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ChatGPTは、指示文(プロンプト)の書き方を少し整えるだけで、回答の質が大きく変わります。カギになるのは、役割・目的・出力形式・条件の4つの要素です。同じ質問でも、この4つを具体的に伝えるだけで、手直しの少ない答えに近づきます。
本記事では、書き方の基本と用途別のコピペ例文、ChatGPTならではのカスタム指示・メモリ・GPTsを使ったコツ、良い例と悪い例の違いをまとめました。後半では、経理業務で使えるChatGPTプロンプトも紹介します。
ChatGPTのプロンプトとは
ChatGPTへの指示文のことを、プロンプトと呼びます。「何を」「どんな形で」答えてほしいかを言葉で伝えると、ChatGPTはそれに応じた回答を返します。指示があいまいだと回答もぼやけ、具体的だと精度が上がります。
回答の質が伝え方で変わるのは、ChatGPTが書かれた指示の範囲で最適な答えを返そうとするためです。前提や条件が抜けていると、一般的な内容で回答を埋めてしまいます。たとえば出張日当をたずねても、自社の規程を知らないため、世間の相場で答えてしまうといった具合です。逆に、必要な情報を渡せば、その分だけ的確な回答が返ってきます。
なお、生成AIの回答は必ずしも正確とは限りません。とくに税区分や社内規程が絡む業務では、出力をそのまま使わず、人が内容を確認する前提で利用します。
プロンプトという言葉の意味や、生成AI全般に共通する書き方の型は、基礎記事で詳しく解説しています。ここではChatGPTでの実践に絞って進めます。
ChatGPTプロンプトの書き方|基本の4要素
質の高い回答を引き出すプロンプトには、共通する4つの要素があります。役割・目的・出力形式・条件の4つです。これを意識して書くだけで、ChatGPTの回答は実用レベルに近づきます。
▼ ChatGPTプロンプトの基本4要素
| 要素 | 役割 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 役割 | ChatGPTに立場・専門性を与える | 「あなたは経験豊富な編集者です」 |
| 目的 | 何をしてほしいかを明確にする | 「次の文章を読みやすく直してください」 |
| 出力形式 | 回答の形を指定する | 「表で」「300字で」「文章で」 |
| 条件 | 守ってほしい制約や背景を伝える | 「専門用語は避けて」「読み手は初心者」 |

4つすべてを毎回入れる必要はありません。簡単な質問なら目的だけ、判断が絡む業務(仕訳や規程の解釈など)は条件までしっかり、と内容に応じて使い分けます。回答が物足りないときは、足りない要素を1つずつ加えていくと、過不足のないプロンプトに近づきます。
4要素をすべて入れた例が、次のプロンプトです。短い指示と比べて、返ってくる回答の的確さが変わります。
▼ 4要素を入れたプロンプトの例
| プロンプト例(4要素入り) |
|---|
| あなたは経験豊富な編集者です。次の文章を、初心者にも分かるように、専門用語を避けて300字程度に書き直してください:〔文章〕 |
さらに精度を上げる3つのテクニック
4要素に慣れたら、次の3つのテクニックを足すと、ChatGPTの回答はさらに安定します。どれも難しい操作は不要で、書き方を少し変えるだけです。
▼ ChatGPTの回答精度を上げる3つのテクニック
| テクニック | やり方 | 効果 |
|---|---|---|
| ステップで指示する | 「①〜②〜の順で進めて」と手順を分ける | 複雑な作業でも抜け漏れが減る |
| お手本を示す | 「次の例にならって作って:〔例〕」と見本を渡す | 出力の形やトーンが揃う |
| 対話で詰める | 一度で完璧を求めず、回答を見て追加指示を出す | 少しずつ理想の回答に近づけられる |
とくに対話で詰めるのは、ChatGPTが得意とする使い方です。最初の回答を「もっと簡潔に」「この部分を詳しく」と調整していくと、一発で完璧な指示を書こうとするより早く、狙った答えにたどり着けます。
コピペで使える用途別ChatGPTプロンプト例
プロンプト次第で、ChatGPTは文章作成や要約、メール、アイデア出し、表の整理まで、仕事のさまざまな場面で活躍します。よく使う場面ごとに、コピペして使えるプロンプトをまとめました。〔 〕の部分を自分の内容に置き換えるだけで使えます。
▼ 用途別ChatGPTプロンプト例(〔 〕を置き換えて使用)
| 用途 | プロンプト例 |
|---|---|
| 文章を要約する | 次の文章を、要点を3つに絞って文章でまとめてください:〔本文〕 |
| メールを作成する | 〔相手〕宛に、〔用件〕を丁寧な敬語で伝えるビジネスメールを作成してください |
| 文章を添削する | 次の文章を、意味を変えずに読みやすく直し、修正点も教えてください:〔文章〕 |
| アイデアを出す | 〔テーマ〕について、切り口の異なる企画案を5つ、それぞれ一言の説明付きで出してください |
| 表に整理する | 次の内容を、〔項目A〕と〔項目B〕の2列の表に整理してください:〔内容〕 |

これらのプロンプトは、そのまま使うだけでなく、自分の業務に合わせて条件を足すと、さらに精度が上がります。たとえば要約なら「専門用語は残して」、メールなら「200字以内で」といった一言を加えるイメージです。
用途別のプロンプトをもっと知りたい場合は、35本のテンプレートをまとめた専用の記事があります。あわせてご活用ください。
ChatGPT固有のコツ|カスタム指示・メモリ・GPTs
ChatGPTには、毎回プロンプトを書き直さずに済む固有の機能があります。カスタム指示・メモリ・GPTsの3つです。これらを使うと、よく使う前提や指示を保存でき、プロンプトづくりがぐっと楽になります。汎用的なプロンプトの書き方にはない、ChatGPTならではの差です。
3つの機能は役割が異なります。毎回の前提はカスタム指示、覚えておいてほしい情報はメモリ、専用ツール化はGPTs、と覚えると使い分けやすくなります。まずはカスタム指示から始めるのがおすすめです。
▼ ChatGPT固有の機能と使いどころ
| 機能 | できること | 使いどころ |
|---|---|---|
| カスタム指示 | 役割や前提を登録し、毎回の回答に反映させる | 「常に敬語で」など固定の前提を省略できる |
| メモリ | 会話をまたいで情報を覚えておく | くり返し使う設定や好みを記憶させる |
| GPTs | 特定の用途に特化した、自分専用のChatGPTを作る | 定型業務の専用アシスタントを用意する |
カスタム指示やメモリには、社名・取引先名・金額などの固有情報は登録せず、役割や口調といった汎用的な指示にとどめます。業務用のGPTsを作る場合も、共有範囲を「自分のみ」に設定し、社内情報を含めないようにします。

カスタム指示の設定手順
カスタム指示は、設定画面から数分で登録できます。一度入れておけば、以降のすべての会話に自動で反映されます。
▼ カスタム指示の基本的な設定手順
| 手順 | 操作 |
|---|---|
| ①設定を開く | 画面のアカウントメニューから、設定→パーソナライズ→カスタム指示を開く |
| ②前提を入力 | 「あなたについて」の欄に、立場や業界などの背景を入力する |
| ③希望を入力 | 「どう答えてほしいか」の欄に、トーンや形式の希望を入力する |
| ④保存 | 保存すると、以降の回答に自動で反映される |
とくにカスタム指示は、毎回同じ前置きを書く手間を省けるため、業務利用で効果が大きい機能です。GPTsを使えば、定型業務ごとに専用のアシスタントを用意することもできます。
良いプロンプトと悪いプロンプトの違い
同じ目的でも、書き方次第で回答は大きく変わります。よくある「うまくいかないプロンプト」を、改善するとどうなるかを比べてみます。
▼ プロンプトのBefore/After
| 悪い例(Before) | 良い例(After) |
|---|---|
| メールを書いて | 取引先〔会社名〕宛に、納期が1週間遅れるお詫びと新しい納期を伝える、丁寧なビジネスメールを作成して |
| この文章を直して | 次の文章を、意味を変えずに、より簡潔で読みやすい表現に直して。変更点も教えて:〔文章〕 |
| 売上について教えて | 次の月次売上データをもとに、前月比と増減の要因仮説を3点、文章で整理して:〔データ〕 |

なぜ悪い例がうまくいかないのか、改善のポイントを整理すると次のとおりです。共通するのは、ChatGPTが判断に迷う「あいまいさ」を残さないことです。
▼ 悪いプロンプトの問題点と改善ポイント
| 悪い例の問題点 | 改善のポイント |
|---|---|
| 何のためか分からない | 目的・背景を一言添える |
| どんな形で欲しいか不明 | 出力形式(表・文字数・トーン)を指定する |
| 対象や条件が曖昧 | 相手・前提・守ってほしい条件を書く |
ポイントは、「誰に・何を・どんな形で」を具体的に書くことです。悪い例のように一言で頼むのではなく、背景と条件を添えるだけで、手直しの少ない回答が返ってきます。なお、売上や取引データを使う場合は、実数をダミーに置き換えて指示文を作り、本番の数値は手元で差し込みます。
経理業務で使えるChatGPTプロンプトと定型化のコツ
経理のような定型業務は、ChatGPTと相性がよい領域です。毎月くり返す作業や、表現に気をつかう取引先とのやり取りなど、型が決まっている仕事ほど効果が出ます。まずは、経理で使えるプロンプト例を紹介します。仕訳(しわけ/取引を借方・貸方に記録する作業)のように判断が絡むものは、出力してほしい項目を細かく指定するのがコツです。
▼ 経理業務で使えるChatGPTプロンプト例
| 用途 | ChatGPTプロンプト例(〔 〕を置き換え) |
|---|---|
| 仕訳の説明 | あなたは経理担当です。次の取引について、借方・貸方・勘定科目・消費税区分・適格請求書(インボイス)の要否・判断理由を表で示してください。交際費と会議費の区別が必要な場合は、社外の相手かどうか・1人あたりの金額を確認したうえで判定してください:〔取引内容〕 |
| 経費規程のQ&A | 次の規程をもとに、社員からの質問〔質問〕に、根拠の条項を引用して回答してください:〔規程の該当箇所〕 |
| 月次レポート | 次の数値をもとに、前月比と増減理由の仮説を3点、文章でまとめてください:〔数値〕 |
| 取引先メール | 〔取引先〕宛に、請求書の再送をお願いする丁寧なメールを作成してください。金額・日付は〔 〕のままにしてください |

仕訳では、借方・貸方や勘定科目だけでなく、消費税の区分(課税・非課税・軽減税率など)や適格請求書の有無まで出力させると、そのあとの消費税の集計がぶれにくくなります。交際費と会議費のように迷いやすい科目は、判断の分かれ目(社外の相手か、1人あたりの金額か)を条件として渡すと精度が上がります。ただし、最終的な勘定科目や税区分の判断は、必ず担当者が確認します。
これらを毎回書くのは手間がかかります。カスタム指示に「経理担当として、根拠の条項を示しながら回答する」と登録したり、GPTsで「経理アシスタント」を作っておくと、入力の手間が減り、回答のばらつきもなくなります。プロンプトの定型化は、属人化していた業務を「しくみ」に変える第一歩です。
定型化が進むと、担当者ごとにバラバラだった指示の出し方が揃い、「あの人しか使いこなせない」状態を防げます。新しく加わったメンバーも、登録済みのプロンプトを使えばすぐに同じ品質の作業ができるため、引き継ぎの負担も軽くなります。その際も、実際の数値や社名はダミーに置き換えて指示文だけを作り、本番のデータは手元で差し込みます。
さらに一歩進めると、ChatGPTに毎回依頼していた作業のなかには、そもそも入力や転記そのものをなくせるものもあります。ChatGPTは指示があって初めて動くため、大量の領収書の転記そのものには向きません。転記やデータ化は専用のサービスに任せ、ChatGPTは判断や文書作成に使う、と切り分けるのが現実的です。たとえば領収書や請求書のデータ化は、AIを活用したサービスで自動化できます。
TOKIUM経費精算では、領収書や請求書などの証憑(しょうひょう/取引の証拠になる書類)をアップロードすると、すぐにデータ化が完了します。約8,000名のオペレーターによる高精度なデータ化に加え、AI-OCR(画像から文字を読み取る技術)による即時のデータ化も、新たに選べるようになりました。 出典:株式会社TOKIUM プレスリリース(2026年4月14日)(最終確認日:2026年8月14日)
ChatGPTのプロンプトに関するよくある質問
ChatGPTのプロンプトはどう書けば精度が上がりますか?
役割・目的・出力形式・条件の4つを具体的に書くと精度が上がります。「誰として」「何を」「どんな形で」「どんな条件で」答えてほしいかを添えるのが基本です。
カスタム指示とは何ですか?
役割や前提を登録しておき、毎回の回答に自動で反映させるChatGPTの機能です。「常に敬語で」「業界は〜」といった固定の前提を登録しておくと、毎回書く手間が省けます。
同じプロンプトをくり返し使うにはどうすればいいですか?
よく使うプロンプトはテンプレートとして保存しておくか、GPTsで専用のアシスタントを作ると便利です。〔 〕で置き換える形にしておくと、使い回しやすくなります。
ChatGPTのプロンプトに会社の情報を入れても大丈夫ですか?
機密情報や未公開の社内資料は、そのまま入力しないでください。数値や固有名詞はダミーに置き換えて指示文だけを作り、本番のデータは手元で差し込むと安全です。あわせて、利用するプランのデータの取り扱いも確認しておきましょう。ChatGPTの無料版やPlusなどの個人向けプランでは、既定のままだと会話がモデルの改善(学習)に使われる場合があり、設定でオプトアウトできます。一方、Team・Enterpriseなどの法人向けプランは、既定で学習に使われません。 出典:OpenAI「モデルのパフォーマンスを向上させるためのデータの使用方法」(最終確認日:2026年8月14日)
プロンプトの良い例・悪い例の違いは何ですか?
悪い例は「メールを書いて」のように一言で頼むもの、良い例は相手・用件・形式・条件を添えたものです。具体的に書くほど、手直しの少ない回答が返ってきます。
まとめ:ChatGPTのプロンプトは4要素と固有機能で使いこなす
ChatGPTのプロンプトは、役割・目的・出力形式・条件の4要素を具体的に書くのが基本です。さらにカスタム指示・メモリ・GPTsといった固有機能を使えば、よく使う指示を定型化でき、毎回の手間を減らせます。
経理のような定型業務では、プロンプトを定型化してチームで標準化することで、生産性が上がります。データ化や転記そのものは、AIを活用したしくみに置き換えていくのが効率化の近道です。ただし、AIの出力はあくまで下書きです。仕訳や対外文書は、人が内容を確認・承認してから確定させます。




