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経理AIとは、請求書や領収書の読み取り、明細の入力、申請内容のチェックといった経理の作業を、AI-OCRや機械学習などの技術で自動化・効率化する仕組みの総称です。
経理業務は、AIによって請求書・領収書の読み取り、明細入力、仕訳候補の作成、経費申請のチェック、問い合わせ対応などを自動化できます。ただし、会計処理の最終判断、例外対応、承認責任、内部統制や監査対応までAIに任せきることはできません。
経理部門でAIを活用する際は、まず「AIに任せやすい業務」と「人が確認すべき業務」を分けて整理することが重要です。処理件数が多く、ルール化しやすく、確認作業に時間がかかっている業務から導入すると、効果を実感しやすくなります。
なお、経理業務を自律的に処理できるAIツールを探しているなら、TOKIUMの経理AIエージェントがあります。請求書の代行受領と領収書の原本回収から、AIと人による入力・点検、明細入力、経費申請の一次承認チェック、社内問い合わせ対応までを、AIとプロスタッフの組み合わせでカバーする製品群です。
▼ 経理業務ごとにAIへ任せられる範囲と人が確認すべき範囲
| 経理業務 | AIで自動化しやすいこと | 人が確認すべきこと | 導入優先度 |
|---|---|---|---|
| 請求書処理 | 請求書の読み取り、支払情報の入力、発注・納品データとの照合 | 支払可否の判断、例外処理、承認、証跡管理 | 高 |
| 経費精算 | 領収書の読み取り、規程違反の検知、重複申請のチェック | グレーゾーンの判断、差し戻し内容、最終承認 | 高 |
| 仕訳入力 | 過去データに基づく勘定科目・税区分の候補提示 | 会計処理の妥当性、例外取引、最終確定 | 中〜高 |
| 問い合わせ対応 | 経費規程や申請方法に関する一次回答 | 例外回答、規程改定時の更新、担当者への引き継ぎ | 中 |
| 月次決算補助 | 未処理データの抽出、異常値の検知、確認対象の洗い出し | 決算数値の妥当性確認、修正判断、経営報告 | 中 |
経理AI活用の現状と、これからの経理業務
経理でのAI活用は、この1年で関心の高まりが数字にはっきり表れました。TOKIUMが2026年4月に経理・財務担当者946人へ行った調査では、「AI活用は重要」と答えた人が65.4%にのぼり、前年から15.6ポイント増えています。ただし実際に活用している人は27.8%にとどまり、導入を検討している人と合わせても52.2%です。重要性の認識が先行し、着手はこれから、という段階です。
経理AIの登場で変わるのは、仕事の有無ではなく経理の役割です。定型作業はAIが引き受け、人は数字を読み解いて経営に活かす側へと移っていきます。

出典:株式会社TOKIUM「『AI活用は重要』と回答した経理は65.4%、約1年で15.6ポイント増加」(最終確認日:2026年9月11日)
経理の仕事はAIでなくなる?──なくなる業務・残る業務
結論から言うと、経理の仕事はなくなりません。AIでデータを機械的に集めても、そのデータを分析し、判断ができる人がいなければ、データの価値はほとんど生まれないからです。
ただし、経理の役割は今後大きく変化します。これまで多くの時間を占めてきた記帳や仕訳処理のような定型作業は、AIによって自動化が進みます。その結果、経理担当者には、より経営の意思決定に関わる付加価値の高い業務を遂行する力が求められるようになります。
●経理の仕事がAIでなくなるのかに関する記事はこちら
これからの経理に求められる人間のコアスキル
AIが定型業務を担うようになるほど、人にしかできない力の価値が高まります。具体的には、財務データを読み解く分析力、数字をもとに経営に提言する力、社内外との調整・コミュニケーション力、そしてAIを使いこなすITリテラシーです。これらは今後の経理担当者にとって中核となるスキルといえます。
たとえば、常に最新の財務状況をダッシュボードなどで可視化し、経営陣が勘や経験だけに頼らない、データに基づいた迅速な意思決定を下せるよう支援します。さらに、AIによる高精度な未来予測を活用することで、資金繰りの計画や先行投資の判断をより精度の高いものにしていくことなどが挙げられます。
経理の仕事そのものはなくなりませんが、求められるスキルセットや役割は大きく変わります。定型業務のスキルだけでなく、経営視点を持ってデータを分析する能力が必要になってくるといえるでしょう。
経理業務でAIができること・できないこと
AIは必ずしも万能というわけではなく、得意としている業務と得意としていない業務があります。AIそのものの特性を正しく理解し、人間とAIの役割分担を明確にすることが重要です。

境界線は業務の名前ではなく、業務の性質で引くとわかりやすくなります。判断の基準が言葉にできる業務はAIに寄せられ、基準そのものを決める業務は人に残ります。
AIができること
判断の手順を言葉で説明でき、同じ処理が何度も発生する業務。これがAIの得意領域です。次の4つの性質のどれかに当てはまる業務から、AIに任せられないかを検討すると効果が出ます。
▼ AIが得意な業務の性質と経理での例
| AIが得意な性質 | 経理業務での具体例 |
|---|---|
| 読み取って形式を揃える | 請求書や領収書の文字情報をAI-OCRでデータ化する |
| 過去のパターンから候補を出す | 取引内容から勘定科目・税区分の候補を提示する |
| 決められた基準と突き合わせる | 社内規程に照らして経費の規程違反や重複申請を検知する |
| 大量データから外れ値を見つける | 通常と異なる金額や勘定科目の取引にフラグを立てる |
AIができないこと
AIが苦手なのは、前例のないイレギュラーな対応、状況に応じた柔軟な判断、そして人と人とのやり取りが欠かせない業務です。判断の基準そのものを決める仕事は、人に残ります。
▼ AIが苦手な業務の性質と経理での例
| AIが苦手な性質 | 経理業務での具体例 |
|---|---|
| 前例がなく基準を作る必要がある | 初めて発生した取引における会計処理の判断 |
| 解釈が分かれる高度な判断 | 新しい会計基準の適用や、解釈の余地がある会計判断 |
| 相手のある交渉・調整 | 監査法人との協議や、関連部署との承認のやり取り |
| 責任の所在が人にある意思決定 | 財務分析をもとにした経営判断や戦略の提言 |
【注目】経理AIエージェントで「実行まで自動化」が可能に
AIができること、できないことをご紹介してきましたが、目的の達成のために自律的に判断・実行できる「AIエージェント」が登場し、AIと人間の役割分担は固定的なものではなくなりつつあります。
その中心にいるのが、自律的に業務を遂行する「経理AIエージェント」です。これは単なる効率化ツールではありません。AI-OCRや機械学習などを組み合わせ、自ら判断し業務を遂行する頭脳を持ったデジタル労働力といえます。
経理AIエージェントの本質は、複数のツールをシームレスに連携させ、一連の業務フローを自律的に実行できる点にあります。たとえば、こんな流れです。メールで届いたPDFの請求書を、AIが読み取ってデータにします。過去の取引履歴から科目の候補を出し、担当者に承認を求めます。承認されれば会計ソフトに登録し、支払期日が近づけばリマインドまで送ります。これまで人が担っていたツール間の橋渡しや細かな判断を、AIエージェントが代行します。
ただし、AIは完璧ではありません。そこで重要になるのが、AIの自動処理に人間の確認・判断を組み込む「ヒューマンインザループ」という考え方です。AIと人間が互いの長所を活かし、短所を補い合う協働関係を築くことで、経理担当者は単純な作業者から、AIを管理し経営戦略を支援する役割へと進化していくことができます。

●経理AIエージェントのしくみに関する記事はこちら
経理AIエージェントが実際にどこまで業務を引き受けるのかは、動画でも確認できます。ビジネス映像メディア「PIVOT」の番組では、TOKIUM代表の黒﨑賢一が、出張手配・社内規程の問い合わせ対応・経費承認といった場面ごとに、AIが担う範囲を解説しています。導入企業の反響にも触れているので、ぜひご覧ください。
経理業務におけるAIの活用例8選
それでは、具体的にどのような経理業務でAIが活用できるのでしょうか。ここでは、実際の活用例を8つ紹介します。
以下の活用例のうち、TOKIUMの製品が対応する領域については、各項目の末尾にどの製品が該当するかを記載します。ご検討中の方は参考にしてください。

AI-OCRによる請求書・領収書のデータ化
紙やPDFで受け取った請求書・領収書をスキャンまたはアップロードするだけで、AI-OCRが取引先名、日付、金額、品目といった情報を読み取り、テキストデータに変換します。経理担当者が一件ずつ手入力していた作業がなくなるため、金額の打ち間違いや転記のつけ落としを減らせます。
TOKIUM経費精算は、領収書の原本回収から突合・保管までを引き受けます。請求書はTOKIUMインボイスが、あらゆる形式を代わりに受け取って電子化します。
仕訳の自動提案
AIは過去の仕訳データからパターンを学習します。そこにデータ化した請求書や明細の情報を照らし、取引内容に合う勘定科目を推測して「これは通信費」「これは交際費」といった形で提案します。担当者は提案された内容を確認するだけで済むため、仕訳にかかる時間を短縮でき、経理知識が浅い担当者でも一定の品質を保てます。
TOKIUM AI明細入力は、請求書の明細をAIが推測して自動でデータ化します。科目や拠点ごとの合算といった自社の仕訳ルールにも合わせて処理し、修正内容を学習するため、使うほど精度が上がります。
●自動仕訳のしくみと導入メリットに関する記事はこちら
出張手配と事前申請作成の自動化
従業員がチャットで「大阪出張 1泊2日」といった形で依頼するだけで、AIが動き出します。会社の規程に沿った交通手段や宿泊先を提案し、新幹線やホテルの手配、出張申請の作成まで進めます。担当者は内容を確認するだけで、手配と申請の作業から離れられます。
TOKIUM AI出張手配は、チャットでの対話形式で会社規程に則った交通手段・宿泊先を提案します。新幹線やホテルの手配から出張申請の自動作成までを代行します。
経費承認の一次承認
申請が承認者に届く前の段階で、確認作業を代行します。申請内容を社内規程や経費申請マニュアルに照らし、不備や規程違反があれば申請者に差し戻します。承認者は形式的な確認から離れ、「この経費は本当に事業に必要か」という、より本質的な判断に集中できます。
この一次承認を担うのがTOKIUM AI経費承認です。社内規程や経費申請マニュアルに基づいて申請内容の不備・誤りを全件チェックし、一次承認と申請者への差し戻しをAIとプロスタッフが代行します。
●AIによる経費承認の効率化に関する記事はこちら
社内規程に関する問い合わせ対応の自動化
AIチャットボットが、従業員からの経費精算に関する問い合わせに答えます。社内に散在する規程やマニュアルを登録するだけでAIが学習し、質問に対して根拠となる文章を示しながら回答。経理担当者が問い合わせ対応に追われる時間を減らし、本来の業務に集中できる環境を作ります。
TOKIUM AIヘルプデスクは、散在する社内規程やマニュアルをまとめて登録するだけで使えます。日常的な言葉でのチャットに根拠文章付きで回答し、規程を改定してファイルを差し替えれば、回答も自動で最新の内容に切り替わります。
請求書処理の自動化
メールなどで請求書を受信すると、AIが自動で内容をデータ化。さらに、システム内の発注データや納品データと照合し、内容の正確性を確認します。情報に不一致がなければ、会計ソフトへの記帳から支払データの作成までをシームレスに実行。担当者が介在するのは最終確認のみとなり、請求書処理業務を大きく効率化します。
TOKIUMインボイスは、あらゆる形式の請求書の代行受領とデータ化から、発注書・納品書・稟議との照合、全銀データ形式での支払データ出力までを担います。担当者は最終確認に集中できます。
異常値検知によるルール違反・記載ミスの早期発見
申請された経費データから通常の申請パターンを学習し、そこから外れる申請を検知します。社内規程で定めた上限額を超えている、記載事項に不備があるといった申請に自動でフラグを立て、該当箇所にコメントを付与。ルール違反や記載ミスを早期に発見し、問題が大きくなる前に対処できます。
この検知を行うのがTOKIUM経費精算です。社内で定めたルールに沿ってAIが申請を全件チェックし、金額の異常やルールからの逸脱を見つけると、該当する箇所にコメントを残します。
●AIを使った経費監査に関する記事はこちら
AIによる経費の全件チェック
提出された全経費データを対象に、社内ルールとの照合を自動で行います。領収書の添付漏れ、経費科目の誤り、参加者・日付情報の不足、適格請求書発行事業者登録番号の記載ミスなどを全件チェックし、該当箇所にコメントを付与。担当者はAIが指摘した項目に集中してレビューすればよくなるため、確認の精度と効率を高められます。
TOKIUM AI経費承認は、提出された全経費を社内規程・経費申請マニュアルと照合します。不備や記載ミスをAIが全件チェックし、担当者が確認すべき項目を絞り込みます。
これまで担当者が自分で調べたり確認したりしていた作業も、AIに任せれば大きく減らせます。
経理AIで自動化はどこまで可能か
経理業務の自動化は、受け取る・入力する・照らし合わせるという一連の流れまでは実用段階に入っています。一方で、最終的な承認や会計処理の妥当性の判断は人が担う前提のままです。どこまで任せられるかは、業務の量とルールの明確さで決まります。

自動化に適している業務と適さない業務
自動化に向くかどうかは、件数の多さとルール化のしやすさで判断できます。毎月まとまった件数が発生し、処理の判断基準を言葉で説明できる業務ほど、自動化の効果が出ます。
▼ 経理業務の自動化の適性
| 区分 | 経理業務 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 自動化に適している | 請求書の受領とデータ化、領収書の読み取り、明細入力、規程違反のチェック | 件数が多く、判断基準を言葉で説明できる |
| 条件つきで適している | 仕訳候補の作成、月次決算の未処理データ抽出、社内問い合わせへの一次回答 | 候補提示までは任せ、確定は人が行う前提なら任せられる |
| 自動化に適さない | 会計処理の最終判断、例外取引の処理、承認責任、監査対応 | 前例がなく、責任の所在が人にある |
AI活用でつまずきやすい3つのポイント
TOKIUMの調査で経理担当者が挙げたAI活用の課題は、上位3つがいずれも人と運用に関するものでした。ツールの機能そのものより、使いこなす体制のほうが壁になっている様子がうかがえます。4番目にはシステム連携の課題が続きます。
▼ 経理担当者が挙げたAI活用の課題(2026年4月調査・有効回答946人・複数回答)
| 調査で挙げられた課題 | 回答率 | 前年比 | この課題が示すもの(本記事の解釈) |
|---|---|---|---|
| AIの運用管理やデータ分析を担う専門人材・ノウハウの不足 | 49.5% | +14.5pt | 設定や改善を回せる担当者が社内にいない |
| AIを使いこなすための操作スキル・知識の不足 | 42.5% | — | 一部の担当者しか使えず、もとの手作業に戻る |
| 導入後の継続的な運用サポートや、従業員への定着支援の不足 | 31.5% | +13.1pt | 導入時の説明だけで終わり、運用に乗る前に使われなくなる |
| 既存業務システムとのデータ連携やシステム連携が円滑でない | 28.1% | +8.3pt | 会計システムとつながらず、データを手で移すことになる |
※右端の列は調査結果ではなく、選択肢の内容から想定される状況を本記事で補足したものです。また回答率の合計が100%を超えるため、複数回答形式と考えられます。出典:株式会社TOKIUM「経理業務におけるAI活用に関する実態調査」(最終確認日:2026年9月11日)
3つとも、社内に人を用意できるかどうかの問題です。だとすれば、入力や点検そのものを外に出せる仕組みを選ぶのもひとつの手です。TOKIUMは、AI-OCRとオペレーターによる入力・点検までを代行する設計で、初期設定なしで運用を始められます。ただし経費規程の整備や承認ルートの設計は社内に残るため、そこは着手前に決めておく必要があります。経理の自動化をどこから始めるか迷っている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
●AIによる業務自動化に関する記事はこちら
●経理の人手不足とAI・RPAによる効率化に関する記事はこちら
経理AIと従来の会計ソフト・RPA・Excelマクロの違い
経理の自動化に使える手段は、経理AIだけではありません。従来の会計ソフト、Excelマクロ、RPA、そして経理AIは、任せられる範囲が違います。どれを選ぶかで、削減できる工数も、運用にかかる手間も変わります。
従来の会計ソフトと経理AIは何が違うのか
違いは機能の有無ではなく、どの工程まで引き受けてもらえるかにあります。近年は会計ソフトにも読み取りや仕訳提案の機能が広がっています。そのうえで見るべきは、原本の回収や読み取り後の点検まで提供範囲に入っているかという点です。ここは製品によって異なるため、各サービスの提供範囲で確認しておくと運用の姿が見えます。
会計ソフトを入れても入力の手間が減らないと感じるなら、記録する場所が紙からシステムに変わっただけで、入力という工程そのものは社内に残っている状態です。どこまでを自社で抱え、どこから先を任せるか。そこが選ぶときの分かれ目になります。
会計ソフト・Excelマクロ・RPA・経理AIの得意領域
4つの手段は、扱えるデータの形が決定的に違います。すでに整ったデータを動かすだけならRPAやExcelマクロ、会計ソフトで足ります。形が毎回変わる紙やPDFを入口から扱うなら、経理AIの領域になります。
▼ 経理の自動化に使う4つの手段の違い
| 手段 | 得意な業務 | 苦手なこと |
|---|---|---|
| Excelマクロ | 同じ形式の表の集計、定型の帳票作成 | 形式が変わると動かなくなる。作成者しか直せなくなりやすい |
| RPA | システム間のデータ転記、決められた手順の繰り返し | 画面や項目が変わると止まる。判断を伴う処理はできない |
| 会計ソフト | 入力されたデータの集計、帳簿・帳票の出力 | 原本の回収や点検まで含むかは製品により異なる |
| 経理AI | 紙やPDFの読み取り、明細の入力、規程違反のチェック | 前例のない取引の判断や、最終的な承認はできない |
●請求書照合のRPAによる自動化に関する記事はこちら
●AIエージェントと生成AIの違いに関する記事はこちら
自社はどれを選ぶべきか
判断の分かれ目は、扱う書類の形式が揃っているかどうかです。社内システムから出力される決まった形式のデータだけを扱うなら、RPAやマクロで十分に効果が出ます。取引先ごとに書式が違う請求書や、従業員が撮影した領収書を扱うなら、経理AIでなければ処理できません。
もうひとつの分かれ目が、社内に運用担当を置けるかどうかです。マクロもRPAも、作った人が異動すると誰も直せなくなる例が少なくありません。運用まで任せられる形を選ぶと、担当者が変わっても止まらない仕組みになります。

経理業務にAIを導入するメリット
経理AIを導入すると、これまで人手に頼っていた定型業務を自動化でき、経理部門全体の生産性を高められます。ここでは代表的な4つのメリットを紹介します。
業務効率化と人件費・コストの削減
請求書の読み取りや仕訳入力といった反復作業をAIが担うことで、担当者は確認・判断に集中できます。処理スピードが上がり、残業時間や外部委託コストの削減につながります。
ヒューマンエラーの削減
手入力や転記で起こりがちな金額違いや勘定科目の誤りを、AIの自動チェックで未然に防ぎます。一定の品質を保ちやすくなり、後工程での差し戻しも減ります。
月次決算の早期化とリアルタイムな経営の見える化
データがリアルタイムに集計・可視化されるため、月次決算を早め、経営陣がスピーディーに意思決定できる状態を支えます。
属人化の解消と業務の標準化
ベテラン担当者の経験に依存していた処理をルール化・自動化することで、特定の人に業務が偏る属人化を防ぎ、引き継ぎや内部統制を行いやすくします。
属人化は、経理の現場で実際に起きています。TOKIUMが2026年4月に経理・財務担当者946人へ行った調査では、仕訳入力に「特定の担当者の経験や記憶に依存した判断基準やルールがある」と答えた経理担当者が66.1%でした。さらにその66.1%に絞って聞くと、判断基準のマニュアルが未整備または不十分と答えた人が73.7%にのぼります。仕訳入力にかけている時間は、回答者1人あたり月平均20.1時間です。過去の処理履歴を参照して候補を出す仕組みにすれば、判断の手がかりを担当者の記憶の外に置けます。ただし「なぜその科目を選んだか」の理由まで記録されるかはツールによって異なるため、選定時の確認事項です。出典:株式会社TOKIUM「経理の66.1%、仕訳入力の判断の属人化を実感、73.7%がマニュアルが未整備と回答」(最終確認日:2026年9月11日)
●経理DXの進め方に関する記事はこちら
経理業務にAIを導入する際の注意点
一方で、経理AIには導入前に押さえておきたい注意点もあります。メリットと併せて理解し、自社に合った形で活用することが重要です。
導入・運用にコストと体制づくりが必要
ツールの利用料に加え、既存の業務フローやデータの整備が必要です。導入後も精度を保つための運用体制づくりが欠かせません。
すべての業務を任せきることはできない
前例のない取引の判断や、最終的な承認・責任は人が担う必要があります。AIはあくまで人を支援する役割であることを前提に設計します。
特に税務や決算にかかわる処理は、AIの出力をそのまま正解として扱わない運用にしておく必要があります。仕訳の候補も、規程違反の検知結果も、AIが出すのは判断の材料です。どの処理を人が確認するかをあらかじめ決め、確認した記録が残る形にしておくと、監査対応のときに説明できる状態を保てます。
セキュリティ・ブラックボックス化・過信のリスク
機密情報や個人情報を扱うため、権限管理やログ管理が重要です。また、AIの判断根拠が見えにくくなるブラックボックス化や、結果を過信するリスクにも注意し、人によるチェック体制を整えておく必要があります。
こうしたコスト・体制づくり・セキュリティの注意点は、使うサービス次第で抑えられます。TOKIUMは初期設定なしで運用を始められ、日々の入力はAIとオペレーターの二段構えで行います。確信度が低い項目は人が確認するヒューマン・イン・ザ・ループ設計です。電子帳簿保存法にも対応し(JIIMA認証取得)、タイムスタンプによる改ざん防止と原本の保管まで備えているため、AIだけに任せきれない品質面や、ブラックボックス化・過信のリスクを抑えながら導入を進められます。
●経理DXの限界と乗り越え方に関する記事はこちら
経理AIの導入ステップと進め方
経理AIの導入は、段階を踏むほど定着します。全業務を一度に自動化しようとせず、件数が多くルールを言葉にしやすい業務から順に広げていきます。AIに任せる範囲と人が確認・判断する範囲を分けながら進めることで、無理なく現場に定着させやすくなります。

導入を成功させる5つのステップ
具体的には、次の5つのステップで進めます。目的と課題の明確化、自動化する業務範囲の決定、ツールの選定、小さく試す、効果測定と改善、の順です。
スモールスタートの進め方
まずは交通費や経費の精算、伝票のデータ化など、毎日発生して手間のかかる業務をスマートフォンやスキャンで電子化することから始めます。慣れてきたら売上や原価、経費の集計へ範囲を広げ、最後は部署や担当ごとの状況まで見えるようにすると、経営に活かせるデータがそろっていきます。
着手する業務の優先順位
着手順に迷ったら、申請者の人数が多い業務から手をつけると効果が見えやすくなります。経理部門だけで完結する業務より、全従業員が関わる業務のほうが、削減できる総時間が大きくなるためです。
▼ 経理AIの着手順の目安
| 順番 | 着手する業務 | この順番にする理由 |
|---|---|---|
| 1 | 経費精算のデータ化 | 全従業員が関わるため削減できる総時間が最も大きい |
| 2 | 請求書の受領と電子化 | 毎月決まった件数が発生し、効果を数字で確認しやすい |
| 3 | 明細入力と仕訳候補の作成 | 1と2でデータが揃っていれば精度が出やすい |
| 4 | 規程チェックと一次承認 | 判断基準が明文化された後のほうが定着する |
逆に、判断基準が社内で固まっていない業務から始めると、AIに学習させる材料が揃わず、精度が出ないまま使われなくなります。規程の整備が追いついていない領域は、後半に回すほうが確実です。
●AI導入の実装ステップに関する記事はこちら
経理AIツールの種類
経理AIと一口にいっても、担う工程はツールによって異なります。自社の課題がどの工程にあるかを先に見極めると、選ぶべき種類が絞れます。
▼ 経理AIツールの種類と担う工程
| 種類 | 担う工程 | 向いている課題 |
|---|---|---|
| AI-OCR | 紙やPDFの書類を読み取ってデータに変換する | 手入力と転記に時間がかかっている |
| AI搭載の会計ソフト | 取り込んだデータから仕訳の候補を出す | 勘定科目の判断が担当者ごとに違う |
| 生成AI・AIチャットボット | 社内規程や手順に関する質問に回答する | 問い合わせ対応に時間を取られている |
| 経理AIエージェント | 受領から入力、チェック、申請までを自律的に処理する | 工程がばらばらで、つなぐ作業が残っている |
工程ごとに別々のツールを入れると、ツール間をつなぐ作業が新たに発生します。経理AIエージェントは、この受け渡しまで含めて引き受ける点が他の種類と異なります。
●AIエージェントサービスの種類と選び方に関する記事はこちら
経理AIの導入事例
経理AIの導入事例として、仕訳・請求書処理・経費精算という、AIが力を発揮しやすい3つの領域で成果が出た企業を紹介します。いずれもTOKIUMを使って、手作業と確認の負担を大きく減らしています。

仕訳入力の自動化で年間80時間を削減
製造業の幸袋テクノ様では、TOKIUMの導入により仕訳入力にかかっていた工数を年間80時間以上削減できる見込みです。あわせて請求書処理のフローを組み直し、誰が何を確認するかを明確にしたことで、ガバナンスの強化にもつなげています。
出典:TOKIUM導入事例(株式会社幸袋テクノ様)(最終確認日:2026年9月11日)
請求書明細のデータ化で月200時間の手作業をゼロに
商社のENEOSトレーディング様では、約3,000行にのぼる請求書明細をデータ化し、月200時間かかっていた手作業をゼロにしました。AI-OCRと入力代行で読み取りから入力までを任せ、担当者は内容の確認に集中できる体制へ変わっています。
出典:TOKIUM導入事例(ENEOSトレーディング株式会社様)(最終確認日:2026年9月11日)
経費精算の見直しで全社年間15,000時間を削減
自動車販売の神奈川トヨタ自動車様では、会社統合を機に経費精算の進め方を見直し、全社で年間15,000時間を削減しました。基幹システムとの連携まで含めて業務をつなぎ直したことで、精算のたびに発生していた手作業と差し戻しのやり取りが大きく減っています。
出典:TOKIUM導入事例(神奈川トヨタ自動車株式会社様)(最終確認日:2026年9月11日)
経理業務を自律処理するAIエージェントならTOKIUM
ここまで、経理でAIをどのように使えるか、そして経理担当者の役割がどう変わっていくかを見てきました。AIを活用することで、請求書処理や経費精算などの定型業務を大幅に効率化できます。特に経理AIエージェントは、データ化から実行までを自律的に行うデジタル労働力として注目されています。
とはいえ、経理の仕事そのものが消えるわけではありません。定型作業をAIが引き受ける一方で、人は数字の読み解きや判断、経営への提案に力を注げるようになります。

経理業務を自律的に処理できるAIエージェントとして、TOKIUMの経理AIエージェントがあります。領収書の原本回収と請求書の代行受領から、AIと人による入力・点検、明細入力、経費申請の一次承認チェック、社内問い合わせ対応までを、AIとプロスタッフの二段構えでカバーします。入力工程を自社で抱えずに始められる点が特徴です。
AIだけに任せきらず、最終確認は人が担う設計のため、入力精度を保ちながら自律化を進められます。経費精算・請求書受領・出張手配・経費承認・社内規程の問い合わせ対応など、経理の定型業務を製品横断でカバーできるのがTOKIUMの強みです。
TOKIUMの詳しい機能や導入効果は、無料の製品資料でご確認いただけます。経理AIの導入を検討している方は、ぜひダウンロードしてご覧ください。
経理AIに関するよくある質問
経理業務を自律的に処理できるAIツールはありますか?
あります。TOKIUMの経理AIエージェントは、領収書の原本回収と請求書の代行受領から、AIと人による入力・点検、明細入力、経費申請の一次承認チェック、出張手配、社内規程の問い合わせ対応までをカバーします。最終確認は人が担う設計のため、精度を保ちながら自動化を進められます。
経理業務はAIでどこまで自動化できますか?
請求書や領収書の読み取り、明細入力、仕訳候補の作成、経費申請のチェック、問い合わせ対応などはAIで自動化しやすい業務です。一方で、会計処理の最終判断、例外対応、承認責任、内部統制や監査対応は人が確認する必要があります。
経理の仕事はAIでなくなりますか?
経理の仕事がすべてなくなるわけではありません。AIによって減りやすいのは、入力・転記・照合などの定型作業です。今後は、AIの出力を確認し、例外を判断し、経営に必要な情報を整理する役割がより重要になります。
経理AIはどの業務から導入すべきですか?
まずは、処理件数が多く、ルール化しやすく、確認作業に時間がかかっている業務から始めるのがおすすめです。具体的には、請求書処理、経費精算、明細入力、仕訳候補の作成などが導入しやすい領域です。
経理AIの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
対象業務の範囲と、社内の規程がどこまで明文化されているかで変わります。経費精算や請求書の受領など、範囲を絞って始める場合は短期間で立ち上がります。一方で、規程チェックや一次承認まで任せる場合は、判断基準を整理する時間が必要です。どの業務から始めるかによって準備の量が変わるため、着手範囲を先に決めることをおすすめします。
経理AIを導入する際の注意点は何ですか?
AIに任せる範囲と、人が確認する範囲を先に分けておきます。あわせて、機密データや個人情報をどう扱うか、誰にどこまで権限を与えるか、操作の記録をどう残すか、誤判定が出たときに誰が確認するか、証跡を何年保存するかも、導入前に決めておきます。





