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請求書受領業務は、企業の経理部門にとって不可欠な業務ですが、同時に多くの課題を抱えがちです。紙の請求書の処理には、時間と手間がかかり、保管場所の確保も必要です。また、インボイス制度や電子帳簿保存法といった法改正への対応も迫られており、その対応に追われている方も少なくないでしょう。
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本記事では、請求書受領業務の基本的な流れから、業務効率化、法制度への対応、そしてTOKIUMのソリューションまで、幅広く解説します。この記事を読むことで、請求書受領業務における課題を明確にし、業務改善の具体的な方法を理解できます。さらに、最新の法制度に対応し、効率的かつコンプライアンスを遵守した請求書受領体制を構築するための第一歩を踏み出せるでしょう。
請求書受領とは?業務の流れと重要性
請求書受領とは、企業が取引先から受け取る請求書を適切に処理する一連の業務を指します。この業務は、企業の会計処理の基礎となるものであり、正確かつ効率的に行うことが重要です。ここでは、請求書受領の定義、具体的な業務フロー、そしてその重要性について詳しく解説します。
請求書受領の定義
請求書受領とは、企業が商品やサービスを購入した際に、取引先から送付される請求書を受け取り、内容を確認し、会計処理を行う一連のプロセスを指します。このプロセスは、企業の支払業務の始まりであり、正確な会計処理を行う上で非常に重要な役割を果たします。請求書には、取引の内容、金額、支払期日などが記載されており、これらを正確に管理することが求められます。
以下の記事では、請求書受領サービスおすすめ6選を比較していますので参考にしてください。
請求書受領業務の具体的な流れ
請求書受領業務は、まず最初に取引先から請求書が送付されます。請求書は、郵送、電子メール、またはオンラインのプラットフォームを通じて受け取ります。次に、受け取った請求書の内容を確認します。具体的には、請求金額、取引内容、数量、単価などが、注文内容や納品書と一致しているかを確認します。内容に問題がなければ、承認プロセスに進みます。
承認者は、請求書の内容が適切であることを確認し、承認印を押印します。承認された請求書は、経理部門に送られ、会計システムに入力されます。この際、勘定科目や税区分などの情報を正確に入力することが重要です。会計システムへの入力後、支払処理が行われます。支払期日に合わせて、銀行振込や小切手などで支払いが行われます。最後に、請求書は適切に保管されます。電子帳簿保存法などの法規制に従い、必要な期間、安全に保管することが求められます。
これらの各ステップは、企業の規模や業種、そして利用しているシステムによって異なる場合がありますが、基本的な流れは共通しています。
請求書受領が重要な理由
請求書受領は、企業の経営において非常に重要な役割を果たします。その理由は、主に以下の3点に集約されます。
第一に、正確な会計処理の基盤となるからです。請求書の内容を正確に記録し、会計処理を行うことで、企業の財務状況を正しく把握することができます。これにより、経営判断に必要な情報が得られ、企業の健全な運営に貢献します。
第二に、コンプライアンスリスクを回避するためです。請求書の保管や処理が不適切であると、税務調査などで問題が生じる可能性があります。電子帳簿保存法などの法規制を遵守し、適切な方法で請求書を管理することで、これらのリスクを回避できます。
第三に、業務効率化とコスト削減につながるからです。請求書受領業務を効率化することで、人的ミスを減らし、業務時間を短縮できます。また、紙の請求書の保管スペースを削減し、保管コストを抑えることも可能です。
請求書受領の課題と、それに対する具体的な対策
請求書受領業務は、多くの企業で課題を抱えています。これらの課題を放置すると、業務効率の低下、コストの増加、コンプライアンスリスクの上昇につながりかねません。ここでは、請求書受領における主な課題と、それに対する具体的な対策について解説します。
請求書受領における主な課題
請求書受領業務には、いくつかの課題があります。まず、請求書の受領方法が多様であることです。紙の請求書、電子メール、オンラインのプラットフォームなど、様々な方法で請求書が送付されるため、それらを一元的に管理することが難しい場合があります。次に、請求書の記載事項に不備があることです。請求金額や取引内容に誤りがある場合、確認に手間がかかり、会計処理の遅延につながることがあります。また、支払期日の管理漏れも課題の一つです。支払期日を過ぎてしまうと、取引先との関係が悪化したり、遅延損害金が発生したりする可能性があります。
さらに、請求書の保管方法も課題となります。紙の請求書の場合、保管スペースの確保や、紛失のリスクがあります。電子データの場合も、適切なセキュリティ対策を講じないと、情報漏洩のリスクがあります。最後に、不正アクセス対策も重要です。会計システムへの不正アクセスにより、請求書データが改ざんされたり、情報が盗まれたりするリスクがあります。
以下の記事では、請求書処理の自動化・効率化するスキャンサービスについて詳しく解説していますので参考にしてください。
課題解決に向けた具体的な対策
請求書の課題を解決するためには、受領方法を統一することが重要です。電子化を推進し、請求書を電子データとして一元的に管理することで、業務効率を向上させることができます。次に、請求書の記載事項の確認を徹底することです。請求書の内容をチェックする担当者を明確にし、チェックリストを作成することで、記載漏れや誤りを防ぐことができます。
また、支払期日の管理を徹底することも重要です。会計システムに支払期日を登録し、リマインダー機能を活用することで、支払漏れを防ぐことができます。請求書の保管方法についても、適切な対策を講じる必要があります。紙の請求書は、ファイリングシステムを導入し、整理整頓を徹底することで、紛失のリスクを減らすことができます。電子データの場合は、クラウドストレージなどを活用し、セキュリティ対策を強化することが重要です。
最後に、不正アクセス対策として、アクセス権限の管理や、セキュリティソフトの導入などを行う必要があります。
請求書受領業務の改善事例
請求書受領業務の改善に成功した事例は数多く存在します。例えば、ある中小企業では、紙の請求書を電子化し、AI-OCRを活用することで、請求書処理にかかる時間を大幅に短縮しました。具体的には、請求書の入力作業を自動化し、手作業によるミスを削減しました。
また、別の企業では、アウトソーシングサービスを利用することで、請求書処理業務の負担を軽減しました。専門業者に業務を委託することで、自社の経理担当者は、より重要な業務に集中できるようになりました。
これらの事例から、請求書受領業務の改善は、企業の規模や業種に関わらず、実現可能であることがわかります。
請求書受領業務を効率化する3つの方法
請求書受領業務を効率化することは、企業の生産性向上に大きく貢献します。ここでは、請求書受領業務を効率化するための3つの方法について解説します。
なぜ請求書受領の効率化が必要なのか
請求書受領業務の効率化は、企業にとって多くのメリットをもたらします。まず、業務時間の短縮が実現します。請求書処理にかかる時間を短縮することで、経理担当者は他の業務に時間を割くことができ、業務全体の効率が向上します。次に、コスト削減につながります。紙の請求書の印刷代、郵送費、保管費用などを削減できるだけでなく、人件費の削減も期待できます。
また、人的ミスの削減にもつながります。請求書の入力ミスや、支払漏れなどのミスを減らすことで、企業の信頼性を高めることができます。さらに、コンプライアンスリスクの軽減にもつながります。電子帳簿保存法などの法規制に対応しやすくなり、税務調査などの際に、スムーズに対応できます。
請求書の電子化による効率化
請求書の電子化は、請求書受領業務を効率化するための有効な手段です。電子化のメリットとしては、まず、紙の請求書の保管スペースが不要になることが挙げられます。紙の請求書は、保管場所を確保するために、大きなコストがかかりますが、電子化することで、これらのコストを削減できます。次に、検索性が向上します。電子データは、キーワード検索などにより、簡単に必要な情報を探し出すことができます。また、業務の自動化も可能になります。AI-OCRなどの技術を活用することで、請求書の入力作業を自動化し、人的ミスを減らすことができます。
電子化のデメリットとしては、初期費用がかかること、そして、セキュリティ対策が必要になることが挙げられます。電子化を導入するためには、スキャナーや、電子帳票システムなどの設備投資が必要になります。また、情報漏洩のリスクを避けるために、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。
電子化の導入手順としては、まず、電子化する請求書の範囲を決定します。すべての請求書を電子化するのか、一部の請求書を電子化するのかを決定します。次に、スキャナーや、電子帳票システムなどの設備を導入します。そして、請求書の電子化に関する社内ルールを策定し、従業員への周知徹底を行います。
AI-OCRの活用による業務効率化
AI-OCR(Artificial Intelligence-Optical Character Recognition)の活用は、請求書受領業務を劇的に効率化する可能性を秘めています。AI-OCRは、AI(人工知能)技術を搭載したOCR(光学文字認識)システムです。従来のOCRでは読み取りが難しかった手書き文字や、活字の歪み、かすれなどがある請求書でも、AIが自動的に文字を認識し、データ化することができます。
AI-OCRのメリットとしては、まず、請求書の入力作業を自動化できることが挙げられます。手作業による入力作業を削減することで、人的ミスを減らし、業務時間を短縮できます。次に、データの精度が向上します。AIが文字を認識するため、従来のOCRよりも高い精度でデータを抽出できます。また、業務の標準化にもつながります。AI-OCRを導入することで、請求書処理のプロセスを標準化し、属人化を防ぐことができます。
AI-OCRのデメリットとしては、導入コストがかかること、そして、AIの学習データが必要になることが挙げられます。AI-OCRを導入するためには、初期費用や、ランニングコストがかかります。また、AIの精度を向上させるためには、学習データが必要になります。
AI-OCRの導入事例としては、様々な企業で、請求書の入力作業の自動化に成功しています。例えば、ある企業では、AI-OCRを導入することで、請求書の入力時間を80%削減し、業務効率を大幅に向上させました。
アウトソーシングを活用する
請求書受領業務のアウトソーシングは、業務効率化を実現するための有効な選択肢の一つです。BPO(Business Process Outsourcing)サービスを利用することで、請求書処理業務を外部の専門業者に委託することができます。アウトソーシングのメリットとしては、まず、業務負担を軽減できることが挙げられます。専門業者に業務を委託することで、自社の経理担当者は、より重要な業務に集中できるようになります。
次に、コスト削減につながります。専門業者は、効率的な業務プロセスを持っており、人件費や、システム導入費用などを削減できます。また、専門的な知識やノウハウを活用できることもメリットです。専門業者は、請求書処理に関する豊富な知識と経験を持っており、法改正への対応などもスムーズに行うことができます。
アウトソーシングのデメリットとしては、情報漏洩のリスクがあること、そして、自社の業務プロセスに合わせたカスタマイズが難しいことが挙げられます。アウトソーシングを利用する際には、情報セキュリティ対策が万全な業者を選ぶ必要があります。また、自社の業務プロセスに合わせた柔軟な対応ができる業者を選ぶことが重要です。
BPOサービスの選定ポイントとしては、まず、実績と信頼性がある業者を選ぶことが重要です。過去の導入事例や、顧客からの評価などを確認し、信頼できる業者を選びましょう。次に、自社のニーズに合ったサービスを提供している業者を選ぶことが重要です。請求書処理業務の範囲や、求めるサービス内容などを明確にし、それに合ったサービスを提供している業者を選びましょう。
電子帳簿保存法とインボイス制度への対応
電子帳簿保存法とインボイス制度は、企業の経理業務に大きな影響を与える法制度です。これらの法制度に対応することは、コンプライアンスを遵守し、企業の信頼性を高めるために不可欠です。ここでは、電子帳簿保存法とインボイス制度の概要と、それぞれの対応方法について解説します。
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法は、国税関係帳簿書類を電子データで保存することを認める法律です。2022年1月には改正が行われ、電子取引における電子データの保存が義務化されました。
改正のポイントとしては、まず、電子取引における電子データの保存が義務化されたことが挙げられます。電子メールや、オンラインのプラットフォームなどを通じて受け取った請求書や、領収書などの電子データは、原則として電子データのまま保存する必要があります。
次に、検索機能の確保が求められるようになりました。電子データを検索できるように、検索項目を設定する必要があります。また、税務署からの求めに応じて、電子データを提示できるようにする必要があります。
電子帳簿保存法に対応するためには、まず、自社の電子取引の状況を把握し、保存すべき電子データを特定します。次に、電子データの保存方法を決定し、適切なシステムを導入します。そして、検索機能を確保し、税務署からの求めに応じられるように準備します。
以下の記事では、電子帳簿保存法対応のシステムについて詳しく解説しているので参考にしてください。
インボイス制度とは
インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、2023年10月1日から導入された消費税に関する制度です。インボイス制度の仕組みとしては、まず、適格請求書(インボイス)を発行できるのは、適格請求書発行事業者のみです。適格請求書発行事業者になるためには、税務署に登録申請を行う必要があります。
次に、インボイス制度では、仕入税額控除を受けるためには、適格請求書または、適格簡易請求書の保存が必須となります。インボイス制度に対応するためには、まず、自社が適格請求書発行事業者であるかどうかを確認します。適格請求書発行事業者でない場合は、取引先から適格請求書を受け取る必要があります。
次に、自社の会計システムがインボイス制度に対応しているかを確認し、必要に応じてシステムを改修します。そして、適格請求書の発行・保存に関する社内ルールを策定し、従業員への周知徹底を行います。
電子帳簿保存法とインボイス制度への両立した対応
電子帳簿保存法とインボイス制度の両方に対応するためには、システム導入や、業務フローの見直しが必要になります。まず、電子帳簿保存法に対応するためには、電子データの保存システムを導入し、検索機能を確保する必要があります。インボイス制度に対応するためには、適格請求書の発行・保存に対応した会計システムを導入する必要があります。
次に、業務フローを見直す必要があります。電子帳簿保存法とインボイス制度に対応した業務フローを構築し、従業員への周知徹底を行います。電子帳簿保存法とインボイス制度に対応する上での注意点としては、まず、法改正の最新情報を常に把握しておくことが重要です。税制改正などにより、制度の内容が変更される可能性があります。
次に、自社の状況に合わせて、柔軟に対応することが重要です。自社の規模や、業務プロセスに合わせて、最適な方法を選択しましょう。また、専門家への相談も検討しましょう。税理士や、システムベンダーなどに相談することで、より適切な対応策を見つけることができます。
請求書受領業務を劇的に変えるTOKIUMのソリューション
請求書受領業務の効率化、法制度への対応、そして業務の高度化を実現するためには、適切なソリューションの導入が不可欠です。TOKIUMでは、請求書受領業務を劇的に変革する、革新的なソリューションを提供しています。
TOKIUMのサービスとは
TOKIUMは、SaaS、BPO、そして「経理AIエージェント」という3つの事業を展開し、企業の請求書受領業務をトータルでサポートしています。
SaaSサービスでは、請求書受領業務を効率化するためのクラウド型システムを提供しています。AI-OCR機能を搭載しており、請求書の入力作業を自動化し、業務時間を大幅に短縮できます。BPOサービスでは、請求書処理業務を代行します。専門スタッフが、請求書の受領から、入力、承認、保管まで、一連の業務を代行するため、自社の経理担当者は、より重要な業務に集中できます。
「経理AIエージェント」は、TOKIUMが提唱する新しい概念です。AI技術を活用し、請求書受領業務を自動化、高度化することで、業務効率を劇的に向上させます。
TOKIUM導入のメリット
TOKIUMのソリューションを導入することで、様々なメリットを享受できます。まず、業務効率が大幅に向上します。AI-OCRによる自動化により、請求書の入力作業にかかる時間を最大90%削減できます。次に、コスト削減が実現します。人件費や、紙の請求書の保管費用などを削減できます。
また、コンプライアンス強化にもつながります。電子帳簿保存法や、インボイス制度に対応したシステムを提供しており、法規制を遵守した業務運営を支援します。
請求書受領に関するよくある質問(FAQ)
請求書受領業務に関する疑問や悩みは、多くの経理担当者が抱えています。ここでは、請求書受領に関するよくある質問とその回答をまとめました。
Q1: 請求書の保管期間は?
A: 請求書の保管期間は、税法によって定められています。原則として、法人の場合は7年間、欠損金の繰越控除を受ける場合は10年間です。ただし、消費税法や、その他の法令によって、保管期間が異なる場合があります。電子帳簿保存法では、電子データでの保存が義務化されており、適切な方法で保管する必要があります。
Q2: 請求書を紛失した場合の対応は?
A: 請求書を紛失した場合は、まず、取引先に再発行を依頼します。再発行された請求書は、原本と同様に保管する必要があります。紛失した請求書の内容が不明な場合は、取引先に確認し、必要な情報を収集します。紛失した請求書が、税務調査などで問題となる可能性がある場合は、税理士に相談し、適切な対応策を検討しましょう。
Q3: 請求書の電子化における注意点は?
A: 請求書の電子化には、いくつかの注意点があります。まず、電子データの保存方法を適切に定める必要があります。電子帳簿保存法の要件を満たすように、検索機能を確保し、改ざん防止のための措置を講じる必要があります。次に、セキュリティ対策を徹底することが重要です。情報漏洩のリスクを避けるために、アクセス権限の管理や、セキュリティソフトの導入などを行う必要があります。
Q4: 請求書受領システム導入の費用相場は?
A: 請求書受領システムの導入費用は、システムの機能や、利用するユーザー数などによって異なります。SaaS型のシステムの場合、月額数万円から利用できるものもあります。BPOサービスを利用する場合は、請求書の処理件数や、サービス内容によって費用が異なります。費用対効果を考慮し、自社のニーズに合ったシステムを選択することが重要です。
請求書受領業務は、企業の経理部門にとって不可欠な業務であり、その効率化は、企業の生産性向上に大きく貢献します。本記事で解説した内容を参考に、自社の請求書受領業務を見直し、より効率的で、コンプライアンスを遵守した業務体制を構築しましょう。TOKIUMは、請求書受領業務の課題解決を支援する様々なソリューションを提供しています。ご興味のある方は、ぜひTOKIUMのサービスの詳細をご覧ください。