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法人カードによる経費精算は、立替精算や小口現金の負担を減らす有効な方法です。法人カードを利用すると、従業員が個人のお金で立て替える機会が減り、経理担当者は利用明細をもとに支払先や金額を確認しやすくなります。出張費、交通費、備品購入費、会議費など、会社の支出を可視化しやすくなる点もメリットです。
ただし、法人カードを導入するだけで経費精算が自動化されるわけではありません。領収書やレシートなど、支払いの中身がわかる書類を証憑と呼びます。この証憑の管理、証憑とカードの利用明細を照らし合わせる突合、私的利用や二重計上の防止、勘定科目の確認、会計ソフトへの入力。ここまで含めて運用を設計することになります。
そのため、カードの利用ルールを決めたうえで、経費精算システムとの連携や会計ソフトへのデータの流し方まで設計しておくことになります。
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法人カードによる経費精算で、まず押さえたいポイント
法人カードによる経費精算とは、従業員の立替をなくし、カードの利用明細を起点に申請・承認・会計処理を進める方法です。ただし領収書の保存と明細との突合は残るため、導入前に利用ルールと証憑提出の締め方を決めておくことになります。まずは担当者から寄せられることの多い疑問を整理します。
Q1. 法人カードによる経費精算とは何ですか?
法人カードによる経費精算とは、従業員が立て替えて精算するのではなく、会社名義のカードや法人向けカードで経費を支払い、その利用明細をもとに申請・承認・会計処理を進める方法です。現金の受け渡しや従業員の立替負担を減らしやすい点が特徴です。
Q2. 法人カードを使うと、経費精算はどう変わりますか?
現金払いや個人立替が減るため、申請者・承認者・経理担当者それぞれの負担を軽くしやすくなります。利用日や金額、利用先が明細で確認しやすくなるため、入力漏れや確認作業の手間を抑えやすい点もメリットです。
Q3. 法人カードにはどのようなメリットがありますか?
主なメリットは、立替精算の削減、経費利用状況の見える化、不正利用や申請漏れの防止につなげやすいことです。特に出張費や交通費、会議費など、継続的に発生する経費が多い企業では、精算業務の効率化を実感しやすくなります。
Q4. 法人カードを導入する際の注意点はありますか?
主な注意点は3つあります。カード利用分と立替分の二重計上、私的利用の線引き、そしてカード明細の確定日と社内の経費締め日のずれです。導入前に「誰が使うのか」「何に使えるのか」「領収書や申請はいつまでに出すのか」を決めておかないと、運用がかえって煩雑になります。
Q5. 法人カードはどのような企業に向いていますか?
出張や会食、備品購入などの立替精算が多い企業や、小口現金の管理負担を減らしたい企業に向いています。また、経費利用の可視化やガバナンス強化を進めたい企業にとっても、法人カードは導入効果を出しやすい手段です。
Q6. 経費精算システムと連携すると何が自動になりますか?
自動になるのは、明細の取り込み、経費データの作成、会計ソフトへの仕訳連携の3つです。領収書を集める作業と、明細と証憑の中身が合っているかの判断は人の手に残ります。
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法人カードを使った経費精算の流れ
法人カードを使った経費精算では、従業員が法人カードで支払った後、利用明細と領収書・レシートなどの証憑を確認し、承認・会計処理へ進めます。流れは、利用・申請・承認・会計処理の4つに分かれます。
▼ 法人カードを使った経費精算の4ステップ
| ステップ | やること | 経理担当者の確認ポイント |
|---|---|---|
| 1. 利用 | 従業員が法人カードで支払い、領収書やレシートを受け取る | 社内規程で認めた費目か。領収書を受け取っているか |
| 2. 申請 | 利用明細と証憑をもとに経費申請する | 申請が期限内に上がっているか。証憑が添付されているか |
| 3. 承認 | 上長と経理が申請内容を確認して承認する | 明細と証憑の日付・金額・支払先が一致しているか。私的利用や二重計上がないか |
| 4. 会計処理 | 勘定科目を確認して仕訳し、証憑を保存する | カード利用時と口座引き落とし時で処理を分けているか |
現金精算との違いが出るのはステップ2です。現金や個人立替では領収書を見ながら日付・金額・支払先を入力しますが、法人カードではその情報が利用明細に並びます。経費精算システムと連携していれば明細が自動で取り込まれ、連携していない場合もカード会社の明細を見ながら確認するだけで済みます。
ステップ3で経理担当者が見るのは、明細と証憑が食い違っている箇所です。支払いの事実は明細で確定しているため、全件を突き合わせるのではなく、差分を点検する形に変わります。

法人カードで経費を支払った場合、一般的にはカードを利用した時点で費用を認識し、口座から引き落とされた時点で未払金を消し込む流れになります。未払金とは、支払う義務は発生しているものの、まだ口座からお金が出ていない状態を記録する項目です。現金払いと異なり、支払日と口座引き落とし日がずれるため、経理処理ではタイミングを分けて考えることになります。
たとえば、法人カードで10,000円の備品を購入した場合、利用時と引き落とし時で以下のように処理します。
| タイミング | 仕訳の考え方 | 仕訳例 |
|---|---|---|
| 法人カード利用時 | 経費の発生として処理し、貸方は未払金で処理します。 | 消耗品費 10,000円/未払金 10,000円 |
| 口座引き落とし時 | 未払金を取り崩し、普通預金から支払った処理を行います。 | 未払金 10,000円/普通預金 10,000円 |
ここで、カード払いに切り替えると新しく発生する作業があります。カード会社からの引き落としは利用1件ごとではなく、締め日までの利用分をまとめた合計額で月に1回届きます。そのため経理は、カード会社別に計上した未払金の残高が翌月の請求額と一致するかを、月次で確認することになります。
差額が出たときは、申請がまだ上がっていない利用分が残っていないかを疑います。カード会社ごと、必要であればカード番号ごとに未払金の補助科目を分けておくと、この確認が進めやすくなります。利用件数が増えるほど、経理の月次作業はこの残高照合が中心になります。
手数料の勘定科目の選び方や、決算をまたぐ場合の処理など、法人カードの会計処理をさらに詳しく確認したい場合は、以下の記事をご覧ください。
●法人カードの経理処理に関する記事はこちら
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法人カードで経費精算を行うメリット
法人カードで経費精算を行うメリットは、立場によって現れ方が変わります。従業員は立替そのものがなくなり、経理担当者は入力と突合の作業が減り、経営層は月次が締まるのを待たずに部門ごとの支出を把握できるようになります。
▼ 立場別に見た法人カード導入前と導入後の違い
| 立場 | 法人カード導入前 | 法人カード導入後 |
|---|---|---|
| 従業員 | 自分のお金で立て替え、領収書を見ながら日付・金額・支払先を手入力する | 会社のカードで支払い、利用明細を確認して申請する |
| 経理担当者 | 小口現金を補充・実査し、申請内容と領収書を1件ずつ突き合わせる | 小口現金の残高を減らせる。明細で支払いの事実を確認したうえで領収書と照らし合わせる |
| 経営層 | 月次が締まるまで部門ごとの支出がわからない | 利用履歴から部門別の支出を追える |
従業員は立替そのものがなくなる
個人立替が多い運用では、従業員が一時的に経費を負担しなければならず、精算タイミングによっては負担感が大きくなります。出張や会食が多い職種では、立替額がかさみやすく、不満の原因になることもあります。
法人カードを活用すれば、会社の支出を会社のカードで処理できるため、従業員の金銭的負担や心理的負担が軽くなります。申請者側の負担を減らせることは、運用の定着にもつながります。
経理担当者は入力と突合の作業が減る
現金払いや個人立替では、利用日、金額、支払先を後から手入力するケースが多くなります。入力ミスや申請漏れが起こりやすく、経理担当者の確認工数も増えがちです。
突合の性質そのものも変わります。これまでは申請内容が正しいかどうかを領収書だけで判断していましたが、法人カードでは支払った事実が明細で確定しています。金額や支払先を疑う作業が減り、確認の中心は「その支出が業務に必要だったか」に移ります。
小口現金の負担も軽くなります。ただし、慶弔費や収入印紙、カードが使えない店舗での支払いは残るため、廃止ではなく枠を縮小して実査の頻度を下げる、というのが現実的な着地です。
小口現金の管理を法人カードへ置き換える具体的な進め方は、以下の記事で解説しています。
●小口現金と法人カードに関する記事はこちら
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経営層は月次を待たずに支出を把握できる
法人カードを利用すると、誰が、いつ、どこで、いくら使ったのかを把握しやすくなります。現金払いよりも支出の履歴が残るため、部署ごとの利用傾向や経費の偏りも確認できます。
ただし、金額が確定するのはカード会社の締め日を過ぎてからです。締め日前に見えるのは利用履歴であって確定額ではない、という前提で数字を扱うことになります。
経費の見える化が進むと、単に精算を楽にするだけでなく、無駄な支出の発見や利用ルールの見直しにもつながります。経費精算を単なる「後処理」で終わらせず、支出管理の改善につなげたい企業にとって、法人カードは有効な選択肢です。
法人カード利用時に領収書や証憑は必要?
法人カードで支払っても、加盟店から受け取った適格請求書等の保存が原則として必要です。カード会社が発行する利用明細は、消費税の仕入税額控除に使える請求書等には当たらないためです。なお仕入税額控除とは、経費の支払いで負担した消費税を、納める消費税から差し引ける仕組みを指します。
実務では、支出内容や社内ルールに応じて確認すべき書類が変わります。判断の流れを図で整理しておくとわかりやすくなります。

出典:国税庁「クレジットカード会社からの請求明細書」ほか(最終確認日:2026年8月28日)
法人カード決済で保存したい書類
法人カード決済では、利用明細だけでなく、取引内容がわかる書類をあわせて確認したいケースがあります。たとえば、領収書、レシート、売上票、注文確認メールなど、支出内容を補足できる書類が該当します。
どの書類を保存対象とするかは、支出の種類によって変わります。たとえば会食は誰と会ったかの記録が要りますが、備品購入はレシートだけで足ります。重要なのは、あとから「何に使った支出なのか」「業務上必要な支出だったのか」を説明できる状態にしておくことです。
領収書のまとめ方や保管方法については、以下の記事も参考になります。
●領収書の保管方法に関する記事はこちら
利用明細・売上票・領収書の違い
売上票とは、カード決済のときに店側が発行する控え(カード利用控え)のことです。利用明細は、カード会社側で集約された支払い履歴を確認するための資料で、売上票や領収書は、実際の取引時点の内容を示す書類として扱われます。
ただし、仕入税額控除に使えるかどうかは、書類の名前ではなく記載事項で決まります。売上票には登録番号や適用税率の記載がないことも多く、その場合は適格請求書の要件を満たしません。利用明細で支払いの事実を確認し、控除の可否は書類の記載事項で判断する、という使い分けになります。
法人カード決済と電子帳簿保存法
法人カード決済では、証憑をどう受け取ったかによって保存の方法が変わります。電子帳簿保存法では、取引情報の授受を電磁的方式で行う取引を電子取引と呼び、インターネット上のサイトを通じて取引情報を授受する取引もこれに含まれます。所得税(源泉徴収に係る所得税を除く)および法人税に係る保存義務者が電子取引を行った場合、その取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないとされています。保存には一定の要件があります。
つまり、加盟店からメールの添付ファイルやWebサイトで領収書・請求書を受け取ることは電子取引に当たります。この場合、一定の要件のもとでその電磁的記録を保存することになります。一方、店頭で受け取った紙の領収書をスキャナで読み取って保存する場合は、スキャナ保存の要件が適用されます。
スキャナ保存とは、国税関係書類の記載事項をスキャナで電磁的記録に記録する制度です。一定の要件のもとで、その電磁的記録の保存をもって書類そのものの保存に代えられます。 出典:国税庁「電子帳簿保存法の概要」(最終確認日:2026年8月28日)
法人カードを広く配ると、オンライン広告やクラウドサービスのように紙の領収書が出ない支出が増えます。どの証憑がどちらの保存区分になるのかを費目ごとに決めておくと、現場が迷いません。
インボイス制度で確認したいポイント
カード会社が発行する利用明細は、消費税法上の請求書等には該当しません。国税庁は、クレジットカード会社が利用者に交付する請求明細書等について、次のように整理しています。この書類を作成・交付しているのはカード会社であり、実際に商品やサービスを販売した加盟店ではありません。加盟店の氏名または名称および登録番号も記載されていません。そのため、消費税法第30条第9項に規定する請求書等には該当しないとされています。
したがって、請求明細書を保存しても仕入税額控除の適用は受けられません。加盟店から受け取った適格請求書等を保存することで、仕入税額控除の適用が認められます。
この取扱いは、令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づくものです。 出典:国税庁「クレジットカード会社からの請求明細書」(最終確認日:2026年8月28日)
ただし、税込1万円未満の課税仕入れには少額特例があります。対象となるのは、基準期間における課税売上高が1億円以下、または特定期間における課税売上高が5千万円以下の事業者です。法人の場合、基準期間は事業年度が1年であればその前々事業年度、特定期間は前事業年度の開始の日以後6か月の期間を指します。対象であれば、令和5年10月1日から令和11年9月30日までに行う税込1万円未満の課税仕入れは、一定の事項を記載した帳簿の保存だけで仕入税額控除ができます。
なお、特定期間の判定では、納税義務の判定と異なり、課税売上高に代えて給与支払額の合計額で判定することはできません。税込1万円未満かどうかの判定は、1回の取引の税込金額で行い、商品1つごとの金額では判定しません。5,000円の商品と7,000円の商品を同時に購入した場合は合計12,000円となり、少額特例の対象外です。
令和11年10月1日以後に行う課税仕入れは、課税期間の途中であっても少額特例の対象から外れます。仕入税額控除を受けるには、原則としてインボイスと一定の事項を記載した帳簿の両方を保存することになります。 出典:国税庁「少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置の概要)の概要」(最終確認日:2026年8月28日)
少額特例のほかにも、請求書等の交付を受けることが困難な取引については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。法人カードの経費精算で関係しやすいのは、主に次の3つです。3万円未満の公共交通機関による旅客の運送。3万円未満の自動販売機・自動サービス機からの購入。従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費・宿泊費・日当・通勤手当。ただし出張旅費等の特例は従業員等に支給する旅費が対象のため、法人カードで会社が直接決済した分の扱いは個別に確認が必要です。
領収書をどこまで集めるかは、自社が少額特例の対象かどうかで大きく変わります。基準期間の課税売上高が1億円を超え、かつ特定期間の課税売上高も5千万円を超える企業は対象外です。この場合は、1万円未満の支出でも適格請求書を集める前提で運用を組むことになります。
帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる取引の一覧は、国税庁の解説で確認できます。 出典:国税庁「No.6496 仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」(最終確認日:2026年8月28日)
クレジットカード決済とインボイス制度の関係は、以下の記事で詳しく解説しています。
●クレジットカードのインボイス対応に関する記事はこちら
法人カードで経費精算を行う際の注意点
主な注意点は3つです。カード利用分と立替分の二重計上、私的利用の線引き、そしてカード明細の確定日と社内の経費締め日のずれ。いずれも導入前にルールを決めておかないと、確認作業がかえって増えます。
カード利用分と立替分の二重計上に注意する
法人カードを導入した直後に起こりやすいのが、カード利用分を申請者が立替経費としても申請してしまうケースです。支払い方法が混在していると、本人に悪意がなくても重複申請が起きることがあります。
このようなミスを防ぐには、「法人カードで支払った経費は精算対象にしない」「例外がある場合の申請方法を決める」といったルールを明確にしておくことが大切です。申請画面や承認フローでも区別しやすい状態にしておくと、運用が安定しやすくなります。
ルールの周知だけに頼らず、仕組みで防ぐ方法もあります。詳しくは記事後半の「法人カードによる経費精算をスムーズに進めるならTOKIUM経費精算」で紹介しています。
私的利用の線引きをルールで決めておく
どこまで使ってよいかを決めずに配ると、業務利用か私的利用かを後から判断できなくなります。特に、出張や外出が多い従業員にカードを持たせる場合は、利用目的や上限を明確にしておく必要があります。
たとえば、利用可能な費目、利用上限額、事前承認の要否、利用禁止項目などをあらかじめ定めておくと、運用トラブルを防ぎやすくなります。カードの配布前にルールを周知し、定期的に見直すことも重要です。
カード明細の確定日と経費締め日のずれに備える
法人カードの利用分は、多くの場合、利用から数日で速報として反映され、金額が確定するのはカード会社の締め日を過ぎてからです。月末に使った経費が翌月の明細に載ることもあるため、社内の経費締め日とカード明細の確定日がずれると、同じ月の経費を2回に分けて処理することになります。
対策は3つあります。利用時点で領収書とあわせて申請させて明細確定後に突合する、社内の経費締め日をカード明細の確定後にずらす、費用の帰属を優先して利用日基準で計上する。どれを選ぶかで申請期限の決め方も変わるため、運用ルールを固める前に決めておきます。
【関連する無料のお役立ち資料】
▶内部統制を強化したい組織が抱える経費精算5大課題の解決策
※1分でお役立ち資料をダウンロードいただけます。ぜひご覧ください。
法人カード導入前に決めておきたい運用ルール
法人カードの運用を安定させるには、導入後に場当たり的に対応するのではなく、あらかじめ利用ルールを決めておくことが重要です。特に、利用者の範囲、使える経費の種類、申請や証憑提出の締め方が曖昧だと、確認負担が増えやすくなります。
▼ 導入前に決めておきたい運用ルールの整理表
| 項目 | 決めておきたいこと | 決めないと起こりやすいこと |
|---|---|---|
| 配布対象 | 誰にカードを持たせるか | 配布範囲が広がり管理が複雑になる |
| 利用範囲 | 何に使えるか | 業務利用と私的利用の線引きが曖昧になる |
| 利用上限 | 1回あたり・月あたりの上限額 | 想定外の高額利用が起こりやすい |
| 申請期限 | 利用後いつまでに申請するか | 申請漏れや月次遅延が起こりやすい |
| 証憑提出 | 何を、いつまでに提出するか | 確認漏れや差し戻しが増えやすい |
| 未提出時の対応 | 証憑不足や申請漏れ時の扱い | 現場対応が属人化しやすい |
| 承認ルール | 誰が承認するか、例外時はどうするか | 承認待ちが滞留しやすい |
| カードの回収 | 退職・異動時に誰が回収し、利用停止を手続きするか | 退職者のカードが有効なまま残る |
| 紛失・不正利用 | 連絡先と、損害を会社と本人のどちらが負担するか | 対応が遅れ、被害が広がる |
| 私的利用分の回収 | 私的利用が判明した場合の返金方法 | 処理が決まらず、給与課税の論点になる |
このうち、相談の多い「配布対象」「利用上限」「申請と提出の締め」の3つを掘り下げます。
誰にカードを持たせるか
法人カードは、全従業員に配布する方法もあれば、特定の役職者や出張頻度の高い従業員に限定して配布する方法もあります。自社に合った配布範囲を決めるには、どの部門で立替精算が多いかを把握することが出発点になります。
まずは対象者を絞って導入し、運用が安定してから広げる方法も有効です。利用実態に合わない配布をすると、管理が複雑になりやすいため、導入目的に沿って対象者を決めることが重要です。
利用上限と発行枚数をどう決めるか
利用上限額は、役職や部門ごとの利用実態に応じて設定します。一律にすると、出張の多い部門では足りず、内勤部門では過剰になりがちです。上限を分けておくと、使いすぎを防げるうえに、承認者の確認負担も減らせます。
あわせて、追加カードを何枚まで発行するか、月間の利用可能枠が出張費や備品購入費をまかなえるかも確認しておきます。枚数や枠を広げすぎると私的利用や規程外利用のリスクが上がり、足りなければ月末に決済が通らず、その場で個人立替に戻ってしまいます。
どの支出を経費として認めるかの線引きは、こちらの記事にまとめています。
●経費で落とせるものに関する記事はこちら
申請・承認・証憑提出の締め方をどう統一するか
法人カードを導入しても、申請タイミングや証憑提出の締め方が人によって異なると、月次処理が遅れやすくなります。「利用後何日以内に申請するのか」「領収書はいつまでに提出するのか」「未提出時はどう対応するのか」を決めておく必要があります。
たとえば「利用から5営業日以内に申請」「領収書は申請と同時に添付」「未提出が翌月まで残ったらカードの利用を一時停止」といった形です。期限・提出物・守られなかったときの扱いを3点セットで決めます。期限だけ決めて未提出時の扱いを決めないと、督促が経理の仕事として残り続けます。
経費精算システムとの連携でどこまで自動化できるか
連携で自動になるのは、明細の取り込みから経費データの作成、会計ソフトへの仕訳連携までです。残るのは、領収書を集める作業と、明細と証憑の中身が合っているかの判断。どこまでが自動で、どこからが人の作業なのかを工程ごとに分けて見ておくと、導入後のギャップが小さくなります。
▼ 法人カードと経費精算システムを連携したときの自動化の範囲
| 工程 | 連携で自動化される範囲 | 人の作業として残るもの |
|---|---|---|
| 明細の取得 | カード会社の利用明細をシステムが自動で取り込む | 使いたいカードが連携対象かどうかの事前確認 |
| 経費データの作成 | 取り込んだ明細から日付・金額・支払先が入った経費データが作られる | プライベート利用分を除外する操作、費目の確認 |
| 証憑の回収 | (自動化されない) | 領収書やレシートを撮影して提出する作業 |
| 明細と証憑の突合 | 日付・支払先・金額が一致するものを自動で紐づける | 一致しなかった分の確認と申請者への差し戻し |
| 会計処理 | 勘定科目を付けた仕訳データを会計ソフトへ連携する | 勘定科目や税区分の判断、未払金残高と請求額の照合 |
証憑の回収が自動化されないのは、明細に載るのが支払いの事実だけだからです。何を買ったのか、誰と会ったのかまでは明細に書かれていないため、領収書やレシートを別に集めることになります。適格請求書等の保存が必要な理由は、「法人カード利用時に領収書や証憑は必要?」で解説したとおりです。
明細と証憑の突合も、完全に人の手を離れるわけではありません。日付・支払先・金額が一致するものは自動で紐づきますが、1回の支払いが分割で計上されている場合や、支払先の名称が明細と領収書で異なる場合は一致しません。連携しても突合はなくならず、なくなるのは「全件を見る」作業のほうです。確認の対象は食い違った分だけに絞られます。
法人カードによる経費精算をスムーズに進めるならTOKIUM経費精算
法人カードで消えるのは、立替と手入力です。残るのは、領収書を集める作業と、明細と中身が合っているかの確認、そして未払金残高の照合。この3つをどう仕組みにするかが、導入効果の分かれ目になります。
経費精算では、支払いそのものよりも、その後の証憑回収や内容確認に手間がかかることが少なくありません。TOKIUM経費精算は、こうした確認業務を効率化し、経理担当者の負担軽減につながります。
TOKIUM経費精算では、カード連携まわりで次の機能が使えます。
- クレジットカード明細、電子マネー、ETC、エクスプレス予約などの外部サービスと自動連携し、利用明細から経費データを作成できる
- 法人カード(コーポレートカード)利用時に、精算対象外にすることができる(会計ソフトのみにデータが連携され、立替分との二重計上が起きにくい)
- 経費登録した明細と、日付・支払先・金額が完全一致する領収書データを自動で統合できる
- プライベート利用分を除外することもできる
TOKIUM経費精算は、領収書画像を99%以上の精度でデータ化し、原本との突合点検と原本保管まで代行しています。証憑の回収そのものはシステムでは自動化できませんが、集めた原本の点検と保管は任せられます。 出典:TOKIUM経費精算 機能一覧(最終確認日:2026年8月28日)
こうした確認業務の効率化を評価いただき、経理AIエージェントTOKIUMの累計導入社数は、2025年11月末時点で3,000社を突破しました。 出典:株式会社TOKIUM ニュース(最終確認日:2026年8月28日)
TOKIUM経費精算の詳しい機能や導入効果は、無料の資料でご確認いただけます。ぜひダウンロードしてご覧ください。
法人カードの経費精算に関するよくある質問
法人カードの利用明細だけで経費精算できますか?
利用明細は、支払先や金額、利用日を確認する資料として有効です。ただし、経費として妥当かを判断するには、領収書やレシート、注文内容などの確認が必要になる場合があります。経費精算では、利用明細と証憑を突合できる運用にしておくことが重要です。
法人カード利用時の仕訳はどのように処理しますか?
基本の仕訳は「法人カードを使った経費精算の流れ」で解説したとおり、カード利用時に費用を計上して貸方を未払金とし、引き落とし時に未払金を取り崩します。勘定科目や処理方法は会社の会計方針によって異なるため、社内ルールや顧問税理士の確認に沿って処理しましょう。
法人カードの年会費は経費として処理できますか?
業務用として利用している法人カードの年会費は、経費として処理するのが一般的です。勘定科目は支払手数料や諸会費が使われます。大切なのは、社内で科目を統一し、毎期同じ扱いを続けることです。
自分のクレジットカードで経費精算をしてもよいですか?
会社の経費規程によります。個人カードでの立替を認めている会社もあれば、規程で個人カードの利用自体を制限している会社もあります。個人カードで立て替えた場合は、法人カードと違って利用明細が会社に共有されないため、領収書の提出と精算申請が別途必要になります。
●個人カードでの経費精算に関する記事はこちら
出張で法人カードを使う場合も流れは同じですか?
基本の流れは同じですが、出張は利用件数が増えるぶん証憑の回収漏れが起きやすくなります。海外での利用分は、カード会社が円換算した金額で請求されます。国際ブランドの基準レートに手数料を加えたレートが使われるため、個人立替のように社員がレートを調べて申請する必要はありません。利用日基準で費用を計上している場合は、計上額とカード請求額に差が出るため、差額を為替差損益で調整するルールを決めておきます。
●出張費の法人カード払いに関する記事はこちら
●法人カードでの海外出張に関する記事はこちら





