電子帳簿保存法の改正ポイントとは?タイムスタンプの役割や費用、導入手順についても徹底解説

パソコンを操作している

請求書などの書類は紙で保存するのが一般的でしたが、さまざまなサービスが増え、必ずしも紙で保存する必要はなくなりました。

また、1998年に施行された電子帳簿保存法により、請求書や領収書といった書類を電子データで保存することが可能となったのです。この電子帳簿保存法に深く関係しているのが「タイムスタンプ」です。

この記事では、タイムスタンプについて徹底的に解説しています!電子帳簿保存法とタイムスタンプについて詳しく知りたい方は、ぜひとも参考にしていただけたら幸いです。

電子帳簿保存法とは

そもそも電子帳簿保存法とは、紙での保存が義務付けられていた請求書や領収書などを、電子データで保存することを認めた法律です。

最初に施行されたのは1998年ですが、その後2005年・2015年・2016年・2020年と改正されてきました。2016年の改正では、スマホなどで撮影した領収書なども電子データとして保存できるようになり、より電子データへの移行がしやすくなりました。

2020年に改正された内容は、2022年1月より施行されます。

2020年改正のポイント

2020年の改正では具体的にどんな点が改正されたのでしょうか?キーワードは「タイムスタンプ」です。

2020年の電子帳簿保存法改正では、下記のことが改正されました。

  1. タイムスタンプが一部不要に
  2. キャッシュレス決済の場合は領収書の発行が不要に

それぞれ見ていきましょう。

①タイムスタンプが一部不要に

これまで電子取引でやりとりをおこなう際は、発行する側がタイムスタンプを付与して受領者にデータを送信し、受領者はデータの受領後すぐにタイムスタンプを付与する必要がありました。

2020年の改正により、条件を満たしていれば受領者はタイムスタンプの付与が不要となったのです。具体的には、受領者側はデータを改変できないシステムやサービスを利用するという条件を満たせば、発行する側だけのタイムスタンプだけで認められるようになりました。

②キャッシュレス決済の場合は領収書の発行が不要に

従来は、キャッシュレス決済であっても領収書を発行する必要がありました。しかし、2020年の改正により、利用明細をシステム(会計ソフトなど)にそのまま取り込めば、利用明細を領収書として使用できるようになりました。

 2022年改正のポイント

2022年の改正で具体的にどんな点が改正されたのでしょうか?ポイントは下記の3つです。

  1. 紙の場合は紙か電子に、電子の場合は電子に
  2. 「真実性の確保」ができるようになる
  3. 「可視性の確保」ができるようになる

1つずつ見ていきましょう。

ポイント1: 紙の場合は紙か電子に、電子の場合は電子に

2022年に改正されるポイントの1つが、「紙の場合は紙か電子に、電子の場合は電子」に変わることです。つまり、紙で受け取った請求書などは紙、もしくは電子データ化したもののどちらかで保存可能です。

一方で電子データとして受け取った請求書などは、電子データで保存しなければなりません。現行法では、電子データを紙で保存することも認められていますが、改正後は受領側も電子データへ移行する必要があります。

しかし、2021年12月10日に決定した税制改正大綱により、2023年12月31日までは猶予期間として、電子データを紙で保管することも認められるようになりました。

ただ猶予期間は2年であるため、どちらにせよ2024年1月1日以降は、電子データで受領したなら電子データで保存する必要があります。

ポイント2: 「真実性の確保」ができるようになる

2022年に電子帳簿保存法が改正されることで、真実性の確保ができるようになります。真実性の確保とは、電子データがいつ受け渡しされたのか分かり、改ざんした場合も必ずバレるということです。

なぜなら、タイムスタンプは“国が認めた第三者のタイムスタンプサービス”を利用して付与します。2022年以降はタイムスタンプの要件が緩和されますが、緩和されるのは真実性の確保ができることの裏返しでもあるでしょう。

ポイント3: 「可視性の確保」ができるようになる

真実性の確保と並んで、可視性の確保もできるようになります。可視性の確保とは「キチンと読める内容かつ日付や取引先などですぐに検索できる」ことです。2022年の改正法では検索要件の条件が緩和されます。

これまでの検索要件では、さまざまな項目で検索することが可能な状態が求められていましたが、改正後は「取引年月日・取引金額・取引先名称」の最低3項目を満たしていれば認められます。

また、日付と金額については、範囲指定で検索や絞り込みができるようにする必要があり、その上で2つ以上の要素を組み合わせて検索や絞り込みをできるようにしなければなりません。日付・金額・取引先名の3つが分かるだけで、可視性の確保ができるようになるのです。

タイムスタンプの役割とは?

タイムスタンプとは、コンピューター上で定義される時刻を指す言葉です。電子化された書類は書き換えや改ざんが容易にできてしまい、不祥事に繋がりかねません。

そのため、電子データの証拠性を確保するには、「いつ」書類が発行されたか証明できる仕組みが必要不可欠です。そこでタイムスタンプを付与することにより、特定の時刻から書類が変更されていないことを第三者の視点から証明できるようになります。

つまり、タイムスタンプは書類の改ざんを防ぐための役割を果たし、信頼性を保ったまま電子データを保存することを可能とさせます。電子帳簿保存法では、タイムスタンプが重大な役割を果たしているのです。

タイムスタンプによる二つの効果

・存在証明

タイムスタンプを付与することで、付与された日時にデータが存在していたことの証明ができます。

・完全性証明

タイムスタンプが付与された日時以降、データの書き換えや改ざんがされていないことを証明可能です。

タイムスタンプを発行する流れ

タイムスタンプを発行する手順としては、下記のようになります。

1.     タイムスタンプの対象となる書類を用意

2.     書類のスキャンまたは撮影をする

3.     画像をタイムスタンプのシステム(サイト)にアップロード

4.     タイムスタンプ事業者より、タイムスタンプが発行される

例えば、電子書類Cを保存したい場合、利用者は第三者機関であるタイムスタンプ事業者に対して、タイムスタンプの発行を依頼したとします。

まず、タイムスタンプの発行を依頼する際には、電子書類Cのスキャンまたは撮影をし、画像をタイムスタンプのシステムにアップロードします。

依頼を受けたタイムスタンプ事業者は、電子書類Cの情報(ハッシュ値)と時刻を合わせたタイムスタンプトークンを発行し、利用者に送信します。このとき、タイムスタンプトークンには鍵がかけられており、利用者は改ざんすることが不可能な状態となっています。

タイムスタンプトークンを受け取った利用者は、電子書類Cとタイムスタンプトークンを一緒に保存します。

タイムスタンプを付与する流れ

タイムスタンプを付与する手順としては、下記のようになります。

1.     タイムスタンプ事業者にタイムスタンプの発行を依頼する

2.     保存したい電子データの情報(ハッシュ値)をタイムスタンプ事業者に送信

3.     タイムスタンプ事業者が情報(ハッシュ値)と時刻情報を合成し、タイムスタンプトークンを発行する

例えば、税務調査などで原本の証明が必要になった場合、利用者はタイムスタンプ事業者から鍵を受け取り、タイムスタンプトークンと原本の情報を照合することで原本の証明ができます。

つまり、タイムスタンプトークンと原本の情報に相違点がなければ、タイムスタンプトークンを作成した時期から変更されてないことを証明できるのです。

注意点として、タイムスタンプは原本を保存している訳ではないので、原本を紛失した場合、原本自体を復元することはできません。

タイムスタンプ発行の費用

タイムスタンプの発行はタイムスタンプ事業者によっておこなわれますが、タイムスタンプを発行するには費用がかかります。タイムスタンプ発行ごとにかかる費用の目安としては、事業者によって異なりますが、大体10円が目安です。

しかし具体的な費用は、利用数の目安が決まった「従量制タイプ」、利用数に関係なく発行できる「定額制タイプ」のどちらを選ぶかによっても変わってくるでしょう。詳しく金額を知りたい場合は、タイムスタンプ事業者に問い合わせることをお勧めします。

注意点として、タイムスタンプの導入時に初期費用が掛かる場合があります。会員登録に1万円程度の費用がかかったり、システムの導入に10万円〜30万円の初期費用が発生したりと様々です。これらを知らずに導入することのないように、タイムスタンプ事業者に問い合わせる際は、初期費用についても必ず確認しておきましょう。

タイムスタンプを導入するメリット

タイムスタンプを導入することで、紙の書類を保存する必要がなくなり、書類を紛失するリスクも大きく軽減されます。さらに書類の郵送代や用紙代といった費用も削減できるため、大きなメリットが見込まれるでしょう。

タイムスタンプを導入して電子化に移行することで、経理業務の業務効率にも貢献します。

タイムスタンプに対応している経費精算システムなら「INVOICE POST」がおすすめ!

『INVOICE POST(インボイスポスト)』は、請求書処理の完全ペーパーレス化を実現する請求書の代行受領・データ化サービスです。

INVOICE POSTでは、2022年1月1日施行の電子帳簿保存法改正に合わせ、タイムスタンプの機能を提供しています。、今回の法改正により、電子化に対応している場合は経費精算が大きく効率化されますが、このメリットを享受するためには法改正に対応した経費精算システムを利用することが重要です。

経費精算から、受領のための出社やスキャン作業、原本のファイリングや保管、タイムスタンプンプの付与まで作業を効率化し、ペーパーレス化を実現しましょう。

まとめ

この記事では、電子帳簿保存法と電子帳簿保存法に深く関係するタイムスタンプを解説しました。『INVOICE POST(インボイスポスト)』は請求書処理の完全ペーパーレス化を実現させてくれる上に、タイムスタンプの機能も提供しています。

電子データへの移行を考えているならば、INVOICE POSTの導入を検討してみてはいかがでしょうか?