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会議が終わっても、仕事は終わりません。録音を聞き直し、発言を書き起こし、決まったことを整理して関係者に共有する。1時間の会議のために、その何倍もの時間を議事録づくりに使っている職場は少なくありません。
AI議事録ツールは、作業の大半を自動化します。会議の音声を自動で文字起こしし、要点や決定事項、やるべきこと(ToDo)まで整理してくれるため、担当者は最後の確認と仕上げに専念できます。
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本記事では、AI議事録ツールの仕組みと主な機能、自社に合うものの選び方、タイプ別・無料の選択肢、導入時の注意点までを順に整理します。あわせて踏み込むのが、次の2点です。取締役会議事録のように法令で作成・保存が求められる文書をAIに任せてよいのか。そして、議事録で決まった決定事項を稟議や経費精算といった次の業務にどうつなぐのか。
AI議事録ツールとは|文字起こしから要約までの仕組み
AI議事録ツールは、会議の記録づくりを音声認識と生成AIで自動化するツールです。これまで担当者が録音を聞き直しながら手で起こしていた作業を、2種類のAIが分担して肩代わりします。
処理の流れは単純です。まず会議の音声を取り込み、音声認識で文字に起こします。次に、長い文字起こしから要点や決定事項、ToDoを生成AIが抜き出して要約します。最後に、誰が何を発言したかを整理し、読みやすい議事録の形にまとめます。録音があれば、技術的には対面の会議でもWeb会議でも対応できます。ただし実務では、参加者への録音告知や、社外の出席者がいる会議での事前了承が前提になります(詳しくは後述の注意点をご覧ください)。
かつては文字起こしだけで止まっていたものが、生成AIの普及によって、要約やToDo抽出まで一気にこなせるようになりました。文字起こしで終わらず、要点の整理まで自動化できるようになったこと。これが、AI議事録ツールが注目されている理由です。
▼AI議事録ツールが議事録を作るまでの流れ
| 工程 | AIがやること |
|---|---|
| 音声の取り込み | 会議の録音やWeb会議の音声を取り込む |
| 文字起こし | 音声を認識してテキストに変換する |
| 要約・抽出 | 要点・決定事項・ToDoを抜き出してまとめる |
| 議事録の整形 | 話者ごとに整理し、読みやすい形にする |

手で書く議事録との一番の違いは、会議に集中できることです。記録を取りながら発言すると、どうしても議論への参加が薄くなります。記録をAIに任せれば、参加者は議論そのものに集中できます。ただし、会議の種類によって向き不向きがあります。
たとえばバックオフィス部門(経理や総務など、社内の事務を担う部門)が議事録を取る会議。月次決算報告、予算会議、監査法人や顧問税理士との打ち合わせなどが挙げられます。金額や勘定科目が飛び交う月次決算報告では、数字や専門用語の誤認識が起きやすいのが実情です。
一方で、「誰がいつまでに差異分析を出すか」といった決定事項の抽出は効果が出やすい領域といえます。何を任せ、何を人が確かめるかを切り分けて考えると、導入後のギャップが小さくなります。
AI議事録ツールの主な機能
AI議事録ツールの機能は、文字起こしだけにとどまりません。会議の記録を実務で使える形に仕上げるための機能がそろっています。順に見ていきます。
議事録を作る機能|文字起こし・要約
中心になるのは、音声を文字にする文字起こしと、要点をまとめる要約です。文字起こしは、音声認識で発言をそのままテキストにする機能です。話し方や専門用語、雑音の有無で結果が変わるため、後述するとおり自社の会議で試してから判断するのが確実です。
要約は、長い文字起こしから要点と決定事項を抜き出す機能です。文字起こしだけでは、後から「結局なにが決まったのか」を読み返す手間が残ります。実務で差が出るのは、この要約と抽出の質です。
議事録を使える形にする機能|話者識別・ToDo抽出・Web会議連携
作った記録を実務で使うために効いてくるのが、次の3つです。
話者識別は、誰が発言したかを区別して記録する機能です。ツールによって精度に差が出やすく、参加者が多い会議や声が似ている場合に、発言者の取り違えが起きることがあります。
誰の発言かが重要になるのは、後から「決めたのは誰か」を示す必要がある会議です。予算配分や投資判断など、後続の稟議(社内で購入や契約の承認を回す手続き)の根拠になる会議では、発言者の取り違えがそのまま手続きの正当性への疑義につながります。参加者の多い会議で使うなら、話者識別の精度は事前に試しておきましょう。
ToDo抽出は、会議で決まったやるべきことを抜き出す機能です。決定事項とやるべきことが自動で抜き出されていれば、会議後すぐに次の動きに移れます。
Web会議連携は、オンライン会議の音声を直接取り込む機能です。普段使っているオンライン会議サービスと直接つながれば、録音ファイルをやり取りする手間なく、会議が終わると同時に議事録の下書きができあがります。連携に対応していないと、毎回手動で音声を取り込むことになり、せっかくの自動化が中途半端になります。自社が普段使う会議サービスに対応しているかは、必ず確認したいポイントです。
このほかに、外国語の会議を翻訳して記録する多言語対応があります。また、自社の勘定科目名・製品名・プロジェクト名などを事前に登録し、誤認識を減らす用語登録(辞書登録)を備えたツールもあります。用語登録は、専門用語の多い会議ほど効いてくる機能です。
▼AI議事録ツールの主な機能
| 機能 | できること |
|---|---|
| 文字起こし | 会議の音声をテキストに変換する |
| 要約 | 長い記録から要点・決定事項をまとめる |
| 話者識別 | 誰が発言したかを区別して記録する |
| ToDo抽出 | 会議で決まったやるべきことを抜き出す |
| Web会議連携 | オンライン会議の音声を直接取り込む |
| 用語登録 | 社名・専門用語を登録して誤認識を減らす |
| 翻訳・多言語 | 外国語の会議を翻訳して記録する |

AI議事録ツールの選び方
AI議事録ツールは数が多く、機能も似て見えます。製品名から入るより、自社の会議に合う条件を軸に選ぶと失敗しません。まず外せない条件から確認しましょう。
精度・話者識別・連携・料金・セキュリティで比べる
選び方の軸はいくつかありますが、すべてで満点のツールを探すより、自社にとって外せない条件を2〜3つに絞るのが現実的です。会議の多くがオンラインなら連携を、機密会議が多いならセキュリティを、参加者が多いなら話者識別を最優先に置く。優先順位を決めてから比べると、候補を一気に絞り込めます。
▼AI議事録ツールの選び方の軸
| 選び方の軸 | 見るべき点 |
|---|---|
| 文字起こしの精度 | 自社の会議の話し方・専門用語で正しく起こせるか |
| 話者識別 | 参加者が多くても発言者を区別できるか |
| Web会議連携 | 普段使う会議サービスと直接つながるか |
| 要約・ToDo抽出 | 決定事項ややるべきことを的確に抜き出せるか |
| 料金 | 課金の単位が自社の会議量に合っているか |
| セキュリティ | 会議内容をどこで処理・保管するか、機密会議に使えるか |
意外と差が出るのは、自社の会議との相性です。文字起こしの精度は、話し方や専門用語、雑音の有無で変わります。カタログ上の精度ではなく、実際に自社の会議の音声で試してから決めるのが確実です。多くのツールに無料の試用が用意されているので、本番に近い会議で一度試すと、導入後のギャップを防げます。
ただし、試すこと自体に社内の合意が要る点には注意してください。試用版に決算数値や人事情報を含む会議の音声を入れてよいかは、別の判断です。まずは機密度の低い会議(定例の情報共有、社内勉強会など)から試し、決算・人事・監査に関わる会議は社内の承認が下りるまで対象外にする、という順序が現実的です。
料金は、金額そのものより課金の単位を見ます。利用者数で決まる定額制なのか、文字起こしした時間に応じて増える従量制なのかで、同じ月額でも自社に合うかどうかが変わります。会議が長く本数も多い職場では従量制の費用が読みにくくなり、逆に使う人が限られる職場では利用者数課金のほうが割安になることがあります。自社の「月あたりの会議本数×平均時間」と「使う人数」を先に出しておくと、見積もりを並べたときに比較できます。
Web会議連携は、対応サービス名を一つずつ確認します。自社が使っているサービスの名前が対応表にあるか。そして、連携が録音の自動取り込みまで含むのか、単にファイルを渡せるだけなのか。ここまで見ておくと、導入後の手間が読めます。
セキュリティは、情報システム部門に丸投げせず、確認項目を経理・総務側から提示すると話が早く進みます。少なくとも次の6点を整理して持ち込むと、判断が前に進みます。
▼秘密会議に使う前に確認したい項目
| 確認項目 | 何を確かめるか |
|---|---|
| 保存先 | 音声・テキストをどの国・どの環境で処理し保管するか |
| 学習利用 | 入力したデータをAIの学習に使わないと明記されているか |
| 保存期間と削除 | いつまで保持され、こちらから削除を要求できるか |
| アクセス権限 | 会議単位・参加者単位で閲覧範囲を絞れるか |
| 第三者認証 | ISMS・プライバシーマークなどの認証を取得しているか |
| 再委託先 | 処理を外部に再委託していないか、その範囲はどこまでか |
タイプ別に見るAI議事録ツール
AI議事録ツールは、得意分野で大きく分けられます。選ぶときの近道は、製品名で覚えるのではなく、どのタイプが自社の会議に合うかで見ること。よくある4タイプを比べます。
Web会議連携重視型は、オンライン会議サービスと直接つながることを重視したタイプです。会議が終わると同時に議事録の下書きができるため、リモート中心の職場に向きます。
録音・対面会議型は、専用機器やスマートフォンでの録音から議事録を作ることを得意とするタイプです。外回りが多く、対面の商談や打ち合わせが中心の職場に向きます。
要約・タスク管理重視型は、決定事項とToDoの抽出・共有に力を入れたタイプです。会議で決めたことを実行までやり切りたい職場に向きます。
機密会議対応型は、処理・保管の場所や権限管理、学習利用の制限といった情報管理の要件を満たすことを重視したタイプです。人事・決算・監査に関わる会議を扱う職場に向きます。
▼AI議事録ツールのタイプ別の向き不向き
| タイプ | 向いている使い方 |
|---|---|
| Web会議連携重視型 | オンライン会議が中心。会議サービスと直接つなぎたい |
| 録音・対面会議型 | 対面の会議や商談を、録音から議事録にしたい |
| 要約・タスク管理重視型 | 決定事項やToDoの抽出・共有まで一気に行いたい |
| 機密会議対応型 | 人事・決算・監査など、外に出せない会議で使いたい |
なお、外国語を含む会議が多い場合は、上記に加えて翻訳・多言語対応の有無を確認してください。海外拠点や外国籍のメンバーがいる会議では、発言をその場で翻訳して記録できると、言語の違う参加者にも同じ議事録を共有できます。

タイプを見極めるには、自社で一番多い会議を思い浮かべるのが近道です。オンライン会議が大半ならWeb会議連携重視型。対面の商談が多いなら録音・対面会議型。会議後のタスク管理まで一気に進めたいなら要約・タスク管理重視型です。よくある会議の形に合わせて選べば、導入後の「思っていた使い方と違った」を防げます。
無料で使えるAI議事録ツールの選択肢
無料で使えるかどうかも判断材料になります。多くのツールには無料プランや試用期間があり、上限の設け方はおおむね次の3種類です。
▼無料プランで確認したい3つの制限
| 無料プランの制限 | 見ておきたい点 |
|---|---|
| 時間の上限 | 月あたり何分・何時間まで文字起こしできるか |
| 件数・保存の上限 | 保存できる会議数、過去の議事録をいつまで残せるか |
| 機能の制限 | 要約・話者識別・連携・書き出しが有料プラン限定でないか |
見極め方は単純です。自社の「1か月の会議本数 × 1本あたりの平均時間」を先に出し、それが無料枠に収まるかを突き合わせます。たとえば1時間の会議が月10本ある部署なら、必要な文字起こし時間は月10時間。この数字を持って各社の無料枠と比べれば、無料の範囲で実用になるのか、最初から有料プランを見るべきなのかがはっきりします。
注意したいのは、便利な機能ほど有料プラン限定になりやすいことです。文字起こしはできても、要約や話者識別、Web会議連携、議事録の書き出しが有料、というケースは珍しくありません。無料プランの時間だけを見て決めると、いざ使い始めてから「肝心の要約が使えない」ということになります。まずは無料の範囲で使い心地と精度を確かめ、足りなければ有料プランに切り替える。この順序なら、無駄な出費が出ません。
AI議事録ツール導入・活用の注意点
AI議事録ツールは便利ですが、任せきりにはできません。導入前に必ず押さえたい点は4つです。
▼AI議事録ツール活用の注意点
| 注意点 | 気をつけること |
|---|---|
| 精度の限界 | 誤って起こすことがあるため、重要な記録は人が見直す |
| 話者の取り違え | 参加者が多い会議では発言者の確認が必要 |
| セキュリティ | 機密会議の音声を社外で処理・保管してよいか確認する |
| 法令・社内規程 | 法令で作成・保存が求められる議事録か、録音が社内規程で認められているかを確認する |
精度|AIの出力をそのまま正式な記録にしない
AIの出力をそのまま正式な記録にしないことが大切です。固有名詞や数字、専門用語は誤って起こされやすいため、重要な会議の議事録は人が確認してから確定させる流れにしておきましょう。
「人が確認する」を運用に落とすなら、確認する人と範囲を先に決めておきます。たとえば、会議の主催者が決定事項・担当・期限・金額の4項目だけを突き合わせ、それ以外の発言部分は参考記録として扱う、といった線引きです。全文を読み直す運用にすると、結局これまでと同じ時間がかかります。AIに下書きを作らせ、人が要点だけ仕上げる分担にすると、速さと正確さを両立できます。
セキュリティ|機密会議で何を確認するか
会議の音声を社外のサービスで処理する以上、何が記録され、どこに保管されるのかを把握しておく必要があります。選定時にベンダーへ確認する項目は前章の表のとおりです。ここで決めるのは、運用を始めてからの社内ルールです。
とくに注意したいのが、社外の出席者がいる会議です。監査法人や顧問税理士、取引先が同席する会議は、自社の社内ルールを満たしていても、先方の了承なしに録音・AI処理をしてはいけません。また、公表前の決算数値や人事情報を扱う会議は、社外サービスに音声を送る時点でリスクが生じるため、対象外とする運用も選択肢です。
録音データの保存期間と社内規程
AI議事録ツールを入れると、これまで社内に存在しなかった「会議の全発言の記録」が増えます。文書管理規程で、次の3点を先に決めておきましょう。
1つ目は、録音原本と文字起こしをいつまで保持し、いつ削除するか。議事録本体より短い期間を設定し、一定期間で自動削除とする運用が現実的です。2つ目は、正式な議事録を人が確定させた版とし、AIの下書きと録音は参考資料と位置づけること。3つ目は、訂正した場合に誰がいつ直したかの履歴が残る場所に保存することです。
この切り分けをしておくと、監査対応や資料提出を求められたときに、確定版の議事録だけを出せばよく、録音原本や未修正の文字起こしまで社外に出す必要がなくなります。
法令で作成・保存が求められる議事録はAIに任せきりにできない
見落としやすいのが、議事録のなかには法令で作成方法と保存が定められているものがある、という点です。代表が取締役会議事録です。
取締役会設置会社では、取締役会の議事について、法務省令で定めるところにより議事録を作成しなければならないとされています。議事録が書面で作成されているときは、出席した取締役および監査役がこれに署名し、または記名押印することが必要です。電磁的記録(データ)で作成する場合は、署名または記名押印に代わる措置として電子署名をとることとされています。 出典:会社法第369条第3項・第4項(e-Gov法令検索)、会社法施行規則第225条第1項第6号・第2項(e-Gov法令検索)(最終確認日:2026年7月22日)
保存についても定めがあります。取締役会設置会社は、取締役会の日から十年間、議事録等を本店に備え置かなければならないとされています。 出典:会社法第371条第1項(e-Gov法令検索)(最終確認日:2026年7月22日)
つまり、取締役会議事録はAIが作った文面をそのまま正式版にできません。人が内容を確定させたうえで、署名・記名押印または電子署名を行い、10年間の備置きまで管理する必要があります。AI議事録ツールを使えるのは、あくまで下書きを作る工程までと考えてください。社内の定例会議や打ち合わせのように法令上の定めがない議事録と、取締役会議事録のように要件が決まっている議事録は、運用を分けて設計するのが安全です。
費用対効果の見立て方
導入前に費用対効果をざっと計算しておくと、社内の説明が通りやすくなります。「月あたりの会議本数 × 1本あたりの議事録作成時間」で削減できる工数の上限が見え、そこに人件費単価を掛ければ金額に換算できます。たとえば月20本の会議があり、1本あたり議事録の作成に90分かかっているなら、月30時間の工数です。
この一部が浮くとして、ツールの月額費用と比べれば、投資に見合うかを判断できます(数値は考え方を示すための仮定です)。会議が多く議事録に時間を取られている職場ほど効果が出やすく、逆に会議が少なければ無料プランの範囲で十分なこともあります。
議事録の「先」を効率化する|決定事項を稟議・経費精算・経理につなぐ
議事録ができあがっても、仕事はそこで終わりません。決まったことを誰がいつ実行するのか、関係する費用や承認をどう処理するのか。本当に手間がかかるのは、ここからです。
たとえば新しいツールの導入を決めた会議の後は、決めた内容を稟議書に落として決裁を取り、発注・検収を経て、請求書の処理と支払、仕訳へと進みます。会議はあくまで方針を固める場であり、正式な意思決定は稟議・決裁で確定します。だからこそ、会議で誰が何を条件に合意したのかが議事録に残っていることが、稟議書を書く起案者にとって直接の材料になります。
出張を決めた会議も同じです。担当者が旅費規程に沿って事前申請を出し、上長が承認します。出張後は精算申請と上長承認を経て、経理が規程との整合と証憑(領収書や請求書など、取引の証拠になる書類)を確認し、支払・仕訳に進みます。ここで経理側の手間になるのが、「この出張は何の会議で、誰の判断で決まったのか」の確認です。議事録に決定事項と決裁者が残っていれば、差し戻して聞き直す往復がなくなります。
▼議事録の決定事項から続く業務
| 会議で決まること | 続く業務 |
|---|---|
| 備品・ツールの導入 | 稟議・決裁 → 発注・検収 → 請求書処理・支払 |
| 出張・接待の実施 | 事前申請・承認 → 精算申請 → 経理の確認 → 支払・仕訳 |
| 担当・期限の決定 | タスクの実行・進捗の確認 |
| 予算の配分 | 予算管理(予実対比)・部門への配賦 |

決定事項に「5項目」を残すと、後工程が軽くなる
実務的には、議事録ツールと経費精算システムが直接つながるわけではありません。現実的なのは、議事録の書式そのものを後工程に合わせておくことです。
決定事項の欄に、費用の発生有無・概算金額・負担部門(予算コード)・申請者・期限の5項目まで書き残す。これだけで、経理側で起きる差し戻しの多く(部門コードの誤り、金額の根拠が不明、承認者が特定できない)を先回りして防げます。AI議事録ツールのToDo抽出は、この5項目を埋める下書きとして使うのが実践的な活用法です。
議事録の自動化だけを進めても、その先が手作業のままでは効果は途中で頭打ちになります。会議のたびに決定事項はきれいに残るのに、経費の精算や承認で書類を回す作業に追われていては、せっかく生まれた時間が別の作業で消えてしまいます。
証憑の処理まで含めて考える
会議で決まった出張や備品購入は、最終的に領収書や請求書といった証憑になって経理に戻ってきます。この証憑の受領・データ化・保管を自動化しておくと、会議で決まってから仕訳が終わるまでの間で人が手を動かす工程は、実質的に申請と承認だけになります。
TOKIUM経費精算では、これまで約8,000名のオペレーターによる独自のオペレーション基盤により、高精度な証憑のデータ化を実現してきました。2026年4月には、AI-OCR(画像の文字をAIが読み取ってデータにする技術)による証憑のデータ化機能を、モバイルアプリで提供開始しました。証憑をアップロードすると即座にデータ化が完了するため、月末など業務が立て込むタイミングでもすばやく経費申請ができます。 出典:株式会社TOKIUM ニュース(2026年4月14日公表)(最終確認日:2026年7月22日)
TOKIUM経費精算は、スマートフォンで申請・承認ができる、クラウド経費精算システムです。オペレーターが領収書を高精度でデータ化するため、手入力によるミスを減らすことができます。領収書の原本はTOKIUMが回収し、突合点検・保管まで代行するので完全ペーパーレス化が可能です。
さらに、自社開発を含むあらゆる会計ソフトとも連携可能。電子帳簿保存法やインボイス制度にも応しています。
経理AIエージェントを提供するTOKIUMのシリーズ累計導入社数は3,000社を超え、規模や業種を問わず幅広くご利用いただいております。
▶︎ 【無料】「TOKIUM経費精算」の製品資料をメールでもらう
承認の側でも自動化は進んでいます。TOKIUMは2025年5月、業務の自動運転を支援する「経理AIエージェント」の提供を開始しました。社内規程などのルールに沿って承認を代行するエージェントもリリースされています。 出典:株式会社TOKIUM ニュース(2025年5月22日公表)(最終確認日:2026年7月22日)
なお、こうした仕組みを検討する際は、内部統制の観点も忘れないでください。システムが行うのは規程との突合や逸脱申請の一次スクリーニングであり、最終的な承認の責任を誰が持つのかは、社内の職務権限規程で明確にしておく必要があります。
AI議事録ツールに関するよくある質問
AI議事録ツールは無料で使えますか?
無料プランや試用期間があるツールが多くあります。ただし月あたりの文字起こし時間、保存できる件数、そして要約・話者識別・連携といった機能に制限がある場合が一般的です。自社の「月の会議本数×平均時間」を先に出し、無料枠に収まるかを突き合わせてから判断しましょう。
AI議事録ツールの精度はどのくらいですか?
話し方や専門用語、雑音の有無で変わります。静かな環境ではっきり話せば高い精度が出やすい一方、参加者が多い会議や声が重なる場面では誤りも出ます。とくに社名・製品名・勘定科目名などの固有名詞や金額の桁は誤りやすい箇所です。用語登録機能があるツールなら、自社でよく使う用語を事前に登録しておくと精度が上がります。
AIが作った議事録は、正式な議事録として認められますか?
会議の種類によります。社内の定例会議や打ち合わせのように法令上の定めがない議事録であれば、社内ルールに沿って運用すれば問題ありません。一方、取締役会議事録は会社法で作成方法と保存が定められています。書面なら出席取締役・監査役の署名または記名押印、データなら電子署名が必要です。さらに、取締役会の日から十年間、本店に備え置かなければなりません。AIの出力は下書きとして使い、人が内容を確定させたうえで所定の手続きを行ってください。
録音データはどのくらい保存されますか。削除できますか?
ツールと契約プランによって異なります。保存期間、こちらから削除を要求できるか、削除が完全なものかは、導入前にベンダーへ確認したい項目です。あわせて社内の文書管理規程で、録音原本と文字起こしを何か月で削除するかを決めておくと、後の監査対応で迷いません。
社外の人が参加する会議で録音してもよいですか?
先方の了承が必要です。監査法人や顧問税理士、取引先が同席する会議は、自社の社内ルールを満たしていても、事前の了承なしに録音・AI処理をしてはいけません。会議の冒頭で録音とAI利用の目的を伝え、同意を得てから開始する運用にしましょう。
議事録で決まったことを、その後の業務にどうつなげますか?
決定事項の欄に、費用の発生有無・概算金額・負担部門(予算コード)・申請者・期限の5項目まで書き残すのが実践的です。この5項目があれば、申請者はそのまま稟議書や経費申請の材料に使え、経理側の差し戻しも減らせます。
まとめ|AI議事録ツールは「作る」だけでなく「先につなぐ」
AI議事録ツールを選ぶ軸は、文字起こしの精度・話者識別・Web会議連携・料金・セキュリティの5つです。すべてで満点を狙わず、自社の会議に外せない条件を2〜3つ決めて、無料プランで実際の音声を試す。この順で進めれば大きく外しません。運用面では、AIの出力をそのまま正式な記録にしないことが原則です。とくに取締役会議事録のように法令で作成方法と保存が定められた文書は、人が内容を確定させ、所定の署名・保存まで管理する必要があります。
そして、議事録は作って終わりではありません。決定事項の欄に、費用・概算金額・予算コード・申請者・期限まで書き残しておく。それだけで、後に続く稟議や経費精算、経理処理の往復が減ります。まずは次の会議を1本、AIに記録させてみてください。そこで浮いた時間を、その先の承認や経費処理の見直しに回せれば、議事録は「書く仕事」から「動かす仕組み」に変わります。







