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経費をクレジットカードで払うと、その場で現金を用意する手間は減ります。ただ、経理の処理がなくなるわけではありません。誰のカードで払ったかによって、必要な書類も仕訳も変わります。
この記事では、経費をカードで払ったときの処理を、法人カードで会社が直接払う場合と、従業員や事業主が個人のカードで払って立て替える場合に分けて整理します。利用明細と領収書の違い、仕訳、印紙税やインボイス・電子帳簿保存法の扱い、立替のルールづくりまで、経理の実務でつまずきやすい順にまとめました。
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経費をカードで払うと処理はどう変わる
経費をカードで払ったときの処理は、どのカードで払ったかで4つのパターンに分かれます。会社名義の法人カードで払ったのか、従業員が自分のカードで立て替えたのか、個人事業主が事業用カードで払ったのか、それとも個人用カードで払ったのか。まずは自分のケースを次の表で確かめてください。
▼ カード払いした経費の処理早見表
| 支払ったカード | 主な勘定科目 | 必要な書類 | 精算の要否 |
|---|---|---|---|
| 会社の法人カード | 未払金(引き落とし時に普通預金へ) | 利用明細+レシートや領収書 | 不要(会社が直接支払い) |
| 従業員の個人カード(立替) | 未払金(従業員へ)※立替精算で会社の費用に | 立替経費精算書+レシートや領収書 | 立替精算が必要 |
| 個人事業主の事業用カード | 未払金(引き落とし時に事業用の預金へ) | 利用明細+レシートや領収書 | 不要(記帳のみ) |
| 個人事業主の個人用カード | 事業主借 | レシートや領収書(事業分を抽出) | 不要(私用との按分に注意) |
会社の法人カードで払うと、支払いは会社の口座から直接引き落とされます。従業員は立て替えず、経理は利用明細を起点に確認できます。一方、従業員の個人カードで払った場合は、会社への立替精算が必要です。個人事業主なら、事業用カードは立替精算が不要で記帳するだけで済みますが、個人用カードは私用分との切り分けが要ります。
どのパターンでも共通するのは、利用明細だけでは足りず、レシートや領収書をそろえておく必要があるという点です。理由は次章で見ていきます。
カード払いの経費で必要な証憑と保存のルール
カード払いの経費で気をつけたいのは、カード会社の利用明細だけでは証憑(取引を裏づける領収書やレシートなどの書類)として不十分な場合があるという点です。何を残し、どれくらい保存すればよいのかを整理します。
利用明細とレシート・領収書の違い
カード払いでは、店舗から領収書が発行されないことがあります。この場合、カード会社の利用明細やクレジット売上票、レシートが支払いの記録になります。ただし、利用明細に書かれているのは日付と店名と金額だけのことが多く、何を買ったかまではわかりません。経費の裏づけとしては、品目のわかるレシートや領収書をあわせて残しておくのが安全です。
経費の裏づけとして望ましいのは、日付・取引先・品目や内容・金額がわかることです。カード払いだと明細に載る情報が限られるため、品目のわかるレシートを保管する習慣が大切です。領収書の要否をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
インボイスと消費税の仕入税額控除での扱い
消費税の仕入税額控除(支払った消費税を差し引く仕組み)で注意したいのは、カード会社が発行する利用明細書は、それだけでは控除の要件を満たす請求書等にはあたらないという点です。控除を受けるには、支払先の店舗から受け取った適格請求書(インボイス)やレシートを保存します。
国税庁は、クレジットカード会社が交付する利用明細書は消費税法上の請求書等に該当しないとしています。仕入税額控除には、商品やサービスを提供した加盟店から受け取った適格請求書等の保存が必要です。なお、公共交通機関特例や出張旅費等特例など、一定の取引はインボイスの保存がなくても控除が認められます。 出典:国税庁 質疑応答事例「クレジットカード会社からの請求明細書」(最終確認日:2026年7月14日)
証憑の保存期間と電子帳簿保存法
そろえた証憑には保存義務があります。法人の場合、帳簿や領収書などの書類は原則7年間保存します。あわせて意識したいのが電子帳簿保存法です。カードの利用明細をウェブからダウンロードして受け取った場合、それは電子取引にあたり、電子データのまま保存する必要があります。紙に印刷して保管するだけでは要件を満たさないため、保存方法をあらかじめ決めておきましょう。
帳簿書類の保存期間は、法人では原則として7年間と定められています。 出典:国税庁 タックスアンサー No.5930「帳簿書類等の保存期間」(最終確認日:2026年7月14日)

経費をカード払いしたときの仕訳
カード払いの仕訳は、利用した時点と引き落とされた時点の2回に分けて記録するのが基本です。利用した時点ではまだ現金が動かないため、いったん未払金(あとで払う予定のお金を表す科目)として計上し、口座から引き落とされた時に消し込みます。代表的なパターンを表にまとめます。
▼ カード払いの主な仕訳パターン
| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 法人カードで支払った時 | 費用(旅費交通費など) | 未払金 |
| 法人カードが引き落とされた時 | 未払金 | 普通預金 |
| 従業員の立替を計上した時 | 費用 | 未払金(従業員へ) |
| 従業員へ立替を精算した時 | 未払金(従業員へ) | 現金・普通預金 |
| 個人事業主が個人用カードで払った時 | 費用 | 事業主借 |
カードは利用した月と引き落とされる月がずれることがあります。決算期をまたぐときは、利用した日で費用を計上し、未払金として繰り越すのが基本です。分割払いやリボ払いの手数料は、支払手数料(または支払利息)として本体の代金とは分けて計上します。ポイントを使って値引きされた場合は、値引き後に実際に支払った金額で処理するのが一般的です。年会費は、事業で使うカードであれば支払手数料や諸会費などの科目で経費にできます。
決済口座ごとの細かい仕訳や、より具体的な記帳例は、こちらの記事でくわしく紹介しています。
カード払いの経費で注意したい印紙税と消費税
カード払いには、現金払いと違う税務上のポイントがあります。とくに間違えやすいのが収入印紙の扱いです。
クレジットカード決済の場合、5万円以上の領収書であっても収入印紙は不要です。カード払いはその場で金銭を受け取らない信用取引(後日まとめて支払う取引)のため、印紙税がかかる受取書にあたらないからです。ただし条件があります。領収書に「クレジットカード利用」と明記されていないと、現金払いと区別がつかず、印紙が必要な文書とみなされる可能性があります。カード決済である旨が書かれているかを確認しましょう。
国税庁は、クレジット販売の場合の領収書について、信用取引で金銭の受領事実がないため印紙税は課税されないとしています。ただし、その領収書にクレジットカード利用である旨の記載がない場合は、課税文書に該当するとしています。 出典:国税庁 質疑応答事例「クレジット販売の場合の領収書」(最終確認日:2026年7月14日)
消費税については前章のとおりで、控除には加盟店から受け取ったインボイスやレシートの保存が必要です。収入印紙が不要になるケースをまとめて知りたい方は、こちらもご覧ください。
個人カードで会社の経費を立て替えるときのルール
従業員が自分のカードで会社の経費を立て替えることは、会計上は問題ありません。ただし、あとで正しく精算し、私的な支出と混ざらないようにするためのルールが要ります。ここを整えておかないと、経理の確認が増え、不正やミスの温床にもなります。
立替精算の手順と必要な書類
立替精算では、いつ・誰が・どこで・何を・いくら払ったかを証明できる書類が必要です。具体的には、立替経費精算書に、品目のわかるレシートや領収書を添えて提出します。提出の期限や締めのタイミングを決めておくと、月末に申請が集中して経理が困る事態を避けられます。
私的利用と不正・二重申請を防ぐ仕組み
個人カードでの立替は、私的な買い物と経費が同じ明細に並ぶため、線引きがあいまいになりがちです。経費として申請できるのは事業に関係する支出だけ、というルールを明文化しておきましょう。あわせて、提出されたレシートと申請内容を突き合わせ、同じ支出が二重に申請されていないかを確認する流れをつくると、計上漏れや不正に早く気づけます。
カード払いに変えても残る経理業務と効率化ならTOKIUM
経費のカード払いは、誰のカードで払ったかによって処理が変わります。会社の法人カードなら未払金、従業員が立て替えたなら会社側は未払金(従業員への未払い)、個人事業主が個人用カードで払ったなら事業主借(事業の財布と個人の財布を区別する科目)が基本です。どのケースでも、利用明細だけでなくレシートや領収書をそろえ、原則7年間、電子帳簿保存法にそって保存する点は共通です。印紙税や消費税の扱いも、現金払いとは違うところがあります。
法人カードそのものの導入や運用ルールをこれから詳しく決めたい方は、あわせてこちらの記事もご覧ください。
そのうえで見落としたくないのが、支払いをカードに変えても経理の仕事はなくならないという点です。現金や小口現金を管理する手間は減っても、代わりに利用明細の確認・レシートや領収書の回収・仕訳・電子帳簿保存法にそった保存が残ります。従業員の個人カードによる立替も、なくなるわけではありません。カード化を「負担の付け替え」で終わらせないためには、この残った業務をどう回すかまで考える必要があります。
TOKIUM経費精算は、この残った精算業務を引き受けます。スマホで撮影したり郵送したりした領収書を、高い精度でデータ化します。会計システムとの連携で仕訳データを流し込み、ダウンロードした利用明細のような電子取引データも、電子帳簿保存法にそった形で保存できます。カードの利用明細と領収書を照らし合わせる作業も、同じ画面の中で進められます。
TOKIUM経費精算は、領収書をスマホで撮影するだけで99%以上の精度でデータ化でき、36種類以上の会計システム・ERPと連携しています。電子帳簿保存法のスキャナ保存に対応するJIIMA認証も取得しています。 出典:TOKIUM経費精算 公式サイト(最終確認日:2026年7月14日)
TOKIUMシリーズの導入社数は3,000社を突破しています。 出典:株式会社TOKIUM ニュース(最終確認日:2026年7月14日)
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経費のカード払いに関するよくある質問
カードの利用明細は領収書の代わりになりますか
日付・店名・品目・金額・支払方法がわかれば、利用明細やレシートが経費の証憑になります。ただし、消費税の仕入税額控除を受けるには、カード会社の利用明細だけでは足りず、加盟店から受け取ったインボイスやレシートの保存が必要です。品目のわかる書類をあわせて残しておくのが安全です。
個人名義や家族名義のカードで払った経費も認められますか
事業に関係する支出であれば経費にできます。従業員が立て替えた場合は立替精算で、個人事業主が個人用カードで払った場合は事業主借で処理します。家族名義のカードでも、事業のための支出だと説明できれば経費にできますが、私的な支出と混ざりやすいため、事業に使った分だけを抜き出して記録することが大切です。
領収書やレシートをなくしたときはどうすればよいですか
まずはカードの利用明細で支払いの事実を確認します。そのうえで、店舗に領収書の再発行を依頼するか、支払いの内容を記録した書類(日付・相手先・金額・内容を書いたメモや支払証明書)で補います。ただし、消費税の仕入税額控除の要件を満たすには原則としてインボイスの保存が必要なため、レシートは受け取ったらすぐ保管する習慣をつけましょう。





