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食料品にかかる消費税を8%から1%へと引き下げる基本方針を、政府が2026年8月5日に閣議決定しました。開始は2027年4月、期間は2年間の方針です。ただし、これは政府の方針が固まった段階であり、法律としてはまだ確定していません。何がいつから変わる見通しなのか、いま決まっていることと未確定のことを分けて整理します。
※本記事は2026年8月10日時点の報道・公表情報をもとに作成しております。食料品の消費税率引き下げは政府が基本方針を閣議決定した段階であり、関連法案はまだ成立していません。今後の国会審議などにより時期・対象・内容が変更される可能性があります。実際の対応にあたっては最新の政府・国税庁の公表資料をご確認いただき、必要に応じて顧問税理士にご相談ください。
食料品の消費税1%はいつからいつまでか
時事通信によると、決定の場は8月5日の臨時閣議です。基本方針の内容は、飲食料品の消費税率を8%から1%へ、2027年4月からの2年間に限って引き下げるというもの。適用期間は2027年4月1日から2029年3月31日までとされ、期限後は8%へ戻す前提が置かれています。 出典:内閣官房「飲食料品に係る消費税率の引下げ及び給付付き税額控除(政府の基本方針)」/時事通信「消費減税方針を閣議決定=食品1%、来年4月から2年間」(最終確認日:2026年8月10日)
今回の方針どおりに進んだ場合の主な日程は次のとおりです。
▼ 食料品消費税1%の想定スケジュール(2026年8月10日時点・報道ベース)
| 時期 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| 2026年7月30日 | 高市首相が飲食料品の消費税減税方針を表明 | 実施済み |
| 2026年8月5日 | 政府が基本方針を閣議決定 | 実施済み |
| 2026年9月 | 税制改正大綱の決定 | 予定 |
| 2026年秋 | 臨時国会に関連法案を提出・審議 | 予定 |
| 2027年4月1日 | 食料品の消費税率8%から1%へ引き下げ | 方針 |
| 2029年3月31日 | 2年間の期限を迎え8%に戻る | 方針 |

出典:時事通信「消費減税方針を閣議決定=食品1%、来年4月から2年間」(最終確認日:2026年8月10日)
食料品の消費税1%の閣議決定から施行までの流れ
閣議決定は「政府としてこの内容で法案を出す」と決めた段階であり、法律の成立ではありません。消費税率の変更には消費税法の改正が必要で、秋の臨時国会で法案が可決されて初めて確定します。現時点で決まっていることと未確定のことは、次のように分けられます。
▼ 決まっていること・未確定のこと(2026年8月10日時点)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 方針として決定 | 税率8%から1%へ/2027年4月から2年間/1%分は中低所得者向け給付と組み合わせ |
| 未確定 | 法案の成立そのもの/対象品目の最終的な線引き/施行日をまたぐ取引の経過措置の詳細 |
したがって、現段階の情報はすべて方針ベースです。次の節目は、政府・与党が税制改正の方針をまとめる税制改正大綱(2026年9月予定)と、秋の臨時国会です。そこで内容が変わる可能性がある点は押さえておく必要があります。
消費税1%の対象となる食料品はどこまでか
政府の基本方針では、引き下げの対象を「軽減税率の対象となっている飲食料品」としています。現行の軽減税率には、酒類・外食を除く飲食料品のほかに定期購読契約に基づく週2回以上発行される新聞も含まれますが、基本方針が挙げているのは飲食料品のみのため、新聞は今回の1%の対象に含まれず、8%のまま残ると考えられます。飲食料品の範囲が踏襲されれば、スーパーやコンビニで購入する食料品やテイクアウトは1%になる見通しです。外食と酒類は対象外のまま10%が続きます。 出典:内閣官房「飲食料品に係る消費税率の引下げ及び給付付き税額控除(政府の基本方針)」(最終確認日:2026年8月10日)
ただし、最終的な線引きは法案作成の中で固まるものであり、現時点では確定していません。お菓子とおもちゃのように食料品と食料品以外を組み合わせたセット商品(一体資産)や、ケータリングの扱いも残る論点です。軽減税率の導入時に判定が難しかったこれらの品目が引き継がれるかどうかは、大綱と法案で確認が必要です。
●軽減税率の対象品目に関する記事はこちら
食料品の消費税が実質ゼロとされる仕組み
日本経済新聞によると、残る1%分については2027年6月以降、中低所得の現役世代などへの現金給付で食料品の消費税負担を実質ゼロにする設計と報じられています。給付の対象者や手続きの詳細は現時点で公表されておらず、今後の制度設計で決まる見通しです。 出典:日本経済新聞「食品消費税27年4月から1%、政府が午後決定へ 自民党が了承」(最終確認日:2026年8月10日)
食料品の消費税1%が経理実務に与える影響
家計にはシンプルな減税ですが、事業者側の実務はむしろ複雑になります。方針どおり施行されれば、帳簿や請求書では標準税率10%と食料品の1%が併存します。さらに、返品・値引きは元の取引に適用された税率で処理するのが原則のため(消費税法38条)、施行後も従来の8%を扱う場面が残り、一時的に3つの税率が並ぶことになります。 出典:国税庁「No.6359 値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整」(最終確認日:2026年8月10日)
加えて、2027年4月の引き下げ時と2029年4月の復帰時の2回、レジ・販売管理・会計システムの切替が必要になる可能性があります。
また、政府の基本方針では引き下げの対象が「軽減税率の対象となっている飲食料品」とされており、新聞は対象に含まれないと考えられます。その場合、定期購読の新聞には現状どおり8%が適用され続けるため、引き下げ期間中を通じて10%・8%・1%の3つの税率が併存することになります。帳簿や請求書の税率区分は「最大3種類」を前提に見ておくのが安全です。
具体的にどの業務へ影響が出るかは、請求書を発行する側と受領する側で異なります。食料品を売る会社でなくても、会議用の弁当や手土産の請求書・領収書は受け取るため、受領側としては業種を問わず影響を受けます。立場ごとに、経理部門に限らず関係部門も含めた代表的な例と、いま進められる準備を整理します。なお、ここに挙げるものがすべてではなく、業務の範囲によってはこれ以外にも影響が及ぶ可能性があります。
請求書を発行する側の影響
食料品を販売する事業者は、商品の値付けから請求書の発行、申告までが直接変わります。代表的な例は次のとおりです。
▼ 発行側で想定される影響の例
| 影響が出る業務 | 起きること | いま何をすべきか |
|---|---|---|
| 商品の税率判定 | 現行の8%/10%の区分が1%/10%に置き換わる見込み。税率差が9%に開き、セット商品(一体資産)など判定誤りの影響額が大きくなる | 商品マスタの税率区分を棚卸しする |
| 請求書・レシートの発行 | 適格請求書に記載する適用税率・税率ごとの消費税額が1%対応に変わる。施行日をまたぐ請求期間では8%と1%が1枚に混在する | 発行システムの様式変更を確認する |
| レジ・販売管理システム | 2027年4月の引き下げ時と2029年4月の復帰時の2回、切替が必要になる | 改修の工数や費用を見積もる |
| 値札・価格表示 | 店頭の値札の貼り替えやECの税込表示の更新が必要になる。復帰時にも再度発生する | 対象範囲と作業量を洗い出す |
| 見積書・長期契約 | 施行日をまたぐ案件で、適用税率の記載や取り決めが必要になる | 見積書のひな形と契約書の税率条項を確認する |
| 返品・値引きの処理 | 元の取引に適用された税率で処理するのが原則のため、施行後も8%で処理する場面が残る。2029年の復帰後は1%の処理が残る | 現行の返品処理フローを確認し、流用できる形にしておく |
| 申告・納税額 | 食料品の売上・仕入はともに1%になる一方、物流費や設備など10%の経費は変わらないため、控除超過で還付に転じる事業者も出る | 納税額への影響を試算する |
請求書を受領する側の影響
受領側の影響は業種を問いません。届いた請求書や領収書の税率が正しいかを、受け取った側が確認する必要があるためです。代表的な例は次のとおりです。
▼ 受領側で想定される影響の例
| 影響が出る業務 | 起きること | いま何をすべきか |
|---|---|---|
| 受領請求書のチェック | 施行後も8%が正しいケース(施行日前の取引分や返品調整など)があり、取引日と適用税率の整合確認が増える | チェック観点と担当を決める |
| 差戻し・支払 | 誤った請求書の再発行依頼と再受領が発生し、支払スケジュールに影響し得る | 差戻しのルールと期限を決める |
| 仕訳・税区分 | 10%・1%に、元の取引の税率で処理する8%や新聞の8%が加わる可能性があり、税区分が増えて判定の手間も増える | 会計ソフトの税区分追加を確認する |
| 経費精算 | 出前や仕出しの弁当は1%、会食や配膳付きのケータリングは10%など、飲食のかたちで税率が分かれ、申請時の税率選択ミスが増える | 経費精算システムの税区分設定と申請者向けガイドの整備を準備する |
| 免税事業者からの仕入 | インボイスの経過措置(2026年10月から控除70%)と1%の区分が同時に走る | インボイス対応時の免税事業者リストを更新し、1%対象の仕入を把握する |
| 仕入税額控除 | 税率別の集計が変わり、誤った請求書の見逃しが控除の誤りに直結する | 集計フローを点検する |
| 月次決算・集計 | 税区分別の集計項目が増え、月次の締め作業が重くなる | 締めスケジュールの余裕を確認する |
いずれも法案成立後に詳細が固まる論点ですが、表の「いま何をすべきか」の多くは成立前でも進められます。早めに着手するほど、施行直前の混乱を避けやすくなります。
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食料品の消費税1%のポイントまとめ
食料品の消費税を1%に引き下げる方針は、2026年8月5日の閣議決定で固まりました。実施は2027年4月から2年間の予定です。ただし法案はこれからで、対象品目の線引きや、税率切り替え前後の取引の扱い(経過措置)の詳細も未確定です。次の節目は9月の税制改正大綱と秋の臨時国会。確定情報が出た段階で、本記事も更新する予定です。
食料品の消費税1%に関するよくある質問
食料品の消費税1%はいつ正式に決まりますか
秋の臨時国会で関連法案が可決された時点で正式に確定します。報道ベースでは、9月中に税制改正大綱がまとまり、関連法案は秋の臨時国会へ提出される見通しです。それまでは方針段階の情報として扱う必要があります。
テイクアウトや出前も1%になりますか
現行の軽減税率と同じ範囲が対象になる場合、テイクアウトや出前は1%、店内での飲食は対象外の10%になる見通しです。ただし対象範囲は法案で最終確定するため、現時点では断定できません。
2年経ったら本当に8%に戻りますか
基本方針では2029年3月31日に期限を迎え、8%へ戻す前提が置かれています。一方で、期限付きの税制措置が延長された前例もあるため、2028年以降の議論は確認が必要です。



