経費精算

GitHubの利用料、勘定科目は何が正解?仕訳例と経理の注意点を徹底解説

更新日:2025.08.28

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IT部門や開発チームから、ある日突然「GitHub」と書かれた利用明細書が回ってきて、「これは一体、どの勘定科目で処理すればいいのだろう…」と頭を悩ませてはいませんか。特に、これまで取引のなかった新しいSaaSツールの経費処理は、前例がないために判断に迷うことも多いかと存じます。月末の締め作業が迫る中、一つひとつの処理に時間をかけられないのが本音ですよね。

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ご安心ください。この記事では、GitHubの利用料を仕訳する際の適切な勘定科目から、具体的な仕訳例、消費税の扱いや年間契約時の注意点まで、経理担当者の皆様が知りたい情報を網羅的に解説します。この記事を読み終える頃には、GitHubだけでなく、今後発生するであろう様々なSaaSツールの経費処理にも応用できる考え方が身につき、自信を持って日々の業務に取り組めるようになっているはずです。

そもそもGitHubとは?経理が知っておくべき基本

まず、経理担当者としてGitHubがどのようなサービスなのかを簡単に理解しておくことで、勘定科目の選択がスムーズになります。

GitHubは、一言で言うと「ソフトウェア開発のためのプラットフォーム」です。エンジニアや開発者が作成したプログラムの設計図(ソースコード)を保存・管理し、チーム内での共同作業を円滑に進めるために利用されます。ファイルの共有やバージョン管理、プロジェクトの進捗管理といった機能が提供されており、現代のソフトウェア開発には欠かせないツールの一つとなっています。経理の視点からは、物理的なモノの購入ではなく、業務を効率化するための「サービス」の利用料である、と捉えるのがポイントです。このサービスの性質を理解することが、適切な会計処理への第一歩となります。

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GitHubの勘定科目は「通信費」または「支払手数料」が一般的

早速、結論からお伝えします。GitHubの利用料を処理する際の勘定科目は、「通信費」または「支払手数料」を使用するのが一般的です。どちらの勘定科目を選んでも、税務上問題になることは基本的にありません。

ただし、最も重要なのは、一度どちらかの勘定科目で処理すると決めたら、今後も継続して同じ勘定科目を使用することです。会計には「継続性の原則」という考え方があり、正当な理由なく処理方法を頻繁に変更することは認められていません。社内でルールを統一し、一貫した経理処理を心がけましょう。

なぜ「通信費」として処理できるのか

「通信費」は、電話代やインターネット利用料、切手代など、情報の伝達や通信のために支出する費用を処理する勘定科目です。GitHubはインターネットを介して利用するクラウドサービスであり、チーム間の情報共有や共同作業を円滑にするという側面を持っています。この「インターネットを利用したサービス」という性質を重視するならば、通信費として処理することは非常に合理的と言えるでしょう。特に、サーバー代や他のクラウドサービスの利用料を通信費で処理している企業では、GitHubも同様に扱うことで、会計処理に一貫性を持たせることができます。

「支払手数料」も選択肢として有力な理由

一方、「支払手数料」も有力な選択肢です。支払手数料は、特定のサービスや取引に対して支払う手数料や報酬を処理するための、非常に汎用性の高い勘定科目です。GitHubの利用料は、ソフトウェア開発を支援するという専門的な「サービス」に対する対価と捉えることができます。このように、サービスの提供そのものへの対価という側面を強調する場合、支払手数料として計上するのが適しています。金融機関への振込手数料や、専門家への報酬などを支払手数料で処理している場合、GitHubの利用料もこの科目に含めることで、管理がしやすくなるでしょう。

その他の勘定科目は使える?

稀なケースとして「消耗品費」や「雑費」で処理することも考えられますが、あまり推奨はされません。消耗品費は、事務用品や日用品など、形のあるモノの購入に使われるのが一般的です。GitHubはサービスであり、物品の購入ではないため、消耗品費は実態と少し異なります。また、雑費は他のどの勘定科目にも当てはまらない、重要性の低い少額の経費に使う科目です。GitHubの利用料は今後も継続的に発生する可能性が高いため、専用の科目(通信費や支払手数料)で管理する方が望ましいでしょう。

【ケース別】GitHub利用料の具体的な仕訳例

勘定科目の考え方を理解したところで、次に具体的な仕訳例を見ていきましょう。ここでは「通信費」を使用する前提で、支払いパターン別に解説します。

月額プランをクレジットカードで支払った場合

GitHubの利用料は、多くの場合クレジットカードで支払われます。事業用のクレジットカードで支払った場合の仕訳は以下のようになります。

例:9月分の利用料25ドル(2,800円)がクレジットカードで引き落とされた

勘定科目借方貸方摘要
通信費2,800円GitHub利用料 9月分
仮払消費税等280円
貸方合計3,080円未払金

まず、費用の発生時に借方に「通信費」を計上します。この際、消費税は「仮払消費税等」として分けて計上します。そして、貸方には、まだ口座から引き落とされていないため「未払金」を立てます。後日、クレジットカードの利用代金が普通預金口座から引き落とされた際に、以下の仕訳を行います。

例:10月27日に、9月分のカード利用料が普通預金から引き落とされた

勘定科目借方貸方摘要
未払金3,080円9月分カード利用料
貸方合計3,080円普通預金

このように、未払金を取り崩し、普通預金の減少として処理することで、一連の取引が完了します。

年間プランを一括で支払った場合

年間プランを契約し、一年分の利用料を前払いした場合は、少し処理が異なります。この場合、支払った時点ではまだサービスの提供を受けていない部分が含まれるため、全額を一度に費用として計上することはできません。会計の「費用収益対応の原則」に基づき、支払った費用をサービスの提供を受ける期間にわたって、按分して計上する必要があります。

例:10月1日に、一年分の利用料300ドル(33,600円、税抜30,545円)を支払った

まず、支払い時点では全額を「前払費用」という資産の勘定科目で処理します。

勘定科目借方貸方摘要
前払費用33,600円GitHub利用料 年間契約
貸方合計33,600円普通預金

そして、決算時や月次処理の際に、経過した期間分の費用を「前払費用」から「通信費」に振り替えていきます。

例:12月31日の決算時に、3ヶ月分(10月〜12月)を費用計上する

  • 費用計上額の計算: 33,600円 ÷ 12ヶ月 × 3ヶ月 = 8,400円
  • 消費税額の計算: 8,400円 × 10 ÷ 110 ≒ 764円
  • 通信費(税抜): 8,400円 – 764円 = 7,636円
勘定科目借方貸方摘要
通信費7,636円GitHub利用料 10-12月分
仮払消費税等764円
貸方合計8,400円前払費用

この振替処理を、サービスの提供期間が終了するまで毎月または毎期末に行います。少し手間はかかりますが、正確な期間損益を計算するために重要な処理です。

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経理担当者が押さえておくべき注意点

GitHubの経費処理においては、勘定科目の選択以外にもいくつか注意すべき点があります。スムーズな処理のために、以下のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

消費税の扱いは「課税仕入れ」

GitHubの運営会社は米国にありますが、日本国内で事業を行う開発者向けには日本の消費税法が適用されます。そのため、GitHubの利用料は「電気通信利用役務の提供」に該当し、消費税の課税対象となります。したがって、経理処理上は「課税仕入れ」として扱い、仕入税額控除の対象とすることができます。インボイス制度開始後は、領収書や利用明細が適格請求書の要件を満たしているかを確認することも忘れないようにしましょう。

出典:国税庁 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について

領収書・利用明細の管理方法

GitHubの利用料は、基本的に管理画面から利用明細や領収書をPDF形式でダウンロードすることになります。紙の請求書が郵送されてくるわけではないため、電子データとして受け取ったこれらの書類を、電子帳簿保存法の要件に沿って適切に保存する必要があります。ファイル名を「202510_GitHub利用料」のように日付や内容がわかる形に統一し、所定のフォルダに保管するなどの社内ルールを定めておくと、後々の管理が非常に楽になります。

増え続けるSaaSの請求書管理、もっと楽になりませんか?

ここまでGitHubの経費処理について解説してきましたが、あなたの会社では、GitHub以外にもSlack、AWS、Figma、Adobeなど、様々なSaaSツールを利用していないでしょうか。ツールの種類が増えるたびに、担当者は「この請求書はどの科目だ?」「消費税の扱いは?」「前払いの按分計算は…」といった確認作業に追われることになります。

一枚一枚の請求書を人間が確認し、手作業で会計ソフトに入力していく方法は、手間がかかるだけでなく、入力ミスや計上漏れといったヒューマンエラーのリスクも常に伴います。特に、あなたのような経理担当者が本来注力すべきは、このような単純作業ではなく、より付加価値の高い分析業務や経営サポートのはずです。

経費精算システム「TOKIUM」でSaaS管理を自動化

出典:TOKIUM経費精算-スマホで完結できる経費精算システム

そこでおすすめしたいのが、経費精算システム「TOKIUM経費精算」の導入です。TOKIUMのようなシステムを導入することで、SaaS利用料を含むあらゆる請求書の処理を劇的に効率化できます。

例えば、TOKIUMでは、受領した請求書を専任のオペレーターが99.9%以上の精度でデータ化してくれます。あなたは、システム上に自動で登録されたデータを確認し、承認するだけ。これまで手作業で行っていた請求書の開封、スキャン、入力といった一連の作業から解放されます。

また、一度処理した取引については、勘定科目を自動で学習・反映させる機能もあります。つまり、一度GitHubの利用料を「通信費」として処理すれば、次回以降はシステムが自動で「通信費」として仕訳を起票してくれるのです。これにより、担当者ごとの判断のブレを防ぎ、全社で一貫した会計処理を担保することができます。年間契約のような前払費用の按分計算と、毎月の振替仕訳の自動起票にも対応しており、月次決算の早期化にも大きく貢献します。

SaaSの利用料だけでなく、従業員の立替経費精算もスマートフォンアプリで完結し、ペーパーレス化を一気に推進できます。GitHubの経費処理で少しでも「面倒だ」と感じたなら、それは経費精算業務全体を見直す良い機会かもしれません。

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まとめ

本記事では、GitHubの利用料に関する経費処理について、勘定科目の考え方から具体的な仕訳例、注意点までを詳しく解説しました。

重要なポイントは、勘定科目は「通信費」または「支払手数料」とし、社内で決めたルールを継続して運用することです。また、年間契約の場合は「前払費用」として適切に期間按分を行い、消費税は「課税仕入れ」として処理することを忘れないでください。

今回解説した内容をしっかりと押さえておけば、もうGitHubの経費処理で迷うことはありません。この記事が、あなたの業務負担を少しでも軽くし、自信を持って日々の経理業務に取り組むための一助となれば幸いです。そして、SaaS管理を含む経費精算業務全体の効率化に課題を感じているのであれば、「TOKIUM経費精算」のようなシステムの活用が、あなたの会社を次のステージへ進めるための確かな一歩となるでしょう。

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