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病院の経費精算は、一般企業より件数が膨らみやすく、承認も滞りやすい業務です。医師や看護師は学会や研修で頻繁に外へ出るうえ、日中は診療から離れられません。立替の領収書は月末にまとまって経理へ届き、紙とエクセルでの突合・入力が月数日がかりになります。事務長や経理・財務、総務、情報システム部門の担当者なら、心当たりのある光景ではないでしょうか。
→ダウンロード:交通費精算の5大課題をTOKIUM経費精算で解決!
そこに電子帳簿保存法とインボイス制度への対応が重なりました。紙前提の精算フローを見直すなら、法対応が求められるいまが好機です。病院特有の課題はどこにあるのか、経費精算システムで何がどこまで解決できるのか。医療機関ならではの選定軸と、実在の医療法人の数値を順に見ていきます。
病院・医療機関の経費精算とは
病院・医療機関の経費精算とは、医師・看護師・事務職員が業務のために立て替えた費用を申請し、内容の確認を経て払い戻すバックオフィス業務です。対象になるのは学会参加費や出張旅費、交通費、備品の購入費など。患者さんから診療費を受け取る窓口会計とは、まったく別の業務です。
職員数が多い病院ほど申請は増えます。1,000名規模の医療法人なら、毎月の精算は数百件から千件規模にのぼることも珍しくありません。ここを紙で回すかシステムで回すかが、経理部門の負荷を大きく左右します。
精算の遅れは経理だけの問題では済みません。立替金がなかなか戻らない職場は、医師や看護師にとって働きにくい職場です。経費精算のスムーズさは、職員の定着や働き方改革にもつながる経営の論点だと捉えておく必要があります。
職員の立替精算と患者の窓口会計の違い
職員の立替経費精算と患者の窓口会計は、扱うお金も担当部門も異なります。前者は職員が立て替えた費用を財務・経理が払い戻す社内手続き、後者は患者さんの診療費を医事課が受け取る対外業務です。「病院 精算」と検索すると受付の自動精算機の情報が多く出てきますが、この記事で扱うのは職員側の経費精算です。
▼ 職員の経費精算と患者の窓口会計の違い
| 比較軸 | 職員の立替経費精算 | 患者の窓口会計(自動精算機) |
|---|---|---|
| お金の流れ | 病院→職員(立替の払い戻し) | 患者→病院(診療費の受領) |
| 主な担当部門 | 財務・経理・総務 | 医事課・受付 |
| 扱う内容 | 学会費・出張旅費・交通費・備品などの精算 | 診療費の会計・収納 |
| 効率化の手段 | 経費精算システム | 自動精算機・セルフレジ |
混同が起きる背景には、院内で「精算」という言葉が両方の意味で使われている事情があります。システム選定の場でも、経理側は職員の立替精算の話をしているのに、医事課側は窓口の精算機を思い浮かべている、という食い違いが実際に起こります。検討を始める前に、対象業務がどちらなのかを関係部門で言葉にしてそろえておくと、要件定義の迷走を防げます。

病院の経費精算で扱う主な費目
病院の経費精算で扱う費目は、学会・研修関連と出張・交通費が中心です。診療科ごとの少額購入や小口現金、医局運営に関わる費用まで含めると、種類は一般企業より多岐にわたります。
▼ 病院の経費精算で扱う主な費目
| 費目 | 内容の例 | 精算時のポイント |
|---|---|---|
| 学会参加費・研修費 | 学会年会費、参加登録費、教材費 | 個人資格の年会費か業務上の参加費かで負担・課税の扱いが分かれるため、規程での線引きが必要 |
| 出張旅費 | 学会・研究会への出張、宿泊費 | 私的な滞在を伴う場合の按分ルールを規程で決めておく |
| 交通費 | 外勤・訪問診療・施設間移動の電車代やタクシー代 | ICカード連携があると申請も確認も速い |
| 備品・消耗品費 | 事務用品、書籍、医局の少額購入品 | 発注ルートと立替の線引きを明確にする |
| 小口現金・仮払金 | 急な支払いへの現金対応 | 現金管理はミスの温床になりやすく、縮小が望ましい |
このほか、医局会の運営費や研究にひもづく物品購入など、病院ならではの費目も混ざります。国の科研費(科学研究費助成事業)で執行する費用は経費精算とは別のルールで管理されるため、立替経費と混在させない区別も必要です。
夜勤や当直明けの医師に紙の申請書を書かせるのは現実的ではなく、実際には事務職員が代行してため込みがちです。費目が多いほど勘定科目の判断も割れます。誰が・いつ・どう精算するかを決めた規程と、それを支える仕組みが要ります。
病院の経費精算でよくある課題
病院の経費精算の課題は、大きく4つに集約できます。学会・出張による件数の多さ、施設と診療科をまたぐ承認の複雑さ、紙とエクセル運用の限界、そして法対応です。どれも「職員が忙しくて申請が遅れる」という病院特有の事情と絡み合っています。
▼ 病院の経費精算でよくある4つの課題
| 課題 | 病院特有の背景 |
|---|---|
| 学会・研修・出張で精算件数が膨らむ | 医師・看護師の外勤が多く、申請が高頻度・高額になりやすい |
| 施設・診療科をまたぐ承認フロー | 職位の縦の流れと施設間の横の流れが交差し、書類が滞留する |
| 紙・エクセル運用の入力ミスと遅延 | 多忙な現場からの提出が月末に偏り、経理の突合・転記が追いつかない |
| 電子帳簿保存法・インボイス対応 | 法対応の確認項目が増えるうえ、患者情報を扱う組織として管理水準も問われる |
学会・研修・出張による精算件数の多さ
病院で精算件数が膨らむ最大の要因は、医師・看護師の学会・研修・出張の多さです。専門医資格の維持には学会参加が欠かせず、発表や座長を務める機会も重なります。1人の医師が年に数回の学会に出れば、参加費・交通費・宿泊費の申請がそのたびに発生します。
1件あたりの立替額が大きいのも学会関連の特徴です。参加費に遠方への交通費と宿泊費が重なれば、職員の立替負担は無視できない金額になります。精算が遅れるほど職員の不満は募り、督促と確認のやり取りが経理の時間をさらに削ります。
申請する側の事情も負荷を増やします。診療の合間に領収書を整理する時間はなく、申請は出張後や月末にまとめて提出されがちです。経理には繁忙の波ができ、確認の精度が落ち、差し戻しも増えます。件数そのものより、提出タイミングの偏りが精算を滞らせます。
複数の施設・診療科をまたぐ承認フロー
病院の承認フローは、縦と横の両方向に伸びるため複雑になります。縦は申請者から診療科の長、事務部門、財務への職位の流れ。横は病院・クリニック・介護施設といった施設間の流れです。紙で運用していると、書類そのものが施設間を物理的に移動します。
複数施設を運営する社会医療法人誠光会では、システム導入前、各施設に届く書類を施設別に50音順でファイリングする作業だけで丸1日かかっていました。 出典:TOKIUM導入事例|社会医療法人誠光会(最終確認日:2026年7月17日)
承認者の不在も構造的な問題です。診療科の長は診療と学会で席を外すことが多く、代理承認や代決(上位者不在時に代わって決裁すること)のルールが決まっていない病院では、書類が机の上で止まります。フローが複雑なほど「いまどこで止まっているか」を誰も答えられなくなり、申請者からの問い合わせ対応がまた経理の時間を奪います。

紙とエクセルの運用による入力ミス・承認遅延
紙の申請書とエクセル台帳の組み合わせは、件数が少ないうちは回りますが、月数百件の規模では破綻します。手書きの金額を経理が目視で突合し、会計ソフトへ転記します。工程が増えるほどミスは入り込み、ミスを恐れるほど確認に時間がかかります。
病院のバックオフィスで紙運用がどれほど工数を奪うかは、実在の医療法人の例が物語っています。経費精算と地続きの請求書処理でも、社会医療法人誠光会は紙運用のもとで毎月大量の入力と紙の管理に工数を割いていました。 出典:TOKIUM導入事例|社会医療法人誠光会(最終確認日:2026年7月17日)
属人化も進みます。エクセル台帳の構造や過去の処理の経緯は担当者の頭の中にしかなく、異動や退職のたびに引き継ぎで消耗します。紙が動かないと業務全体が止まり、人が替わると業務の中身が分からなくなります。この二重の脆さが紙・エクセル運用の構造的な弱点です。
電子帳簿保存法・インボイス制度への対応負担
2024年1月以降、申告所得税・法人税に関して帳簿・書類を保存する義務がある事業者は、電子取引でやり取りした請求書・領収書などのデータを電子データのまま保存する必要があります。メールで届く学会参加費の領収書や、Web予約した出張の明細も、取引情報を含む電子データであれば対象です。病院や医療法人などの医療機関も、電子取引でこれらの書類を授受した場合は例外ではありません。
参考:国税庁「電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください」
参考:国税庁「電子取引データ保存要件チェックシート」
インボイス制度では、仕入税額控除の適用を受けるために、原則として適格請求書(インボイス)の保存が必要です。領収書であっても、登録番号、適用税率、税率ごとの消費税額などの所定事項が記載されていればインボイスに該当します。そのため、経費精算の場面でも、領収書に記載された登録番号や税率などを確認する必要があり、紙運用のままでは確認・保存にかかる経理担当者の負担が増えやすくなります。
参考:国税庁「インボイス制度について」
紙で受け取った領収書を電子化するスキャナ保存は、紙の原本保存に代えて任意で利用できる制度です。要件を満たして保存すれば、読み取った後の紙の原本を廃棄でき、保管スペースの問題を解消できます。義務対応である電子取引データ保存と、紙書類を電子化するスキャナ保存を分けて把握しておくと、対応の優先順位を付けやすくなります。
参考:国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト スキャナ保存関係」
病院にはさらに、患者情報を扱う組織としての個人情報管理の重さが加わります。保存要件と安全管理を人手だけで満たし続けるのは負担が大きく、システム側で標準対応させる動きが広がっています。
経費精算システムで解決できること
経費精算システムで解決できるのは、入力の手間、承認の停滞、データの分散、法対応の4つです。病院の現場で何がどう変わるのか、機能ごとに見ていきます。
領収書・交通費データの自動取得による入力削減
領収書をスマホで撮影すればデータになり、交通費はICカードの利用履歴から自動で取り込まれる。入力という作業そのものを減らすのが経費精算システムの中心機能です。手書きと転記が消えれば、入力ミスは仕組みの上で起こりにくくなります。
定期区間の自動控除に対応したシステムなら、外勤や施設間移動の多い職員の交通費申請も正確になります。申請者が楽になるだけでなく、経理側の突合・差し戻しの手間が減る点が病院では特に効きます。差し戻しが減れば、申請する医師・看護師の心理的な負担も軽くなり、提出の先延ばしが起こりにくくなります。
紙の領収書の原本をどう扱うかも、あわせて設計しておきたい論点です。撮影後の原本を回収するのか、要件を満たして廃棄まで進めるのか。データ化の仕組みと保存の運用をセットで決めておくと、電子帳簿保存法対応にそのままつながります。
申請から承認・振込までのフロー自動化
申請・承認・仕訳・振込データ作成までを一気通貫でつなぐと、紙の受け渡しが消えます。承認者は出張先からスマホで承認でき、学会不在で書類が止まる問題がなくなります。差し戻しもシステム上で完結するため、月末の締めが読めるようになります。
「いまどこで止まっているか」が申請者にも見えるのも、地味ながら効く変化です。経理への問い合わせが減り、代理承認や金額による承認ルートの分岐もあらかじめ設定しておけます。承認者不在の代決ルールを仕組みに載せられるため、フローの複雑さを運用の負担に転嫁せずに済みます。
体制への効果も実例があります。社会医療法人誠光会では、請求書処理を含む経理業務のデジタル化で、財務部の人員体制の見直しや事務の残業削減にまで踏み込めました。 出典:TOKIUM導入事例|社会医療法人誠光会(最終確認日:2026年7月17日)
経費データの一元化によるガバナンス強化
全施設・全診療科の経費データが1か所に集まると、監査対応と不正防止が一段やりやすくなります。誰がいつ何を申請し、誰が承認したか。証跡が自動で残るため、監査のたびに紙をめくって探す作業がなくなります。
規程との突き合わせも仕組みに載せられます。上限額超過や重複申請をシステム側で検知する機能を備えた製品なら、承認者の目視に頼らない統制を組めます。内部統制の強化を稟議の理由に据えたい大規模法人ほど、この観点の優先度は高くなります。
小口現金の縮小にもつながります。立替精算がシステムで速く回るようになれば、「急ぎだから現金で」という例外運用を減らせます。現金の手渡しと出納帳の管理は、ミスと不正の両面でリスクを抱え込む業務です。精算のスピードで現金の出番をなくすのが、遠回りに見えて確実な統制強化になります。
本記事では、2023年に改正された内部統制報告制度の公表を元に企業の財務報告に係るIT技術の必要性・統制環境を解説したPDF資料を無料配布しております。内部統制を強化したい方は是非ご覧ください。
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電子帳簿保存法・インボイス制度への標準対応
保存要件をシステム側で満たせるのが、法対応面の利点です。タイムスタンプの付与や訂正・削除の防止措置、検索要件への対応が組み込まれていれば、担当者が要件を逐一確認しながら保存する必要がなくなります。対応の確かさは、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会によるJIIMA認証の取得有無がひとつの目安になります。
インボイス制度への対応も同様です。領収書の登録番号や税率の読み取りをシステムが担えば、申請者と経理が1枚ずつ確認する手間が消えます。法令が変わるたびに運用ルールを書き換えるのではなく、システムのアップデートで追従できる体制にしておくことが、担当者の入れ替わりにも強い組織を作ります。
TOKIUMの経費精算サービス「TOKIUM経費精算」も、この4つの解決をひととおり備えています。AI-OCRの読み取り結果をオペレーターが確認する体制でデータ化精度99%を維持し、交通系ICカードやモバイルSuicaとの連携、定期区間の自動控除、スマホ完結の申請・承認に対応。仕訳データは36種類以上の会計システムと連携でき、JIIMA認証を取得し、インボイス制度の登録番号確認にも対応しています。
導入実績は上場企業を中心に300社以上(2026年2月末時点)。「経費精算の所要時間を10分の1へ」を掲げ、病院を含む大規模組織のバックオフィスを支えています。 出典:TOKIUM経費精算 公式サイト(最終確認日:2026年7月17日)
病院が経費精算システムを選ぶときのチェックポイント
病院が経費精算システムを選ぶ基準は、料金と機能の一般的な比較だけでは足りません。医療機関ならではのチェックポイントは次の5つです。
▼ 病院が経費精算システムを選ぶときの5つのチェックポイント
| チェックポイント | 確認する内容 |
|---|---|
| 1. 勘定科目・会計基準への対応 | 病院会計準則・医療法人会計基準に沿った科目で仕訳を出力できるか |
| 2. スマホ申請・多職種承認 | 外出の多い医師でも申請が完結し、診療科・施設をまたぐ承認ルートを柔軟に組めるか |
| 3. セキュリティ | ISMS等の認証取得、アクセス権限・ログ管理の水準 |
| 4. 既存システムとの連携 | 医療機関向け会計システム・勤怠システムと仕訳・データ連携できるか |
| 5. コストと稟議 | 費用対効果を示す材料と、導入・運用を支えるサポート体制があるか |
使い方はシンプルです。候補となるシステムをこの5項目で横並びに評価し、デモの場で自院の実データと実際の承認ルートを使って動きを確かめる。カタログ上の機能の有無ではなく、自院の運用に載るかどうかで判断するのが失敗しない選び方です。
病院会計準則・医療法人会計基準の勘定科目への対応
最初に確認したいのは、勘定科目の出力を自院の会計基準に合わせられるかです。病院の会計には、施設単位で適用される病院会計準則と、法人単位の医療法人会計基準があり、勘定科目の体系が一般企業とは異なります。
病院会計準則・医療法人会計基準は、いずれも厚生労働省が基準や運用指針を公表しています。自院がどの基準で会計処理をしているかを先に確認しておくと、システム側に求める要件が明確になります。 出典:厚生労働省 医療法人・医業経営(最終確認日:2026年7月17日)
汎用システムの初期設定のままでは、仕訳を病院の科目体系へ変換する作業が経理に残ります。科目マッピングを自院の体系に合わせて設定でき、会計システムへそのまま渡せるか。デモの段階で実データを使って確かめておくと、導入後のずれを防げます。
スマホ申請と多職種承認への対応
医師・看護師・技師・事務と、働き方の違う職種が同じシステムを使うことになります。夜勤明けでも移動中でもスマホで申請が完結すること。そして代理申請や職種別の承認ルートを柔軟に組めること。この2つが現場に定着するかどうかの分かれ目です。
承認ルートの設計自由度は必ず確かめてください。診療科から事務、財務へという標準の流れに加えて、施設をまたぐ例外ルートや金額による分岐を管理者が自分で設定できるか。設定変更のたびにベンダーへ依頼が必要な製品だと、組織変更のたびに運用が止まります。
患者情報を扱う組織にふさわしいセキュリティ
経費精算システム自体が患者情報を扱うわけではありません。それでも病院の情報システム部門は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」をはじめとする院内の基準に沿って、新たに導入するサービス全体へ同じ水準の管理を求めます。ISMS(ISO/IEC 27001)などの認証取得、通信・保存の暗号化、アクセス権限とログの管理は、確認の最低ラインです。
運用面の設計も忘れずに確認します。職種や役割に応じたアクセス権限の設定、退職・異動時のアカウント管理、操作ログの保全。院内の情報セキュリティ規程に照らして運用できるかを、導入前に情報システム部門を交えて詰めておくと審査がスムーズです。
電子帳簿保存法の保存要件への適合はJIIMA認証が目安になります。認証の有無は各社が公表しているため、候補を絞る段階で一覧にして確認しておくと、情報システム部門との協議が速く進みます。
既存の会計・勤怠システムとの連携
病院には医療機関向け会計システムや勤怠管理システムがすでに入っています。経費精算システムから仕訳データを渡せなければ、結局は手作業の転記が残ります。確認すべきは、医療機関向け会計システムとの連携実績と、出力フォーマットをどこまで調整できるかです。出張申請と勤怠情報の整合を取りたい場合は、勤怠側との連携可否もあわせて確認しておきます。
実際、社会医療法人誠光会がシステム導入を決めた理由のひとつは、医療業界向け会計システムに対応したカスタマイズCSVフォーマットの提供でした。連携の柔軟さは、病院の導入可否を分ける現実的な条件です。 出典:TOKIUM導入事例|社会医療法人誠光会(最終確認日:2026年7月17日)
導入コストと投資稟議の通し方
経理や総務は収益を直接生まない部門です。そのため病院では、システム投資の稟議が通りにくいのが実情です。これが最後にして最大の壁です。突破口は2つあります。ひとつは削減できる工数を金額に換算した費用対効果。もうひとつは、電子帳簿保存法対応という「やらない選択肢がない」理由です。
費用対効果は、削減できる時間(現状の処理時間−導入後の見込み時間)×月の申請件数×人件費の単価から、システムの利用料を差し引いた純削減額で示すのが基本です。棚卸しで件数と時間を実測しておけば、削減額を自院の実数で語れます。感覚論の「楽になる」ではなく金額で語れるかどうかが、稟議の通りやすさを分けます。
社会医療法人誠光会でも、電子帳簿保存法の宥恕(ゆうじょ)期間の終了がシステム導入を具体化させる追い風になりました。法対応を起点に稟議を組み立てるのは、実際に大規模法人で通った筋道です。 出典:TOKIUM導入事例|社会医療法人誠光会(最終確認日:2026年7月17日)
病院の経費精算を効率化する進め方
効率化は「棚卸し、小さく始める、広げる」の順で進めると失敗しにくくなります。いきなり全施設・全職種で切り替えると、現場の反発と設定の手戻りが同時にやってきます。
現状の費目・承認ルートの棚卸し
最初にやるべきは現状の見える化です。どの費目が月に何件あるか、承認は誰を何人経由するか、施設ごとの違いはどこか。棚卸しの観点を表にまとめます。
▼ 経費精算の効率化に向けた棚卸しの観点
| 棚卸しの対象 | 確認すること |
|---|---|
| 費目 | 学会費・出張費・交通費・備品などの件数と金額の分布 |
| 申請者 | 職種ごとの申請頻度、スマホ利用の可否 |
| 承認ルート | 診療科・施設・金額による分岐、承認者の人数 |
| 規程 | 按分や上限額のルールが明文化されているか |
| 保存方法 | 領収書の保存場所と、電子取引データの有無 |
この段階で規程の曖昧さを潰しておくのが肝心です。学会費の私的按分(業務分と私的分に費用を分けること)のような判断の割れる論点を先に明文化しておけば、システムの設定が一度で決まり、導入後の差し戻しが激減します。
電子取引分・一部門からのスモールスタート
全面切り替えの前に、範囲を絞って始めるのが現実解です。起点には2つの選び方があります。電子帳簿保存法で保存義務のある電子取引分から始めるか、申請件数の多い1部門・1施設から始めるか。どちらも「効果を数値で確かめてから広げる」段取りは同じです。
小さく始めて数値を取り、その実績で全体展開の稟議を通します。回り道に見えて、収益を生まない部門の投資を通すには最短の道筋です。
全体展開の段階では、現場への浸透に手をかけます。職種ごとに操作説明の機会を分け、スマホ操作に不慣れな職員向けの簡易マニュアルと院内の問い合わせ窓口を用意する。ITリテラシーの差を前提に設計しておけば、「若手しか使わないシステム」で終わる失敗を避けられます。

医療法人の経費精算・経理効率化の事例
医療機関のバックオフィス効率化がどこまで進むかは、実在の医療法人の数値で確かめるのが確実です。ここでは、経費精算と地続きの請求書処理をデジタル化した社会医療法人誠光会の事例を見ます。
月200件の請求書入力をほぼゼロにした社会医療法人誠光会
社会医療法人誠光会(滋賀県・従業員1,000名以上)は、請求書受領サービス「TOKIUMインボイス」の導入で、毎月約200件・2〜3日がかりだった請求書のデータ入力をほぼゼロにしました。毎月届く紙は500〜600枚から20枚以下まで減っています。
体制とワークスタイルにも数値が出ています。財務部は5名から3名体制へ。事務の残業はゼロになりました。担当者は、毎月届いていた500〜600枚の紙がほぼ姿を消した変化を「インパクトはやはり絶大」と振り返ります。
導入の決め手には、病院ならではの事情への対応が挙がっています。医療業界向け会計システムに対応したカスタマイズCSVフォーマットの提供に加え、取引先への請求書送付先の変更連絡をハガキで代行してもらえたこと。数百の取引先を抱える医療法人にとって、切り替え時の負担を肩代わりする支援が導入を現実的にしました。
医療業界はIT化が遅れがちといわれるなか、誠光会は「DXに積極的」を方針として掲げ、経理のデジタル化にも早くから踏み出しました。導入のきっかけは電子帳簿保存法対応でしたが、結果としてバックオフィス全体の働き方が変わりました。
誠光会が導入したのは請求書の受領・処理サービスですが、紙をなくし、入力をなくし、承認をシステムに載せるという構図は経費精算と同じです。多施設・多職種という病院特有の条件下でこの数値が出ている点が、経費精算システムを検討するうえでも参考になります。出典:TOKIUM導入事例|社会医療法人誠光会(最終確認日:2026年7月17日)

TOKIUMは経費精算の領域でも、この「入力をなくす」を軸にしたサービスを提供しています。TOKIUM経費精算は、AI-OCRとオペレーターの二重体制によるデータ化精度99%、交通系ICカード連携、スマホ完結の申請・承認、36種類以上の会計システムとの仕訳連携を備え、JIIMA認証を取得しています。多施設・多職種の承認フローや医療機関向け会計システムとの連携についても、導入前の相談から設計を支援しています。
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病院の経費精算の効率化ならTOKIUM
病院の経費精算は、医師・看護師の学会参加費や出張旅費、施設間移動の交通費、備品購入など、費目と承認ルートが複雑になりやすい業務です。紙やエクセルで運用していると、申請の遅れ、経理の転記作業、承認の停滞、領収書の保管負担が重なり、現場とバックオフィスの双方に負荷がかかります。
効率化するには、まず費目・申請件数・承認ルート・保存方法を棚卸しし、どこで時間がかかっているかを把握することが重要です。そのうえで、スマホ申請、交通費データの自動取得、承認フローの電子化、会計システム連携、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応状況を確認し、自院の運用に合うシステムを選びましょう。
特に病院では、病院会計準則や医療法人会計基準に沿った勘定科目設定、多職種・多施設に対応できる承認ルート、セキュリティ水準が選定の要点です。電子取引分や申請件数の多い部門から小さく始め、削減工数や承認期間の短縮効果を数値で確認してから全体展開すると、導入後の定着につながります。
病院の経費精算につきものの入力・突合・承認の負担を大きく減らせるのが、AI-OCRとオペレーターの二重体制でデータ化する「TOKIUM経費精算」です。領収書はスマホ撮影、交通費は交通系ICカードとの連携で入力の手間をなくし、スマホ完結の申請・承認で夜勤明けや外勤中でも精算が滞りません。仕訳データは36種類以上の会計システムと連携でき、JIIMA認証も取得済みです。多職種・多施設の承認設計や医療機関向け会計システムとの連携も、導入前の相談から支援しています。病院の経費精算の効率化を検討されている方は、まずは資料請求・お問い合わせからお気軽にご相談ください。
病院の経費精算でよくある質問
病院の経理・総務担当者からよく挙がる3つの疑問に答えます。
医師の学会出張費や立替経費はどこまで精算できる?
業務との関連を説明できる範囲が、経費精算の対象です。学会参加費・出張旅費・交通費は、診療や研究に必要であれば精算対象とするのが一般的です。一方で、観光など私的な滞在を延長した分は本人負担とし、旅費を業務分と私的分で按分するのが通例です。線引きは法人の旅費規程・経費規程で決まるため、判断が割れる費目は税理士や会計士に確認したうえで規程に明文化しておくと、申請者も経理も迷いません。勘定科目は研修費や旅費交通費など、自院の科目体系に沿って振り分けます。
病院会計準則や医療法人会計基準に沿った精算はできる?
できます。ただし、経費精算システムが会計基準そのものに準拠するわけではありません。自院が採用する病院会計準則・医療法人会計基準の科目体系に合わせて勘定科目マッピングを設定し、会計システムへ渡せる形で仕訳データを出力する運用が一般的です。導入時に科目対応表を作り、会計システムとの連携テストまで済ませておくのが確実です。基準そのものは厚生労働省が公表しているため、自院がどちらの基準で処理しているかを先に確認してから要件を詰めてください。テスト段階では学会費や施設間移動の交通費など、判断の割れやすい実例をあえて流しておくと、運用開始後の手戻りを防げます。
小規模なクリニックでも導入できる?
導入できます。経費精算システムはクラウド型が主流で、数名規模のクリニックから1,000名超の医療法人まで、規模に応じた料金体系が用意されているのが一般的です。件数が少ないうちは費用対効果が見えにくいものの、電子取引データの保存義務は規模を問わずすべての事業者が対象のため、法対応を機に小さく始めるという選択肢があります。 出典:国税庁 電子帳簿等保存制度特設サイト(最終確認日:2026年7月17日)
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