仕訳FAQ

請求書の仕訳で経理担当者が知っておくべき基本と実践

更新日:2025.07.30

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請求書の仕訳について、以下のようなお悩みはありませんか。請求書が届くたびに、どの勘定科目を使えばいいのか迷ってしまう、消費税の処理が複雑で間違えやすい、仕訳ミスがないか不安で何度も見直してしまう、といった状況は、多くの経理担当者が直面している共通の課題です。

→ダウンロード:請求書電子化で「ミスなく」月次決算を実現できる理由とは?3つのメリットをご紹介

本記事では、請求書の仕訳について、経理処理の基本から、具体的な仕訳例、ミスを防ぐためのチェックポイント、業務効率化の方法、法制度への対応まで、実務に即した具体的な手法を詳しく解説します。記事を最後まで読むことで、請求書の仕訳に関する知識を深め、正確かつ効率的な経理処理を実現できるようになります。

請求書の仕訳とは? 経理処理の基本を理解する

請求書に基づき取引を仕訳帳へ落とし込む際の考え方をここで確認しましょう。勘定科目の選定から借方・貸方への配分、税区分の判断、入力の順序まで、帳簿づくりの起点となる基本フローを網羅していますので、ミスなくスピーディに記帳できる自信を養えます。

請求書の仕訳とは何か? 経理における役割

請求書の仕訳とは、企業が受け取った請求書の内容を会計上の取引として記録する作業のことです。具体的には、請求書に記載されている取引の内容を分析し、適切な勘定科目を用いて、借方と貸方に金額を振り分ける処理を行います。この仕訳作業は、企業の財務状況を正確に把握し、経営判断に役立てるために不可欠です。

経理における請求書の仕訳の役割は多岐にわたります。まず、日々の取引を記録することで、企業の資産、負債、資本、収益、費用といった財務要素を明確にします。これにより、企業の財政状態と経営成績を正確に把握することが可能になります。

次に、仕訳は会計帳簿の基礎となり、決算書の作成に不可欠です。決算書は、株主や債権者などの利害関係者に対して、企業の財務状況を報告するための重要なツールです。さらに、税務申告においても、仕訳は重要な役割を果たします。正確な仕訳は、税金の計算の基礎となり、適正な納税に繋がります。

なぜ請求書の仕訳は重要なのか? 間違いのリスクと影響

請求書の仕訳は、企業の財務管理において非常に重要な役割を果たします。仕訳を誤ると、企業の財務諸表の正確性が損なわれ、様々なリスクが生じる可能性があります。財務諸表が正確でなければ、経営者は企業の現状を正しく把握できず、誤った意思決定をしてしまうかもしれません。また、仕訳の間違いは、税務調査で指摘される原因にもなります。税務署は、企業の会計帳簿を詳細に調査し、仕訳の誤りを発見した場合、追徴課税や加算税を課すことがあります。

さらに、仕訳の間違いは、企業の信用を失墜させる可能性もあります。財務諸表の信頼性が損なわれると、取引先や金融機関からの信用を失い、資金調達や取引に支障をきたすことも考えられます。仕訳の間違いが起こりやすいケースとしては、勘定科目の選択ミス、消費税の計算ミス、金額の入力ミスなどが挙げられます。これらのミスを防ぐためには、正確な知識と丁寧な作業が不可欠です。

請求書を受け取ってからの仕訳の流れ

まず請求書の内容を確認し、取引の種類を特定します。次に、取引内容に基づいて、適切な勘定科目と金額を決定します。そして、借方と貸方に勘定科目と金額を振り分け、仕訳を行います。最後に、仕訳帳や会計ソフトに入力し記録を保存します。

具体的には、まず請求書に記載されている取引の内容を詳細に確認します。商品を購入したのか、サービスを利用したのか、あるいはその他の取引なのかを特定します。次に、取引の種類に応じて、適切な勘定科目を選択します。例えば、商品を購入した場合は「仕入」、サービスを利用した場合は「外注費」といった勘定科目を使用します。金額についても、請求書に記載されている金額を正確に確認し、消費税が含まれている場合は、税抜き金額と消費税額を計算します。

仕訳を行う際には、借方と貸方のどちらにどの勘定科目を計上するかを決定します。例えば、商品を購入した場合、借方に「仕入」、貸方に「買掛金」を計上します。最後に、仕訳帳や会計ソフトに、日付、勘定科目、金額、摘要などを入力し、記録を保存します。

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取引別 請求書の仕訳例:勘定科目と仕訳のポイント

消耗品購入、旅費交通費、広告宣伝費など代表的な請求書を題材に、勘定科目の選び方と税率別消費税区分、複合仕訳の構造を徹底解説します。実際の仕訳フォームで金額を当てはめる演習を通じて、明日から使える仕訳のポイントを習得できます。

消耗品費・事務用品費の仕訳:文房具購入を例に

文房具を購入した場合の仕訳について解説します。例えば、1,100円(うち消費税100円)の文房具を現金で購入したとします。この場合、借方に「消耗品費」1,000円、借方に「仮払消費税」100円、貸方に「現金」1,100円と仕訳します。

消耗品費は、文房具や事務用品など、比較的少額で、使用期間が短いものを購入した際に使用する勘定科目です。仮払消費税は、消費税を支払った際に使用する勘定科目です。現金は、実際に支払った現金の金額を記載します。

この仕訳のポイントは、消費税を正しく区分することです。消費税額を明確にすることで、消費税の確定申告の際に正確な処理を行うことができます。また、文房具の購入だけでなく、コピー用紙やインクカートリッジなど、事務用品の購入についても、同様の仕訳を行います。

交通費・旅費交通費の仕訳:電車賃や出張費の例

交通費や旅費交通費の仕訳について解説します。例えば、電車賃2,200円(うち消費税200円)を現金で支払った場合、借方に「旅費交通費」2,000円、借方に「仮払消費税」200円、貸方に「現金」2,200円と仕訳します。

旅費交通費は、電車賃、バス代、タクシー代、飛行機代など、業務のために利用した交通機関の費用を計上する際に使用する勘定科目です。仮払消費税は、消費税を支払った際に使用する勘定科目です。現金は、実際に支払った現金の金額を記載します。

出張の場合には、交通費に加えて、宿泊費や日当なども発生します。宿泊費は「旅費交通費」または「宿泊費」などの勘定科目で処理し、日当は「旅費交通費」または「給与」などの勘定科目で処理します。

広告宣伝費の仕訳:広告掲載料の例

広告宣伝費の仕訳について解説します。例えば、110,000円(うち消費税10,000円)の広告掲載料を、後日支払う約束で計上する場合、借方に「広告宣伝費」100,000円、借方に「仮払消費税」10,000円、貸方に「未払金」110,000円と仕訳します。

広告宣伝費は、新聞広告、雑誌広告、インターネット広告など、企業の広告宣伝活動にかかる費用を計上する際に使用する勘定科目です。仮払消費税は、消費税を支払った際に使用する勘定科目です。未払金は、まだ支払いが済んでいない費用を計上する際に使用する勘定科目です。

広告の種類によっては、消費税の課税対象とならないものもあります。例えば、一部の医療広告や公共広告などは、非課税となる場合があります。

売掛金・買掛金の仕訳:請求書発行と支払いを例に

売掛金と買掛金の仕訳について解説します。まず、自社が商品やサービスを販売し、請求書を発行した場合、借方に「売掛金」、貸方に「売上」を計上します。例えば、110,000円(うち消費税10,000円)の商品を販売した場合、借方に「売掛金」110,000円、貸方に「売上」100,000円、貸方に「仮受消費税」10,000円と仕訳します。

売掛金は、商品やサービスを販売し、代金を後日受け取る場合に発生する債権です。売上は、商品やサービスを販売したことによる収益を計上する際に使用する勘定科目です。仮受消費税は、消費税を受け取った際に使用する勘定科目です。

次に、自社が商品やサービスを購入し、請求書を受け取った場合、借方に「仕入」または「費用」、貸方に「買掛金」を計上します。例えば、110,000円(うち消費税10,000円)の商品を購入した場合、借方に「仕入」100,000円、借方に「仮払消費税」10,000円、貸方に「買掛金」110,000円と仕訳します。

買掛金は、商品やサービスを購入し、代金を後日支払う場合に発生する債務です。仕入は、商品を購入した際に使用する勘定科目です。

代金を支払った際には、借方に「買掛金」、貸方に「現金」または「預金」を計上します。例えば、110,000円を現金で支払った場合、借方に「買掛金」110,000円、貸方に「現金」110,000円と仕訳します。

税込み・税抜き処理の仕訳:消費税の計算と仕訳

税込み・税抜き処理の仕訳について解説します。消費税の処理には、税込み方式と税抜き方式の2つの方法があります。

税込み方式とは、請求書に記載されている金額をそのまま仕訳に用いる方法です。この場合、消費税額を別途計算する必要はありません。例えば、11,000円の消耗品を購入した場合、借方に「消耗品費」11,000円、貸方に「現金」11,000円と仕訳します。

税抜き方式とは、請求書に記載されている金額から消費税額を差し引いて、税抜き金額で仕訳を行う方法です。この場合、消費税額を別途計算し、仮払消費税または仮受消費税として計上します。例えば、11,000円の消耗品を購入した場合、消費税額は1,000円なので、借方に「消耗品費」10,000円、借方に「仮払消費税」1,000円、貸方に「現金」11,000円と仕訳します。

税抜き方式を採用するメリットは、消費税額を明確に把握できることです。これにより、消費税の確定申告の際に正確な処理を行うことができます。一方、税込み方式を採用するメリットは、仕訳が簡単であることです。

請求書の仕訳で注意すべきこと:ミスを防ぐためのチェックポイント

数字の転記ミスや科目選択の誤りは、二重チェック・承認フローと会計ソフトの自動チェック機能でゼロに近づけます。チェックリストの作り方からダブルチェック体制の築き方まで、ヒューマンエラーを未然に防ぐ環境整備策を具体的に紹介します。

仕訳ミスを防ぐための具体的な対策

仕訳ミスを防ぐためには、いくつかの具体的な対策を講じることが重要です。まず、請求書の内容を正確に確認することが不可欠です。請求書に記載されている取引の内容、金額、日付などを詳細に確認し、不明な点があれば、取引先に確認するようにしましょう。

次に、勘定科目の選択を誤らないように、勘定科目に関する知識を深めることが重要です。勘定科目の定義を理解し、取引内容に最適な勘定科目を選択するようにしましょう。必要に応じて、勘定科目に関する資料やマニュアルを参照することも有効です。

また、仕訳を行う際には、ダブルチェックを実施することも有効です。複数の人で仕訳内容を確認し合うことで、誤りを発見しやすくなります。特に、金額が大きい取引や、複雑な取引については、必ずダブルチェックを行うようにしましょう。

さらに、会計ソフトを活用することも、仕訳ミスの防止に役立ちます。会計ソフトには、勘定科目の自動提案機能や、仕訳のチェック機能などが搭載されており、仕訳作業の効率化と正確性の向上に貢献します。

消費税の処理:税区分と仕訳の注意点

消費税の処理は、仕訳において特に注意が必要なポイントです。消費税には、課税対象となる取引と、非課税対象となる取引があります。課税対象となる取引については、消費税額を計算し、仕訳に計上する必要があります。非課税対象となる取引については、消費税額を計算する必要はありません。

課税対象となる取引には、商品やサービスの販売、賃貸料、広告宣伝費などがあります。非課税対象となる取引には、土地の売買、医療費、教育費などがあります。

消費税の仕訳を行う際には、税区分を正しく選択することが重要です。税区分を誤ると、消費税の確定申告に影響が出てしまう可能性があります。税区分については、国税庁のウェブサイトや、税理士などの専門家にご確認ください。

また、消費税の計算方法も理解しておく必要があります。消費税は、原則として、課税売上高に消費税率を乗じて計算します。ただし、仕入税額控除という制度があり、課税売上に対応する仕入れにかかった消費税額を差し引くことができます。

未払金・前払金の処理:計上と期末処理

未払金と前払金の処理も、仕訳において重要なポイントです。未払金とは、商品やサービスを受け取ったものの、まだ支払いが済んでいない債務のことです。前払金とは、商品やサービスを受け取る前に、代金を支払った債権のことです。

未払金は、請求書を受け取った際に、借方に「費用」、貸方に「未払金」を計上します。例えば、110,000円のサービスを受け、請求書を受け取った場合、借方に「外注費」100,000円、借方に「仮払消費税」10,000円、貸方に「未払金」110,000円と仕訳します。

前払金は、商品やサービスを注文し、代金を支払った際に、借方に「前払金」、貸方に「現金」または「預金」を計上します。例えば、110,000円の商品を注文し、代金を支払った場合、借方に「前払金」110,000円、貸方に「現金」110,000円と仕訳します。

期末には、未払金と前払金の残高を確認し、適切な処理を行う必要があります。未払金については、翌期に支払いが完了した場合、借方に「未払金」、貸方に「現金」または「預金」を計上します。前払金については、商品やサービスを受け取った場合、借方に「仕入」または「費用」、貸方に「前払金」を計上します。

以下の記事では、未払金の仕訳と買掛金との違いについて詳しく解説していますので参考にしてください。

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仕訳の修正方法:訂正と修正仕訳

仕訳を誤ってしまった場合は、適切な方法で修正する必要があります。仕訳の修正方法には、訂正と修正仕訳の2つの方法があります。

訂正とは、仕訳を誤った箇所を修正テープなどで消し、正しい内容を書き込む方法です。訂正を行う際には、修正箇所が明確にわかるように、二重線で消したり、訂正印を押したりする必要があります。

修正仕訳とは、誤った仕訳を取り消し、正しい仕訳を改めて行う方法です。修正仕訳を行う際には、誤った仕訳を取り消す仕訳と、正しい仕訳を行う仕訳の2つを行います。

例えば、消耗品費を誤って計上してしまった場合、まず、誤った仕訳を取り消すために、借方と貸方を逆にして仕訳を行います。次に、正しい仕訳を行います。

仕訳の修正を行う際には、修正理由を記録しておくことが重要です。修正理由を記録しておくことで、後で誤りの原因を特定しやすくなり、再発防止に役立ちます。

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請求書仕訳の効率化:業務をスムーズに進めるために

会計ソフトの自動提案機能やAI仕訳を活用すれば入力スピードは飛躍的に向上し、紙よりも正確になります。ここでは、導入時の製品比較ポイント、初期設定のコツ、ペーパーレス化による承認ワークフロー短縮について解説します。

会計ソフトの導入と活用:メリットと注意点

請求書仕訳の効率化を図る上で、会計ソフトの導入は非常に有効な手段です。会計ソフトを導入することで、仕訳作業の自動化、データの集計、帳票の作成など、様々な業務を効率化することができます。

会計ソフトのメリットとしては、まず、仕訳作業の自動化が挙げられます。多くの会計ソフトには、勘定科目の自動提案機能や、仕訳の自動作成機能が搭載されており、仕訳作業にかかる時間を大幅に短縮することができます。次に、データの集計が容易になるというメリットがあります。会計ソフトは、入力されたデータを自動的に集計し、財務諸表やその他の帳票を作成することができます。

これにより、手作業で集計を行う必要がなくなり、作業時間を短縮することができます。さらに、帳票の作成が容易になるというメリットもあります。会計ソフトは、様々な種類の帳票を簡単に作成することができます。これにより、決算書の作成や、税務申告に必要な書類の作成を効率的に行うことができます。

会計ソフトを導入する際には、いくつかの注意点があります。まず、自社の業務内容に合った会計ソフトを選択することが重要です。会計ソフトには、様々な種類があり、それぞれ機能や使い勝手が異なります。自社の業務内容を考慮し、最適な会計ソフトを選択するようにしましょう。

次に、会計ソフトの導入には、初期費用や運用費用がかかります。これらの費用を考慮し、費用対効果を検討するようにしましょう。さらに、会計ソフトの導入には、ある程度の知識やスキルが必要です。会計ソフトの操作方法や、会計に関する知識を習得する必要があります。

AIを活用した自動仕訳の最新動向

近年、AI(人工知能)技術を活用した自動仕訳が注目を集めています。AIを活用することで、請求書の読み取りから仕訳、承認までを自動化し、経理業務の効率化をさらに加速させることが可能です。

AIによる自動仕訳の仕組みは、まず、AIが請求書を読み込み、記載されている情報を認識します。次に、AIが過去の仕訳データや、あらかじめ設定されたルールに基づいて、適切な勘定科目と金額を自動的に判断し、仕訳を行います。さらに、AIは、学習を重ねることで、より正確な仕訳ができるようになります。

AIを活用した自動仕訳のメリットとしては、まず、仕訳作業の効率化が挙げられます。AIは、人間よりも高速かつ正確に仕訳を行うことができるため、仕訳作業にかかる時間を大幅に短縮することができます。次に、人的ミスの削減が挙げられます。AIは、人間のようにミスをすることがないため、仕訳の正確性を向上させることができます。さらに、業務の標準化が挙げられます。AIは、常に同じ基準で仕訳を行うため、業務の標準化に貢献することができます。

AIによる自動仕訳の導入事例としては、TOKIUMの経理AIエージェントが挙げられます。TOKIUMの経理AIエージェントは、請求書の読み取りから仕訳、承認までを自動化し、経理業務の効率化を支援します。

以下の記事では、自動仕訳の仕組みと効率的な活用方法について詳しく解説していますので参考にしてください。

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請求書電子化のメリットと注意点:ペーパーレス化の推進

請求書の電子化も、請求書仕訳の効率化に大きく貢献します。請求書を電子化することで、ペーパーレス化を推進し、様々なメリットを享受することができます。

請求書電子化のメリットとしては、まず、保管スペースの削減が挙げられます。紙の請求書を保管するためのスペースが不要になり、オフィススペースを有効活用することができます。次に、検索性の向上です。電子化された請求書は、キーワード検索や日付検索など、様々な方法で簡単に検索することができます。これにより、必要な情報を迅速に見つけることができます。さらに、業務効率の向上です。電子化された請求書は、オンラインで共有することができ、承認プロセスを迅速化することができます。

請求書を電子化する際には、いくつかの注意点があります。まず、電子帳簿保存法に対応する必要があります。電子帳簿保存法は、電子的に保存された帳簿や書類の保存方法に関する法律です。電子帳簿保存法の要件を満たしていない場合、税務調査で指摘される可能性があります。次に、セキュリティ対策を講じる必要があります。電子化された請求書は、情報漏洩のリスクがあります。セキュリティ対策を講じ、情報漏洩を防ぐようにしましょう。

請求書仕訳と法制度:電子帳簿保存法・インボイス制度への対応

電子帳簿保存法とインボイス制度は、紙文化が根強い経理実務のルールを刷新しました。適格請求書の保存要件や仕入税額控除の新ルール、タイムスタンプや検索要件への対応を整理し、法違反リスクを回避しながら業務効率を高める術を示します。

電子帳簿保存法への対応:要件と保存方法

電子帳簿保存法は、電子的に保存された帳簿や書類の保存方法に関する法律です。電子帳簿保存法に対応することで、紙の書類を削減し、業務効率化を図ることができます。

電子帳簿保存法には、真実性の確保、可視性の確保、検索性の確保という3つの要件があります。真実性の確保とは、電子的に保存された帳簿や書類が、改ざんされていないことを保証することです。可視性の確保とは、電子的に保存された帳簿や書類を、いつでも確認できるようにすることです。検索性の確保とは、電子的に保存された帳簿や書類を、必要な時に簡単に検索できるようにすることです。

電子帳簿保存法に対応するためには、これらの要件を満たす必要があります。具体的には、タイムスタンプの付与、記録事項の訂正・削除履歴の保存、検索機能の確保などを行う必要があります。

電子帳簿保存法の改正により、電子取引における電子データの保存が義務化されました。電子取引とは、電子メールやクラウドサービスなどを利用して行われる取引のことです。電子取引でやり取りした請求書や領収書などの電子データは、原則として電子データのまま保存する必要があります。

以下の記事では、電子帳簿保存法の要件と保存方法を図解で理解できますので参考にしてください。

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インボイス制度への対応:仕訳への影響と注意点

インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、2023年10月1日から導入された消費税に関する新しい制度です。インボイス制度に対応することで、消費税の仕訳に影響が生じます。

インボイス制度では、適格請求書(インボイス)と呼ばれる請求書の発行と保存が求められます。適格請求書は、登録番号、税率、消費税額などが記載された請求書です。

インボイス制度に対応するためには、まず、適格請求書の発行事業者から適格請求書を受け取る必要があります。次に、受け取った適格請求書を保存し、消費税の仕訳に利用します。

インボイス制度の導入により、消費税の仕訳方法が変更される場合があります。具体的には、仕入税額控除の計算方法が変更され、適格請求書がない場合は、仕入税額控除が適用できなくなる場合があります。

インボイス制度に対応するためには、会計ソフトの設定変更や、経理担当者の知識習得などが必要となります。

電子帳簿保存法・インボイス制度対応ガイドブック 電子帳簿保存法・インボイス制度対応ガイドブック

法制度対応を踏まえた請求書仕訳のポイント

電子帳簿保存法やインボイス制度などの法制度に対応しながら、請求書仕訳を行うためには、以下のポイントに注意する必要があります。

まず、法制度に関する最新情報を常に把握し、対応策を検討することが重要です。税制改正などにより、法制度が変更される場合があります。最新情報を把握し、自社の業務に影響がある場合は、適切な対応策を検討するようにしましょう。

次に、会計ソフトや経理システムを適切に活用することが重要です。会計ソフトや経理システムは、法制度に対応した機能を提供している場合があります。これらの機能を活用することで、法制度に対応した仕訳を効率的に行うことができます。

さらに、経理担当者の知識とスキルを向上させることも重要です。法制度に関する知識や、会計ソフトの操作方法などを習得することで、正確かつ効率的な仕訳を行うことができます。

よくある質問:請求書の仕訳に関する疑問を解決

勘定科目の選び方に迷ったとき、仕訳を誤ったときの訂正方法、領収書の保存期間など、経理担当者が抱えやすい疑問をFAQ形式で即解決しましょう。調べ直す手間を削減し、業務を止めないための“すぐに使える答え”をまとめます。

勘定科目の選択に迷ったら? 適切な勘定科目を選ぶためのヒント

勘定科目の選択に迷った場合は、まず取引の内容を具体的に把握することが重要です。何を購入したのか、どのようなサービスを利用したのかなど、取引の内容を詳細に把握することで、適切な勘定科目を選択することができます。

次に、勘定科目の定義を確認することが重要です。勘定科目の定義を理解することで、取引内容に最適な勘定科目を選択することができます。会計ソフトや、会計に関する書籍などを参照し、勘定科目の定義を確認するようにしましょう。

また、過去の仕訳事例を参考にすることも有効です。過去に同様の取引があった場合、その仕訳事例を参考にすることで、適切な勘定科目を選択することができます。会計ソフトの検索機能などを活用し、過去の仕訳事例を検索してみましょう。それでも勘定科目がわからない場合は、税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。

仕訳を間違えた場合の修正方法:訂正と修正仕訳

仕訳を間違えて訂正を行う場合に、誤った仕訳を修正テープなどで消し、正しい内容を書き込みます。訂正を行う際には、修正箇所が明確にわかるように、二重線で消したり、訂正印を押したりする必要があります。

次に、修正仕訳を行う場合、誤った仕訳を取り消す仕訳と、正しい仕訳を行う仕訳の2つを行います。例えば、消耗品費を誤って計上してしまった場合、まず、誤った仕訳を取り消すために、借方と貸方を逆にして仕訳を行います。次に、正しい仕訳を行います。

修正仕訳を行う際には、修正理由を記録しておくことが重要です。修正理由を記録しておくことで、後で誤りの原因を特定しやすくなり、再発防止に役立ちます。

未払金・前払金の処理で注意すべきこと:期末処理と会計期間

未払金は、商品やサービスを受け取ったものの、まだ支払いが済んでいない債務です。期末には、未払金の残高を確認し、翌期に支払いが完了した場合、借方に「未払金」、貸方に「現金」または「預金」を計上します。

前払金は、商品やサービスを受け取る前に、代金を支払った債権です。期末には、前払金の残高を確認し、商品やサービスを受け取った場合、借方に「仕入」または「費用」、貸方に「前払金」を計上します。

未払金と前払金の処理を行う際には、会計期間に注意する必要があります。会計期間を跨いで未払金や前払金が発生した場合、期末に適切な処理を行う必要があります。

請求書仕訳に関するその他の疑問:よくある質問への回答

請求書仕訳に関するその他の疑問について、いくつか回答します。

領収書の保管期間は?
領収書の保管期間は、原則として7年間です。ただし、欠損金の繰越控除を行う場合は、10年間保管する必要があります。

インボイス制度開始後の仕訳の変更点は?
インボイス制度開始後、仕入税額控除の計算方法が変更されました。適格請求書がない場合は、仕入税額控除が適用できなくなる場合があります。

電子帳簿保存法への対応は?
電子帳簿保存法に対応するためには、電子的に保存された帳簿や書類の保存方法に関する要件を満たす必要があります。具体的には、真実性の確保、可視性の確保、検索性の確保などを行う必要があります。

まとめ

請求書の仕訳は、経理業務において非常に重要な役割を果たします。本記事で解説した内容を参考に、請求書の仕訳に関する知識を深め、正確かつ効率的な経理処理を実現してください。

経理業務の効率化には、AIを活用した自動仕訳も有効です。TOKIUMの経理AIエージェントは、請求書の読み取りから仕訳、承認までを自動化し、経理業務の効率化を支援します。ぜひ、TOKIUMのサービスをご検討ください。

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