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仕訳票とは?書き方・テンプレートと仕訳表との違いを解説

更新日:2026.04.16

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仕訳票

仕訳票とは、取引ごとの仕訳内容を1枚ずつ記録する伝票です。1伝票制で使われ、仕訳帳の代わりに取引を記録する役割があります。仕訳表は複数の仕訳を一覧化した帳票であり、仕訳票とは用途が異なります。仕訳票を作成する際は、日付・借方科目・貸方科目・金額・摘要を記載し、借方と貸方の金額が一致しているか確認することが重要です。

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本記事では、仕訳票の書き方や記入例、仕訳表との違い、テンプレートの活用方法、さらに電子化のポイントまでわかりやすく解説します。

仕訳票とは

仕訳票とは、取引ごとの仕訳内容を1枚ずつ記録する伝票です。仕訳帳に直接記帳する方法とは異なり、取引発生時に伝票を起票し、その内容をもとに総勘定元帳へ転記します。まずは、仕訳票の役割と、仕訳表・振替伝票との違いを整理しておきましょう。

仕訳票と混同されやすいものに、仕訳帳、仕訳表、振替伝票があります。いずれも仕訳内容を扱う点は共通していますが、記録の単位や使われる場面が異なります。まずは、違いを一覧で確認しておきましょう。

項目仕訳票仕訳帳仕訳表振替伝票
役割取引ごとの仕訳内容を1枚ずつ記録する伝票すべての取引を日付順に記録する帳簿複数の仕訳を一覧で確認する帳票現金取引以外の仕訳を記録する伝票
記録単位1取引につき1枚取引を時系列で連続記録一定期間や条件ごとに一覧化1取引につき1枚
主な用途起票、確認、承認、転記の元資料正式な会計帳簿として取引を記録仕訳内容の確認、集計、チェック売掛金、買掛金、預金取引などの記録
使われる場面1伝票制で日常取引を処理する場合帳簿式会計で仕訳を記録する場合月次決算、監査対応、仕訳チェック時3伝票制や5伝票制で現金以外の取引を処理する場合
ポイント仕訳帳の代わりに取引を起票するための伝票です。会社の取引を網羅的に記録する基本帳簿です。起票ではなく、確認・集計のために使われます。仕訳票と形式は近いものの、伝票制の種類によって呼び方が変わります。

仕訳票は「取引を記録するための伝票」、仕訳帳は「取引を日付順に記録する帳簿」、仕訳表は「仕訳を一覧で確認するための帳票」です。振替伝票は仕訳票と似た形式ですが、3伝票制や5伝票制で現金以外の取引を処理する際に使われます。

仕訳票の定義と役割

仕訳票とは、日々の取引を借方・貸方に分けて1枚ずつ記録する伝票です。伝票式会計において、仕訳帳の代わりに使われます。

通常の帳簿式会計では、取引が発生するたびに仕訳帳へ記帳しますが、伝票式会計では取引1件につき1枚の伝票を起票します。仕訳票はその中でも最も基本的な伝票であり、すべての取引を1種類の伝票で処理する「1伝票制」で使用されます。

仕訳票の役割は主に以下の3つです。

  • 取引内容を正確に記録し、証拠書類として保管する
  • 複数人で分担して起票・確認できるため、経理業務を効率化する
  • 総勘定元帳への転記の元資料となる

なお、伝票には入金伝票・出金伝票・振替伝票などの種類があり、3伝票制や5伝票制では目的別に使い分けます。1伝票制では仕訳票(振替伝票)1種類ですべての取引を記録します。

仕訳票と仕訳表の違い

仕訳票は「1取引につき1枚」の伝票であるのに対し、仕訳表は複数の仕訳をまとめて一覧にした帳票です。

項目 仕訳票 仕訳表(仕訳一覧表)
形式 1取引1枚の伝票 複数の仕訳を一覧にまとめた表
用途 取引発生時の起票・承認 仕訳内容の確認・集計・チェック
記載単位 個別の取引 期間・勘定科目別など
使われる場面 伝票式会計での日常経理 月次決算・監査時の確認資料

仕訳票は取引の発生時にリアルタイムで起票するのに対し、仕訳表は会計ソフトなどから出力する集計帳票として活用されるケースが一般的です。

仕訳票と振替伝票の違い

仕訳票と振替伝票は、実質的にはほぼ同じものです。1伝票制で使われる伝票を「仕訳票」や「仕訳伝票」と呼び、3伝票制・5伝票制で現金取引以外を記録する伝票を「振替伝票」と呼びます。

つまり、伝票制の種類によって呼び名が変わるだけで、フォーマットや記入方法はほとんど同じです。違いをまとめると次のとおりです。

項目 仕訳票(仕訳伝票) 振替伝票
使う伝票制 1伝票制 3伝票制・5伝票制
対象取引 すべての取引 現金取引以外の取引
他の伝票との関係 単独ですべてをカバー 入金伝票・出金伝票と併用
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仕訳票の書き方

仕訳票を正しく作成するには、日付・伝票番号・借方科目・貸方科目・金額・摘要を漏れなく記載することが重要です。特に、借方と貸方の金額が一致していない場合は、仕訳として成立しません。ここでは、基本フォーマットと実務でよく使う記入例をもとに、作成時の確認ポイントを解説します。

仕訳票の基本フォーマット

仕訳票には統一的な法定様式はありませんが、一般的に以下の項目を含むフォーマットが使われます。

  • 伝票番号:管理用の通し番号
  • 日付:取引が発生した年月日
  • 借方勘定科目・金額:資産の増加や費用の発生を記録する側
  • 貸方勘定科目・金額:負債の増加や収益の発生を記録する側
  • 摘要:取引の具体的な内容(取引先名・品名など)
  • 承認欄:起票者・確認者・承認者の押印欄

借方合計と貸方合計は必ず一致させるのが複式簿記の基本ルールです。金額が一致しない場合は記載誤りがあるため、必ず確認しましょう。

仕訳票の記入例(具体的な取引で解説)

ここでは実務でよくある3つの取引を例に、仕訳票の記入方法を具体的に解説します。

例1:備品(パソコン)を現金で購入した場合

伝票No. 日付 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額 摘要
0001 2026/4/15 消耗品費 88,000 現金 88,000 業務用ノートPC購入

例2:売掛金が普通預金に入金された場合

伝票No. 日付 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額 摘要
0002 2026/4/15 普通預金 330,000 売掛金 330,000 A社 3月分売上代金入金

例3:事務所の家賃を銀行振込で支払った場合

伝票No. 日付 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額 摘要
0003 2026/4/15 地代家賃 150,000 普通預金 150,000 5月分事務所家賃 B不動産

このように、仕訳の基本である「借方と貸方に同額を記録する」ルールを守って記入します。

仕訳票作成時の注意点

仕訳票を正確に作成するために、以下のポイントに注意しましょう。

  • 日付は取引の発生日を記載する(伝票の起票日ではない)
  • 勘定科目は自社の勘定科目一覧に基づいて統一する
  • 摘要は第三者が見ても取引内容がわかるように具体的に書く
  • 金額の記入ミスを防ぐため、借方・貸方の合計が一致しているか必ず検算する
  • 消費税の処理方法(税込・税抜)を統一する
  • 決算整理仕訳など特殊な仕訳は、通常の取引仕訳と区別して管理する
 

仕訳票のテンプレート活用

仕訳票は、ExcelやGoogleスプレッドシートでテンプレート化しておくと、記入漏れや勘定科目の表記ゆれを防ぎやすくなります。伝票番号の連番管理、借方・貸方の自動計算、承認欄の設置などをあらかじめ整えておくことで、日常の起票作業を効率化できます。

Excel・Googleスプレッドシートでの作成

仕訳票はExcelやGoogleスプレッドシートで簡単にテンプレートを作成できます。自社の業務に合わせたフォーマットをあらかじめ用意しておくと、起票の手間を大幅に削減できます。

テンプレート作成時に含めるべき項目は以下のとおりです。

項目 内容
伝票番号 自動採番(連番管理)
日付 取引発生日
借方勘定科目 プルダウンリストで選択
借方金額 数値入力
貸方勘定科目 プルダウンリストで選択
貸方金額 数値入力
摘要 取引内容の説明
承認欄 起票者・承認者

Excelの場合、勘定科目をプルダウンリスト(入力規則)で設定すると、科目名の表記ゆれを防ぎ、集計時のミスを減らせます。また、借方合計と貸方合計を自動計算するSUM関数を入れておくと、記入時に検算の手間が省けます。

会計ソフトでの仕訳票管理

会計ソフトを導入している場合、仕訳票を紙やExcelで作成する必要はほとんどありません。多くの会計ソフトでは、仕訳入力画面が仕訳票のフォーマットに対応しており、入力と同時に総勘定元帳への転記も自動で行われます。

会計ソフトを活用するメリットは次のとおりです。

  • 勘定科目の入力補助(サジェスト機能)で入力ミスを防止
  • 借方・貸方の金額不一致をリアルタイムでエラー表示
  • 仕訳データを基に仕訳表や試算表を自動生成
  • 過去の仕訳の検索・修正が容易

手書き伝票やExcel管理から会計ソフトへ移行することで、転記ミスの削減と業務スピードの向上が期待できます。

仕訳票の電子化・効率化

紙の仕訳票は、保管スペースや検索性、紛失リスクの面で課題が生じやすい書類です。会計ソフトやクラウドサービスで仕訳データを管理すれば、転記ミスの削減や承認フローの効率化につながります。電子化する場合は、電子帳簿保存法との関係も確認しておく必要があります。

紙の仕訳票からデジタルへ

紙の仕訳票には、紛失リスクや検索性の低さ、保管スペースの確保といった課題があります。近年では、経理業務の効率化を目的に、仕訳票の電子化を進める企業が増えています。

電子化の方法としては、大きく2つのアプローチがあります。

  • 既存の紙伝票をスキャナで読み取り、画像データまたはOCRによるテキストデータとして保存する方法
  • 最初から会計ソフトやクラウドサービス上で仕訳を入力し、紙の伝票を発行しない方法

伝票の電子化によって、保管コストの削減、検索スピードの向上、リモートワーク環境での経理業務対応が可能になります。

電子帳簿保存法との関係

仕訳票の電子化を検討する際には、電子帳簿保存法への対応も重要なポイントです。電子帳簿保存法は、国税関係の帳簿書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律で、2024年1月から電子取引データの電子保存が義務化されています。

仕訳票と電子帳簿保存法の関係は以下のとおりです。

区分 仕訳票の扱い
電子帳簿等保存 会計ソフトで作成した仕訳帳・総勘定元帳は電子保存可能。仕訳票がこれらの補助簿を構成する場合は対象
スキャナ保存 紙の仕訳票をスキャンして電子保存する場合、タイムスタンプの付与や検索要件を満たす必要がある
電子取引 電子的にやり取りした取引データは電子保存が義務。仕訳票そのものは社内起票のため直接の対象外が多い

自社の仕訳票が電子帳簿保存法の対象になるかは、伝票の作成目的や保管位置づけにより異なります。判断に迷う場合は、顧問税理士や国税庁の公表資料を確認しましょう。

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仕訳票に関するよくある質問

仕訳票と仕訳帳の違いは何ですか?

仕訳票は取引ごとに1枚ずつ作成する伝票で、仕訳帳はすべての取引を日付順に記録する帳簿です。伝票式会計では仕訳票を起票し、その内容をもとに帳簿へ転記します。

仕訳票と振替伝票は同じですか?

仕訳票と振替伝票は、実務上ほぼ同じ形式で使われることがあります。ただし、1伝票制ではすべての取引を仕訳票で処理し、3伝票制や5伝票制では現金取引以外を振替伝票で処理する点が異なります。

仕訳票に決まった様式はありますか?

仕訳票に統一された法定様式はありません。ただし、日付、伝票番号、借方科目、貸方科目、金額、摘要、承認欄などを記載できる形式にしておくことが一般的です。

仕訳票はExcelで作成しても問題ありませんか?

Excelで仕訳票を作成することは可能です。ただし、勘定科目の表記ゆれ、計算ミス、承認履歴の管理漏れが起きないよう、入力規則や自動計算、保存ルールを整備する必要があります。

紙の仕訳票は電子化できますか?

紙の仕訳票はスキャンや会計ソフトへの入力によって電子化できます。ただし、保存対象となる帳簿書類の位置づけや電子帳簿保存法の要件は運用によって異なるため、自社の保存ルールを確認してから進めることが大切です。

まとめ

仕訳票は、取引を1件ずつ借方・貸方に分けて記録する伝票であり、伝票式会計の基本となるものです。仕訳票と仕訳表は形式や用途が異なり、仕訳票が「1取引1枚の起票」であるのに対し、仕訳表は「仕訳の一覧・集計」に使われます。

仕訳票を正確に作成するには、日付・勘定科目・金額・摘要を漏れなく記入し、借方と貸方の金額が一致しているか検算することが大切です。ExcelテンプレートやGoogleスプレッドシートを活用すれば効率的に作成でき、会計ソフトを導入すれば転記や集計を自動化できます。

また、電子帳簿保存法への対応も踏まえ、紙の仕訳票から電子化への移行を検討することで、経理業務全体の効率化を図れるでしょう。

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