経費精算

経費精算規定(ルール)の目的と作成時の注意点を徹底解説!

公開日:2022.03.07更新日:2022.06.15

経費精算の規定をはじめて作るため、雛形を参考にしたいがなかなか見つからない。
そんなお悩みを持たれていはいませんか?

本記事では、実際に経費精算規定を作るときに注意すべきポイントを解説した後、交際費規定、出張旅費規定、交通費規定に分けて詳しく説明していきます。

この記事で分かること
  • 経費精算規定(ルール)の作成方法について
  • なぜ規定(ルール)を作る必要があるのか?目的について
  • 現行の規定の見直すべきポイント

経費精算規定とは?

そもそも経費精算の規定とは、就業規則や人事規則と同じ社内規定の1つで、「どのような経費」が認められ「どのような手順で精算するのか」というルールを文章で明文化したものになります。
経費精算規定(ルール)を作成することで、経理担当者の負担を削減したり、経費精算に関するトラブルを防ぐことにも繋がるため、会社としては非常に重要なものです。
経費精算規定には交通費や出張費が含まれますが、今回はそれらの規定作成方法についても解説していきます。

経費精算規定が必要な5つの理由

1. 無駄な経費の削減

経費は事業を行う上で必要な支出ですが、必要以上の経費は会社の利益を減少させてしまいます。そのため、経費精算規定を作成することで、事業に関係のない経費を減らし、必要以上の金額が支払われたりしないようにすることが求められます。
さらに規定を社員に周知することで、無駄遣いや過剰な使用の抑止になり、経費の削減にもつながります。

2. 節税対策

交際費規定や出張旅費規定を定めることは節税にも繋がります。
経費は基本的には法人税の非課税対象ですが、得意先や仕入れ先などに対する接待、供養、贈答などの接待交際費は法人税の課税対象になります。
しかし接待交際費のうち、飲食にかかる費用は一部が非課税になります。この制度をうまく活用するためにも交際費規定は重要になります。

また出張旅費規定を定めることも節税になります。出張の際に社員に支払う出張手当ですが、出張旅費規定を定めこれに基づいて支払った場合は給与とは異なり経費扱いになるので非課税になります。社員にとっても経費として支給されると所得税の課税対象外となるため、節税対策となります。
このように出張旅費規定を定めることは、支給する企業、受給する社員双方にとってメリットがあります。

3. 不正受給、法的リスクの回避

交通費精算では、定期圏内にも関わらず移動費を全額申請してしまう、出張日当に食事代が含まれているのに申請してしまうなど、悪気はなくても重複受給してしまっている場合があります。
最悪のケースでは従業員が経費の水増しや空請求など経費を悪用し、意図的に不正受給を行う可能性もあります。発覚したら個人が非難されるのは当然のこと、企業側も管理責任を問われ社会的信用が失われてしまうかもしれません。

また経費として不適切なものを経費として計上していたことが、後の税務調査で発覚した場合、追加課税や重加算税の対象となるので会社にとっても大きな損失となってしまいます。
経費精算の規定を定めることにより、不正の防止法的リスクの低減になります。

4. 社員の不公平感の解消

経費精算の規定がないと同じ用途や金額の経費であっても承認されるかどうかは承認者や経理担当者の裁量によって変わってしまう場合があります。このような不公平感は社内のトラブルを引き起こしかねません。

どのような経費をどこまで認めるのか、規定を定めてそれに基づいて判断をすることで、承認者や経理担当者に依存せず、経費精算に対する不信感や不公平感が解消されます。

5. 経理担当者の負担を軽減

申請された経費を精算するだけではなく、申請されたものが妥当であるか判断し、不適切なものは差し戻すことも経理担当者の業務の一環です。
規定を整備し、社員に周知することで申請者だけでなく承認者もその経費が妥当であるかを判断できるため、不適切な申請そのものが減少し、仮に不適切な申請があった場合にも説明するのが簡単です。

また規定に申請期限を設けることで、社員が何カ月も前の領収書や数か月分の領収書をまとめて持ってくることを防ぐこともできます。

経費精算規定に記載すべき項目

経費精算規定では「これって経費として認められるの?」「経費ってどうやって申請するの?」といった疑問を社員が抱かないように経費精算の基本的なルールをしっかりと決めていくことが大切です。
そこでここでは、経費精算規定を作成する際に必ず記載すべき項目について、解説していきます。さらに、トラブルや不正が起きないようなルールを作成することに加えて、規定の周知も重要になります。

1. 経費の基準、金額の上限を設定する

どのようなものが経費として認められるかという方針を決めます。社員が経費を判断する基準となるので自社に適した方針が必要です。
また1回で申請できる上限金額を設定しておき、その金額を超える場合は事前に稟議を通すようにしましょう。

2. 自己決済を禁止する

空請求や水増し請求などの不正は、決裁権を持った人が自分の経費を自分で承認する自己決済が原因で起こる場合がほとんどです。そのため、自己決済を禁止にし、決裁権者も必ず他の決済者の承認を受けるようにしましょう。

3. 期限を確定させる

経費は使った日から時間が経つほど、お金の動きを確認するのが難しくなり、申請者が領収書を無くしてしまう可能性も高くなります。その結果、経費申請が認められず、申請者と経理担当者との間でトラブルになることが多く、訴訟にまで発展することもあります。
このようなトラブルを防ぐためにも、なるべく早く精算することが理想です。その都度は難しいかもしれませんが、翌月の指定日までに振り込ませるような期限を確定させましょう。

4. 領収書がない場合の対策を明記する

電車、バスの交通費や取引先への結婚祝や慶弔費などでは、領収書が発行されないため、交通費精算書や出金伝票へ記入することが多いです。さらに、不備により領収書をなくしてしまった場合にも備えて、領収書がない際の対策も規定する必要があります。

5. 例外を禁止にする

基本的に例外は認めないようにしましょう。これは規定や規約などのルール全般に言えることですが、一度例外を認めてしまうと、折角作成した規定が形骸化してしまう恐れがあります。

6. フォーマットを用意する

意外と見落としがちですが、わかりやすいフォーマット(報告書)を用意することは経費精算規定を作るのと同じくらい大切です。
申請者にとって書きやすく、経理担当者にとって読みやすいフォーマットを用意することで、申請の不備やミスを削減し、円滑に経費精算を進めることができます。
フォーマットの作り方がわからないという方は、下記の記事で交通費精算書や旅費精算書の書き方やテンプレートを紹介しているので、是非参考にしてください。

交際費規定を作成する際のポイント

それでは実際に交際費規定を作成する際のポイントについて解説します。
接待交際費は以下の2点で通常の経費と異なります。

  • 費用対効果が見えづらい
  • 税務上では法人税の課税対象となる

これらをふまえて交際費規定を作成する際のポイントをみていきます。

1. 上限金額の設定する

接待交際費は上記2つの特徴があるため、なるべく抑えることが望ましいです。また担当業務によって、接待交際費を使用する頻度や金額も異なるので、役職や部署毎に1人あたりの月間、年間上限金額を設定します。
例えば営業の人は取引先との接点が多いため、他部署に比べて経費の使用頻度が高いでしょう。

2. 詳細な報告書を義務化する

接待交際費は飲食費であるかどうか、またその金額によって税務上の扱いが以下の3つに分類されます

  • 1人あたりの金額が5,000円以下の飲食費→全額を経費扱い(全額非課税)
  • 1人あたりの金額が5,000円以上の飲食費→半額を経費扱い(半額は非課税)
  • 飲食費以外の接待費→全額が交際費扱い(全額課税)

このように接待交際費の中でも飲食費に関しては、一部または全額が通常の経費と同じく非課税の経費として計上することができます。このルールを使用するためには以下の5つの項目が必要になります。

  1. 飲食を行った年月日
  2. かかった金額と使用した飲食店の名称と所在地
  3. 参加した人数
  4. 参加した得意先や仕入先の企業名と氏名
  5. その他参考事項

そのため、交際費に関しては領収書だけではなく、上記の内容が含まれた詳細な報告書の提出を義務付けるようにしましょう。飲食費以外でも接待交際費は、税務上の扱いが非常にややこしいため、用途や金額が詳細に記載されるような規定を設けることが求められます。

出張旅費規定を作成する際のポイント

次に出張旅費規定の作成ポイントを見ていきます。
出張旅費規定があることで、経費精算の手間を省略できる上に節税対策にもなります。出張旅費には交通費、宿泊費、日当が含まれますが、それぞれの項目について規定を作る必要があります。

1. 出張の定義を決める

「片道◯km以上の移動を伴う業務」のように通常の外出と出張の違いを明確にしましょう。また距離や宿泊を必要とするかにより日帰り、短期、長期と分けてもいいでしょう。

2. 日当と宿泊費の金額を決める

出張旅費のうち宿泊費と日当は定額支給にすることができます。定額支給にする場合は役職毎に同業種、同規模の会社と比較して妥当な金額を設定する必要があります。

3. 食事代の扱いを明記する

日当の中に食事代が含まれるのか、別で申請しないといけないのかを明確にしましょう。

4. 仮払い規定を作成する

出張費は金額が大きくなりがちなので社員の負担が大きくなってしまいます。仮払いの規約を設けましょう。仮払いを認める金額の設定、仮払い金額からの過不足の金額の精算についても規定しておきましょう。

5. 出張手続を作成する

出張を行う場合には事前に申請書を提出し承認をうけ、出張後には速やかに旅費精算書の提出を義務付けるようにしましょう。また、急な出張の場合の対応についても規定しておきましょう。

6. 出張中のトラブルについても記載する

出張先で病気や災害などにより出張期間を延長せざるを得ない状況や出張先で残業や休日出勤が発生した場合の手当てなどについても規定しましょう。

交通費規定を作成する際のポイント

電車やバス、タクシー、飛行機と移動手段は様々です。交通費規定では、どのような基準で移動手段を選べばよいのか、またそのときの精算方法は?といったことがポイントになります。

1. 鉄道、バスの場合

鉄道やバスでは領収書が発行されないため、利用した駅やバス停を基に経費を計算することになります。このとき公共交通機関が発達している都心では複数の経路があり、それにより金額や移動時間が異なる場合があります。

そのため、最安経路ではなく自分が利用した経路の金額を申請してしまう、定期区間が含まれていたのに全額申請してしまうといったミスや、故意に遠回りで割高な経路での金額を申請するといった不正が起こります。
そのため、「最安値経路で移動した場合の料金を支給すること」そして定期区間が含まれる場合はその分の金額は差し引かれること」を明記する必要があります。

2. 特急券、飛行機、船舶の場合

これらの移動手段は高額になるため、認められる条件を規定します。また役職により利用できるクラスが異なる(特急のグリーン車、飛行機のビジネスクラスなど)場合はそのことも明記しましょう。
飛行機の場合はマイルを利用して航空券を予約すると、領収書の発行ができないため注意が必要です。

3. タクシーの場合

タクシーを利用すると公共交通機関に比べて費用が高くなる場合が多いため、厳しい規定を設けている会社が多いです。公共の交通機関がない場合、最寄り駅から◯km以上離れている場合など、タクシーを使ってもよい条件を決めましょう。
また取引先の送迎などで同乗した場合は税務上で交際費として扱われます。後で区別できるようにしましょう。

4. 自家用車、社用車の場合

移動に自家用車や社用車を使用した場合の規約も設けておきましょう。車で移動した場合は移動距離に基づいてガソリン代(○円/km)を支給するのが一般的です。

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出典:公式サイト

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まとめ

経費精算の規定には様々な項目があり、気を付けなければいけないポイントもたくさんあります。しかし、きちんと規定を整備しなければ、思ってもいないような不正やトラブルを招くこともあり、経理担当者や会社に大きな負担がかかる場合があります。

経費精算の規定を整備したとしても、経費精算は面倒な作業であることに変わりはなく、人が行う作業である以上ミスも完全になくすことはできません。
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