経理キャリア

決算申告の手順と必要書類を初心者向けに解説!

更新日:2025.06.17

この記事は約 3 分で読めます。

決算申告は、会社の一年間の経営成績をまとめ、税務署へ申告する重要な業務です。手順や必要な書類をしっかり理解しておけば、計画的に進めることでミスを減らし、精神的な負担も軽減できます。

この記事で得た知識があれば、税務署や税理士とのやり取りにも自信が持てるようになります。この記事を参考に、まずは全体の流れを把握し、できることから一つずつ進めていきましょう。

→ダウンロード:マンガでわかる!新リース会計基準とは

決算申告とは?

決算申告とは、法人が事業年度終了後に行う税務申告のことです。会社の1年間の経営成績と財政状態を税務署に報告し、納税額を確定させる重要な手続きとなります。適正な申告を行うことで、税務リスクを軽減し、経営の透明性を高めることができます。

決算申告と確定申告の違い

決算申告は法人が行う手続きであるのに対し、確定申告は個人事業主や個人が行う手続きです。提出先は同じ税務署ですが、適用される税法や提出書類、申告期限が異なります。

決算申告と中間申告の違い

決算申告は年度末の最終的な申告であるのに対し、中間申告は事業年度の途中で行う仮の申告です。資本金1億円超の法人は中間申告が義務付けられており、前年度の納税額に基づいて中間納税を行います。

決算書作成の重要性と目的

決算書は会社の財政状態と経営成績を示す重要な書類です。正確な決算書を作成することで、経営状況の把握、投資家や金融機関への情報提供、そして適切な納税額の算出が可能になります。

マンガでわかる!新リース会計基準強制適用企業の実務担当者が最初にやるべき取り組みとは?

決算申告に必要な書類

決算申告には複数の重要書類が必要です。これらはすべて会社の経営実態を正確に表し、適正な課税を行うための基盤となります。申告書類の不備や誤りは税務調査の対象となるリスクがあるため、正確な作成と期限内の提出が求められます。

決算書

決算書は会社の財務状況を示す基本書類で、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書で構成されます。資産・負債・資本の状況、収益・費用の内訳を明らかにし、会社の経営状態を数値化します。

勘定科目内訳書

勘定科目内訳書は、決算書に記載された各勘定科目の詳細な内訳を示す書類です。売上や経費の明細など、具体的な取引内容を記載することで、決算内容の透明性を確保します。

法人事業概況説明書

法人の事業内容や業績推移、役員構成などを記載する書類です。数値だけでなく事業の実態を文章で説明することで、会社の全体像を税務署に伝えます。

確定申告書

法人税申告書とも呼ばれ、納税すべき法人税額を計算し申告するための書類です。別表一から十六までの各種計算書類で構成され、税額計算の根拠となります。

決算申告を行う手順 

帳票整理とデータ入力 

決算申告の第一歩は、1年間の帳票を整理し、正確に入力することです。請求書や領収書などの証憑書類を揃え、売上や経費を漏れなく計上しましょう。特に期末付近の取引は注意が必要です。

試算表の作成と決算整理

データ入力後、試算表を作成して会計上の不整合がないか確認します。減価償却費の計上や引当金の設定など、決算特有の会計処理を行い、正確な財務状況を把握します。

決算書の作成と確認

決算整理が完了したら、貸借対照表や損益計算書などの決算書を作成します。数値の整合性や前年との比較を行い、経営状況を正確に反映しているか確認しましょう。

取締役会・株主総会での承認

決算書が完成したら、取締役会での承認を経て、株主総会に提出します。会社法に基づき、株主に対して経営状況を報告し、決算内容についての承認を得ることが必要です。この手続きは企業統治の重要なプロセスとなります。

税務署への提出・納税

株主総会での承認後、決算申告書を税務署に提出します。法人税申告書や消費税申告書など必要書類を揃え、期限内に提出しましょう。同時に、計算された税額を納付する手続きも行います。 

決算書類の保存

申告が完了した決算書類や証憑書類は、法令で定められた期間(通常7〜10年)保存する必要があります。適切な管理体制を整え、後日の税務調査に備えておくことが重要です。

マンガでわかる!新リース会計基準強制適用企業の実務担当者が最初にやるべき取り組みとは?

決算申告を自分で行う際の注意点

申告期限に遅れないための計画的な準備

決算申告には法定期限があり、遅延は加算税などのペナルティの対象となります。事業年度終了日から2ヶ月以内に申告を完了させるため、早めの準備と計画的なスケジュール管理が重要です。年間を通じた帳簿管理を心がけましょう。 

税金計算や納税額の確認ポイント 

税額計算は複雑で、控除や特例の見落としが納税額に大きく影響します。法人税や消費税、地方税などの計算方法を理解し、二重チェック体制を設けることで誤りを防止できます。最新の税制改正情報にも注意が必要です。

 使用する会計ソフトの選び方

会計ソフトは業務効率化の鍵となります。会社規模や業種に適したものを選び、法改正に対応しているか、クラウド対応か、サポート体制は充実しているかなどを確認しましょう。操作性と機能のバランスが重要です。

法人決算を自分で行うメリット・デメリット

自社で決算申告を行うメリットは、コスト削減や自社の財務状況への理解深化が挙げられます。一方、専門知識不足による誤りのリスクや時間的負担が大きいというデメリットもあります。自社の状況に合わせた判断が重要です。 

税理士に決算申告を依頼するべきケース

会社の決算申告は、税務知識や正確な計算が求められる重要な業務です。特に、税務調査のリスク回避や節税対策、事業規模の拡大に伴う負担増加など、様々な要因から税理士に依頼することで多くのメリットを得られます。

専門家による税務調査や税金対策ポイント

税務調査対応や節税対策には専門的知識が必要です。税理士は最新の税制に精通し、適切な対応策を提案できます。特に調査リスクが高い業種や、複雑な税務処理がある場合は専門家への依頼が安心です。

会社規模が大きくなった場合の依頼判断 

事業拡大に伴い取引量が増加すると、自社対応の限界が生じます。従業員数や売上高が一定規模を超えた場合、税理士への依頼を検討すべきです。専門家の支援により、成長に集中できる環境が整います。

精神的負担を軽減するメリット

決算申告作業は専門性が高く、ミスの不安から精神的負担が大きくなりがちです。税理士に依頼することで、正確性が高まるだけでなく、経営者の心理的ストレスを軽減できます。本業に集中するための環境整備として検討する価値があります。 

マンガでわかる!新リース会計基準強制適用企業の実務担当者が最初にやるべき取り組みとは?

まとめ

決算申告は企業経営において避けて通れない重要な業務です。自社で行う場合は計画的な準備と正確な処理が求められます。会社の成長段階や複雑性に応じて、税理士への依頼も検討しましょう。適切な決算申告を通じて、健全な企業運営と将来の成長につなげることが大切です。

DOCUMENT
もっと役立つ情報を
知りたい方はこちら
インボイス制度による経理実務への影響を解説【2023年版】
インボイス制度による経理実務への影響を解説【2023年版】
支出管理プラットフォームTOKIUM「導入事例集」
支出管理プラットフォーム「TOKIUM」導入事例集

関連記事