内部統制

契約書管理とは?契約書の管理方法と台帳・ルールの作り方

更新日:2026.09.17

この記事は約 11 分で読めます。

契約書管理_管理方法と台帳

契約書管理とは、締結した契約書を集めて台帳にし、期限と閲覧範囲を管理し続ける業務のことです。契約書を結ぶところまでではなく、結んだ後に始まる仕事を指します。

担当になって最初に困るのは、たいてい同じ3つです。どこに何があるか分からない。更新の期限に気づけない。エクセルで台帳を作ったが、いつの間にか更新が止まっている。これらは意識の問題ではなく、集め方・台帳の項目・ルール・担当の決め方が抜けているだけのことがほとんどです。

この記事では、契約書の管理方法を4つに整理したうえで、台帳に入れる項目、ルールとして決めること、紙の原本を紛失させない扱い方、そして最後に誰がこれを回し続けるのかまでを順に書きます。本記事は、クラウド契約書管理システム「TOKIUM契約管理」を提供するTOKIUMが解説します1。

契約書管理とは?契約管理との違いと締結後に必要なこと

冒頭で書いたとおり、契約書管理が指すのは締結した後の仕事です。集める、台帳にする、期限を見る、見せる範囲を決める。この4つを続けることを言います。契約を結ぶまでの工程を含めて呼ぶときは、契約管理と呼び分けることがあります。

そもそも契約は、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しないとされています2。契約書を保存する年数や、電子で受け取った契約書の保存の要件には法令の定めがあります。一方で、どう集めてどう台帳に載せるかまでを決めた法律はありません。だからこそ会社ごとにやり方がばらつき、担当者が代わると崩れます。

ただし、保証契約のように書面でしなければ効力を生じないものもあります。保証契約は、その内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなされます2。保証契約なら書面か電子データのいずれかが必ず存在するはずなので、棚卸しで出てこなければどちらの形で保存されているかから確認することになります。

契約管理と契約書管理の違いは、締結前の工程を含むかどうか

契約管理は、契約書の作成や社内審査、締結までを含めた広い呼び方として使われます。契約書管理は、締結した後の書面と情報を扱う仕事を指します。本記事が扱うのは後者です。

厳密に使い分けている会社は多くありません。社内で話が噛み合わないときは、契約を結ぶまでの話なのか、結んだ後の話なのかを先に確認すると早いです。締結前の審査や承認の流れは、本記事では扱いません。

契約書管理でやることは集める・台帳にする・期限を見る・見せる範囲を決めるの4つ

契約書管理の中身は、次の4つに分けると整理できます。どれか1つが欠けると、残りが機能しません。

▼ 契約書管理でやること4つ

やること目的この記事の該当箇所
契約書を1か所に集めるどこに何があるかを分かる状態にする管理方法の4つ/担当と体制
台帳にする中身を開かなくても条件と期限が分かるようにする台帳の作り方と項目
期限を見る更新漏れと意図しない自動更新を防ぐ台帳の項目/担当と体制
見せる範囲を決める機密情報の閲覧を必要な人に限るルールと規程

順番にも意味があります。集めていない契約書は台帳に載らず、台帳にない契約書の期限は見られません。上から順に手をつけるのが、結局いちばん早いです。自社がどこで止まっているかを確かめながら読み進めてください。

契約書管理の4つの工程

4つのうち、最初の「集める」でつまずく会社が多いのは、契約書が法務だけでなく営業や購買、グループ会社の手元にも散っているからです。集める段階を飛ばして台帳の様式から作り始めると、埋める材料がないまま止まります。

契約書管理ができていないと起きること

契約書管理が回っていない会社で起きることは、だいたい決まっています。ここでは症状を3つに絞り、それぞれどこで直すかまで示します。

必要な契約書がすぐに出てこない

取引先から契約条件を聞かれて、すぐ答えられない。監査で提出を求められて探し回る。この「出てこない」は、原因が3つに分かれます。

1つ目は、そもそもどこにあるか分からない状態。営業部の書庫か、法務のキャビネットか、担当者の手元かが決まっていません。2つ目は、台帳がない、または古いまま止まっている状態。3つ目は、ファイル名の付け方がばらばらで、フォルダの中を目で追うしかない状態です。

「探せない」は検索の問題ではなく、集め方と台帳と名前の付け方の問題です。1つ目は担当と体制の話、2つ目は台帳の話、3つ目はルールの話として、それぞれ後の章で扱います。

●契約書のAI-OCRに関する記事はこちら

更新期限や解約の予告期限に気づけない

契約期間が切れていたことに、切れてから気づく。逆に、やめるつもりだった契約が自動で更新されている。どちらも契約書の中に条件が埋もれていることが原因です。

実務でやっかいなのは、取引先ごとに条件の違う覚書が何本もぶら下がっているケースです。本契約は年単位でも、覚書だけ期間が短い。放っておくと、相手に有利な条件のまま更新されます。期限は本契約だけでなく、覚書や変更契約の単位で見る必要があります。

対策は台帳の項目の持ち方にあります。終了日と解約の予告期限を分けて持つ方法は、後の章で扱います。

新リース会計基準の洗い出しに契約書がそろわない

経理が契約書を必要とする場面は、未払の計上根拠や期末の残高確認など元々あります。そこにもう1つ増えました。会計基準の改正です。

企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されます。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から早期に適用することもできます3。この基準では、契約の締結時に、契約の当事者は、当該契約がリースを含むか否かを判断するとされています3。リース契約という名前が付いていない契約でも、リースを含むと判断される可能性があります。

つまり、各部署が結んだ契約書を集めないと、そもそも何を判定すればよいかが分からない状態になります。TOKIUMが全国の経理・財務担当者を対象に実施した調査(2025年7月、インターネット調査、有効回答1,100人)では、企業会計基準委員会が定める内容をもとに正しくリースの識別ができると答えた人が89.0%だったのに対し、リースの識別に関する問題の正答率は48.2%にとどまりました4。同じ調査で、適用開始後の業務に不安を感じていると答えた人は75.5%でした。

不安の主な要因として挙げられたのは、適用開始後の社内ルールの構築が59.8%、業務量の増加が47.8%、専門知識を持つ人材の不足や業務の属人化が43.3%でした4。リースの識別が正しく行えるかは36.1%でした。最も多かったのは判定そのものではなく、適用後に社内でどう回すかという項目です。契約書を集める仕組みと担当の決め方は、判定に着手する前の段階で効いてきます。

最初の適用期は決算期によって変わります。3月決算なら2027年4月から始まる期、12月決算なら2028年1月から始まる期が最初の適用期です。

適用初年度については、期首時点で存在する契約を対象に、その時点で存在する事実及び状況に基づいて判断することとされています3。3月決算で2027年4月から始まる期に適用するなら、そろえておきたいのは2027年4月1日時点の状態です。台帳が必要になるのは2027年3月まで。そこから判定と会計処理を決める時間を引くと、契約書を集め終えたいのは2026年のうちということになります。

判定そのものの中身は本記事では扱いません。ここで押さえておきたいのは、契約書が各部署に散っていると、この洗い出しが適用初年度の期首に間に合わなくなるという点だけです。

●AIによるリース識別に関する記事はこちら

●新リース会計基準の経過措置に関する記事はこちら

新リース会計基準に向けた契約書の洗い出しスケジュール

出典:企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」/企業会計基準適用指針第33号(最終確認日:2026年9月16日)

この逆算に間に合わせるには、どこに何本の契約書があるかを先に把握しておく必要があります。対象になるのはリース契約という名前が付いた契約だけではないため、集める範囲は「賃貸借や業務委託の形をとっている契約も含める」と決めておきます。

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契約書の管理方法は紙・共有フォルダ・エクセル台帳・システムの4つ

契約書の管理方法は、大きく4つに分かれます。どれが正しいということはなく、契約の本数と関わる人数が増えたときに、どこで続かなくなるかが違います。

▼ 契約書の管理方法4つ

管理方法向く場面できること続かなくなる場面
紙のままファイリングする契約が少なく、扱う人が限られる原本をそのまま保管できる拠点が増える/在宅で確認できない
共有フォルダにPDFを置く電子で受け取る契約が増えてきたその場で開ける/複数人で見られるファイル名がばらつく/期限を追えない
エクセルで台帳を作る契約の本数を一覧で把握したい条件と期限を一覧で見られる入力する人が増える/更新が止まる
契約書管理システムを使う部署をまたいで契約書が増えた台帳と書面をひもづけ、期限を通知できる運用ルールを決めずに入れると使われない

自社がどこにいるかは、次の3つで見当がつきます。契約書を探すとき、まず誰かに聞くか。台帳を開いて最終更新日がいつか分かるか。更新期限に気づくきっかけが、人の記憶以外にあるか。

1つでも答えに詰まるなら、いまの方法はすでに限界を超えています。ただし、いきなり方法を変える必要はありません。紙と共有フォルダのままでも、台帳とルールを整えれば当面は回ります。

●契約書管理システムの比較に関する記事はこちら

紙で保管する方法と共有フォルダに置く方法

多くの会社は、この2つを併用しています。紙で受け取ったものは書庫に、電子で受け取ったものは共有フォルダに。分けること自体は問題ありません。

問題になるのは、どちらにも一覧がないときです。紙と電子のどちらに何があるかを行き来しながら探すことになり、そのうち誰も全体を把握できなくなります。置き場所を2つに分けるなら、紙と電子の両方を1つの一覧でまとめて見られる台帳が要ります。

紙と電子が混ざったまま管理する場合に決めること

紙と電子が混ざる期間に決めておきたいのは2点です。1つは、どちらが原本なのかを契約ごとに台帳に書くこと。相手方が原本を持つ契約もあるので、自社の控えなのか原本なのかまで書き分けます。もう1つは、同じ種類の契約で保存方法を混在させないことです。紙をスキャンしたときの原本の扱いや、電子帳簿保存法の検索要件は次の記事で詳しく扱っています。

●紙の契約書のPDF保管と原本の扱いに関する記事はこちら

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契約書管理台帳の作り方と入れておきたい項目

契約書管理台帳とは、契約書の中身を開かなくても条件と期限が分かるようにした一覧のことです。契約管理台帳と呼ぶこともあります。

作るときに最初につまずくのが項目です。台帳は項目を増やすほど埋まらなくなります。最初は十数項目にしぼって始めて、運用が回ってから足すほうが結果的に続きます。

最初に入れる項目と後から足す項目を分ける

まず入れるのは、探すため、期限を追うため、金額と支払条件を押さえるため、責任の所在を示すため、原本と電子ファイルの置き場所を示すための項目です。

▼ 最初に入れる14項目

項目何のために持つか記入例
管理番号探すTKM-2026-営業-001
自社側の締結主体探す株式会社〇〇(本体)/〇〇販売株式会社
契約書名探す業務委託基本契約書
契約の相手先探す株式会社△△
親契約の管理番号探す覚書のときに元の契約番号を入れる
締結日期限2026/10/01
契約開始日期限2026/10/01
契約終了日期限2027/09/30
自動更新の有無期限有/無/要確認
解約予告期限期限2027/06/30(定めがなければ「定めなし」、未確認は「要確認」)
契約金額と支払条件金額月額〇〇円/従量制
所管部署と社内担当者責任営業部・〇〇
原本の保管場所所在本社書庫A-03
電子ファイルの保存先所在共有フォルダのパス

後から足す候補は、解約条件と違約金、秘密保持や個人情報の条項の有無、契約書の最終確認日です。これらは全件を埋めようとすると止まるので、重要な契約から段階的に入れます。

新リース会計基準の洗い出しを同時に進める会社は、ここに借りている物や場所と、更新・解約のオプションの有無の2列を足しておくと、判定の一次的なふるい分けに使えます。

自社側の締結主体を列に持つのは、グループ会社や拠点をまたぐ会社では必須です。同じ取引先と親会社と子会社の両方が契約していることがあり、法人で切れない台帳は、集め始めて1か月で混ざります。

契約終了日と解約予告期限は別の項目で持つ

台帳に終了日しか持たないと、更新漏れは防げません。期限は2つあるからです。

自動更新の契約では、「期間満了の3か月前までに書面で申し出なければ同一条件で更新する」といった条項が置かれます。この申し出の締切が解約予告期限で、契約終了日より前に来ます。終了日だけを見ていると、気づいたときには予告期限を過ぎている。もう1年続けるしかありません。

台帳には、終了日、自動更新の有無、解約予告期限の3つを別の列で持ちます。予告期間の条項を確認して、条項がなければ空欄にせず「定めなし」と入れます。まだ確認できていない契約は「要確認」。終了日から逆算した日付を予告期限の列に入れるのは、定めがあるものだけです。

たとえば契約期間が2026年10月1日から2027年9月30日までで、「期間満了の3か月前までに申し出がなければ更新する」という条項があるとします。このとき台帳に入れるのは、終了日の2027年9月30日と、予告期限の2027年6月30日の両方です。6月末を過ぎると、この契約は同じ条件で続くことになります。

気をつけたいのは、意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずるとされている点です2。契約書に発信した時を基準とする定めが置かれていることもあるため、条項の書きぶりを確かめたうえで社内の締切を決めます。台帳に6月30日とだけ書いて当日に発送しても間に合いません。予告期限そのものとは別に、社内の決裁と発送にかかる日数を引いた社内の締切も持たせます。決裁に2週間、郵送に数日かかる会社なら、6月30日の予告期限に対して社内の締切は6月中旬になります。

覚書で期間だけを変えている契約は、とくに注意が要ります。本契約の終了日を見ていても、覚書のほうが先に期限を迎えることがあるためです。期限は契約書の単位ではなく、期間を定めた文書の単位で持ちます。

入力のばらつきを防ぐ書き方を決めておく

台帳が使えなくなる原因の多くは、項目ではなく入力のばらつきです。決めておくのは5つです。

▼ 台帳の入力で決めておく5つ

決めること決め方の例
日付の書き方YYYY/MM/DD に統一する。文字列ではなく日付の値で入れる(並べ替えと条件付き書式が効かなくなるため)
会社名の書き方契約書に記載された正式名称で書く/略称や通称を使わない
契約期間の入れ方「締結日から1年間」でも、実際の終了日を計算して入れる
未記入のときの書き方空欄にせず、契約書に定めがないときは「定めなし」、確認できていないときは「要確認」と書き分ける
覚書・変更契約の扱い元の契約の管理番号にひもづけて登録する

空欄を許すと、後から見た人には「まだ確認していない」のか「定めがない」のかが区別できません。要確認と書いてあれば、あとから確認すべき契約として拾えます。覚書のひもづけも同じで、本契約と切り離して登録すると、期限だけが孤立して見落とされます。

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契約書管理をエクセルで続けられる条件と限界

エクセルの台帳はよくないと言われがちですが、条件がそろえば十分に回ります。問題は、その条件が崩れたときに気づきにくいことです。

エクセル台帳が回っている会社に共通すること

うまくいっている会社には共通点があります。台帳に入力する人が1人か2人に決まっていること。期限を見る担当が決まっていて、見る日も決まっていること。そして、新しく登録する契約が月に数件の範囲に収まっていることです。

この3つがそろっているなら、エクセルのままで問題ありません。無理に方法を変えるより、前の章で挙げた項目と入力ルールを整えるほうが効果があります。

エクセルでは回らなくなる場面

逆に、次のどれかが起きると続かなくなります。

▼ エクセル台帳が回らなくなる4つの場面

起きること何が困るか
入力する人が3人以上になる入力ルールの解釈が人によってずれ、表記や粒度がそろわなくなる
期限を人が見に行く運用のままになる見る人が休んだ月や異動した月に、確認そのものが飛ぶ
部署ごとに見せたい範囲が違ってくるファイル単位でしか権限を分けられず、全部見せるか見せないかの二択になる
いつ誰が直したか分からなくなる内容が変わった理由を後から説明できず、監査で証跡を求められたときに困る

何件を超えたら限界、という線引きはありません。判断の基準は件数ではなく、関わる人数と、期限を人の記憶に頼っているかどうかです。とくに「いつ誰が直したか分からなくなる」は、変更の記録を求められる場面でだけ問題になるため、普段は気づけません。

移すかどうかを決めるとき、全件を一度に移す必要はありません。有効な契約だけを先に移して、終了した契約はエクセルに残すやり方でも運用は成立します。移す順番を決めずに全件を対象にすると、準備の段階で止まります。

●契約管理と内部統制に関する記事はこちら

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契約書管理のルールと契約書管理規程に書くこと

ルールは作った瞬間がいちばん守られていて、そこから薄れていきます。守られるルールにするコツは、決めごとを減らして、守れたかどうかを確かめられる形にすることです。

文書の名前は契約書管理規程とすることが多いですが、最初から規程の形にする必要はありません。契約書の流れに沿って、3つの段階で決めていきます。

▼ 契約書管理のルールを決める3つの段階

段階決めること
締結前契約書のひな形を使う範囲/社内の確認を通す契約の条件(金額や契約類型)
締結時締結した契約書を置く場所/管理番号の付け方/覚書のひもづけ方
締結後台帳に登録する期限/ファイル名の付け方/閲覧と編集の権限/棚卸しの頻度

本記事で扱うのは締結後です。表の締結後にある決めごとのうち、棚卸しの頻度だけは次の章で扱います。締結前の審査の流れは、契約管理の側の話になります。

契約書管理ルールの3段階と決めること

締結後に何営業日で台帳へ登録するかを決める

台帳が古くなる原因は、登録のタイミングを決めていないことです。締結後3営業日以内など、自社で守れる日数を決めて、そこから動かさないようにします。

あわせて決めておきたいのが、登録していない契約書の扱いです。台帳に登録して初めて保管が完了したものとする、と決めておくと、現場が登録を後回しにしにくくなります。

ファイル名と保存先の付け方を決める

ファイル名でいちばん大事なのは、先頭に台帳の管理番号を入れて、台帳とファイルを同じ番号で行き来できるようにすることです。「TKM-2026-営業-001_業務委託基本契約書_株式会社△△」のような形にすれば、台帳で見つけた契約書をフォルダから探すときに迷いません。

番号の後ろを契約書名から書くか相手先から書くかは、どちらでも構いません。社内で1つに決めて、そこから動かさないことだけ守ります。

保存先は、有効な契約、終了した契約、ひな形の3つに分けるところから始めます。取引先ごとのフォルダを作るのは、本数が増えてからで間に合います。ファイルを上書きせず、変更前の版を残すことも決めておきます。

すでにファイルが数百件ある状態から名前をそろえるときは、全件を一度に直そうとしないことです。これから登録するものに新しいルールを適用し、既存のファイルは台帳から参照できるよう保存先だけ台帳に書き足していきます。古いファイル名をそろえる作業は、棚卸しのタイミングで少しずつ進めるほうが現実的です。

閲覧できる人の範囲と、異動・退職時の権限の外し方を決める

契約書には取引条件や単価が書かれています。全社員が見られる場所に置くわけにはいきません。閲覧、編集、削除の3つを分けて考えます。削除だけは原則として誰にも与えず、不要になった契約は削除ではなく終了の状態にして残すほうが安全です。消えた理由を後から説明できなくなるためです。

見落とされやすいのが、異動と退職のときに権限を外す手順です。入れるときのルールは作られても、外すときのルールは抜けがちです。人事の異動情報と突き合わせる日を決めておくと、棚卸しのついでに確認できます。

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契約書を紛失しない保管の仕方と原本の扱い

紙の契約書は、書庫にしまってある間に消えるわけではありません。なくなるのは、誰かが持ち出したまま戻っていない期間です。防ぐためにやることは3つだけです。

原本の置き場所は棚や箱の単位まで台帳に書く

「本社書庫」だけでは探せません。「本社書庫A-03」のように、棚の番号か箱の番号まで書きます。契約書の本数が増えるほど、この粒度が効いてきます。

あわせて、原本を自社が持っているのか、相手方が持っているのかも書きます。相手方が原本を持つ契約では、自社にあるのは控えです。控えしかないのに原本があると思い込んでいる状態が、いちばん危ないです。

持ち出しと返却を記録する

記録するのは3つです。誰が持ち出したか、いつ持ち出したか、いつ戻す予定か。紙の貸出簿でも構いません。

返却予定日を書いておくと、戻っていない契約書を後から拾えます。予定日がないと、持ち出されたまま何か月も気づかないことになります。

台帳と現物を定期的に突き合わせる

台帳は作った時点がいちばん正確で、そこから実物とずれていきます。年に1回など頻度を決めて、台帳と現物を突き合わせます。

このとき見つかるのは、いつも2種類です。台帳に載っていない契約書と、台帳にあるのに現物が見つからない契約書。前者は登録のルールが守られていない印、後者は持ち出しの記録が足りていない印です。

残すのは件数だけにしません。実施日、実施した人、見つかった差異、そして是正が終わった日をセットで記録します。件数だけでは、後から見たときに対応が済んでいるのかどうかが分かりません。

【⽇本⽯油輸送株式会社様】
過去契約書の集約や確認に要する時間を約1,000時間削減!

⽇本⽯油輸送株式会社ご担当者様の写真

⽇本⽯油輸送株式会社様では契約書が紙と電子で部署ごとに散在しており、必要な契約を探す手間と時間が常態化していました。加えて、オフィスリニューアルに伴う書類保管スペース縮小の必要性、そして新リース会計基準対応のために全社契約書の精査・判断作業が経理部門に大きな負荷を与える懸念もありました。

石油輸送は「TOKIUM契約管理」を導入。契約書のスキャン代行から原本保管までを一気通貫で任せ、AIによるリース該当性識別支援も活用することで、契約精査を効率化しました。

導入後、同社では過去に締結した8,000件以上の契約書のスキャン作業だけでも約1,000時間以上の削減を見込んでいます。さらに、新規契約締結に伴う作業時間も年間で100時間以上削減できると期待されています。総務部からは「導入によってペーパーレス化を実現する目処が立ちました」との声も上がっており、大幅な業務工数削減と社内スペースの有効活用を実現しています。

契約書管理を担当する部署と運用を続ける体制のつくり方

ここまでの話は、誰かが続けなければ意味がありません。契約書管理がうまくいかない会社の多くは、方法ではなく担当の決め方でつまずいています。

1人に全部を寄せると、その人がいなくなった時点で止まります。役割を3つに分けて、別々の人に持たせるのが基本形です。

主管部署と契約担当者と所管部署の3つに分ける

分け方の目安は次のとおりです。

▼ 契約書管理の3つの役割

役割持つ責任担うことが多い部署
主管部署台帳の様式、保管場所、権限、棚卸しの全体を決めて見る法務・総務
契約担当者台帳への登録、期限や金額の入力、相手先情報の確認各部署の担当者
所管部署契約が守られているかの確認、更新や解約の判断営業・購買・人事など

専任の法務がいない会社では、主管部署を総務か経理が兼ねることになります。その場合も、台帳を見る人と、契約の中身を判断する人は分けておくほうが安全です。更新するかどうかを、台帳を管理している人が1人で決める形にはしません。

契約書管理の3つの役割と契約書が集まる流れ

各部署やグループ会社に散った契約書をどう集めるか

台帳を作ると決めた後、最初の山がここです。契約書は法務だけが持っているわけではありません。営業が取引先と直接結んだもの、購買が発注時に取り交わしたもの、グループ会社が独自に結んだものが、それぞれの手元にあります。

集めるときに決めるのは3つです。

▼ 契約書を集めるときに決める3つ

決めること決め方の例
どの単位で出してもらうか部署単位/グループ会社単位。担当者を1人決めてもらう
いつまでに出してもらうか全件を一度に集めない。有効な契約から先に、期限を区切って集める
紙で出てきたものをどうするか社内でスキャンするか、外部に任せるかを先に決めておく

つまずくのはたいてい、紙で出てきたものをどうするかです。数百件、数千件の紙をスキャンして台帳に入力する作業は、通常業務の片手間ではまず終わりません。自社でやるのか外に出すのかを決めないまま始めると、集める工程で止まります。

進め方としては、まず各部署に「いま手元にある契約書の一覧」だけを出してもらう方法があります。現物を集める前に、どこに何本あるかを把握する段階を挟むということです。総量が見えれば、スキャンを自社でやるか外に出すかの判断材料になります。

グループ会社を含める場合は、様式の前に確認することがあります。グループ会社の契約書は別法人の情報で、秘密保持の条項によっては原本やPDFそのものを親会社に渡せない契約もあります。まず契約の存在と期限だけを一覧で出してもらい、現物を共有できるかは契約ごとに確認するという二段構えにすると止まりません。

そのうえで、提出の様式を先に配ります。様式がないまま依頼すると、会社ごとに粒度の違う一覧が返ってきて、結局こちらで作り直すことになります。最初に配る様式は、「契約書管理台帳の作り方と入れておきたい項目」で挙げた項目と同じにしておくと、そのまま台帳に載せられます。

運用が続いているかを確かめる

ルールは決めた後に薄れます。年に一度、次の3つだけ確かめます。

登録の期限が守られているか。台帳に要確認のままの欄が残っていないか。異動した人の権限が外れているか。どれも決めたことが守られているかの確認であって、新しい決めごとを増やす場ではありません。

そのうえで残るのが、この運用を誰の手で回し続けるのかという問題です。集めて、入力して、期限を見て、権限を直す。契約書が一部署に収まっているうちは人手で回りますが、部署やグループ会社をまたぐと、担当者の作業量として現実的ではなくなります。

TOKIUM契約管理は、あらゆる契約書を一元管理するクラウドの契約書管理システムです1。紙の契約書はTOKIUMに郵送するだけで、製本されたままの状態で非破壊のスキャンを代行し、スキャン済みの契約書は保管まで代行します。原本はいつでも1件単位で取り出せます。AIが取引先名や契約期間、自動更新の有無といった契約内容を読み取って管理台帳を自動で作り、毎月1日に、更新の対応が迫っている契約の一覧を各担当者へメールで通知します。フォルダごとに閲覧と編集の権限を設定できるため、部署によって見せる範囲を変えることもできます。

契約内容にリースが含まれる可能性をAIが判定し、判定の根拠になった条文を契約書のPDF上にハイライトする機能もあります1。集めた契約書を郵送すればデータ化されるので、契約書のデータ化と新リース会計基準に向けた洗い出しを1つのシステム上で進められます。機能と導入の進め方は、下記の資料にまとめています。

▶AI新リース判定のサービス詳細はこちら
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契約書管理に関するよくある質問

本文の補足と、よくいただく質問をまとめました。

契約書の保管期間は何年ですか

契約の種類と、根拠になる法律によって変わります。年数の数え方の起点も法律ごとに違うため、自社の契約がどの定めに当たるかの確認が要ります。具体的な年数と起点は、次の記事で扱っています。

●契約書の保管期間に関する記事はこちら

紙の契約書をスキャンしたら原本は捨ててよいですか

スキャンしたからといって、すぐに原本を処分してよいとは限りません。電子帳簿保存法の要件を満たしているかどうかと、訴訟になったときに原本を求められるかどうかは別の話です。判断の材料は次の記事にまとめています。

●紙の契約書のPDF保管と原本の扱いに関する記事はこちら

一元管理と一括管理は何が違いますか

一括管理は、契約書を1か所にまとめて置くことを指します。一元管理は、置き場所が分かれていても、台帳で1つにまとめて見られる状態を指して使われることが多い言葉です。紙と電子が混在する会社では、置き場所を1つにできないため、目指すのは一括ではなく一元のほうになります。

契約書管理台帳のテンプレートはありますか

配布されているものもありますが、項目が多すぎて埋まらないことがよくあります。本記事で挙げた項目から始めて、運用が回ってから必要なものを足すほうが続きます。テンプレートを使う場合も、最初から全部の列を埋めようとしないことをおすすめします。

法務がいない会社では誰が担当すればよいですか

総務か経理が兼ねることが多いです。大切なのは部署名ではなく、台帳を管理する人と、契約の更新や解約を判断する人を分けておくことです。1人が両方を持つと、更新の判断が確認されないまま通ってしまいます。

  1. TOKIUM契約管理(TOKIUM公式)(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
  2. 民法 第522条第2項/第446条第2項・第3項/第97条第1項(e-Gov法令検索)(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
  3. 企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」第25項・第26項・第58項/企業会計基準適用指針第33号 第119項(2)(企業会計基準委員会)(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
  4. 新リース会計基準に関する実態調査(TOKIUM・2025年7月24日/調査期間2025年7月16〜17日・インターネット調査・有効回答1,100人)(最終確認日:2026年9月16日) ↩︎
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TOKIUM契約管理
新リース会計基準対応の「TOKIUM契約管理」サービス紹介資料
TOKIUM AI新リース判定のサービス資料

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