内部統制

契約管理システムの導入手順は6ステップ|既存契約の移行と社内定着までの進め方

更新日:2026.09.17

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契約管理システム_導入手順

契約管理システムの導入は、目的と範囲の決定、要件定義、システムの選定、既存契約の移行、運用ルールの決定、テスト運用と社内定着の6ステップで進みます。このうち最も手が止まりやすいのが、いま社内に散らばっている契約書をどこまでシステムへ移すかという判断です。

この記事では、製品ごとの機能や料金の比べ方ではなく、導入を決めてから本稼働までに何をどの順でやるかに絞って解説します。

●契約書管理システムの比較に関する記事はこちら

契約管理システムの導入手順は全体で6ステップ

契約管理システムの導入は、目的と範囲を決めてから要件定義に入り、要件に合う製品を選ぶところから始まります。そのあと既存契約を移行し、運用ルールを固め、小さく試してから全社へ広げるという流れです。順番を入れ替えると後戻りが発生します。とくに台帳の項目は、あとから足すこと自体はできますが、過去分を一件ずつ入力し直す作業が発生します。

導入から本稼働までの6ステップ

導入から本稼働までは、目的と範囲の決定、要件定義、システムの選定、既存契約の移行、運用ルールの決定、テスト運用と全社展開の6ステップです。各ステップは「作業が終わったか」ではなく「次に進める状態になったか」で区切ります。そうすると、進めてよいのか迷わずに済みます。

▼ 契約管理システムの導入6ステップ

ステップやること次に進める条件
1 目的と範囲を決める解決したい課題を洗い出し、管理対象にする契約書の範囲と推進体制を決める対象部署と契約種別が一覧で言える
2 要件を定義する台帳・検索・期限通知・権限などの必須機能と、連携先システムを書き出す要件が一覧になり、社内で合意できている
3 システムを選ぶ要件に合う製品を絞り、トライアルで操作性と取り込みの手順を確認する運用担当者が実際に触って判断できている
4 既存契約を移行する契約書を棚卸しし、台帳項目を決め、仕分け・データ化・取り込み・照合を行う移行対象の契約が検索でき、原本の所在も分かる
5 運用ルールを決める登録・更新・削除の手順と、閲覧権限・操作履歴の設計を固める誰がいつ何を登録するかが文書化されている
6 試して社内へ広げる一部門でテスト運用し、旧管理方法との並行運用を終えて全社展開する旧台帳を閉じても業務が回る

ステップ1と2が曖昧なまま製品比較に入ると、多機能な製品を選んだところで現場に定着しません。

契約件数別に見た導入期間の目安

期間は契約件数と紙の比率で変わります。工数の大半はステップ4の移行に集中するため、紙の契約書が多いほど全体が伸びます。

▼ 契約件数別の期間の目安

締結済みの契約件数全体の期間の目安伸びやすい工程
〜1,000件2〜3か月要件定義と運用ルールの合意
1,000〜10,000件3〜8か月棚卸しとデータ化
10,000件超半年以上データ化と部門ごとの段階展開

上の期間はあくまで一般的な目安です。実際の長さを左右するのは、拠点数と紙の比率、そしてスキャン代行を使うかどうかです。同じ件数でも、契約書が本社に集まっていれば短く、拠点や部署に分散していれば長くなります。自社がどちらに近いかは、ステップ1の範囲決めの段階で見当がつきます。

導入でつまずきやすい3か所

導入が止まる原因は、製品選びよりも進め方にあります。つまずきやすいのは次の3か所です。

▼ つまずきやすい3か所と、対応するステップ

つまずく場面起きること対応するステップ
既存契約の移行工数を見誤る紙の契約書のスキャンとデータ化が終わらず、稼働日が延びるステップ4
台帳項目を決めずに取り込む取り込んだあとに項目を足すことになり、過去分の入力し直しが発生するステップ4
現場が使わない気づくと紙と押印の運用に戻り、契約書が二重管理になるステップ6

3つとも、製品の機能ではなく段取りで防げます。それぞれの防ぎ方は以降の章で解説します。なお、製品を絞るステップ3は要件定義ができていれば短く済むため、本記事では章を立てていません。

契約管理システム導入の目的と対象範囲と体制を決める

最初に決めるのは、何を解決したいのか、どの契約書を管理対象にするのか、誰が進めるのかの3つです。ここが決まると、次の要件定義で書き出す機能がぶれなくなります。

解決したい課題を5つに分解する

「契約書の管理を効率化したい」のままでは要件になりません。次の5つに分けると、必要な機能が具体的になります。

▼ 課題の5分解と、対応する機能

課題現場で起きている症状必要になる機能
検索必要な契約書を探すのに数分かかる全文検索と台帳の項目
期限自動更新に気づかず、解約の機会を逃す更新期限の通知
権限機密性の高い契約書を誰でも見られる部署・役職ごとの権限設定
原本紙の原本がどこにあるか分からない原本の保管場所を台帳に紐づける項目
移行過去の契約書が紙とPDFで混在している取り込みの手段とデータ化の体制

5つすべてを一度に解決しようとすると要件が膨らみます。最初の導入で必ず解決したいものを1つか2つに絞ると、判断が速くなります。

管理対象にする契約書の範囲を決める

最初から全社の全契約を対象にしないほうが、結果的に早く回り始めます。範囲は3つの軸で切れます。

▼ 対象範囲の切り方

軸切り方の例向いているケース
部署まず法務部と総務部が保管する契約書だけを対象にする契約書の保管場所が部署ごとに分かれている
契約種別不動産の賃貸借契約と業務委託契約から始める更新期限の管理が特に重い契約種別がある
締結時期現在有効な契約と、今後締結する契約に限る過去契約の量が多く、一度に扱いきれない

範囲を決めると、ステップ4で移行する契約書の母数が確定します。逆に範囲が決まらないまま移行に入ると、どこまで集めれば終わりなのかが分からなくなります。

法務と情報システムと事業部門で体制をつくる

契約管理システムは法務部門だけでは完結しません。契約書を実際に締結するのは事業部門で、システムの設定や連携は情報システム部門が担います。

体制で最も重要なのは、移行した契約書の内容が正しいかを誰が確認するのかを先に決めておくことです。ここが空白のまま移行を始めると、取り込んだデータの検証者がいないまま本稼働を迎えます。経理部門を早い段階から入れておくと、次の要件定義で扱う新リース会計基準の判定にもそのまま接続できます。

マンガでわかる!新リース会計基準強制適用企業の実務担当者が最初にやるべき取り組みとは?

契約管理システムの要件定義でチェックする機能

要件定義の目的は、自社の運用に必要な機能を自分たちの言葉で書き出すことです。製品ごとの優劣を比べる工程ではありません。なお、ここでいう要件定義はシステムを発注して開発するための要件定義ではなく、既製のシステムを選んで運用に載せるための要件整理を指します。

必須の機能とあると効く機能を切り分ける

契約書を保管して探せるだけでは足りません。締結後の管理まで含めると、確認する機能は次のように分かれます。

▼ 要件定義で確認する機能

区分機能確認するポイント
必須契約書台帳自社で使いたい項目を追加できるか
必須全文検索契約書の本文まで検索できるか
必須更新期限の通知誰に、いつ、どの方法で届くか
必須権限設定部署や役職の単位で閲覧範囲を分けられるか
必須操作履歴誰がいつ何を変更したかを追えるか
あると効く外部サービス連携電子契約サービスや会計システムとデータをやり取りできるか
あると効く文字認識と項目抽出紙の契約書をデータ化して台帳に反映できるか
あると効く原本の保管スキャン後の紙の原本の保管まで任せられるか

書き出すときは、いまの業務をそのままシステムに移さないことが大切です。紙の運用に合わせて作られた手順の中には、システム化すると不要になるものが含まれています。

電子契約サービスや会計システムとの連携を確認する

締結を電子契約サービスで行っている場合、締結済みのデータをどう受け取るかを確認します。複数の電子契約サービスを併用していると、出力される形式やファイルの構成がサービスごとに違うため、取り込みの手間が変わります。

会計システムとの連携は、契約金額や支払条件を二重入力しないために効きます。連携できない場合でも、出力した一覧を取り込める形式かどうかは確認しておくと、後の運用が軽くなります。

新リース会計基準への対応を要件に入れておく

これから契約管理システムを入れるなら、新リース会計基準の判定に耐える形で入れておくと、同じ作業を二度やらずに済みます。

TOKIUMは全国の経理・財務担当者1,100名に新リース会計基準の実態調査を行いました。契約書管理システムを導入する予定と答えた割合は67.6%です。重視する機能としてリース識別機能を挙げた割合は64.9%、リース資産管理との連携を挙げた割合は52.0%でした。※1

新リース会計基準は、これまで費用として支払うだけだった賃貸借の契約も、借手が原則として資産と負債を貸借対照表に載せることを求める会計基準です。どの契約が対象になるかは契約書の中身を読まないと分からないため、契約書を集めておく必要があります。

企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」は2024年9月13日に公表され、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されます。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から早期に適用することもできます。※2

TOKIUMでは、この新リース会計基準に該当する可能性がある契約を、AIが自動で判定する「TOKIUM AI新リース判定」を提供しています。2026年7月30日には、AIが判定の根拠とした契約書の条文をハイライト表示する機能を追加しました。※3

リースに該当するかどうかは、契約書に「リース」と書かれているかでは決まりません。中身を一件ずつ読む必要があります。読むためには、その前に全社の契約書が手元へ集まっていなければなりません。契約書をこれから集める導入のタイミングは、判定の対象になる契約書を同時にそろえられる時期でもあります。ここで注意したいのが、システムへ移行する優先度と、リース判定の対象範囲は別の軸だという点です。後述する仕分けでは移行しない契約が出ますが、リースに該当する可能性がある契約は、移行の優先度にかかわらず判定の対象に含めます。賃貸借の契約は拠点や部署に残っていることが多いため、棚卸しの段階で漏らさないようにしてください。

全社の契約書の棚卸しを土台に、契約管理システムの台帳づくりと新リース要件の判定の2つが乗る関係を示した図

新リース会計基準そのものの変更点や対応手順は、扱う範囲が広いため別の記事で解説しています。ここでは要件に入れておく理由だけを押さえてください。

●新リース会計基準への対応に関する記事はこちら

●リース識別のAI活用に関する記事はこちら

▶AI新リース判定のサービス詳細はこちら
※すぐに資料をお受け取りいただけます

契約管理システムへの移行は既存契約書の棚卸しから始める

ステップ4の中身を分解します。棚卸しから照合まで6つの作業があり、導入全体で最も工数がかかる工程です。他のシステムから乗り換える場合も、旧システムからの書き出し形式を確認する点が加わるだけで、基本の流れは変わりません。

棚卸しから取り込みと照合までの既存契約の移行6工程を示したフロー図

契約書の棚卸しでどこに何件あるかを把握する

既存契約の移行で最初にやるのは整理ではなく、全体量の把握です。完璧に並べ替える必要はありません。どこに、おおよそ何件あるかが分かれば次に進めます。

探す場所は想像より多く、法務部門の保管庫を見ただけでは棚卸しは終わりません。

▼ 契約書が眠っている場所と、起きがちなこと

場所起きがちなこと
部門の共有フォルダ命名規則がなく、どれが最新版か分からない
担当者個人のパソコン異動や退職でたどれなくなる
Excelの管理台帳台帳とファイルの実体が一致していない
紙のファイルやキャビネット拠点ごとに保管され、本社から見えない
電子契約サービスサービスごとに保管され、横断で検索できない
文書管理システム契約書以外の文書と混在している

拠点が分かれている企業では、この洗い出しが最初の関門になります。各部署に依頼して集めること自体に時間がかかるため、棚卸しの期限と、集める単位を先に決めておくと動きやすくなります。

契約書台帳に最低限必要な項目を先に決める

台帳の項目は、契約書を取り込む前に決めます。取り込んだあとに項目を足すと、過去分をさかのぼって入力し直すことになるためです。

最初から項目を増やしすぎる必要はありません。移行の段階で決めておきたいのは次の項目です。

▼ 移行前に決めておきたい台帳項目

項目決めておく理由
契約種別検索と権限設定の両方の軸になる
取引先名表記をそろえないと検索が機能しない
契約開始日と終了日更新期限の通知がここから計算される
自動更新の有無解約の申し入れ期限の管理に直結する
担当部署異動があっても引き継ぎ先をたどれる
原本の保管場所紙の原本を後から探せるようにする
契約金額と支払条件会計システムへ連携するときに二重入力を防げる
自動更新の予告期間期間満了の何か月前までに申し入れるかで通知日が決まる
親契約の番号基本契約と覚書の親子関係をたどれる

全文検索は契約書の中の言葉から探すのには効きますが、来月更新を迎える業務委託契約を担当部署ごとに一覧で出す、という探し方はできません。こちらは台帳の項目がないと成り立ちません。検索できない台帳になる原因は、検索機能そのものより項目の不足にあります。「あとで探すときに何をキーにするか」を先に考えると、必要な項目が見えてきます。基本契約と覚書のように1件の取引が複数の書面に分かれている場合は、親契約の番号でつないでおかないと、覚書だけが台帳に並んで現在の条件が読み取れなくなります。なお、移行するかどうかの仕分け結果は、システムの台帳ではなく棚卸し用の一覧に残します。移行しない契約はシステムに入らないためです。

移行する契約と移行しない契約を仕分ける

課題も範囲も絞ったのに、移行だけ全件やろうとして止まる。これがいちばん多いパターンです。優先度をつけて次の3段階に分けます。AとしてまずTOKIUM契約管理のような新しいシステムへ入れるのは、現在有効な契約、自動更新中の契約、金額や影響が大きい契約です。Bは終了しているが参照頻度が高い契約と、取引が続いている相手との過去契約で、Aが終わってから順に移します。Cは終了して保存期間も過ぎた契約、重複しているファイル、下書きや参考資料で、原則として移行しません。ただし終了していても、損害賠償や保証の可能性が残る契約と、秘密保持のように契約が終わったあとも義務が続く契約は、Cに入れずAかBで扱ってください。

移行する契約書をA必ず移行・B可能なら移行・C原則移行しないの3段階に分ける仕分けの図

仕分けの前に、法定の保存期間と社内規程を確認してください。移行しない契約も保存義務は残ります。対象から外した契約書は、件数と外した理由を一覧に残しておくと、あとで説明できます。

●契約書の保管期間に関する記事はこちら

紙の契約書をデータ化し、原本の置き場所を決める

紙の契約書は、スキャンしてPDFにするだけでは検索できません。契約書名や取引先名を項目として取り出して初めて、台帳から探せる状態になります。

この項目の取り出し作業で工数が跳ね上がります。スキャンを請け負う業者の多くは、紙をPDFにするところまでを担当します。そのPDFから契約書名や取引先名を読み取って台帳へ入れる作業は自社に残り、これが想定外の負担になりやすいためです。

TOKIUM契約管理では、紙の契約書をTOKIUMへ郵送すれば、製本された契約書を非破壊でスキャンする作業まで代行します。利用する企業の作業は郵送だけで済みます。スキャンした契約書は保管まで引き受けており、原本はいつでも1件単位で取り出せます。※4

スキャン後の紙の原本をどう扱うかは、保存が求められる書類の種類や社内規程によって変わります。一律に処分してよいとは限らないため、税務は顧問税理士や監査法人、訴訟での扱いは顧問弁護士、社内の可否は文書管理規程、というように確認先を分けて判断してください。

●紙の契約書の電子保存に関する記事はこちら

表記ゆれを整えてから取り込む

取り込む前にデータをそろえておかないと、検索できない台帳ができあがります。そろえる対象は、主に取引先名と日付です。あわせて、どのファイルが正式版かも取り込み前に確定させます。

▼ 整えておく3つの表記

対象よくある状態そろえ方
取引先名「株式会社〇〇」と「〇〇(株)」が混在している正式名称に統一し、略称は検索用の別項目に持つ
日付年月日の区切り方や和暦と西暦が混ざっている台帳の入力形式を1つに決める
ファイルの版同じ契約の最新版が複数あり、どれが正か分からない締結日と押印の有無で正式版を特定する

文字認識と項目抽出で台帳を自動で作る機能があれば、この工程の人手は減らせます。ただし読み取りの精度は紙の状態に左右されるため、抽出した項目をそのまま正とせず、人が目視で確認する手順は残しておいてください。

取り込んだ一部を原本と突き合わせて確認する

移行の最後は検証です。いきなり全件を入れず、まず100件から500件程度を取り込み、原本と突き合わせます。

▼ 取り込み後に確認する7点

確認項目見るところ
ファイル契約書が正しく開き、ページの抜けがない
取引先台帳の取引先名が契約書と一致している
契約期間開始日と終了日が契約書のとおりに入っている
自動更新自動更新の有無が正しく設定されている
更新通知期限が近い契約で通知が想定どおり飛ぶ
権限限定公開にすべき契約書が他部署から見えない
検索取引先名や契約種別で目的の契約書にたどり着ける

ここで見つかった不具合は、多くが台帳項目か表記の問題です。全件を入れてから直すより、サンプルの段階で設定を調整するほうが手戻りが小さく済みます。

TOKIUM契約管理のご案内

契約管理の運用ルールと権限設定を決める

移行が終わったら、誰がいつ何を登録し、誰がどこまで見られるかを決めます。ここを決めずに本稼働すると、契約書が入っていない期間ができたり、見えてはいけない契約書が共有されたりします。

登録と更新と削除のルールを決める

運用が崩れる原因の多くは、登録のタイミングが決まっていないことにあります。締結後すぐなのか、月次でまとめてなのかを決め、担当を明記してください。

あわせて、今後締結する契約書は必ず契約管理システムに登録するという一文を社内規程に入れておくと、運用が定着しやすくなります。削除については、誰の承認があれば消せるのかを決めておくと、あとから履歴をたどれます。

閲覧権限を設計し、操作履歴の残し方を決める

権限は役職だけで切ると、うまく当てはまらない契約書が出てきます。契約種別と部門と操作の3つを組み合わせて設計すると、過不足が見えやすくなります。

TOKIUM契約管理では、フォルダごとにユーザー単位で権限を設定できます。

操作履歴は、残すこと自体より、いつ誰が見返すかを決めておくことが大切です。操作履歴が効いてくるのは、契約書が差し替えられていないことを示すときと、権限を誰がいつ変えたかをたどるときです。どこまでの記録が必要かは、自社の内部監査部門や監査法人に確認してから設定してください。

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テスト運用から社内定着までの進め方

最後の工程は、使われる状態をつくることです。小さく試し、旧管理方法を閉じる日を決め、現場が使わなくなる原因を先に潰します。

一部門で小さく始めて検証する

全社へ一斉に展開するより、1つの部門で先に回したほうが失敗が小さく済みます。ここまで絞ってきた考え方を、展開にも当てはめます。向いているのは、契約件数が多すぎず、更新期限の管理に困っている部門です。困りごとがある部門ほど協力が得られます。

契約件数が多い企業では、部署ごとに段階を分けて移していく進め方もあります。先行した部門で出た設定の調整を次の部門に反映できるので、後になるほど負荷が下がります。

旧管理方法との並行運用は終了期限を決める

新旧の並行運用は、始める前に終える日を決めておきます。以降に締結する契約を新しいシステムだけに登録すると決めた日。これを本記事では凍結日と呼びます。期限を決めずに走らせると、どちらが正しい情報なのか分からない状態が続きます。

新システムと旧台帳の並行運用を3か月で終える切り替えスケジュールを示したタイムライン図

凍結日を過ぎたら、旧台帳は閲覧だけに絞ります。更新期限の通知も新しいシステムへ移してください。確認する場所が1つになれば、現場は迷いません。

現場が使わない状態を防ぐ

導入が形だけで終わる原因は、操作の難しさよりも、推進する側と使う側で必要性の感じ方が違うことにあります。

法務や情報システムが主導して進めると、契約書を実際に締結する事業部門にとっては、新しい手順を覚える手間だけが増えたように見えます。要件定義の段階で事業部門を入れておくと、この差は小さくなります。

TOKIUM契約管理では、専任の導入コンサルタントが運用開始まで支援します。運用が始まったあとも、利用中のユーザーであれば誰でもサポートセンターへ直接質問できる体制をとっています。

TOKIUM契約管理のご案内

TOKIUM契約管理の導入事例

実際に導入した企業3社について、どこでつまずき、何を決め手にしたのかを紹介します。

部署ごとに契約書が散在していた日本石油輸送

日本石油輸送株式会社は、部署ごとに散在していた契約書の一元管理と、新リース会計基準への対応に向けた契約書の精査を目的にTOKIUM契約管理を導入しました。同社では契約書が紙と電子で混在し、管理を各部署に任せていたため、検索や情報の共有に時間を要していたといいます。締結済みの契約書は8,000件以上あり、スキャンをはじめとする契約書の取り扱い作業で約1,000時間以上の削減を見込んでいます。※5

選定の決め手に挙げられたのは、原本のスキャン代行から保管までをまとめて任せられる点でした。担当者の交代時に引き継ぎが十分でなく、人による管理に限界を感じていたことも背景にあります。

2,000件以上の契約書をほとんど紙で保管していたラコステ ジャパン

株式会社ラコステ ジャパンは、2,000件以上の契約書のほとんどを紙で保管しており、必要な契約書をすぐに取り出せない状態にありました。契約書の一部は外部に委託してスキャンを進めていたものの、検索できる状態にするためのデータ化は自社に残り、時間と工数がかかっていたといいます。紙の契約書を送付するだけでスキャンからデータ化、原本保管までを一括で代行する点が決め手になりました。※6

ラコステ ジャパンの例は、スキャンの委託先を決めても移行が終わらない場合があることを示しています。どこまでを一括で任せられるのかは、委託先を選ぶ段階で確認しておきたい点です。

約1,000件の契約書の確認が負担になっていた芙蓉アウトソーシング&コンサルティング

芙蓉アウトソーシング&コンサルティング株式会社は、新リース会計基準への対応に向けてTOKIUM契約管理とTOKIUM AI新リース判定を導入しました。決め手になったのは、AIが契約書を自動で読み取り、リースを含む可能性まで判定できる点です。全社で約1,000件に及ぶ契約書の判定にかかる時間について、年間で約350時間の削減を見込んでいます。判定の根拠になった条文もあわせて表示されるため、担当者ごとのばらつきなく、部門として一貫した基準で対応できる点も評価されています。※7

3社とも、契約書を集めるところと、集めたあとに検索できる形へ変えるところで工数が発生していました。この負担をどう分担するかが、導入を進められるかどうかの分かれ目になります。

マンガでわかる!新リース会計基準強制適用企業の実務担当者が最初にやるべき取り組みとは?

契約管理システムならTOKIUM

導入の手順を最後まで進めても、稼働した翌月から契約は増え続けます。決めておきたいのは、新しく締結した契約を誰が登録し、更新期限を誰が見て、判定の根拠を誰が残すのかです。導入プロジェクトの体制は解散しますが、運用は続きます。TOKIUM契約管理は、初年度の移行と、そのあとも続く登録や更新期限の管理を同じ場所で扱えるように設計されています。

TOKIUM契約管理は、契約書のスキャンと原本管理を代行し、新リース会計基準への対応まで支援するクラウド契約書管理システムです。契約書の管理台帳をAIが自動で作り、契約にリースを含む可能性があるかどうかもAIが判定します。判定の根拠になった条文はハイライトで示されるため、なぜそう判断したのかを後から説明できます。

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※すぐに資料をお受け取りいただけます

初年度の移行と、その後の判定結果や更新期限の管理を同じ台帳の上で続けられます。担当者が交代しても、どの契約をどう扱ってきたかを台帳からたどれます。契約書の一元管理と新リース会計基準への対応をあわせて検討している方は、TOKIUM契約管理の無料の製品資料で、機能と導入の流れをご確認ください。

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契約管理システムの導入と移行でよくある質問

導入を検討する段階でよく聞かれる質問をまとめます。

紙の契約書が大量にあっても導入できますか

導入できます。ただし紙の量がそのまま移行の工数になるため、自社でスキャンとデータ化を担うのか、代行を使うのかを先に決めてください。紙が数千件を超える場合は、先に現在有効な契約だけを移し、過去分は段階的に進める方法もあります。

Excel台帳から移行するときの注意点はありますか

台帳の列とシステムの項目をどう対応させるかを、取り込みの前に決めておくことです。あわせて、台帳に書かれた取引先名に表記ゆれがないか、台帳の行と実際のファイルが一致しているかを確認します。Excelでの管理を続けるかどうかの判断は、契約件数と更新期限の管理が追いついているかで分かれます。

いま使っているシステムから乗り換える場合は何が違いますか

新規導入との違いは3点あります。旧システムからどの形式でデータを書き出せるか、旧システムの解約をいつにするか、更新期限の通知をいつ新システムへ移すかです。書き出せる項目が限られている場合、不足分は契約書から取り直すことになるため、乗り換えの検討段階で確認しておくと安全です。

契約書の原本を外部へ送るとき、社内でどんな確認が要りますか

文書管理規程で原本を社外に預けてよいかを先に確認してください。あわせて次の3点を決めておきます。輸送中に紛失や毀損があったときの責任範囲。預けている間に原本が必要になったときの取り出し方法。そして、機密性が高く送らないと決める契約の線引きです。係争中の案件や人事関係の契約は、送付の対象から外す判断をする企業もあります。

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  1. 新リース会計基準に関する実態調査(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
  2. 企業会計基準委員会 企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等の公表(公表文書 p.20 適用時期・リース会計基準第58項)(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
  3. TOKIUM AI新リース判定、AI判定の根拠条文をハイライトする機能を追加(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
  4. TOKIUM契約管理(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
  5. 日本石油輸送株式会社|TOKIUM導入事例(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
  6. ラコステ ジャパン、TOKIUM契約管理で契約書業務の効率化を実現(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
  7. 芙蓉アウトソーシング&コンサルティング、新リース会計基準への対応に向けTOKIUMを導入(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
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