科目を推測し、自動で入力候補を提案してくれます。担当者は、その内容を確認し、承認するだけで作業が完了します。

このアプローチの最大のメリットは、請求書の受け取りから仕訳入力までのプロセスがほぼ完全に自動化され、手作業が劇的に削減される点です。また、経理業務に特化したシステムであるため、電子帳簿保存法の要件にも標準で対応しており、法対応の負担も軽減されます。初期コストは発生しますが、長期的に見れば、人件費の削減や生産性の向上といった面で、最も投資対効果の高い方法と言えるでしょう。

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経費精算システム選びで失敗しないための3つの重要ポイント

BoxとのAPI連携が可能なシステムが最適解であることは分かりましたが、世の中には多くのサービスが存在します。どのシステムを選べば良いのか、判断に迷うこともあるでしょう。ここでは、自社の課題を確実に解決し、「導入して良かった」と心から思えるシステムを選ぶために、絶対に外せない3つのポイントを解説します。

Boxとの連携は本当に「自動」か

多くのシステムが「Box連携可能」を謳っていますが、その連携レベルには大きな差があるため注意が必要です。最も重要なのは、連携が本当に「自動」であるかどうかです。理想的なのは、Boxの特定フォルダに請求書がアップロードされたことをシステムが自動で検知し、人手を介さずにデータを取り込んでくれる「APIによる自動連携」です。

中には、単にシステム上からBox内のファイルを選択して手動でアップロードできるだけで「連携可能」と表現しているサービスもあります。これでは、結局手作業が発生してしまい、業務効率化の効果は半減してしまいます。デモやトライアルを活用し、ファイルの取り込みがどこまで自動化されるのか、その具体的な挙動を必ず確認しましょう。

経費科目の自動推論機能の精度は高いか

請求書処理の自動化において、OCRによる文字情報の読み取り精度はもちろん重要ですが、それと同じくらい重要なのが「経費科目の自動推論機能」の精度です。OCRで読み取った取引先名や品目情報、金額などをもとに、AIが過去の仕訳パターンを学習し、「この取引先からのこの品目は、おそらく『広告宣伝費』だろう」というように、適切な勘定科目を自動で提案してくれる機能です。

この推論精度が高ければ高いほど、経理担当者は内容を確認するだけで済むようになり、判断に迷う時間がなくなります。システムの選定時には、AIによる学習機能の有無や、自社の運用に合わせて仕訳ルールをカスタマイズできるかといった点を確認することが、導入後の満足度を大きく左右します。

電子帳簿保存法に完全対応しているか

先述の通り、電子帳簿保存法への対応は避けて通れない課題です。導入を検討しているシステムが、改正電帳法の法的要件に完全に対応しているかは、必ずチェックすべき項目です。

具体的には、以下の点を確認しましょう。

確認すべき電帳法要件具体的な機能の例
真実性の確保・タイムスタンプの自動付与機能
・訂正
・削除の履歴が残る仕組み
可視性の確保・「取引年月日」「取引金額」「取引先」での検索機能
・日付や金額の範囲指定検索
・複数の項目を組み合わせた検索

これらの要件を満たしたシステムを導入することで、法改正への対応という新たな負担からも解放され、安心して本来の経理業務に集中することができます。

Box連携ならTOKIUM!経費科目入力の手間をなくす革新的なアプローチ

数あるシステムの中でも、Boxとの連携による請求書処理の完全自動化を検討している企業に最もおすすめしたいのが、株式会社TOKIUMが提供する「TOKIUMインボイス」です。TOKIUMは、単なるツールの提供に留まらず、あなたの会社の経理業務そのものを変革する力を持っています。

「TOKIUMインボイス」が請求書処理を根本から変える

出典:TOKIUMインボイス-支払い漏れをなくせる請求書クラウド

TOKIUMインボイスとBoxを連携させた場合の業務フローは、驚くほどシンプルです。やるべきことは、取引先から受け取った請求書の電子データを、Boxの指定されたフォルダにアップロード(またはメールから自動転送)する、ただそれだけです。

ファイルがアップロードされると、あとはTOKIUMが全て代行します。システムが自動でファイルを取り込み、TOKIUMのオペレーターが請求書の内容を正確にデータ化します。手書きの請求書や、複雑なフォーマットの請求書であっても、人力で確認・入力するため、99.9%以上の圧倒的なデータ化精度を実現します。あなたは、データ化された結果を確認するだけで良いのです。もう、請求書一枚一枚と格闘する必要はありません。

AIとオペレーターによるハイブリッドな科目設定

TOKIUMの強みは、経費科目の設定においても発揮されます。まず、AIが過去の仕訳データを学習し、取り込まれた請求書データに対して最も確からしい経費科目を自動で推論します。さらに、その推論結果をTOKIUMのオペレーターが目視で確認・補正するため、非常に高い精度での科目設定が可能です。

これにより、経理担当者は「この取引はどの科目にすれば良いだろうか」と悩む時間をゼロにすることができます。システムが提案してくれた仕訳を確認し、承認ボタンを押すだけで、会計システムへの連携準備が完了します。この「AI×人力」のハイブリッドモデルこそが、他のシステムにはないTOKIUMだけの大きな強みなのです。

証憑の保管から仕訳作成、支払いまでをシームレスに

TOKIUMを導入することで、Boxでの証憑保管から、データ化、仕訳作成、会計システムへの連携、そして支払いに必要なFBデータの作成まで、一連のプロセスがシームレスに繋がります。データが各システム間で分断されることなく、一気通貫で流れていくため、転記ミスや確認漏れといったリスクも根本から排除できます。

もちろん、電子帳簿保存法の法的要件にも完全対応しています。TOKIUMインボイスを利用するだけで、改正電帳法に準拠した形で請求書の電子保存が実現できるため、法対応について別途頭を悩ませる必要もなくなります。

このように、これまで多くの時間と手間をかけていた工程のほとんどが自動化され、経理担当者は最終的な「確認・承認」という、より本質的な業務に集中できるようになります。

このように、これまで多くの時間と手間をかけていた工程のほとんどが自動化され、経理担当者は最終的な「確認・承認」という、より本質的な業務に集中できるようになります。

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まとめ

本記事では、「Box 経費科目」というキーワードの裏に隠された、多くの経理担当者が抱える深い悩みと、その解決策について詳しく解説してきました。Boxに請求書を保管しているものの、その後の経費科目入力が手作業のままでは、非効率やミス、法対応の複雑さといった課題から解放されることはありません。

これらの課題を根本から解決し、経理業務を未来へと進める鍵は、Boxと「TOKIUMインボイス」のような請求書受領システムをAPIで連携させることにあります。

請求書をBoxにアップロードするだけで、データ化から仕訳作成までが自動で完了する世界を想像してみてください。あなたは単純な入力作業から解放され、より創造的で付加価値の高い業務に時間を使えるようになります。月次決算は早期化され、経営判断のスピードも向上するでしょう。

この記事を読んで、「自分の業務が劇的に楽になりそう!」「これなら自社でもスムーズに導入できそうだ」と感じていただけたなら幸いです。まずは、貴社の課題をTOKIUMに相談してみることから始めてみませんか。下記より資料をダウンロードいただけますので、ぜひ第一歩を踏み出してください。

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