経費精算

医療法人・病院の経費精算|特有の課題と効率化・システムの選び方

更新日:2026.07.15

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医療法人 病院 経費精算_課題と選び方

医療法人や病院の経費精算は、分院や複数施設をまたぐ経費の集約、根強い紙運用、医療法人会計基準・病院会計準則への準拠、電子帳簿保存法や内部統制への対応など、一般企業とは違う論点が重なります。「システム化したいが、病院・医療法人だと何に気をつければいいのか分からない」という声は珍しくありません。

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本記事では、病院・医療法人ならではの課題を整理したうえで、効率化の方法とシステムの選び方までをまとめます。

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医療法人・病院の経費精算とは?一般企業との違い

医療法人・病院の経費精算とは、病院・診療所・分院などを運営する法人で、職員が立て替えた費用や法人が支払う経費を申請し、承認・精算する一連の業務を指します。基本の流れは一般企業と同じですが、扱う経費の種類が幅広く、拠点が分散しやすく、会計や法令の枠組みが医療特有である点が異なります。

はじめに言葉の整理をしておきます。病院でいう「精算」には、患者が窓口で支払う医療費の会計(自動精算機など)と、医師・看護師・事務職といった職員が立て替えた経費の精算という別々の業務があります。本記事が扱うのは後者、つまり職員の立替経費や法人の経費を処理するバックオフィス業務です。患者向けの窓口会計は対象にしていません。

病院・医療法人ならではの経費

病院や医療法人では、一般的な交通費や消耗品費に加えて、医薬品・医療機器・診療材料の購入費、学会や研修への参加費、医局費や研究費、往診や出張にかかる費用、地域連携に伴う交際費など、医療活動に固有の経費が日常的に発生します。診療科や施設ごとに費目の性質が分かれ、勘定科目の判断が現場では難しくなりがちです。下表は、一般企業と重なる費目と、病院・医療法人で特に多い費目を整理したものです。

▼ 病院・医療法人で発生する主な経費(一般企業と共通する費目/医療特有の費目)

区分主な費目の例
一般企業と共通旅費交通費、消耗品費、通信費、会議費、福利厚生費
病院・医療法人で特に多い医薬品・診療材料費、医療機器の保守・リース料、学会・研修参加費、医局費・研究費、往診・訪問診療の交通費、地域医療連携の交際費

医療法人会計基準・病院会計準則との関係

医療法人の会計は、医療法人会計基準や病院会計準則という医療特有の枠組みに沿って整理されます。経費精算そのものの手順が大きく変わるわけではありませんが、費目の区分や科目の付け方が一般企業の会計とは異なるため、システム化する際も自法人の会計ルールに沿って科目を設計できるかが前提になります。ここでは経費精算に関わる範囲にとどめ、会計基準の詳細は所管の一次情報を確認してください。

医療法人会計基準は、医療法に基づき厚生労働省が定めています。負債や収益が一定規模以上の医療法人などに適用が義務づけられ、多くの中小規模の医療法人は任意適用です。また、施設単位の経営を比較・分析するための病院会計準則も示されており、法人単位の医療法人会計基準とは目的が異なります。 出典:厚生労働省「医療法人・医業経営のホームページ|6-1 会計」(最終確認日:2026年7月15日)

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病院・医療法人の経費精算でよくある課題

医療法人の経費精算の課題は、紙とエクセルを前提とした運用が拠点をまたいで分散していることに集約されます。加えて、現場では患者対応が最優先となるため、経費まわりの事務は勤務の合間に回されやすく、申請や確認が遅れがちになります。まず、経費精算の申請方法そのものに紙が残っている実態を、調査データから確認します。

経費精算の申請方法について、「紙のみで申請している」人は27.0%にのぼる。さらに、経費精算のためだけに出社した経験がある人は23.6%で、そのうち64.8%は休日にも出社していた。 出典:株式会社TOKIUM「経費精算に関する調査」(2024年8月7日)(最終確認日:2026年7月15日)

分院・複数拠点をまたぐ経費集約が煩雑

分院や複数の施設を運営する医療法人では、各拠点で発生した経費を本部の経理に集約するまでに手間がかかります。紙の申請書や領収書が拠点間で郵送・手渡しされ、どこにどの書類があるのか把握しづらく、拠点ごとに承認や統制のばらつきも生まれます。拠点が増えるほど、集約と確認にかかる時間は膨らみます。

紙・エクセルの二重入力と差戻し、出先精算の多さ

紙で受け取った領収書をエクセルへ転記し、会計システムへ再入力する二重作業は、入力ミスと確認工数の温床です。記載漏れや科目の誤りがあれば差し戻しが発生し、申請者と経理の双方の負担になります。加えて病院・医療法人では、学会・研修・往診・訪問診療といった出先での立替が多く、その場で申請できないと精算が後ろ倒しになりがちです。

多職種・交代勤務で承認が止まりやすい

病院では、医師・看護師・薬剤師・事務職など多くの職種が経費を申請し、承認する側も役職や診療科ごとに分かれます。夜勤・当直・シフト制で申請者も承認者もデスクにいる時間がそろわないため、紙の申請書だと承認が何日も滞りがちです。さらに、他院への応援勤務(外勤)で発生した交通費は、どの拠点の経費として按分するかの判断が加わり、集約をいっそう複雑にします。

医療法人が経費精算を効率化する方法

医療法人の経費精算を効率化する近道は、申請から承認、仕訳までを電子化してつなぐことです。紙とエクセルの受け渡しをなくし、領収書のデータ化と科目付けを仕組み側に寄せると、拠点が分散していても同じ流れで処理できます。ここでは効率化の柱を2つに分けて説明します。

申請〜承認〜仕訳の自動化とスマホ申請

経費精算システムを使うと、申請・承認・仕訳のデータが一つの流れでつながります。スマートフォンから申請できれば、学会や往診の移動中でもその場で経費を登録でき、月次の締めを待たずに処理を進められます。承認ルートを法人の規程どおりに設定しておけば、拠点が離れていても承認が滞りません。

領収書のデータ化とAI-OCR・代行入力

領収書の入力は、手入力に頼るほどミスと確認の手間が増えます。撮影した領収書をデータ化し、科目付けまで仕組みに任せられれば、転記の作業そのものが減ります。TOKIUM経費精算では、オペレーターとAIが領収書情報を平均5分程度・99%の精度でデータ化し、手入力を前提としない運用にできます。

TOKIUM経費精算では、紙を前提とした運用をやめることで経費精算にかかる時間を10分の1に短縮できるとしている。 出典:TOKIUM経費精算 公式サイト(最終確認日:2026年7月15日)

TOKIUMでは、こうした経費精算の効率化について、医療法人の運用に合わせたご相談を受け付けています。

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医療法人が対応すべき電子帳簿保存法とインボイス制度

医療法人も、他の事業者と同じく電子帳簿保存法とインボイス制度への対応が求められます。特に電子取引データの保存は、法人規模にかかわらず対応が必要です。ここでは経費精算に関わる範囲で要点を押さえます。

電子帳簿保存法(スキャナ保存・電子取引)への対応

電子帳簿保存法では、メールやWebで受け取った請求書・領収書などの電子取引データは、電子のまま保存する必要があります。紙で受け取った領収書をスキャナ保存する場合は、改ざん防止と検索性を満たす要件が定められています。経費精算システムでこれらの要件を満たせるかは、医療法人が対応を進めるうえでの前提になります。

電子取引で授受した請求書などのデータは、電子データのまま保存することが求められます。また、紙で受領・作成した書類をスキャナ保存する場合には、真実性と可視性を確保するための要件が定められています。 出典:国税庁「電子帳簿保存法対応!令和6年1月以降の電子取引データの保存方法について(令和6年11月)」(最終確認日:2026年7月15日)

インボイス制度への対応

インボイス制度では、仕入税額控除のために適格請求書の記載事項を確認し、保存する必要があります。医療法人でも、課税取引にかかる経費や仕入では対応が必要です。経費精算・請求書の受領から保存までを電子でつなげておくと、確認と保存の負担を抑えられます。

医療法人のガバナンス・内部統制と経費精算

医療法人の経費精算は、業務効率だけでなくガバナンスと内部統制の観点からも見直しの対象になります。改正医療法では、一定規模の医療法人に外部監査(公認会計士等による監査)が義務づけられるなど、ガバナンスの強化が求められています。経費の申請・承認・支払いを適正に統制できているかが問われます。

改正医療法によるガバナンス強化・外部監査への備え

経費の証憑や承認履歴が紙で分散していると、監査や内部点検のたびに書類を集め直す負担が生まれます。申請から承認、支払いまでの記録がシステム上に残っていれば、誰がいつ承認したかをたどれ、監査対応の負担を抑えられます。拠点が多い医療法人ほど、証憑と承認履歴の一元管理は統制の土台になります。

承認フロー設計・相互けん制で不正・交際費リスクを防ぐ

内部統制の基本は、申請者と承認者を分け、相互にけん制が働く仕組みにすることです。特に交際費は申請の不備や私的利用が起きやすく、承認ルートを規程どおりに固定し、同一人物が申請と承認を兼ねられない設定にしておくことが有効です。経費精算システムなら、法人の規程に沿った承認フローを設計し、記載漏れやルール違反のチェックを仕組みで担保できます。

TOKIUM経費精算は、承認ワークフローの設計と経費のチェックを仕組みで支えます。拠点が分散し、内部統制の強化が求められる医療法人でも、申請から承認、証憑の保存までを一つの流れで管理できます。詳しくは資料をご覧ください。

本記事では、2023年に改正された内部統制報告制度の公表を元に企業の財務報告に係るIT技術の必要性・統制環境を解説したPDF資料を無料配布しております。内部統制を強化したい方は是非ご覧ください。

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医療法人が経費精算システムで得られるメリット

医療法人が経費精算システムで得られるメリットは、ペーパーレス化による工数削減、月次処理の早期化、そしてガバナンス強化の3点に整理できます。下表のとおり、日々の作業から法人全体の統制まで効果が及びます。

▼ 医療法人が経費精算システムで得られる主なメリット

メリット医療法人での効果
ペーパーレス・工数削減紙とエクセルの二重入力をなくし、拠点間の書類の受け渡しを削減
月次処理の早期化申請・承認・仕訳がつながり、締めから会計連携までを短縮
ガバナンス強化・監査対応承認履歴と証憑がシステムに残り、内部点検・監査の負担を軽減

TOKIUMのサービスは、シリーズ累計で3,000社に導入されている(2025年12月時点)。 出典:株式会社TOKIUM ニュース(2025年12月4日)(最終確認日:2026年7月15日)

医療法人・医療機関での経費精算の効率化事例

医療法人や医療機関で、経費精算や請求書業務を電子化して効果を出した事例を紹介します。いずれも紙運用と拠点分散という、医療法人に共通する課題を出発点にしています。

社会医療法人誠光会|紙の受け渡しと手入力をなくし残業ゼロへ

高度急性期・慢性期の病院を運営する社会医療法人誠光会では、月500〜600枚の請求書の受領と毎月200件ほどの手入力、ファイリングにほぼ丸1日という負担がありました。複数施設・部署間で紙を受け渡す運用のため、紛失や承認の遅れも起きていました。

TOKIUMインボイスの導入後、手入力に2〜3日かかっていた工数が削減され、ファイリングの丸1日の作業はほぼゼロになった。以前は5人でこなしていた業務を現在は3人で回せるようになり、残業ゼロを実現している。 出典:TOKIUM導入事例 社会医療法人誠光会(最終確認日:2026年7月15日)

たんぽぽ薬局株式会社|149店舗の間接業務を集約

東海・北陸・関西・四国エリアで計149店舗(2023年3月時点)を展開するたんぽぽ薬局では、小口現金や経費精算などの間接業務が各店舗に分散し、紙ベースの申請・承認が負担になっていました。多拠点で店舗を構える組織ならではの、経費処理の分散という課題です。

TOKIUM経費精算とTOKIUMインボイスの導入により、年間で約4,000時間の削減と1,570万円以上のコストカットを試算している。 出典:TOKIUM導入事例 たんぽぽ薬局株式会社(最終確認日:2026年7月15日)

拠点数が多い組織が抱える経費精算4大課題の解決策

病院・医療法人向け経費精算システムの選び方

病院や医療法人が自法人に合う経費精算システムを選ぶ際は、製品名を比べる前に、自法人に必要な要件から見極めると失敗が減ります。医療特有の会計や拠点構成、法令対応を軸に、次の5つの観点で確認します。

▼ 医療法人向け経費精算システムの選び方(5つの観点)

選び方の観点医療法人で確認したいこと
医療特有の勘定科目・仕訳への対応医療法人会計基準・病院会計準則に沿った科目設計や会計連携ができるか
拠点横断の一元管理・権限設定分院・複数施設の経費を一元管理でき、拠点ごとの承認権限を設定できるか
会計・勤怠システムとの連携いま使っている会計・勤怠システムとデータでつながり、二重入力を防げるか
電子帳簿保存法への適合・セキュリティ電子取引データの保存やスキャナ保存の要件を満たし、個人情報保護に配慮した体制か
導入コストと運用サポート費用が自法人の規模に見合い、現場への定着を支えるサポートがあるか

TOKIUMでは、経費精算システムの選び方をまとめた資料も用意しています。要件を整理する際の参考にご利用ください。

「失敗事例」にならないための経費精算システムの選び方

医療法人での経費精算システムの導入・運用の進め方

導入を成功させる鍵は、いきなり全拠点へ広げるのではなく、現場の運用に合わせて段階的に進めることです。経費の流れを棚卸しし、規程と承認ルートを整えてから、拠点へ展開します。

▼ 医療法人での経費精算システム導入の進め方

ステップ進め方のポイント
1. 経費フローの棚卸しどの拠点でどんな経費が発生し、どこで承認しているかを洗い出す
2. 規程・承認ルートの整備医療法人の規程に沿って承認ルートと権限を設計する
3. スモールスタート一部の拠点・部署で試し、現場の声を反映して調整する
4. 拠点展開と定着操作マニュアルの整備と研修で、職員のスキル差に合わせて全拠点へ広げる

医療法人の経費精算の効率化ならTOKIUM経費精算

医療法人の経費精算は、分院・複数拠点の集約、紙運用、医療法人会計基準、電子帳簿保存法、内部統制といった論点が重なります。申請から承認、証憑の保存までを電子化してつなぐことで、これらの課題をまとめて軽くできます。効率化とガバナンスの両面から、自法人の運用に合う仕組みを選ぶことが大切です。

TOKIUM経費精算は、領収書のデータ化から承認ワークフロー、証憑の保存までを支え、拠点が分散する医療法人でも同じ流れで経費精算を回せます。まずは資料で具体的な効果をご確認ください。

TOKIUM経費精算資料ダウンロード TOKIUM経費精算資料ダウンロード

病院・医療法人の経費精算に関するよくある質問

病院の経費精算と医療法人の経費精算は違いますか?

職員の立替経費や法人の経費を申請・承認・精算するという業務内容は同じです。病院は医療法人が運営する施設の一つで、複数の病院や診療所を運営する法人単位で見たものが医療法人の経費精算にあたります。いずれも、患者が窓口で支払う医療費の会計(自動精算機など)とは別の業務です。

医療法人の経費とは何を指しますか?

医療法人の経費とは、医療活動や法人運営のために支出する費用のことです。医薬品・診療材料費、医療機器の保守やリース料、学会・研修参加費、医局費・研究費、旅費交通費、交際費などが含まれます。一般企業と共通する費目に加え、医療特有の費目が多いのが特徴です。

医療法人の経費精算は一般企業と何が違いますか?

手順自体は大きく変わりませんが、医療法人会計基準や病院会計準則に沿った科目区分が必要な点、分院・複数施設をまたぐ経費集約が発生しやすい点、夜勤・当直やシフト勤務で承認が滞りやすい点、改正医療法によるガバナンス・内部統制が問われる点が異なります。

医療法人も電子帳簿保存法の対応は必要ですか?

必要です。法人規模にかかわらず、メールやWebで受け取った電子取引データは電子のまま保存する義務があります。紙の領収書をスキャナ保存する場合は、真実性と可視性の要件を満たす必要があります。詳細は国税庁の一問一答を確認してください。

分院が複数ある医療法人でも経費精算システムは使えますか?

使えます。拠点横断で経費を一元管理し、拠点ごとに承認権限を設定できるシステムを選べば、分院や複数施設の経費もまとめて処理できます。多拠点の医療法人ほど、集約と統制の効果が大きくなります。

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