インボイス制度

【テンプレあり】インボイス制度に対応する請求書は?領収書・レシートでも代用できる?

公開日:2022.04.20更新日:2022.06.17

いよいよ令和5年からインボイス制度(適格請求書等保存)が始まります。インボイス制度が始まると、買い手は仕入税額控除を受けるために「適格請求書」を保存しなければなりません。そのため、取引先からは「適格請求書」を求められることになりますが、「適格請求書」とはどのようなものなのでしょうか。
この記事では事業者が対応を求められるインボイス制度について、サンプルを用いて分かりやすく解説します。

インボイス制度とは?

令和5年(2023年)10月1日より、消費税の仕入税額控除の方式として、インボイス制度が始まります。インボイスとは「適格請求書」のことです。
この日付以降は、買手がインボイス制度を利用して仕入税を控除するには、税務署長の登録を受けた事業者から適格請求書を受け取って仕入れを行い、その適格請求書等を保存しなければなりません。税の控除ができなくなれば、その分支払う税金が増えますので、適格請求書の重要性は大きいと言えます。

令和5年9月30日までは経過措置期間

インボイス制度の導入は段階的に行われ、現在は4年間の経過措置期間にあたります。そのため「区分記載請求書等保存方式」と呼ばれる一時的な方式で請求書を作成しています。令和5年10月1日からは適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)に移り、記載項目が追加されます。

仕入の際は要注意

これまで仕入税額控除は、請求書や領収書、帳簿を保存しておけば適用できました。
しかしインボイス制度においては、取引先からインボイスを交付してもらわなければ仕入税額控除を適用できません経理上の処理で込み入った話になりますが、本来、事業者が納める消費税額は「課税売上に係る消費税額」-「仕入課税等に係る消費税」で計算する消費税の仕入税額控除が適用されています。
簡単な例は次のとおりです。
売上額1000万円に対して消費税額100万円、仕入れ額500万円に対して消費税額50万円が発生した。事業者が直接納める消費税額は100万円-50万円で50万円となる上記の例においては、50万円分が控除できないため、100万円を納める必要が出てきます。

なお、インボイス制度については以下の記事で解説しています。まだ理解が不十分な方はぜひご一読ください。

区分記載請求書の記載事項

インボイス(適格請求書)には、一定の記載事項があります。ここではまず、現在の請求書の方式(区分記載請求書等保存方式)の5つの記載事項を確認します。
経理の方には馴染みの事柄ですが、新しいインボイス(適格請求書)の記載事項のベースになりますので、参考にして下さい。なお、令和5年10月1日からの記載事項については、後ほど解説します。

  • ①請求書発行者の氏名又は名称
  • ②取引年月日
  • ③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • ④税率ごとに区分して合計した税込対価の額
  • ⑤請求書受領者の氏名又は名称

出典:国税庁|適格請求書等保存方式の概要
区分記載請求書等保存方式の下では、3万円未満の少額な取引や請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるときは、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで、仕入れ税額控除の要件を満たすこととなります。

適格請求書(インボイス)の記載事項・テンプレート

インボイス制度の適格請求書
出典:国税庁|適格請求書等保存方式の概要

上のテンプレート赤枠の項目(①④⑤)が、現行の区分記載請求書の記載事項と変更があるものです。

  • ①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  • ②取引年月日
  • ③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • ④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等
  • ➅書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

以上の①~⑥が適格請求書に必要な記載となります。

①では、登録番号の記載が必要になり、②については適用税率(8%対象・10&対象)の記載が必要となります。新たに加わった⑤についてですが、今後は税込み表示・税抜き表示に関わらず、消費税額を必ず記載します。その際に適用される税率が複数ある場合は、それぞれの税率ごとに分けて記載します。

なお、適格請求書の様式は法令等で定められておらず、必要な事項が記載されたものであれば、名称を問わず、また手書きであっても適格請求書に該当します。

適格請求書の電子保存は可能?

適格請求書は、書面での交付に代えて、電磁的記録(電子データ)で提供することができます。これを電子インボイスと言います。
適格請求書に係る電磁的記録の記録事項は、書面で適格請求書を交付する場合と同じです。適格請求書に係る電磁的記録の提供方法として、例えば、受発注に係るオンラインシステムを介した連絡(いわゆるEDI取引)電子メール送信、インターネット上のサイトを通じた提供、記録用媒体での提供などがあります。
詳しくは以下の記事を参照してください。

インボイス発行には適格請求書発行事業者への登録が必要!

登録申請の方法

登録を受けようとする事業者は、「適格請求書発行事業者の登録申請書」(以下「登録申請書」)を税務署へ提出して登録申請をします。
ここでの提出は、税務署へ登録申請書を持参・郵送する他、e-Taxを利用した電子提出という方法もあります。
税務署による審査を経て、登録された場合は、登録番号などの通知および公表が行われます。公表情報はインターネットを通じて確認することができます。

登録申請のスケジュール

登録申請は2021(令和3)年10月1日から提出が可能です。
2023(令和5)年10月1日から登録を受けるためには、原則として2023(令和5)年3月31日までに登録申請書を提出する必要があります。
税務署の審査には一定の時間を要しますので、早めの提出が肝心となります。適格請求書発行事業者への登録者に限って、インボイス制度を利用して、仕入税額控除に必要な適格請求書の発行が認められますので、余裕をもって登録を行いましょう。

適格請求書以外での対応方法

必要な記載条件を満たせば、「適格簡易請求書」という形でもインボイス制度に対応することができます。主に領収書やレシートで取引を行う業種で認められていますので、可能な企業はぜひ活用しましょう。

適格簡易請求書(簡易インボイス)とは

簡易適格請求書
出典:国税庁|適格請求書等保存方式の概要


不特定多数の者に対して販売等を行う小売業、飲食店業、タクシー業等に係る取引については、適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付することができます。これは簡易インボイスとも呼ばれ、スーパーやレストランなどの特定業種で行われる取引(買い物)に限って、交付が認められます。
赤枠の項目(①⑤)が、現行の区分記載請求書の記載事項に追加される事項です。

  • ①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  • ②取引年月日
  • ③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • ④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)
  • 税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

簡易インボイスは、消費税額等又は適用税率のどちらかを記載することで足りるとされている点で、適格請求書よりも記載の負担が少なくなっています(記載事項の⑤参照)。なお、両方記載した場合も、間違いではありません。

一般的にスーパーなどでは請求書は使わず、レシート(領収書)のみを用いて取引を行う慣習がありますので、その観点からは、領収書とレシートは簡易インボイス扱いになることが多いと言えます。

インボイス制度に対応した領収書のサンプル

領収書のサンプルを用いて、インボイスへの対応方法を見てみましょう。

簡易インボイス対応した領収書

ポイントは、「登録番号の記載」「税率ごとに区分した消費税額」「適用税率」です。サンプルでは、一番下に「登録番号T123456」の記載があります。また、中ほどに内訳として「10%対象」「8%対象」 、消費税の金額として「300」「320」との記載がありますので、インボイス対応の領収書です。

インボイス制度に対応したレシートのサンプル

レシートの場合はどうでしょうか。領収書と同様にサンプルで確認してみましょう。

簡易インボイス対応したレシート


ここでもポイントは、「登録番号の記載」「税率ごとに区分した消費税額」「適用税率」です。サンプルでは、上に「登録番号T123456」の記載があります。また、中ほどに「8%対象」「10%対象」、消費税額として「¥320」「¥300」との記載がありますので、インボイス対応済みのレシートです。

インボイス制度対応にシステムは必要?

以下の記事でインボイス制度対応にシステムは必要かの解説をしています。ぜひ参考にしてみてください。

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