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軽減税率の経理処理を解説|区分経理・仕訳例・勘定科目別の税率判断まで

更新日:2026.07.17

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軽減税率_経理処理

軽減税率の経理でまず押さえるのは、消費税8%と10%を分けて記帳する区分経理が義務づけられている点です。飲食料品や新聞をあつかうと、同じ勘定科目でも税率が8%と10%に分かれ、日々の仕訳、レシートの確認、消費税の申告まで、税率ごとの区分が欠かせません。

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本記事では、区分経理の基本から税率別の仕訳例、会議費や交際費といった勘定科目ごとの税率判断、混ざったレシートへの対処、申告での集計までを、国税庁の情報にもとづいて経理の実務目線でまとめます。

軽減税率とは|経理担当者が押さえる基本

軽減税率とは、特定の品目にかぎって消費税を標準の10%より低い8%にとどめる制度です。経理で関わるのは、8%が適用される取引と、それ以外の10%の取引を分けてあつかう必要がある点です。

8%が適用されるのは、外食と酒類を除いた飲食料品、そして週2回以上発行される定期購読の新聞です。テイクアウトや宅配は8%、店内飲食やケータリングは10%というように、同じ食品でも提供の形で税率が変わります。

▼ 軽減税率の対象(経理で扱う際の要点)

税率主な対象
8%(軽減税率)酒類・外食をのぞく飲食料品(テイクアウト・宅配を含む)、週2回以上発行の定期購読新聞
10%(標準税率)酒類、外食・ケータリング、上記以外の商品・サービス全般

品目ごとの細かい線引きや外食の判定は、対象品目をまとめた記事でくわしく確認できます。

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軽減税率で経理業務はどう変わるのか

軽減税率で経理業務が変わった最大の点は、消費税を税率ごとに区分して記帳する「区分経理」が義務になったことです。8%と10%が混在するため、売上も仕入も税率別に金額を把握しておかないと、正しい消費税額を計算できません。

実務ではまず、受け取った領収書や請求書に税率ごとの記載があるかを確認し、8%と10%に分けます。そのうえで日々の仕訳を8%用と10%用の税区分で使い分けて記帳し、決算では税率別に売上高と仕入高を集計して申告書を作ります。入口の記帳から出口の申告まで、税率の区分が一本の線でつながっています。

軽減税率の経理処理フロー(区分経理→税率別の仕訳→税率別集計→消費税申告)

軽減税率の税率ごとの仕訳例(税抜経理方式・税込経理方式)

税率が混ざる取引の記帳では、税込・税抜のどちらの経理方式でも、同じ勘定科目のなかで8%と10%の税区分を分けて入力する必要があります。飲食料品を8%、事務用品を10%で購入した場合を、両方式で並べて見てみます。

▼ 税率別の仕訳例(税抜経理方式・税込経理方式)

取引例税抜経理方式の仕訳税込経理方式の仕訳
来客用の飲食料品を現金10,800円で購入(8%)(借)消耗品費 10,000/仮払消費税等 800 (貸)現金 10,800(借)消耗品費 10,800 (貸)現金 10,800
事務用品を現金11,000円で購入(10%)(借)消耗品費 10,000/仮払消費税等 1,000 (貸)現金 11,000(借)消耗品費 11,000 (貸)現金 11,000

税抜経理方式では、仮払消費税等の金額が8%と10%で変わるため、税区分を取り違えると納税額に直結します。税込経理方式でも、申告時に税率別の集計が必要になるので、入力の段階で8%か10%かを分けておく点は同じです。どちらの方式を採るかは会社の会計方針しだいで、途中で混在させないことが大切です。

軽減税率で迷いやすい勘定科目別の税率判断

勘定科目別の税率判断でつまずきやすいのは、同じ科目でも中身が飲食料品や新聞かどうかで8%と10%が分かれる点です。勘定科目そのものではなく、何を買ったかで税率を判断します。よく使う科目を早見表にまとめます。

▼ 勘定科目別・軽減税率の税率判断の早見表

勘定科目8%になる例10%になる例
会議費会議用の茶菓・弁当・ペットボトル飲料の購入会場を伴うケータリング、店内での飲食
交際費取引先への手土産(菓子折りなど飲食料品)贈答用の酒類、料亭・レストランでの接待飲食
新聞図書費週2回以上発行される定期購読の紙の新聞書籍、電子版の新聞、週1回以下の新聞
消耗品費来客用・備蓄用のペットボトル飲料や食品文房具、備品などの飲食料品以外
福利厚生費社員へ支給する飲食料品(テイクアウト含む)社員との外食・懇親会(店内飲食)

会計ソフトに入力するときは、8%の取引を「課対仕入8%(軽減)」、10%の取引を「課対仕入10%」のように、税率の違う税区分で登録します。同じ「消耗品費」でも、来客用の飲料は8%、文房具は10%と分かれるため、科目を選んだあとに税区分を確かめる習慣をつけると取り違えを防げます。

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軽減税率のレシート・請求書のチェックと修正方法

受け取った領収書やレシートでまず確認するのは、8%と10%が税率ごとに分けて記載されているかです。軽減対象の品目には「※」などの記号が付き、税率ごとの合計金額が示されているのが基本の形です。

税率の記載が不十分なレシートへの対応

税率区分の記載がなかったり不十分だったりする場合は、発行元へ再発行や追記を依頼するのが原則です。少額でその場での対応が難しいときは、購入した品目から自分で軽減対象かどうかを判断し、正しい税区分で記帳します。レシートの表示ルールや宛名の書き方は、レシート対応の記事もあわせて確認してください。

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8%と10%が混ざったレシートを10%でまとめて処理したときの修正

8%と10%が混在するレシートを、うっかり全額10%で処理してしまうことは実務でよく起こります。気づいた時点で、飲食料品など8%の対象分を正しい税区分に振り替えて修正します。修正のポイントは、税込金額は変えずに税区分と消費税額だけを直すことです。決算や申告を終える前なら早めに直すほど影響は小さく、金額が小さく重要性が低い場合の扱いは、顧問税理士に確認しておくと安心です。

軽減税率とインボイス制度の関係

軽減税率とインボイス制度の関係は、仕入税額控除を受けるために、税率ごとに区分され登録番号が記載された適格請求書(インボイス)の保存が必要になる点にあります。8%と10%が混在するからこそ、税率ごとの区分と、発行事業者を示す登録番号がそろっていることが要件になります。

適格請求書に記載する登録番号は、Tを先頭にした13桁の半角数字で構成されます。 出典:国税庁 インボイス制度(最終確認日:2026年7月17日)

制度の全体像や適格請求書の記載事項は、インボイス制度の解説記事でくわしく確認できます。ここでは軽減税率との接点にとどめます。

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経過措置の8%と軽減税率8%の違い

経過措置の8%と軽減税率の8%は、合計は同じ8%でも国税と地方税の内訳が異なるため、会計上は別の税区分としてあつかいます。経過措置の8%は、増税前からの契約など一定の要件を満たす取引に旧税率が適用されるもので、飲食料品の軽減8%とは根拠が違います。

▼ 同じ8%でも内訳が違う(会計ソフトでは別の税区分)

区分合計税率国税(消費税)地方税(地方消費税)
軽減税率8%6.24%0.76%
旧税率(経過措置)8%6.3%1.7%

会計ソフトでは、軽減8%と旧税率8%の税区分が別々に用意されています。内訳が違うと消費税額の計算結果も変わるため、経過措置の対象取引を軽減税率の8%で登録しないよう注意します。

軽減税率がある場合の消費税申告での税率別集計

消費税の申告では、日々の仕訳で分けておいた8%と10%を税率ごとに集計し、売上税額と仕入税額を計算します。日次の段階で税区分を分けておけば、申告時の税率別集計はそのまま行えるため、期末にまとめて仕訳し直す負担がなくなります。

税額の計算方法には、実際の仕入をもとにする一般課税と、みなし仕入率で計算する簡易課税があります。なお軽減税率の導入当初は、売上を税率ごとに区分するのが難しい中小事業者向けに割合を使った計算の特例が設けられていましたが、これらの経過措置はすでに終了しています。自社がどの方法を採るかで集計の仕方が変わるため、詳しい計算は国税庁の資料や顧問税理士に沿って進めます。

軽減税率対応の経理業務を効率化する方法

軽減税率対応の経理を効率化する近道は、税率の区分と領収書のデータ化を手作業に頼らない仕組みをつくることです。8%と10%の判別、税区分の入力、税率別の集計は、取引量が多いほどミスも確認工数も増えます。とくに拠点や部門が多い大手ほど、税区分のばらつきが内部統制上のリスクにつながりやすくなります。

領収書や請求書を読み取ってデータ化し、会計システムへ連携する仕組みを使えば、転記や確認の手間を減らせます。電子帳簿保存法に対応した形で保存しておけば、原本管理や検索の負担も軽くなります。

TOKIUM経費精算では、スマホで撮影したり送ったりした領収書を、AI-OCRとオペレーターがデータ化し、会計システムと連携します。税率をふくめてデータ化し、同じルールで処理できるため、拠点や部門をまたいだ税区分のばらつきも抑えやすくなります。電子帳簿保存法に対応した形で保存できるので、原本管理の手作業も軽くなります。

TOKIUMシリーズの累計導入社数は3,000社を突破しています(2025年11月末時点)。 出典:TOKIUM プレスリリース(2025年12月4日公表)(最終確認日:2026年7月17日)

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軽減税率の経理は、8%と10%を分けて記帳する区分経理を起点に、税率別の仕訳、勘定科目ごとの税率判断、レシートの確認と修正、インボイスとの関係、経過措置との区別、そして申告での税率別集計までが一続きになっています。迷いやすいのは勘定科目別の判断と混在レシートの扱いで、飲食料品か新聞かという中身で税率を見極めるのが基本です。

取引量が増えるほど、勘定科目ごとの税率判断や税区分の入力にかかる手作業の負担とミスは大きくなります。TOKIUM経費精算なら、領収書のデータ化から勘定科目・税区分の判定、仕訳の作成までを一連でまかない、インボイスや電子帳簿保存法にもシステム側で対応できます。軽減税率対応の経理処理をラクにしたい方は、ぜひ一度ご検討ください。

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軽減税率と経理に関するよくある質問

軽減税率で経理の何が変わりましたか?

消費税を8%と10%に分けて記帳する区分経理が義務になった点が最大の変化です。仕訳の税区分、レシートや請求書の確認、消費税申告での集計まで、税率ごとの区分が必要になりました。

区分経理とは何ですか?

区分経理とは、軽減税率の8%と標準税率の10%を、税率ごとに区分して帳簿に記録することです。売上と仕入のそれぞれで税率別に金額を把握し、正しい消費税額を計算できるようにします。

8%と10%が混ざったレシートはどう仕訳しますか?

飲食料品など8%の対象分と、それ以外の10%分を分けて、それぞれの税区分で仕訳します。全額を10%で処理してしまった場合は、税込金額は変えずに、8%対象分の税区分と消費税額を修正します。

会議費や交際費は軽減税率の対象になりますか?

中身が酒類・外食をのぞく飲食料品であれば8%の対象になります。会議用の弁当や取引先への菓子折りは8%、店内での飲食や贈答用の酒類は10%というように、勘定科目ではなく購入したものの内容で判断します。

軽減税率とインボイス制度はどう関係しますか?

仕入税額控除を受けるには、税率ごとに区分され登録番号が記載された適格請求書(インボイス)の保存が必要です。8%と10%が混在するため、税率区分と登録番号がそろった請求書を保存することが要件になります。

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