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「リース会計って聞いたことはあるけど難しそう」と感じる経理担当の方は多いと思います。しかしながら、実はリース取引の種類は大きく分けて以下の3種類だけです。
- 所有権移転ファイナンスリース
- 所有権移転外ファイナンスリース
- オペレーティングリース
そして、仕訳のパターンは「資産を計上して減価償却する」か「支払時に費用処理する」かの実質2つなので、複雑ではありません。
難しく感じるのは「現在価値の考え方」ですが、計算方法は非常に単純です。
本記事では、すぐに業務に活かせるよう、リース会計の仕訳を具体例付きで解説します。
さらに、3種類の仕訳をひと目で確認できる早見表も用意しました。加えて、新リース会計基準(企業会計基準第34号)でリースの仕訳がどう変わるかも具体例つきで解説します。新リース会計基準は、2027年4月1日以後に開始する事業年度から強制適用されます。
リース取引の種類は3つ
リース取引は3種類あります。
- 所有権移転ファイナンスリース
- 所有権移転外ファイナンスリース
- オペレーティングリース
それぞれ会計処理が異なります。どのリース取引にあたるのか確認しましょう。

オペレーティングリースとファイナンスリースの違い
オペレーティングリースは賃貸取引、ファイナンスリースは売買取引です。ファイナンス=金融なのでお金を借りて物を買う、と覚えるとわかりやすいです。
両者の違いは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
●オペレーティングリースとファイナンスリースの違いに関する記事はこちら
所有権移転ファイナンスリースと所有権移転外ファイナンスリースの違い
3種類のうち2種類はファイナンスリースです。以下の2つの条件を満たせばファイナンスリースにあたります。
条件1.解約不可リース期間中の中途解約は不可、もしくは中途解約する場合は未払いのリース料のおおむね全額を支払う契約であること。
条件2.フルペイアウト資産の借手がすべてのコスト(資産本体や維持管理のための費用など)を支払う契約であること
「フルペイアウトかどうか」は、実務では次のいずれかに当てはまるかで判定します(企業会計基準適用指針第16号 第9項)。
- 現在価値基準:解約不能期間のリース料総額の現在価値が、その物件を現金で購入すると仮定した金額(見積現金購入価額)のおおむね90%以上
- 経済的耐用年数基準:解約不能のリース期間が、物件の経済的耐用年数のおおむね75%以上
ファイナンスリースは固定資産を借入金で買って、分割返済する取引をイメージするとわかりやすいですね。ファイナンスリースは2種類に分類されます。
- 所有権移転ファイナンスリース:リース期間が終わったら資産が借手のものになる
- 所有権移転外ファイナンスリース:リース期間が終わっても資産が借手のものにならない
所有権移転ファイナンスリースに該当するのは、次の3つのいずれかに当てはまる場合です(企業会計基準適用指針第16号 第10項)。それ以外はすべて所有権移転外ファイナンスリースです。
- リース期間の終了後または中途で、物件の所有権が借手に移転する契約
- 名目的な価額など著しく有利な価額で買い取れる権利(割安購入選択権)があり、その行使が確実に予想される契約
- 借手の用途に合わせた特別仕様の物件で、借手だけが使用することが明らかな契約
日本で行われているリース取引の多くが所有権移転外ファイナンスリースにあたります。
オペレーティングリース
資産を借りているだけ、の状態がオペレーティングリースです。言い換えると、ファイナンスリースの2つの条件「解約不可」「フルペイアウト」を満たさない取引です。リース期間が終わったら資産を返却しますし、故障時の補償は貸手が行います。
オペレーティングリースと混同されがちなのが「レンタル」取引です。オペレーティングリースとレンタルの大きな違いは、借手が資産を指定するかどうか。オペレーティングリースは借手が資産を指定し、リース会社が資産を新たに調達して貸し出すのが一般的です。一方でレンタルは借手が資産を選ぶことができません。貸手は中古の資産を不特定多数に貸し出します。
リース仕訳の早見表
まず、リースの種類ごとに「いつ・どの勘定科目で・どんな仕訳を切るか」を一覧で確認しましょう。前提条件は「年間100円で装置を3年間リースする。割引率は2%」です。詳しい考え方はこの後の解説をご覧ください。
▼ 前提:年間100円で装置を3年間リース・割引率2%(借手の仕訳)
≪契約時≫
| リースの種類 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| ファイナンスリース(原則法) ※所有権移転・移転外とも | リース資産 288円 | リース債務 288円 |
| 所有権移転外(簡便処理)/オペレーティングリース | 仕訳なし | ― |
≪リース料支払時≫
| リースの種類 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| ファイナンスリース(原則法) | リース債務 100円 支払利息 6円 | 現金 100円 リース債務 6円 |
| 所有権移転外(簡便処理)/オペレーティングリース | リース料 100円 | 現金 100円 |
≪決算時≫
| リースの種類 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 所有権移転ファイナンスリース | 減価償却費 ※経済的耐用年数・残存価額を考慮した額 | リース資産 |
| 所有権移転外ファイナンスリース(原則) | 減価償却費 96円 ※リース期間定額法・残存価額ゼロ | リース資産 96円 |
| 所有権移転外(簡便処理)/オペレーティングリース | 仕訳なし | ― |
≪中途解約時≫
| リースの種類 | 処理 |
|---|---|
| ファイナンスリース(原則法) | リース資産の未償却残高を除却損、リース債務と支払額の差額を解約損として処理(詳細は本文) |
| 所有権移転外(簡便処理)/オペレーティングリース | 違約金等を費用処理 |
※簡便処理(賃貸借処理)は、所有権移転外ファイナンスリースのうち「リース契約1件あたりのリース料総額が300万円以下」「リース期間が1年以内」「少額(重要性が乏しい)」のいずれかに当てはまる場合に、企業規模にかかわらず選択できます。これとは別に、中小企業は「中小企業の会計に関する指針」により所有権移転外ファイナンスリースを賃貸借処理できます(詳細は後述)。
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リース取引の仕訳と具体例
上述の通り、リース取引は所有権移転・所有権移転外のファイナンスリース2種類とオペレーティングリースの3種類があります。ファイナンスリースの仕訳とオペレーティングリースの仕訳を、それぞれの具体例で見ていきましょう。
前提条件:年間100円で装置を3年間リースする。割引率は2%。
リースの仕訳で使う勘定科目
リースの仕訳で使う主な勘定科目は次のとおりです。ファイナンスリース(原則法)では資産・負債を計上し、簡便処理やオペレーティングリースでは費用科目で処理します。
| 勘定科目 | 区分 | 使う場面 |
|---|---|---|
| リース資産 | 資産 | ファイナンスリース(原則法)で契約時に計上 |
| リース債務 | 負債 | ファイナンスリース(原則法)で契約時に計上 |
| 支払利息 | 費用 | リース料の支払いに含まれる利息部分 |
| 減価償却費 | 費用 | リース資産を毎期償却する |
| リース料(賃借料) | 費用 | 簡便処理・オペレーティングリースで費用処理 |
所有権移転ファイナンスリースの仕訳
リース期間が終わったら資産が借手のものになる契約。借入金で資産を購入したのと同じ考え方でしたね。まずは仕訳を見ていきましょう。それぞれの金額の算出方法は後述します。
≪契約時の仕訳≫
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース資産 288円 | リース債務 288円 |
リース契約した資産をB/Sの資産として計上します。相手勘定はリース債務。借入金で資産を購入した、というイメージです。
≪リース料100円を支払った時の仕訳≫
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース債務 100円 | 現金 100円 |
| 支払利息 6円 | リース債務 6円 |
リース料を支払った分、リース債務を返済した、という仕訳です。
しかし、リース債務は借入金です。借入金には利息がつきます。100円まるごとリース債務の返済に充てることはできません。支払った100円のうち6円は利息分です。仕訳では、いったんリース債務を100円減らしたうえで、利息6円を足し戻す形で表現しています。
したがって、この時点でリース債務は288円(リース債務計上時)−100円(リース料の支払い額)+6円(リース債務の利息)=194円となります。
≪期末の仕訳≫
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 減価償却費 96円 | リース資産 96円 |
所有権移転ファイナンスリースの資産は、リース期間が終わると自社のものになります。そのため、自己所有の固定資産と同じく、経済的な使用可能期間(見積耐用年数)にわたり、残存価額を考慮して減価償却します。この取扱いは新リース会計基準(企業会計基準第34号)第37項でも同じです(税務は国税庁タックスアンサーNo.5702)。
上の例では、考え方をわかりやすくするために耐用年数をリース期間の3年・残存価額をゼロと仮定して96円としています。実際の所有権移転ファイナンスリースでは、法定耐用年数などにもとづく償却額になる点にご注意ください。
リース資産・リース債務の計上額と現在価値・利息の計算
リース資産の計上額を見て「あれ?300円じゃないの?」と疑問を持った方もいらっしゃるはず。契約時にリース資産に計上する金額の基本的な考え方は次の通りです。
- 貸手が資産を購入した金額
- 1.がわからなければリース料支払い総額の現在価値
1.がわかればよいですが、リース会社も資産をいくらで買ってきたか、教えてくれることは少ないでしょう。となると、一般的には2.「リース料支払い総額の現在価値」でB/Sに資産を計上することになります。
なお、リース資産の計上額は所有権移転の有無で考え方が異なります。
| リースの種類 | 計上額の考え方 |
|---|---|
| 所有権移転外ファイナンスリース | 「リース料総額の現在価値」と「貸手の購入価額(不明なときは見積現金購入価額)」のいずれか低い額 |
| 所有権移転ファイナンスリース | 貸手の購入価額が明らかならその購入価額。不明なときは現在価値と見積現金購入価額のいずれか低い額 |
「現在価値」とは、〇年後のお金××円を現在の価値に直したら、という考え方です。先ほどの事例(年間100円で装置を3年間リース・割引率2%)で計算すると、リース資産のB/S計上額は次のようになります。
- 1年後の100円の現在価値:100円 ÷ 1.02 ≒ 98円
- 2年後の100円の現在価値:100円 ÷ (1.02)² ≒ 96円
- 3年後の100円の現在価値:100円 ÷ (1.02)³ ≒ 94円
- 合計:98円+96円+94円 ≒ 288円 = リース資産のB/S計上額
計算に使う割引率は、貸手の計算利子率(貸手が設定している利率)を知ることができる場合はその利率を使います。知ることができない場合は、借手が同条件で追加の借入をすると仮定したときに適用されると合理的に見積もられる利率(追加借入利子率)を使います(企業会計基準適用指針第16号 第17項)。本記事の例では、この割引率を2%と仮定しています。
支払ったリース料100円は、「利息部分」と「元本(リース債務)の返済部分」に分けて処理します。按分は原則として利息法(期首のリース債務残高に割引率を掛けて利息を計算する方法)で行います。1回目の支払いでは次のようになります。
- 利息部分:期首のリース債務残高288円 × 割引率2% ≒ 6円
- 元本の返済部分:支払額100円 − 利息6円 = 94円
なお、リース資産の総額に重要性が乏しい場合には、利息相当額を各期に均等配分する定額法や、利息相当額を区分せず処理する方法も認められます。重要性が乏しいかどうかは、未経過リース料の期末残高が、その残高と有形固定資産・無形固定資産などの期末残高との合計に占める割合が10%未満かどうかが一つの目安です。
所有権移転外ファイナンスリースの仕訳と簡便処理
所有権移転外ファイナンスリースは、原則としては所有権移転ファイナンスリースと同様の仕訳を行います(原則法)。
ただし、減価償却の方法には違いがあります。所有権移転外ファイナンスリースでは、原則として残存価額をゼロとし、リース期間を耐用年数とする定額法(リース期間定額法)で償却します。

減価償却のより詳しい考え方や計算例は、以下の記事で解説しています。
●リース資産の減価償却に関する記事はこちら
また、所有権移転外ファイナンスリースは、次のいずれかに当てはまる場合、企業規模にかかわらず賃貸借取引に準じた簡便処理(費用処理)が認められています。
- リース契約1件あたりのリース料総額が300万円以下
- リース期間が1年以内
- 少額(重要性が乏しい)と認められるもの
この場合は、リース料を費用処理することが認められています(簡便処理)。仕訳は以下の通りです。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース料 100円 | 現金 100円 |
このとき、リース資産およびリース債務のB/S計上は不要で、それに伴う減価償却やリース債務返済の仕訳も不要です。なお、これとは別に、中小企業は「中小企業の会計に関する指針」により、所有権移転外ファイナンスリースを賃貸借処理できます。
オペレーティングリースの仕訳
資産を借りているだけの状態であるオペレーティングリースについては、仕訳は単純です。リース料を費用処理します。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース料 100円 | 現金 100円 |
所有権移転外ファイナンスリースの簡便処理とオペレーティングリースの会計処理は同じです。
なお、リース料にかかる消費税の取り扱い(一括控除・分割控除など)については、以下の記事で詳しく解説しています。
●リース料と消費税の会計処理に関する記事はこちら
リースを中途解約・買取したときの仕訳
リースしていたコピー機などを中途解約するケースを考えます。コピー機のようにファイナンスリース契約が多い資産では、すでにリース資産・リース債務が計上されています。たとえば本記事の例(リース資産288円・リース期間3年)で、1年経過後(減価償却を1回96円実施した後)に中途解約するとします。リース資産の未償却残高は288円−96円=192円、リース債務の残高は194円です。まず、リース資産を取り崩し、未償却残高192円をリース資産除却損として処理します。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース資産除却損 192円 | リース資産 192円 |
また、中途解約では、残りのリース料のおおむね全額に相当する規定損害金(解約金)を支払うのが一般的です。仮に残り2年分のリース料相当額200円を支払う場合は、リース債務残高194円との差額6円をリース解約損として処理します。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース債務 194円 リース解約損 6円 | 現金 200円 |
整理すると、資産側は「未償却のリース資産残高」を除却損に振り替えます。負債側は「リース債務残高と実際の支払額との差額」を解約損(または解約益)に振り替えます。
リース期間の満了後などに物件を買い取る場合は、支払った買取価額をもって当該資産を固定資産に振り替えます(例:機械装置 / 現金)。また、リサイクル料など付随費用が生じる場合は、内容に応じて資産計上または費用処理します。判断に迷う場合は顧問税理士に確認しましょう。
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新リース会計基準で仕訳はどう変わるか
ここまでは現行のリース会計基準にもとづく仕訳を解説してきました。2024年9月に公表された新リース会計基準(企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」)では、借手の会計処理が大きく変わります。
新基準では、借手はファイナンスリース・オペレーティングリースを区分しません。原則としてすべてのリースについて「使用権資産」と「リース負債」を貸借対照表に計上(オンバランス)します。これまで支払時にリース料(賃借料)として費用処理していたオペレーティングリースも、減価償却費と支払利息に分けて計上することになります。
新基準が強制適用されるのは、金融商品取引法の適用を受ける上場会社等や、会社法上の大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上)など、会計監査を受ける会社です。多くの中小企業は対象外で、引き続き「中小企業の会計に関する指針」等にもとづく従来どおりの処理を継続できます。ただし、非上場でも会社法上の大会社に当てはまる場合は対象になる点には注意が必要です。
ただし、新基準でも例外があります。短期リース(リース開始日のリース期間が12か月以内で、購入オプションを含まないもの)と少額リースが対象です。これらは使用権資産・リース負債を計上せず、リース料をリース期間にわたって費用処理する簡便的な取扱いが認められています。
このうち少額リースの範囲について、適用指針の本文は「重要性が乏しい」という定性的な定めにとどまります。目安としては、従来の簡便処理で用いられてきた「リース契約1件あたり300万円以下」の水準を引き継ぐ方法と、IFRS第16号で参考とされる「新品時におおむね5千米ドル以下」の少額資産に着目する方法が、企業会計基準適用指針第33号の結論の背景で示されています。どの水準を採るかは、自社の会計方針として定める必要があります。

使用権資産とリース負債の仕訳例
仕訳の考え方は、本記事で解説したファイナンスリース(原則法)とほぼ同じです。勘定科目を「リース資産→使用権資産」「リース債務→リース負債」と読み替えます。先ほどの前提(年100円×3年・割引率2%)であれば、借手の仕訳は次のようになります。
| タイミング | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| リース開始時 | 使用権資産 288円 | リース負債 288円 |
| リース料支払時 | リース負債 100円 支払利息 6円 | 現金 100円 リース負債 6円 |
| 決算時 | 減価償却費 96円 | 使用権資産 96円 |
この決算時の96円は、所有権が移転しないリース(従来の所有権移転外ファイナンスリースやオペレーティングリースなど)を想定した金額です。使用権資産をリース期間3年・残存価額ゼロで償却しています。所有権が移転するリースでは、使用権資産を経済的な耐用年数・残存価額を考慮して償却するため、金額の求め方が変わります。
このように、これまで費用処理だけで済んでいたオペレーティングリースも、新基準では資産・負債の計上と減価償却・利息計上が必要になります。これが借手にとって最大の変更点です。
現行基準と新リース会計基準の比較
現行基準と新リース会計基準の借手の会計処理の違いを一覧にまとめます。
▼ 現行基準と新リース会計基準の違い(借手)
| 項目 | 現行基準(企業会計基準第13号) | 新リース会計基準(企業会計基準第34号) |
|---|---|---|
| リースの区分 | ファイナンスリースとオペレーティングリースに区分 | 区分せず、原則すべてのリースで単一の会計処理 |
| B/S計上 | ファイナンスリースのみリース資産・リース債務を計上 | 原則すべてのリースで使用権資産・リース負債を計上 |
| オペリースの費用 | 支払時にリース料(賃借料)として費用処理 | 減価償却費と支払利息として計上 |
| 主な例外 | 簡便処理(1年以内・300万円以下など。企業規模問わず)や中小企業の賃貸借処理 | 短期リース(12か月以内)・少額リースの簡便的な取扱い |
| 適用時期 | ― | 強制適用:2027年4月1日以後開始事業年度/早期適用:2025年4月1日以後開始事業年度から可 |
強制適用は2027年4月1日以後に開始する連結会計年度・事業年度の期首からです。早期適用は2025年4月1日以後に開始する連結会計年度・事業年度の期首から認められています(企業会計基準第34号・企業会計基準適用指針第33号)。 出典:企業会計基準委員会「企業会計基準第34号『リースに関する会計基準』等の公表」(最終確認日:2026年8月4日)
なお、税務上のリースの取扱いは、新基準の適用後も会計とは連動しません。たとえばオペレーティングリースは、税務では引き続き賃貸借取引として支払リース料を損金算入します。会計(減価償却費+支払利息)と税務で費用の計上パターンがズレるため、法人税申告での申告調整(別表調整)や税効果会計の検討が必要になります。 出典:国税庁「令和7年度 法人税関係法令の改正の概要」(最終確認日:2026年8月4日)
なお、国際会計基準(IFRS第16号)との関係や、そもそもリース資産を計上するかどうかの判断は、以下の記事で詳しく解説しています。
●IFRS第16号のリース会計に関する記事はこちら
●リース資産を計上しないケースに関する記事はこちら
決算月から逆算する対応スケジュール
新基準は「2027年4月1日以後に開始する事業年度」から強制適用されます。適用開始の時期は決算月によって異なるため、自社の決算月から逆算して準備を進めましょう。
| 決算月 | 強制適用が始まる事業年度の開始日 |
|---|---|
| 3月決算 | 2027年4月1日開始の事業年度から |
| 6月決算 | 2027年7月1日開始の事業年度から |
| 9月決算 | 2027年10月1日開始の事業年度から |
| 12月決算 | 2028年1月1日開始の事業年度から |
たとえば6月決算の企業は、3月決算の企業より適用開始が後ろにずれます。早期適用(2025年4月1日以後開始事業年度)を選べば前倒しでの対応も可能です。いずれの場合も、まず着手すべきは対象となるリース契約の洗い出しです。

リースの識別と隠れリースの見つけ方
新基準では原則すべてのリースがオンバランスになるため、仕訳より先に「自社にどんなリースがあるか」を洗い出す必要があります。ここで実務の壁になるのが、契約書に「リース」と書かれていなくても新基準上はリースに該当する、いわゆる「隠れリース」の存在です。
賃貸借契約やサービス契約の中にも、特定の資産を一定期間使用する権利を得ているものは、リースとして識別される場合があります。契約が部署や拠点ごとに分散して保管されていると、この洗い出しだけで膨大な工数がかかり、監査対応にも影響します。
リースの識別の考え方や隠れリースの具体例は、以下の記事で詳しく解説しています。
●隠れリースの見つけ方に関する記事はこちら
こうしたリースの識別・洗い出しを効率化する方法として、AIを活用したサービスもあります。TOKIUM AI新リース判定は、契約書をAIが自動で確認し、企業会計基準委員会の「リースの識別の判断」にもとづいてリースへの該当可能性を判定します。判定結果と根拠条文はCSV形式でダウンロードできます。紙の契約書のスキャンもTOKIUMが代行するため、分散した契約の棚卸しと監査対応の証跡づくりを一度に進められます。
▶AI新リース判定のサービス詳細はこちら
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リースの仕訳に関するよくある質問
リースの仕訳で使う勘定科目は?
ファイナンスリース(原則法)では「リース資産」「リース債務」「支払利息」「減価償却費」を使います。簡便処理やオペレーティングリースでは「リース料(賃借料)」として費用処理します。新リース会計基準の適用後は「使用権資産」「リース負債」という科目に変わります。
ファイナンスリースとオペレーティングリースの仕訳の違いは?
ファイナンスリースは売買取引に準じて資産・負債を計上し、減価償却と支払利息を計上します。オペレーティングリースは賃貸借取引として、支払ったリース料を全額そのまま費用処理します。
リース資産の計上額はどう計算しますか?
所有権移転外ファイナンスリースは「リース料総額の現在価値」と「貸手の購入価額(不明なときは見積現金購入価額)」のいずれか低い額で計上します。所有権移転ファイナンスリースは、貸手の購入価額が明らかならその価額で計上します。いずれも貸手の購入価額が不明なときは、リース料総額の現在価値と見積現金購入価額のいずれか低い額を用います。
新リース会計基準で仕訳はどう変わりますか?
借手はリースの区分をせず、原則すべてのリースで「使用権資産」と「リース負債」を計上します。従来費用処理だったオペレーティングリースも、減価償却費と支払利息に分けて計上します。強制適用は2027年4月1日以後開始事業年度からです。
中小企業はリースをどう仕訳できますか?
新リース会計基準の強制適用対象は、上場会社等や会社法上の大会社など会計監査を受ける会社です。多くの中小企業は対象外で、従来どおりの処理を継続できます。所有権移転外ファイナンスリースでも、リース料総額300万円以下・リース期間1年以内・少額(重要性が乏しい)のいずれかに当てはまれば、リース料を費用処理する簡便処理が認められています。
リース取引の会計処理・仕訳まとめ
以下の2つの条件を満たせばファイナンスリース、満たさなければオペレーティングリースにあたります。
- 中途解約不可
- フルペイアウト
ファイナンスリースは「所有権移転ファイナンスリース」と「所有権移転外ファイナンスリース」の2つに分けられます。リース期間満了後に資産が借手のものになるのなら所有権移転、そうでなければ所有権移転外です。ファイナンスリースの仕訳の流れは一般的に以下の通りです。
| タイミング | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 契約時 | リース資産 288円 | リース債務 288円 |
| リース料支払時 | リース債務 100円 支払利息 6円 | 現金 100円 リース債務 6円 |
| 期末 | 減価償却費 96円 | リース資産 96円 |
オペレーティングリースの仕訳は「リース料 100円 / 現金 100円」です。
リース会計はとっつきにくい印象がありますが、仕訳の考え方は合理的でわかりやすいものです。この機会に理解して業務に役立ててください。社用車のリースについては、以下の関連記事もご参照ください。
新リース会計基準への対応ならTOKIUM契約管理
新リース会計基準では、これまでオフバランスだったオペレーティングリースを含め、借手のリースは原則すべて「使用権資産」「リース負債」として計上されます。このとき仕訳より先に実務の壁になるのが、社内に散在するリース契約の洗い出しと、契約がリースに該当するかどうかの判定です。
TOKIUM契約管理は、紙・電子を問わず契約書を集約して一元管理し、全文検索や契約期限のアラートでリース契約の棚卸し・網羅的な洗い出しを支援します。新リース会計基準への対応を進めたい経理・管理部門の方は、以下より資料をダウンロードのうえご確認ください。ご不明な点があればあわせてお問い合わせください。
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