この記事は約 7 分で読めます。
「経費精算ってそもそも何?」「経費精算の基本的なやり方や大まかな流れを知りたい」「経費精算が面倒なので効率化したい」このような疑問や悩みを持つ経理担当者は多いのではないでしょうか?
この記事では、経費精算の実際の流れや押さえておきたい基本事項、注意事項などを網羅してまとめています。また、記事後半では経費精算を大幅に効率化する方法を提案します。
経費精算の効率化には、領収書のデータ化から原本の回収・保管までを代行するクラウド型の経費精算サービス「TOKIUM経費精算」の活用が近道です。基本を確認したうえで効率化まで一気に進めたい方は、記事後半もあわせてご覧ください。
筆者は上場企業の経理経験があり、実際に経費精算に携わっていました。経費を申請する従業員の方から、精算をチェックする経理の方まで役立つ内容です。ぜひ最後までお読みください。
経費精算とは

経費精算とは、会社の業務のために従業員がいったん自費で支払った費用(=経費)を、会社に申請して払い戻してもらう手続きのことです。
例えば、取引先と打ち合わせに行った際、応接室や会議室が埋まっていて外の喫茶店で打ち合わせをしたとします。その時に支払ったコーヒー代は、業務に関係する活動にかかった費用であるため、経費として会社に申請することができます。帰社後に精算書を作成し、上司の承認を得て経理部へ提出し、立て替えていたコーヒー代の払い戻しを受けます。
「経費」と「費用」の違い
「経費」と「費用」は混同されがちですが、費用は事業活動で発生する支出全般を指し、経費はそのうち事業に直接必要と認められ、税務上の損金(税金の計算で利益から差し引ける費用)にできる支出を指します。従業員が立て替えて精算の対象になるのは、この「経費」に当たるものです。個人的な支出は、費用であっても経費にはできません。
経費精算には領収書が必要!
経費精算を行うためには、原則として領収書が必要となります。理由は大きく2つで、①架空の経費精算などの従業員の不正を防ぐため、②領収書は原則7年間(欠損金が生じた事業年度などは10年間)の保存が税法で義務付けられているためです。
法人税法では、領収書などは会計書類として保存が義務付けられています。また消費税では、一定の帳簿と適格請求書(インボイス)等の保存がないと仕入税額控除を受けられず、納税額が増えるリスクがあります。税務調査では経費精算時の領収書がきちんと保管されているかチェックされるので、領収書の保存は徹底しましょう。
経費精算は節税につながる?

(※簡略化のため損金不算入などは考慮していません。)会社の税金は、もうけ(益金)から費用(損金)を引いた所得に税率をかけて計算します。経費精算した金額はこの損金に含まれるため、経費が多いほど所得が下がり、税金を抑えられます。ただし、プライベートの旅行や日用品といった個人的な支出は経費に落とせないので注意が必要です。
経費精算の種類
経費精算は、精算する費用の内容によっていくつかの種類に分けられます。代表的なものは次の3つです。
小口精算
文房具や切手など、日常的に発生する少額の経費を、社内にあらかじめ用意した少額の現金(小口現金)で精算する方法です。金額が小さく件数が多いのが特徴です。
交通費精算
外出時の電車・バス・タクシーなど、公共交通機関の利用料を精算します。定期区間の除外や経路の妥当性チェックが必要になります。交通費精算の具体的なやり方は、交通費精算のやり方で詳しく解説しています。
旅費精算
出張にかかる交通費・宿泊費・日当などを精算します。金額が大きくなりやすく、事前の出張申請や仮払金とセットで運用されることが多いのが特徴です。
経費精算の対象になるもの・ならないもの
どの支出が経費精算の対象になるかは、勘定科目で整理すると分かりやすくなります。まずは代表的な勘定科目を確認しましょう。
経費精算の対象になる主な勘定科目
| 勘定科目名 | 具体例 |
|---|---|
| 消耗品費 | 文房具、インクカートリッジ、10万円以下のパソコンなど |
| 旅費交通費 | 出張・外出でかかった公共交通機関の料金やタクシー代、宿泊費 |
| 新聞図書費 | 業務に必要な書籍や新聞などの費用 |
| 研修費 | 社内研修や外部のセミナー参加費用など |
| 通信費 | 切手代や携帯代、インターネット代など |
| 交際費 | 取引先とのゴルフやご祝儀、お悔やみなど |
| 会議費 | 1人当たり1万円以下(2024年4月〜。改正前は5,000円)の飲食や会議のためのお茶・菓子・手土産など |
| 福利厚生費 | 従業員全員を対象にした慰労会などにかかった費用など |
なお、交際費から除外できる接待飲食費の基準は、2024年4月の税制改正で1人当たり5,000円以下から1万円以下に引き上げられました(上表も更新済み)。
上記のうち、「交際費」「会議費」「福利厚生費」は税務調査での論点になりやすいので、丁寧に仕訳を行うことが重要です。各勘定科目の仕訳方法は、経費の勘定科目ごとの仕訳で詳しく解説しています。
経費精算の対象にならないもの
一方で、次のような支出は経費精算の対象になりません。法人税・法人住民税などの税金、スーツなど私用にも使える衣類、私的に使った飲食費や旅行代などです。判断に迷う場合は、事業との関連性を説明できるかどうかが基準になります。
経費精算の流れ・やり方
経費精算は、申請者(従業員)と経理担当者が次の流れで進めます。ここでは立替払いを例に、一連のステップを整理します。
ステップ1.必要に応じて稟議書・起案書で承認を得る
高額な購入や契約を伴う場合は、上司の承認(決裁)を得るための稟議書を作成します。稟議書には、目的・金額・契約内容・契約で生まれる効果やリスクなどを記入します。
ステップ2.領収書を受け取り保管する
内部不正を防ぐ根拠となるため、領収書は必ず保管します。領収書には、領収書である旨・支払人名(正式名称が望ましい)・金額・但し書き・発行者名と押印・発行日が記載されている必要があります。5万円以上の領収書は収入印紙の貼付と消印も確認します(クレジットカード払いと明記された領収書や電子データの領収書は印紙が不要です)。あわせて、仕入税額控除のために、登録番号・適用税率・税率ごとの消費税額といった適格請求書(インボイス)の記載事項も確認します。
ステップ3.経費精算書を作成・提出する
立替金を精算するため精算書を作成します。精算書には、申請日・部署名/氏名・支払金額・支払先名称・支払内容を漏れなく記載し、領収書を添付します(領収書がない場合は先に支払証明書を作成)。接待交際費は取引先名・相手方名・人数も記載します。
ステップ4.上司の承認を得る
精算書を上司に提出し、承認印をもらうことで精算書が正式なものとなります。書類に不備があれば差し戻しとなるため、経理は書類が揃うまで支払いを行いません。
ステップ5.経理が仕訳処理をおこない支払う
承認済みの精算書をもとに、経理が仕訳処理を行い立替金を支払います。支払いは現金または銀行振込です。立替金の払い戻しは給与などの所得ではないため、所得税の課税対象外です。トラブルを防ぐため、給与とは別に振込手続きをとることをおすすめします。なお経理は支払いの前に、領収書の金額が妥当か・枚数と金額が精算書と一致するか・勘定科目や金額が正しいかを確認します。
経費精算の仕訳例
仕訳とは、お金の動きを「どの勘定科目に・いくら」と帳簿へ記録する作業です。ここでは、よくある3パターンの仕訳例(左=借方/右=貸方)を確認します。
例1.立て替えたタクシー代2,000円を帰社後に精算した場合
| 旅費交通費 | 2,000円 | 現預金 | 2,000円 |
|---|
例2.出張費用として仮払金10,000円を支給し、手土産1,000円を仮払金から支払い、残金9,000円を精算した場合
| 交際費 | 1,000円 | 仮払金 | 10,000円 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 9,000円 |
例3.社員が立て替えたパソコン代4万円を口座振込で精算した場合
| 消耗品費 | 40,000円 | 預金 | 40,000円 |
|---|
経費精算書の書き方
経費精算書には目的別に、立替経費精算書・仮払経費申請書/精算書・交通費精算書・出張旅費精算書などがあります。いずれも申請日・申請者名・支払日・支払先・支払内容・金額・承認欄を設けるのが基本です。
各様式の詳しい書き方や記入例は、経費精算書の基本から書き方・承認フローで解説しています。
領収書がない場合の経費精算
領収書を紛失した場合や、自販機などそもそも領収書が発行されない支払いの場合は、『支払証明書』を作成します。支払人名・金額・但し書き・支払日・決裁者の名と承認印を記載し、領収書の代わりとします。作成は費用を使った本人が行うのが原則です。
経費精算のよくある課題と現場の悩み
基本の流れは同じでも、実務では経費精算に手間や悩みがつきものです。よくある課題は次の3つに整理できます。

①手作業・属人化によるミスと二度手間:手入力や紙での運用はミスが起きやすく、担当者が変わると処理が滞ります。②申請・承認の遅延と差し戻し:ルールから外れた申請は差し戻しになり、月末に処理が集中します。③紙の領収書の保管と法制度対応の負担:領収書のファイリングや、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応が経理の負担になります。
【関連する無料ガイドブック】
▶ 勘定科目の手直しが不要のシステム「TOKIUM経費精算」
※すぐにPDF資料をお受け取りいただけます
経費精算を効率化する方法
経費精算を効率化するうえで前提となるのが「電子帳簿保存法」です。簡単にいえば「これまで紙で保存しなければならなかった帳簿を、一定のルールのもとで電子化してよい」と定めた法律で、スマホで撮影した領収書データを証憑(しょうひょう=取引を証明する領収書や請求書などの書類)として扱えるようにしたり、クレジットカード・交通系ICカードの利用履歴を領収書の代わりにしたりすることが認められています。
電子帳簿保存法は改正が続いており、2022年1月施行の改正でスキャナ保存の要件が大幅に緩和され、メールで受け取ったPDF請求書などの電子取引データは2024年1月から電子データのまま保存することが原則義務化されました(相当の理由がある場合の猶予措置あり)。効率化を進める際は最新の要件を国税庁の一次情報で確認しましょう。 出典:国税庁「電子帳簿保存法関係」(最終確認日:2026年7月27日)
社内ルールを明確化・マニュアル化する
効率化の第一歩は、経費精算のルールを明確にして周知することです。対象となる費用・上限・申請期限・承認フロー・領収書の要件などを1つの規程に集約し、社員がいつでも確認できる場所に置きます。締め日は月末月初の繁忙と重ならないよう設定し、承認印の最終権限も明確にしておくと差し戻しが減ります。経費精算規定の作り方は、経費精算規定の目的と作成時の注意点で解説しています。
表計算ソフト・無料アプリを活用する
個人レベルで効率化するなら、無料の交通費精算メモアプリなどが便利です。公共交通機関のルートを登録してワンタップで記録したり、PDFやエクセルに出力したりできます。ただし、全社の申請・承認・仕訳までは表計算ソフトや無料アプリだけでは完結しにくく、件数が増えるほど限界があります。
経費精算システムを導入する
経費精算システムは、申請・承認・支払い・会計仕訳作成など経費精算に係る業務を処理できるシステムです。交通系ICカードをかざすだけの精算、レシート撮影による自動仕訳、スマホでの申請〜承認、クレジットカード明細と会計システムの自動連携などの機能があります。多くは電子帳簿保存法に対応しており、次のような効果が期待できます。
- リモートで資料を確認でき、テレワークの促進に役立つ
- 申請書類のシステム化で「脱ハンコ」を促進
- 申請〜承認までの時間を短縮
- ペーパーレスの実現で「紙」にかかわる運用がなくなる
【関連する無料ガイドブック】
▶︎ 機能や導入メリットがわかる!TOKIUM経費精算の資料をダウンロード
※すぐにPDF資料をお受け取りいただけます
経費精算のルールを何度説明しても同じ質問が来るときの対処法
経費精算のルールを整備・周知しても、「これは経費になるのか」「勘定科目はどれか」「申請期限はいつか」といった同じ質問が繰り返し寄せられる——多くの経理担当者が抱える悩みではないでしょうか。この場合、原因は説明不足ではなく、社員が困ったその場で答えにたどり着ける仕組みがないことにあるケースがほとんどです。対処のポイントは、説明の回数を増やすことではなく、「人が繰り返し答える」運用を「仕組みが答える」運用へ変えることにあります。
▼ 経理に質問が集まる場面のBefore→After
| 経理に質問が集まる場面 | Before:人が答える運用 | After:仕組みが答える運用 |
|---|---|---|
| 「これは経費になる?科目は?」 | 経理がその都度メール/チャットで回答 | 規程・マニュアルを登録したAIが根拠付きで社員に即時回答 |
| ルールから外れた申請 | 経理が目視で見つけて差し戻し・再説明 | 申請時にシステムが規程に照らして自動チェックし違反の疑いを検知 |
| 規程改定のたびの再周知 | 全社アナウンス後も旧ルール前提の質問が続く | 登録した規程ファイルを更新すれば回答も最新化 |
答えを仕組み側に持たせるこうした運用は、経費精算システムとあわせて導入できます。TOKIUM経費精算では、社内ルールをもとに全明細をAIが自動チェックし、金額異常やルール違反を検知して該当箇所にコメントを付与するため、ルール外の申請を仕組みとして防ぎ、差し戻しと問い合わせを抑えられます。またTOKIUM AIヘルプデスクは、経費精算規程や社内マニュアルを登録すると、社員の質問に規程の該当箇所を根拠として示しながらチャットで回答するため、経理が同じ説明を繰り返す手間そのものを減らせるのが特長です。規程改定時も、ファイルを更新するだけで回答は最新の内容に保てます。
●TOKIUM AIヘルプデスクのサービス詳細はこちら
●TOKIUMの導入事例の一覧はこちら
経費精算の効率化なら「TOKIUM経費精算」

TOKIUM経費精算は、スマートフォンで申請・承認ができるクラウド経費精算システムです。オペレーターが領収書を高精度でデータ化するため、手入力によるミスを減らせます。領収書の原本はTOKIUMが回収し、突合点検・保管まで代行するので完全ペーパーレス化が可能です。
さらに、自社開発を含むあらゆる会計ソフトとも連携可能。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しています。
TOKIUMのシリーズ累計導入社数は3,000社を超え、規模や業種を問わず幅広くご利用いただいております。
経費精算システムを比較・検討する際は、次のポイントを確認すると自社に合うシステムを選びやすくなります。TOKIUM経費精算の対応とあわせて整理します。
▼ 経費精算システムで確認すべきポイント × TOKIUM経費精算の対応
| 確認すべきポイント | TOKIUM経費精算の対応 |
|---|---|
| 領収書の入力を誰が行うか | オペレーターが高精度でデータ化し、従業員・経理の手入力をなくせる |
| 紙の原本の管理が残らないか | 原本はTOKIUMが回収し、突合点検・保管まで代行(完全ペーパーレス化) |
| 外出先から申請・承認できるか | スマホアプリで申請から承認まで完結 |
| 社内規程どおりの申請になる仕組みがあるか | 社内ルールをもとに全明細をAIが自動チェックし、違反の疑いを検知 |
| 会計ソフト連携・法制度対応 | 自社開発を含む会計ソフトと連携。電子帳簿保存法・インボイス制度に対応 |
詳しい機能や料金は製品ページで確認できます。経費精算の効率化・ペーパーレス化をご検討中の方は、まず資料で導入効果をご確認ください。
経費精算に関するよくある質問
経費の精算とは何ですか?
従業員が仕事のために立て替えた費用(経費)を会社に申請し、承認を経て払い戻してもらう手続きが経費精算です。領収書などの証憑をもとに「申請→承認→仕訳・支払い」と進み、証憑は法人税法上の保存義務があります。
経費精算はレシートだけでいいですか?
レシートも、登録番号・日付・金額・適用税率・消費税額が記載されていれば、適格簡易請求書として仕入税額控除に使えます(小売店や飲食店などでは宛名は不要な場合が多いです)。ただし社内規程で領収書を求める場合は、その指示に従いましょう。紛失した場合は支払証明書で代替します。
経費精算がめんどくさい理由は何ですか?
紙の領収書の保管、手入力によるミスと二度手間、申請・承認の遅延、月末への処理集中などが主な理由です。これらは経費精算システムの導入で、撮影によるデータ化・スマホ申請承認・自動仕訳によって大幅に軽減できます。
経費精算のルールを社員に何度説明しても同じ質問が来ます。減らす方法はありますか?
規程の周知を繰り返すより、社員がその場で答えを得られる仕組みを用意するのが有効です。TOKIUM AIヘルプデスクは規程・マニュアルを登録すると社員の質問にAIが根拠付きで回答し、TOKIUM経費精算のAI自動チェックは規程から外れた申請自体を仕組みとして防ぐため、問い合わせと差し戻しを減らせます。
まとめ
- 経費精算とは「立て替えたお金を会社に請求して払ってもらうこと」
- 経費精算を正しく行うと節税になる
- 経費精算の効率化にはTOKIUM経費精算がおすすめ
従業員にとって面倒で後回しになりがちな経費精算ですが、正しい会計のために欠かせない処理です。「TOKIUM経費精算」のように電子帳簿保存法へ対応したシステムを使えば、申請から仕訳までの流れを自動化でき、経理担当者・申請者・承認者のいずれにもメリットが生まれます。
経費精算の効率化・ペーパーレス化をご検討中の方は、まずは資料で機能や導入効果をご確認ください。
【関連する無料ガイドブック】
▶︎ 機能や導入メリットがわかる!TOKIUM経費精算の資料をダウンロード
※すぐにPDF資料をお受け取りいただけます




